毎年、福島県へ行くときに
父ちゃんは、母ちゃんの好きな山野草のお店へ寄ってくれました。
母ちゃんが山野草を見ている間父ちゃんは、
笑ちゃんと散歩をしたり、
車で休憩していたり。
そんな時間も好きなんだと言っていたっけ。
一人静。(ひとりしずか)
今年も静かに咲きました。
派手さは無いけれど、
見惚れてしまう山野草です。
駐車場の自動ライトの設定。
日没時間に合わせて季節ごとに変えるもの。
父ちゃんの役目でした。
機械音痴の母ちゃんは困り果てました。
たまたまライト切れで、電気屋さんに来てもらい。
そのときにやり方を教わりました。
父ちゃん亡くなる数日前に、
『ZEROコーラ買ってきて』と。
吐き下しの凄まじいときだったので、
ムカムカ感を少しでもなんとかしたかったのだろう。
息苦しさも増し、意識も遠のくあたりだったので、
飲んでないんだろうなあ。
そう思っていました。
病院から荷物を引き上げてから、
葬儀だ、手続きだ、来客だと、
忙しさにかまけて、そのままにしていた父ちゃんの荷物。
四十九日翌日から一気に動き出した母ちゃん。
やっと父ちゃんの荷物に手をつけました。
飲んでいないだろうと思っていたコーラ。
↓これだけ飲んでいました。
先生に言っても吐き気やムカつきが変わらない。
ならば、コーラでスッキリ。
そう思ったのだろう。
最後の最後まで戦っていたんだなあ。
生きることを、復活することを、
諦めていなかったんだなあ。
この一本のコーラが伝えてくれました。
声は無くとも、ちゃんと伝わったぞ、つよし。
よく頑張った。偉いぞ。
たった一本の飲みかけのコーラ。
泣けて。
泣けて。