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Ⅱ.アメリカでいま起きていること――米国の反ユダヤ主義① :240107情報
国際政治学者の解説です。
これはシリアスな話題ですが、米国内の反ユダヤ主義が活発になってきてしまい、困ったことになっています。この反ユダヤ主義のレイシズムが盛んになると、日本人に対する差別、有色人種に対する差別、アジア人に対する差別などが必ず一緒に起きてくるのです。
これの影響として、民主党から共和党への転向組が続々と増えていると言われています。これはリベラルの今までの偽善が暴露されてきたと言っても良いでしょう。この辺を詳しくお話してみたいと思います。
保守系ユダヤ人のデイビッド・サックスという人物は共和党支持者ですけど、シリコンバレーで財を成した方です。サックスはイーロン・マスクの仲間でもあり、PayPalで成功した人間の1人でもあります。
デイビッド・サックスがポッドキャストに出て「自分は共和党支持ですけど、今までユダヤ人は圧倒的に民主党支持者が多かったけど、アメリカにいる彼らは共和党支持になって増えていくだろう」と言っています。今までも1割〜2割くらいのユダヤ人が共和党支持というのは保守系であったけど、残りは圧倒的に民主党支持でした。
昔の図式で言うと、ユダヤ人も後発移民ですから、アメリカに入ってきます。そうすると、キリスト教社会の中のユダヤ教徒ですから差別される少数派であるということを助けてくれる黒人たちとも連携する民主党と共に、後発移民の人権を守るという図式だったのです。また黒人解放運動と公民権運動というのが50年代からあるのですが、黒人の人たちも有権者であるはずなのに、なかなか投票できませんでした。
そういった問題を解決する公民権運動の一つで「シビルライトの運動」というものがあったのですけど、このときに一生懸命、彼らを助けたのがユダヤ系のリベラルの人たちだったそうです。その公民権運動の時代は皆平等で良かったと言われています。
肌の色は関係ない、アメリカ人なら平等にしようというのが公民権運動です。
ところが民主党の一番大事な運動が公民権運動から最近はWoke Ideologyに変わりました。要するに目覚めた人たちという思想に変わってきたのです。
このWoke Ideologyというのは、対立軸を持ち込んできて虐げられた側の人間が正しくて、それが立場を逆転する一種の社会革命をやるのが良いという考え方です。
LGBTの問題も同様ですけど典型的に言うと黒人差別を示しています。
そのWoke Ideologyによると1620年、アメリカが始まった年と言ってもいいのですが、メイフラワー号という船に乗ってイギリスから移民が入ってきました。彼らは信教の自由、宗教の自由を求めてきた人たちであり、イギリスの国教会のやり方、アフリカンチャーチのやり方が嫌いだから自分たちなりのキリスト教信仰を実践したいという理由でアメリカに移動してきたのが1620年です。その前の1619年に実は初奴隷がアメリカへ連れてこられました。
当時のアメリカは、まだ独立してない植民地でした。アメリカのWoke Ideologyによると、1620年にメイフラワー号が到達したのですが、その移民の1年前には奴隷制国家としての体制が完成していたとされています。アメリカが独立する前から黒人奴隷を虐げる悪い国家だった、もっと言うとアメリカの遺伝子自体が悪い国家なので、これを潰すしか選択肢がないというイデオロギーになってくるわけです。そして、その虐げられた黒人が正しくて、その他の弾圧している白人は全て許さないと考えています。
ユダヤ人というのはユダヤ教徒であるけど白人というだけで敵になってしまうのです。だからユダヤ人も抑圧階級の一部であり、非抑圧階級のWoke思想からすると許せないということになっています。
とにかく極左で何でも分断して、Woke Ideologyの実際はマルクス主義的な革命思想です。だから少数派の人たちは何でも正しいと考えていて、LGBTも同様のものになってきます。白人側や黒人側などの人種も含めて肌の色は関係なく、同じアメリカ人として平等にいこうという考え方は共和党もトランプも持っているのです。
トランプ運動もそうですけど、そうではなく白人を取り除いた人種である黒人の方が優越していると考えています。その社会的立場を逆転させるように両者を対立させることによって、社会騒乱や革命を起こしていくとこういう思想です。
このWoke思想に変わってきて、初めの肌の色は関係ないという公民権運動をやっていた時代はユダヤ人も一緒にやれていました。しかし、Woke思想になったらユダヤ人が敵であるということになっているのです。
特に今も続くパレスチナ問題において、ユダヤ人はイスラエルというちゃんとした国家を持っているのですが、パレスチナ人をいじめていたり弾圧していたりして遺憾であり非抑圧階級だと訴えています。
パレスチナ人がイスラエルに対して、ハマスのように暴力を振るって良いといった思想にもなってくるのです。そういった人たちが特にアメリカのリベラリズムの中心である大学で物凄く広がっていて、これはおかしいだろうということに気がつきました。ユダヤ人が左派のリベラルにとどまれないと訴える一方で、共和党の方は肌の色は関係ないアメリカ人として平等であるという考え方です。
だから、共和党に転向せざるを得ないのではないかとデイビッド・サックスは、そういったことをポッドキャストでおっしゃっています。彼はイーロン・マスクとも仲が良いのですが、この辺りの仲間でピーター・ティールという人がいます。彼もトランプ大統領支持派のシリコンバレーの数少ない人です。
ピーターもネット上で影響力を行使してもらうとしたら、極左に抵抗されて乗っ取られていた民主党にショックを与えて、民主党支持者から共和党支持者がユダヤ系の人たちで増えるのではないかと言ったのです。ユダヤ系の人たちの中にも財閥、お金持ち、高額納税者、政治に対して献金する人も多いですから、これは共和党にとって有利になるのではないかということが言われています。
(つづく)
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