—天台ジャーナルの令和4年6月1日号—
—辞令を伝達される役員 左から2人目が眞鍋氏—
―廬舎那仏の前で法楽をする岩田教学部長—
天台宗檀信徒会(眞鍋幸意会長)の今年度の第一回役員会は先月12日、京都市東山区の方広寺で開催されました。眞鍋会長は会津天王寺の檀信徒会長でもあり、全国のトップとして、天台宗のために尽力されておられます。
同役員会が宗務庁(坂本)以外で開かれるのは今回が初めて。延暦寺を初めとする滋賀や京都の天台宗の仏教文化に触れてもらおうと、所管する教学部布教課企画しました。方広寺以外にも、目と鼻の先の京都国立博物館で開催中の「最澄と天台宗のすべて」も見学しました。
同役員会終了後、木ノ下方広寺住職から同寺が所蔵する文化財の説明がありました。豊臣秀吉が祀られている豊国神社が隣接しており、1586年に秀吉が請願した大仏を安置したことで知られています。その大仏は「東海道中膝栗毛」でも取り上げられています。大仏は焼失してしまいましたが、現在はその10分の1の廬舎那仏が安置されています。
歴史に造詣の深い方はご存じだと思いますが、秀頼の時代の1614年に完成した梵鐘に「国家安康」「君臣豊楽」と刻まれていたために、家と康が離れていたことや、豊臣だけが栄えることを願ったとして、徳川方が難癖をつけ、豊臣家が滅亡するきっかけになったのでした。そうした歴史の舞台となった場所だけに、役員の皆さんも熱心に質問されていました。
また、当日は岩田真亮教学部長から新役員に辞令が伝達されました。岩田同部長は「せっかく皆さんに集まってくださる皆さんに会議だけではもったいないと考えた」と挨拶されました。
眞鍋会長も「今後もこのような機会は時間さえ合えば可能」と要望されていました。来る7月8日には檀信徒会長会議が比叡山延暦寺で予定されており、昨年同会から奉納された賽銭箱、根本中堂大改修の模様を見学することになっています。私も眞鍋会長のお伴をいたしましたが、檀信徒の皆様のお力があるからこそ、今の天台宗があるのだと思います。
合掌