阿部ブログ

日々思うこと

亜麻仁油が大人気だ ~健康にも良いし、小銃のメンテナンスにも良い~

2012年03月17日 | 日記
亜麻仁油と言うと個人的には、64式小銃の銃把、握把に塗る油。

64式小銃とは、前の自衛隊の正式銃。1964年に制式採用されたので64式と呼ばれる。この小銃は、戦後初の国産小銃で、自衛隊と海上保安庁で配備された。

口径は7.62mm。現在陸上自衛隊に配備されているのは64式の後継小銃「89式小銃」、口径は5.56mm。この口径は米軍とNATO同じで相互運用性を重視している。重さも64式の半分程度の2Kgと軽い。
64式小銃は、今も海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁で現役だ。だから各部隊では64式小銃のメンテナンスに今も「亜麻仁油」を使っている筈だ。

小銃の銃把や握把などに亜麻仁油を塗る事を「オイル・フィニッシュ」(油仕上げ)と言うが、これは亜麻仁油が、木質部の表面に適度に染み込みつつ油塗膜を作り保護する為、木の質感を殺さず、自然な美しい仕上がりになる。
美術工芸品のような高級銃は、最終的な仕上げ亜麻仁油で「オイル・フィニッシュ」している。

64式小銃は実戦用途なので木目が美しく光沢を持つような手入れは必要ないが、儀仗兵の小銃は、亜麻仁油で念入りに手入れされる。

儀仗兵の小銃の場合、亜麻仁油を薄く塗っては1日程武器庫などで乾燥させ、翌日また取り出して、銃把や握把に亜麻仁油を塗って、また乾燥させると言う、ステップを繰り返すと最終的に亜麻仁油の油層が積層され、とても美しい光沢を放つようになる。
速乾性のウレタン塗装剤などで仕上げ剤すると、早いが自然が醸し出す独特の美しさを得る事は出来ない。
やはり亜麻仁油で長時間かけて手入れを続ける事が、64式小銃とは言え、美術品相当の高級銃に匹敵する輝きを得る事が出来る。
繰り返すが、これは儀仗兵というか実戦には関係ない銃の話し。普通の部隊でも亜麻仁油を使ってメンテナンスするがこれは単に亜麻仁油の油膜により腐食を防ぐ為に使用する。

さて、亜麻仁油は健康に良い言う事で、楽天などで良く売れているようだ。

今、我々の食生活では、コーン油や大豆油、ベニバナ油が多用されている。これらの油はオメガ6系脂肪酸と言われる油。
これらの油を製造する際、化学溶剤で原料の中の脂肪分を溶かし出し、その後に熱する事によりつくらる。また食用油の製品寿命を延ばす為に水素を添加している。食用油に水素ガスと触媒を高圧下で強引に注入して“飽和”させている。
このような乱暴な製造方法による油が健康に良いわけがない。

化学溶剤で製造された油にはトランス脂肪酸と言われる有害物質が生まれる。このトランス脂肪酸を大量に摂取すると動脈硬化や心臓病のリスクが驚異的に高まると言われる。
アメリカの食品医薬品局(FDA)では、このような乱暴な化学的製法による油を“危険な油”と定義し、しかも表示する事をを義務付けている。

最近では日本油脂栄養学会もオメガ6のリノール酸油、即ちコーン油やベニバナ油などの過剰摂取に警告を発している。

健康の維持には必須脂肪酸が、文字通り必須だが、この必須脂肪酸のバランスが崩れている。つまりオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸のバランスが崩れていると言う。
しかも乱暴な化学製法により「危険な油」となっているトランス脂肪酸、いや「トランス死亡酸」を大量に摂取して健康を害している現状を改善しようと言う事で、今まさに亜麻仁油が注目されている。勿論「有機製法」による純粋な油。

この亜麻仁油はには「αリノレン酸」が豊富に含まれ、これが体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に転換されるという。

早速カナダ産の「亜麻仁油」購入した。
カナダは亜麻(Flax)の世界最大の産地で、特にアルバータ州の完全無農薬で育てられた亜麻は人気が高い。完全無農薬の亜麻種子をゴールデンフラックスシードと言い、低温圧縮抽出法で得られた未精製の亜麻仁油には、大さじ1杯にオメガ3脂肪酸が9200mg程含まれると言う。

これからサラダオイルには亜麻仁油を、加熱する料理の時にはエクストラバージンのオリーブオイルを使う事とする。

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