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弔いの日

2010年01月17日 | できごと

〇NHKのテレビ番組は震災の内容が多い。神戸新聞も震災15年目のニュースが大きく報道されている。やはり震災無くしては神戸は語れないと思う。番組内容を見ていると、涙が出て止まらない。こんな日に私が是非読み返したい詩を載せました。心なごむ詩、元気が出る詩。胸が熱くなる詩。

一月十七日 暁
                     詩人 杉山平一 作
一月十七日 暁闇
導入部もなく 伏線もなく
いきなりクライマックスがきた
往復ビンタさながら右から左から
何ものかに叩きのめされて

轟々の地鳴りに 建物 家具 食器 崩壊する
ドーン ダダーン ガチャガチャンの
大交響楽が高鳴り
ドラマは 終った

薄明のなかに うっすら現像されてきた
阪神の一変した すがた

何んということだろう
一篇のカットバック
在ったものが消え 在るべきものが 無くなって

いまや 隠れていたものに気付かされた
水やガスが ひそかに地の中を走っていたことに
世界に開いた日本最大の窓が神戸港だったことに
日本中が神戸の靴で歩いていたことに
日本中の自動車が神戸の部品で走っていたことに
その神戸が止まった 足元を失なって
危ないかな 日本

だが神戸は支える 支えるだろう
無礼な若者 暴走の少年の
隠れていた優しい心も見えてきた
沈静と秩序を支える文化を持っていることも見えてきた

イギリスの放送は
神戸とは神の戸口の意味だと解説した
見るがよい
戸口には早くも光が見えてくる

       詩集『青をめざして』杉山平一著(編集工房ノア)より

 

 

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