会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

危機の時代だからこそ「四諦、八正道」なのです 柴田聖寛

2020-03-30 07:10:16 | オピニオン

 新型コロナウイルスで世界はパンデミックになっていますが、かろうじて日本は今持ちこたえています。しかし、今後どうなるかは誰も分かりません。
 一仏教徒として私は、危機の時代だからこそ「四諦、八正道」なのだと思います。四諦とは真理、真実のことです。釈迦が得た悟りの内容、すなわち縁起の真理(初転法輪)といわれています。

 〇苦諦 この世は苦であるという真理

 〇集諦 苦の原因は煩悩や執着である真理

 〇滅諦 世の無常を超越し執着をなくすことが苦の消滅した悟り、境地である真理

 〇道諦 苦の消滅に至るに、正しい修行が必要である真理

 正しい修行とは八正道のことです。

 これには正しい見解(正見)

     正しい思考(正思惟)

     正しい言葉(正語)

     正しい行為(正業)

     正しい生活(正命)

     正しい努力(正精進)

     正しい憶念(正念)

     正しい精神集中(正定)

 それでこの四諦を迷いと悟りの両方、両面から因果関係を考察しますと、

 〇集諦―迷いの原因―苦諦はその結果です。

 〇道諦は悟りの原因で

 〇滅諦はその結果と見るべきです。

 そして、能力の劣った者—下根

     真理証明した彼自身―証転

     中くらい―中根―真理を実践するよう勧める(勧転)

     優れた者を上根―真理の存在のみ示す(示転)

 危機の時代にどうするかは、最終的には人間の信仰の問題です。人間至上主義、経済至上主義には限界があります。世界の最先端のテクノロジーや優れた優れた医療技術をもってしても解決できないことを、私たち人間は知るべきだと思います。

 

                          合掌

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天変地異や疫病の時代だからこそ『方丈記』 柴田聖寛

2020-03-27 08:11:41 | 読書

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし」。鴨長明の『方丈記』の冒頭の文章です。
 私も日々思いついたことを書いていますが、時の流れが早いのにはビックリします。2011年3月11日の東京電力福島第一原発の事故から9年目を迎えました。あのときは本山のある関西に向かい、そこで天台宗のお寺様を始めとする各種団体からの支援物資を提供してもらい、それをトラックに山積みしてから福島県に取って返したのでした。私は60代でまだまだ馬力がありました。
『方丈記』を読んでいますと、私には過去も現在も同じように見えてなりません。「会津天王寺通信」で私が書いていると、自分が鴨長明になったような気さえします。それほどまでに「ゆく河の流れは絶えずして」という言葉が身に沁みてなりません。
 『方丈記』には「それ、三界は、ただ心一つなり」という仏教の哲学が述べられています。心の持ちようによって、世界は違って見えてくるというのです。
 戦後生まれの私は、食糧難、オームによるサリン事件、東日本大震災と福島第一原発のメルトダウンといったように、幾多の試練を体験しました。そして今回の新型コロナウイルスです。鴨長明の「世の不思議見る事、ややたびたびになりぬ」という思いは、今の私の心境でもあります。ぜひ皆さんも『方丈記』をお読みになることをお勧めいたします。

                   合掌

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖寛の寝言独り言 —世界は危機の時代に― 

2020-03-15 09:33:43 | オピニオン

 春うららということもあって、最近うつらうつらと色々なことを考えてしまいます。米国のトランプ大統領が1930年ころのニューディール政策を断行するのではないでしょうか。米英第一を掲げていることで、せいぜい英国との絆を強化する位で、自国の中で産業を興していくには、それしか方法がないからです。もしそんなことにでもなれば、自由貿易体制を謳歌してきた日本は、小室直樹が書いていたように「大破局の日に会する」(『アメリカの逆襲』)ことになるのです。
 もう一つは飛蝗や蝗の大群が大発生し、ヒマラヤを超えて中国の内陸部に向かっていることです。すでにチベットに到達しており、中国側はアヒルの大群で待ち構えています。ネットの動画で見ましたが、その光景が目に焼き付いてなりません。こちらは天罰があたったように思えてなりません。我が日本でも大干ばつが起きて、食糧難になるような気がしてなりません。
 マネーマネーと世界中がお騒ぎになって、マネーウイルスに感染してしまっているので、コロナウイルスにとどまらず、次から次へと災難に見舞われるというのが私の予測です。

  合掌

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災物故者法要と新型コロナ退散の御祈祷 柴田聖寛

2020-03-14 16:01:33 | 信仰

 

 会津天王寺では去る3月11日午後2時から第9回東日本大震災物故者法要並びに新型コロナウイルスの退散の御祈祷を執り行いました。
 当日は滋賀県長浜市の玉泉寺様、埼玉県熊谷市の厄除け常光院様との三カ寺同時の法要と御祈祷となりました。
 式では物故者供養として「法華懺法」を読誦して六根の罪障を懺悔し、後生善所を願う儀式を行いました。引き続き「観音経」の「一心称名 観世菩薩 即時観其音声 皆得解脱」などを唱えて、「一日も早く新型コロナウイルスの病魔が世界から駆逐されますよう」とお祈りを捧げました。
 参列者には1千年ぶりに復刻された「元三大師疫神病除」の御札をお授けしました。玉泉寺の吉田慈敬御住職いただいたお札で、厄除の御大師様として知られているだけに、皆さん大切にお持ち帰りになられました。
             合掌

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災物故者法要で「元三大師疫神病除」御札をお授けします! 

2020-03-09 23:29:49 | 信仰

 

 会津天王寺では3月11日午後2時から第9回東日本大震災物故者法要を執り行いますが、例年同様に滋賀県長浜の玉泉寺様、さらに新たに埼玉県熊谷市の厄除け常光院様も加わり、本年は三カ寺同時の法要となります。当日参拝された方には「元三大師疫神病除」の御札をお授けいたします。新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっていることもあり、「厄除け大師」とも呼ばれる元三大師ゆかりの玉泉寺の吉田慈敬御住職が疫病退散の願いをこめて復刻されたものす。吉田御住職がその思いを文章にされていますので、御紹介いたします。

 東日本大震災から早くも9年がたち、昨年末からコロナウイルスが猛威を振るい、世界的な広がりを見せ、と同時に東京オリンピック開催も危ぶまれる事態にさえなってきました。
 古来、不明な病気が疫病神に依るものとされ、恐れられきました。最新科学や進んだ医療技術をもってしても、転変地異や人間の労苦・病苦・死苦を逃れることはできません。
 「病は気から」との言葉がありますが、「人にうつさない・自身もかからない」とのゆるぎない気持ちを持ち続けるために、このたび「元三大師疫神病除」の御札を復刻いたしました。

 心穏やかに、そして心強くこの災難を乗り越えることができますように。この災いを教訓として、人間至上主義や経済至上主義の限界に気づかれ、天地自然に感謝し、我が国の「和」(共助・結・共生)の精神が見直される時代となりますように。

                       感謝合掌

 なお、御参拝頂きます皆さまは「うつさない・かからない」ためにマスク等のご準備の上お越しください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする