昔のポジ・ネガをスキャンしているとき、
「あれっ、俺ってこんなにヘタだったか?」と
思うような写真がいっぱい出てきた。
しかし、当時は「よし、うまくいった」と思って
いた作品も、今スキャンしてみると、
イマイチなのである。
これは、どういうことか。
ポジ・ネガが劣化したためか?
いやいや、色は褪せるが、シャープネスまでは
簡単に甘くならないだろう。
なんかゆる~く、眠く、ボケボケなのである。
昔の写真と近頃撮影した写真を、見比べてみた。
ふ~ん、なるほどね。
レンズの焦点距離は、ほぼ同じである。
どちらも私が撮影した写真。だから腕は同じ(笑)。
これが昔の写真。
これが、近頃撮影した写真。
シャープネスがまるで違う。
こんな写真見せられた日にゃ、昔の写真なんて
見てらんねえわな。
昔はフィルムの乳剤の粒子の細かさにどれだけ
レンズの解像度が追いつくか、という競争だった
のだが、今は、イメージセンサーの高解像度化に、
レンズの解像度がどれだけ追いつくか、
の競争になっている。
でもね、これって技術的な問題だけじゃないのよ。
世間一般のブーム、流行も影響してる。
今はシャープな、業界用語で言う「ピンカリ」が
好まれる。
だから、ポートレートを主に撮影する人なんか、
わざわざ軟調に仕上がるレンズを探して使って
いたりするのよ。
レンズにも技術革新というものは存在する。
だから、日々改良されているレンズは自ずと
性能が向上する。
今の廉価版レンズでも、10年前の高級レンズ並みの
性能である。
その点は、うれしいことだ。
ただ、「これ以上の性能向上には、○○がいる
んです」と今までなかった新素材のレンズとか
登場して、どうしても価格が高めになってしまう。