赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

⑦2024年の展望(最終回)――日本が最も警戒すべき勢力とは

2024-01-23 00:00:00 | 政治見解


⑦2024年の展望(最終回)
――日本が最も警戒すべき勢力とは
:240123報


今シリーズの最終回です。国際政治学者の解説をご覧ください。


日本は大東亜戦争に敗北したわけですけど、日本は3度敗北していると考えています。

一つ目は共産主義者のコミュニティなどの謀略と自らの無知によって、対米開戦に突入してしまったことです。ソ連と戦争したらよかったでしょう。アメリカと戦争しないことを前提としていたら、イギリスと戦争してもよかったかもしれません。

イギリスと戦争するということは、日本は対ソ連戦をやらないでイギリスとだけやったとします。ドイツはイギリスと当時戦ったわけですから、日本はイギリスに宣戦布告したとしましょう。そうするとアメリカが日本に攻めてくる理由はありません。ルーズベルトはアメリカの母親たちに「私は絶対に第2次大戦には介入しません。介入しません、介入しません、介入しません」と3回も言って約束したのです。

だから、パールハーバーのような非常事態がなければ、彼は日本ともドイツとも戦争ができませんでした。日本がアメリカとは何もしないと言っておいて、仮にイギリスだけ開戦したとしましょう。そうすると大東亜戦争初期でやったようにシンガポールを陥落させて、アメリカが占領しているフィリピンは放っておきます。そして、マレーシアを開放して、タイを取ってビルマを開放して、イギリスの植民地を全部解放してしまうのです。

それからINA(インド独立軍)を作って、チャンドラーボースを筆頭に自由仮政府のインパール作戦をやります。インパール作戦は日本の戦闘能力が衰えていたので失敗してしまいましたけど、アメリカと戦わないで日本の陸海軍の力を総合して、インドを攻めていたら解放できていたでしょう。

当時のイギリスの多くの物資は、インドに依存していたのです。日本がインドを解放してしまうということになると、最大の植民地であったイギリスを物質的にも支えていたインドとの間が絶たれてしまいます。インドから物資が供給されなくなるわけです。ドイツは既にイギリスとソ連と戦っています。

そして、ドイツが中東に攻め入ってくれば、スエズ運河も確保してしまうのです。スエズ運河は今フーシ派というのが出てきて紅海も使えなくなっていますけど、イギリスの最大の海外植民地であったインドとの関係は完全に断絶してしまいます。そうすれば、イギリスはいち早く降伏していたでしょう。

当時日本でも英米は可分なのか不可分なのかという議論があったのですが、チャーチル政権とフランクリン・ルーズベルト政権は非常に近かったです。両方とも当時のグローバリスト政権でもあります。しかし、アメリカが参戦せずにイギリス単独であれば、ドイツと日本が協力して、イギリスを降伏させることはできました。

ましてやコミンテルンの謀略に乗らずに、イギリスを攻めずに日本がソ連だけを敵として攻めていけば、ソ連邦はその時点で崩壊していたでしょう。そうすると、ソ連の共産主義の脅威というのは、世界的にそのときにはなくなっていたということになります。

日本は悪い選択を重ねて、ソ連邦を真の第2次大戦の勝者にしてしまったのです。共産主義・コミンテルンの謀略に乗せられたのと、情報戦における自らの無知です。昭和16年(1941年)12月上旬には、ナチス・ドイツの対ソ連戦の負け戦が始まるというときに、日本はパールハーバーを攻めていくという間抜けなことをやりました。それで日米開戦に突入してしまったこと、アメリカとの負ける戦争に突入していったのは謀略でやられたことが第1の敗戦です。

2番目は実際に大東亜戦争での戦場における敗北ということになります。しかし、この2番目のアメリカの物量戦に負けた方だけを思っている人が多いです。

戦場での負けの前に、負ける戦争を始めさせられているということが第1の敗戦になります。2番目が実際に戦場で負けていて、3番目は今も続いていることです。戦後思想戦・情報戦での敗北です。いわゆる東京裁判史観が蔓延したことだと言えます。日本は全部悪い国だということです。

そして、この日本を救うように努力した人たちの努力も全て真っ黒に塗ってしまっています。日本は侵略国の悪い国であり、日本は憲法9条により武装もしてはいけない、あるいは自衛すらできないという東京裁判史観が広まっています。これが3番目の敗戦であり、本当に気をつけなければいけないということです。

東京裁判史観はだいぶおかしいということが言われていますけど、最近気をつけないといけないのは一見右翼的な言論です。日本は大東亜戦争に勝てたという論ということになります。アメリカと戦っても勝っていたというのが、なぜ具合が悪いかというと、コミンテルンの謀略を全部忘れさせるからです。コミンテルンの謀略で日本が負けるべくして負ける戦争に突入してしまいました。

コミンテルンの謀略を全て忘れさせるために「日本は必勝法があったからよかった。戦争は間違ってなかった」という議論です。一見右翼的で勢いがいいので気をつけないといけません。まさに尾崎秀実ではないでしょうか。

当時、過激な愛国心を煽って「鬼畜米兵」と言って、誰がどう見ても愛国者だと思っていた人がソ連のスパイだったのです。日本の実力という観点で、現実をしっかりと見つめないといけません。それから大東亜戦争聖戦論も私は反対です。この聖戦論というのも「あれは素晴らしいことで、植民地を解放する戦いだった。だから、日本は負けても身を粉にして善を為した」と言って喜んでいます。それは一面の真理です。

日本の戦争でインドも解放されて、東南アジアの国も独立をしました。その勢いで、アフリカの国も独立したという意味では、日本は大きな貢献をしています。しかし、日本が滅んでしまったらどうするのですか?大東亜戦争聖戦論で全てを真っ白に塗ってしまう、または真っ赤な共産党の謀略、ソ連のコミンテルンのスターリンの謀略というものが見えなくなってきてしまいます。日本が悪い国だったと言って真っ黒に塗ってしまっても、赤い謀略は見えなくなってしまうのです。

一見右翼的な議論をして今度は真っ白に塗られたら、日本は真っ白な素晴らしい国だということによって、その陰に隠れている赤い謀略が見えなくなってきてしまいます。要するに、共産主義者の謀略を隠蔽することになってしまうということです。この思想戦での敗北は今も続いているのですが、特に気をつけないといけないのが現在進行形の問題である反米屋の暗躍になります。反米屋の暗躍に注意ということです。

一見すると日本のナショナリズムを訴えて、非常に立派なことを言っているようだけど、よく聞いてみると反米のことを言っていて、アメリカは悪い国だという話をしています。今の日本は、アメリカとの関係なくしては成立しませんから、日本を孤立化させるような反米主義を広めれば、日本は自分で自分の首を絞めるようなものです。

確かにバイデン政権は駄目だけど、トランプ政権ならいいというふうに、個別に見ていかないといけません。これは同じナショナリストであるとか、同じ民主的なナショナリストの政権が出てきたら仲良くしようというのは良いでしょう。バイデンのような無国籍グローバリスト政権が出てきて警戒しようというふうに、個別に見ていかないと駄目です。

レーガンのように立派な人が出てきたら、日本はアメリカと協力した方が良いでしょう。アメリカ市場というのは日本にとって最も儲かる豊かな市場です。または最も肥沃な大地であり、日本企業が最も儲けさせてもらっているのがアメリカであります。そのアメリカを大事にしないといけないし、アメリカの実力もしっかりと我々は評価しないといけません。

この反米屋の暗躍に注意ということで、保守派のふりをした反日左翼の活躍があります。この人たちは親中派であり日本を弱くしたいのです。中には親英派というのも中にいます。イギリスの旧エスタブリッシュメント(イギリス守旧派)に操られて「イギリスはいいけど、アメリカもトランプも駄目だ」と言っているような人たちもいるのです。

イギリスも日本に対して、なかなか巧みにいろんな情報戦を仕掛けてきていますから「イギリスに従っていれば大丈夫」と言っている英国派というのは現在もいます。この英国派というのはイギリスで額に汗して働いている英国民を代表しているのではなく、いわゆるイギリスのタックスヘイブンの守旧派と結びついた人たちが日本の保守勢力の中に入ってきて「アメリカは駄目だけどイギリスはいいよ」と言っています。これも気をつけないといけません。

いわゆる保守と言われている中に反米屋がいて、反日左翼主義を実際上は宣伝しているというところもあります。この辺りもしっかり見抜いていく必要があるのです。今回は戦前の統制派と皇道派の話から日本の間違った外交判断は何だったのかということを考え、こんにちまた同じ間違いを犯さないようにするにはどうしたらいいかということについて、お話をいたしました。



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