今年もまた平和への誓いを新たにしました。昨年に引き続き、日中韓仏教友好交流会議に参加いたしました。今回の開催地は日本で、去る9月12日に神戸市中央区の立正佼成会神戸教会で開かれ、約300人が集いました。
世界平和祈願法要に引き続いて、日中韓のそれぞれの代表者が「現代に生かす仏教の慈悲心」と題して基調講演を行いました。日本からは武覚超日中韓国際仏教交流協議会理事長(前延暦寺執行)、中国からは明生中国仏教協会副会長、韓国からは悔省韓国仏教宗団協議会副会長が演壇に立ちました。
私ども天台宗の武同理事長は「世界の各地では戦争やテロ、紛争や殺戮が絶えません」と指摘するとともに、「今求められているのは、仏教の慈悲の心ではないでしょうか。すなわち御仏の慈悲の心を原動力として、人間らしい『思いやりの心』を取り戻し、共に支え合う世界を構築していかなければならないと考えます」と述べました。さらに、擬態的な提言としては「私達三国仏教徒は、率先して他者のために慈悲の活動を積極的に行うと共に、その指導的役割を果し、御仏の慈悲心を根源とする思いやりの精神を現代社会に布衍(ふえん)していかなければならないのであります」と訴えました。
また、大会の最後には「仏教の慈悲心を基に現代社会に則した形で人心に寄り添い、世界平和と人々の安寧のために三国仏教徒が共に協力して、より一層努めていく」との趣旨の共同宣言文を採択しました。
戦争の悲劇を繰り返さないためにも、仏教者一人ひとりの信仰心が試されているのではないかと思います。
合掌
写真中央が武覚超日中韓国際仏教交流協議会理事長