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いやいや恋人の話ではありません。この人に会いたくない理由はね
私が(小さな)畑を始めたと言ったら、千両(センリョウ)の木と、ギオンムクゲの木を「お祝いに!」って
持って来て下さったの。ギオンムクゲは、わざわざ挿し木をして迄プレゼントをして下さったの。
勿論私も大事にして様子を見ていたんだけど、昨年の夏あの猛暑だったからか赤ちゃんの
ムクゲの木は耐えられなかったらしく、枯れてしまったのです。
だけど愛情を込めて頂いたプレゼントなのに「枯れちゃいました」とも言えず、電話がかかっても
その話題に触れたくなくて黙っていた。でもお会いすれば絶対その話題になると大げさに
言えば、怯えているわけで・・・
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昨日シルバー大学・文学の講座に行くので、いつもは乗らない電車に、たった二駅乗った
だけなのに、車両だって沢山有るのに、不思議!引き寄せられる様にN子さんの正面に
入ってしまった。
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「天皇陛下と同年なのよ、それだけが私の自慢」なんて嬉しそうにする彼女が、いち早く
私を見つけた。「しまった―ドキッ」としたけど後の祭り。
彼女も「まさかこんな所で貴方に会えるとは」とニッコニコだった。加えて
「うちの子たちも(2本の木)見に行ってあげなきゃ~」ハー、フーと言うだけで会話にならないが
ラッキーな事に彼女は、次の駅の体育館で「卓球の練習が有るので」と、大きく手を振りながら
降りて行った。
勿論ホッとしたのは言う迄もない事だけど…。
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「まずい、やっぱり気にかけて下さっているのだ」千両は育ちが良いわけではないが、
何とか葉を見れば千両と分る、でもムクゲは影も形も無くなっている。
もしかして土が合わないのかなーなんて思いながら、新しい木を探したが地元には無かったので
其の侭になっている。
出来れば結論が出る迄(代替品を見つける迄)お会いしたくない人だった。
せめてものいい訳に、新しい木を買って植えたいと思っているのに・・・。
ただ「枯れましたー」って言うのも辛いし~なんてグダグダしている私。
そんなのが通じてしまったのかしら?。電車に乗って目の前にご本人が座っているなんて
考えられない偶然、ショックだッたわー。
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