赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ロシアの暴挙を煽った人物 コラム(393)

2022-03-03 10:20:47 | 政治見解



コラム(393):ロシアの暴挙を煽った人物

ロシアのウクライナ侵略は言語道断ですが、認知症になったと思われるプーチン氏にウクライナ問題を煽り続け、侵略に駆り立てた人物がいます。いまでは、まるでそんなことはなかったかのように振舞い、激しくプーチン批判を繰り返す人物、それが米国第46代大統領ジョ―・バイデン氏です。

バイデン氏とウクライナの蜜月関係

まず、全米を二分した2020年の米大統領選挙戦を思い出していただきたい。現職のトランプ大統領は民主党側から「ロシア疑惑【※1】」で激しく糾弾され、一方、バイデン氏はトランプ陣営から「ウクライナへの政治的圧力」を指摘され、稀に見る泥仕合になりました。
【※1】2016年の大統領選挙期間中にトランプ陣営とロシアが接触して何らかの連携があったのではないかと問題視された。ただ、最近になって民主党側の捏造工作だったことを示す捜査結果が明らかとなる。

ここで注目するのは、トランプ陣営が指摘したバイデン氏とウクライナの密接な関係です。バイデン氏の次男ハンター・バイデン氏がウクライナで捜査対象となっていたこと、そしてその問題を当時の副大統領であったバイデン氏がもみ消したことがありましたが、それほどバイデン氏とウクライナには深いつながりがあり、その関係性がウクライナの悲劇を招来させたのではないかと思われるからです。
【※1】バイデン氏の次男であるハンター・バイデン氏は、2014年から2019年まで、ウクライナの天然ガス会社であるブリスマ・ホールディングスの取締役を務めていた。同社は、2016年までに何らかの疑惑を抱えウクライナ検察当局の捜査対象となっていたが、父親のバイデン副大統領(当時)がウクライナを訪問した際に同国の検事総長を罷免するよう要求すると、まもなくウクライナ議会は検事総長を罷免。会社は、検察当局からの追及を免れた。

バイデン氏とウクライナの密接な関係を時系列でまとめてみますと

① バイデン氏はオバマ政権の副大統領に就任。2009年7月にウクライナを訪れ「ウクライナがNATO加盟を選択するなら、米国は強く支持する」と伝えた。

② 2014年に親欧米派デモ隊によって親露派・ヤヌコビッチ大統領が追放されると、ロシアのプーチン大統領はクリミアを併合。東部でも親露派が独立を宣言した。

③ このときバイデン副大統領は「モスクワに侵略の代償を血と金で支払わせる」と主張するも、オバマ大統領はその強硬論に与しなかった。

④ バイデン氏は2014年に3度ウクライナを訪問。この間、バイデン氏は「いかなる国も他国の領土を奪う権利はない。われわれはロシアの違法なクリミア占領を絶対に認めない」等演説を行う。

⑤ バイデン氏は当時のポロシェンコ・ウクライナ大統領に「NATO加盟」を努力義務とすることをウクライナ憲法に明記させた。その後ウクライナは「NATO加盟を優先事項にする」という法律を制定し、2019年には、同国憲法116条に「NATOとEUに加盟する努力目標を実施する義務がウクライナ首相にある」という条文が追加した。

⑥ なお、一連のウクライナ訪問には、次男のハンター・バイデン氏が必ず同行してきた。ハンター氏は、2014年4月、ウクライナのエネルギー最大手、ブリスマ社の取締役に就任した。ハンター氏は非常勤ながら月5万ドル(約500万円)の報酬を受けた。ウクライナの平均賃金の166倍以上の破格の待遇。

⑦ ブリスマ社には脱税や資金洗浄の疑いがあり、ウクライナ検察当局が捜査していた。在ウクライナ米大使館も徹底捜査を求めており、米政府内にはハンター氏が札付き企業の役員を務めることに批判の声があった。

⑧ しかし、バイデン副大統領は2015年、ポロシェンコ大統領に対し、同社を捜査していたショーキン検事総長の解任を要求した。解任しないなら、ウクライナへの10億ドルの融資を撤回すると警告していた。

⑨ これに応じる形で、ポロシェンコ大統領は検事総長の解任を決めた。議会も承認し、米国の融資は実行された。検事総長は解任後、バイデン副大統領が圧力をかけてきたとメディアで告発した。

⑩ バイデン氏はトランプ政権が誕生する4日前の2017年1月、6回目のウクライナ訪問を行い、キエフで政府高官らを前に、汚職・腐敗の一掃や民主化定着、ロシアへの抵抗を訴えた。


バイデン氏がプーチン氏に与えたお墨付き

ここまで見れば、バイデン氏にはウクライナと利権を伴う密接な関係性と反ロシアという共通の利益で結びついていることがよく見えてきます。しかし、2021年12月、バイデン氏が大統領としてプーチン氏との会談した直後に「ウクライナで戦いが起きても米軍派遣は行わない」というスピーチを全世界に向けて発信してしまいました。

この発言は、「ロシアのウクライナ侵略を黙認する」とのお墨付きをプーチン氏に与えたものにほかならず、ウクライナの悲劇のきっかけを作ってしまったと言っても過言ではありません。

では、なぜ、バイデン氏がこれまで密接な関係を築いてきたウクライナを見捨てる行動に出たのか。その理由は、第一にバイデン氏がウクライナから売るものが何もなくなったこと、第二に戦乱が起きることで次男の犯罪が話題から遠ざけることができること、第三に軍事的な危機はアメリカの武器売却の千載一遇のチャンスであること、第四に世界からロシアの天然ガスを排除することでアメリカ産のエネルギー源に依存させる体質をつくること、第五にその過程で再度アメリカ中心の世界支配構造を再構築する、などなど様々なことが考えられます。

国際政治を冷徹な目でみると、利益の有無、国策名目の損得勘定で国家も政治家も動きます。道義とか相互信頼といった人間が本来的に持つ良心の部分とはかけ離れたところで決断を下したわけです。

その視点に立てば、ロシアのウクライナ侵略で、最も損をしたのはファシスト呼ばわりされるプーチン氏、最も得したと考えられるのは正義の士に扮したバイデン氏ではないかと思います。結局、ウクライナの悲劇は、プーチン氏を煽り続けたバイデン氏の産物だったのです。


しかも、プーチン氏に認知症疑惑があると同様、バイデン氏にも認知症疑惑があります。この分でいくと、バイデン氏は中国が尖閣や沖縄に攻めてきた場合、都合よく約束を忘れて日本はウクライナのように自分で戦えと言ってきそうです。その時、米軍頼みの自民党政権はどうするつもりなのでしょうか。

利権のことしか頭の働かない、あるいは振る舞いがすべて偽善である一連の日本の政治家たちを早急に排除しなければならないときがきたのではないでしょうか。




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