また今年も忘れることができない3月11日がめぐってきました。それに先立って、天台宗では去る4日午後1時から南相馬市原町区高見町、フローラメモリアル原町において、東日本大震災13回忌物故者慰霊法要を執り行いました。
この法要には本山から宗務総長の阿部昌宏師、延暦寺からは執行の水尾寂芳師が参列されて読経を上げました。私も参列者の一人として合唱いたしましたが、目をつむると、津波で廃墟と化した浜通りの光景が、未だに瞼の裏に焼き付いています。
東日本大震災での死者は、東北地方を中心にして、2万2318名の死者・不明者が出ました。家族や肉親を奪われた人たちの悲しみは、未だに拭い去れずにいると思います。
そこに思いをいたすとき「諸行無常」という言葉を考えてしまいます。あくまでも現象世界はつかの間のときであることを再認識させられました。人生の儚さを嘆くとともに、生きていく上で、もっとも大事なのは信仰を持てるかどうかなのです。
あれから12年の歳月があっという間に経過しましたが、まだ復興の途上であります。生老病死からは、誰も免れることはできません。今回の法要に参列いたしまして、天台宗のことを一人でも多くの人に知っていただけるように、これまで以上に尽力せねば、と思いを新たにした次第です。
合掌
あいさつをされる延暦寺執行の水尾寂芳師
参列者によるご焼香