【続戦記】
ジョナサンとなずけられたmissionは、こうして幕を閉じようとしていた。
ただ、日本海を北上していた2機は予想外の事態に遭遇した。ひとつは、
自国の原潜からの対空ロケット弾の攻撃だった。潜水艦は位置情報を知られたくない
為に余程の事がない限りはこうした対空ロケット弾を発射しない。しかし、
45分という時間は長かった。ステルス機能はミリ波レーダーには映りにくいが
潜水艦などのレーダーには反応する。電波妨害機が援護していたが、これが
裏目に出た形だ。熱感知型ロケット弾は 音速で飛ぶ2機に迫っていた。
このままでは、民間の旅客機等を撃墜しかねない為、止む無く迎撃ミサイルを
発射した。自国においてもこれは限られたmissionであり、迎撃されることは
予想していたが、この発射によって各国の傍受部署に一気に緊張が走った。
それを除けばほぼシュミレーションどおりにパーフェクトに最後の5機も無事帰還
したのだった。こうして北朝鮮という国は終焉を迎えた。
【政治】
アメリカが深夜のアタックを極秘で行う必要があったのは、前任大統領が後進国
だったはずのチャイナの台頭と対等の関係という文書に署名したからだった。
アメリカにとって中国は あくまでも格下でなければならないと新大統領は考えた
からだ。さらに、核をちらつかせる独裁者はますます偏向した行動発言を繰り返し
ていたが、それは共産圏が背後にいるというからである。
制裁をしいても効果はなかったし、然しながらこのままではICBMがアメリカ本土を
脅かすことは必至だった。核をもったこの国がそれを背景に様々な揺さぶりを
国際社会に向かってかけていた。何よりも共産主義の国家ではあり得ない3代の
世襲、そして側近を次々と粛清していく独裁者が、いつ核のボタンを押しても
おかしくはなかった。さらに言えば、貧者の武器と言われる生物化学兵器に手を
染めつつあることが判明していた。中国とのパイプ役だった人物も粛清しており
ますます孤立化していくことは必至だった。その時にこの独裁者が世界の禍根と
なり得ることは想像にがたくない。
しかし 圧倒的な戦力で北朝鮮を機能麻痺に追い込むのは簡単だがその後の
覇権をどこが握るのかが重要な課題だった。続く
2017年4月に書いたものです