先月8日に延暦寺会館で執り行われた年賀式で、小堀光實延暦寺執行から平成30年の比叡山から発する言葉として「憶和敬」が発表されました。法華経三部経の結経「観普賢菩薩行法経」のなかの「お互い和をもって敬い合う」と導いた教えにもとづくもので、六和経からなっており、身和敬、口和敬、意和敬、戒和敬、見和敬、利和敬で、それぞれ礼拝、讃美、信心、戒め、見解、修行を意味します。穏やかな心を保ち、つつしみ深く相手を敬う心があれば、争いが生ずることはないのです。とくに今の世の中は殺伐としています。さらに、東アジアの情勢は、まさしく戦争一歩手前です。小さなことから大きなことまで、平和を維持するには「憶和敬」なのです。その言葉を噛みしめ噛みしめ、この一年日々の祈りを捧げていきたいと思っていますので、何卒ご指導ご支援のほどよろしくお願いいたします。
合掌
洪自誠の『菜根譚』には「人を看るには只後の半截を看よ」という言葉があります。「晩節を汚してはならない」ということです。人格者の上に人格者をつくるというのが私の目標です。高齢になってくるとなおさら、日々の行いが菩薩道、菩薩行であるかどうかが問われるのです。誤った決定をすれば、いかにこれまで功績があった人でも、全て帳消しになってしまいます。今年は20年ぶりの大雪に見舞われました。除雪の労力や費用も馬鹿になりませんから、行政ばかりでなく、それ以外の組織でもトップに立つ人の責任は重大ではないでしょうか。
合掌