私は時々血を流すし、血を流す現場にも遭遇する。
とはいってもカッターで手をちょっと切ってしまったという程度だが、
それでもバンソウコウから血が滲むくらいは出てしまう。
そんな時、結構間違った止血をする人が多い。
一番多いのが、傷口よりも心臓に近い方を締め付ける行為
これは間違い
例えば指先を切ってしまったとして、手首を握ったりすると余計に血が出る。
採血するとき上腕に駆血帯(血を止めるゴム)を巻くのと同じで、あれは静脈の血管を遮る事で、血管内の圧力を上げている。
血管内の圧力が上がるということは、つまり血が出やすい状況を作るということだから、止血とは全く逆。
こう考えるといい
水道管と蛇口とゴムホース
ゴムホースから出ている水を止めるには、蛇口で止水しなくてはいけない
これがもしも蛇口が壊れ、ホースを手で曲げて止水したとして、ホースに穴が開いていたら、今度は穴から勢いよく水が噴出す。
それを止めるにはどうするかというと、後は水道管側で止水することになるが、容易なことではない。
凍り止めで止水すればいいじゃんとかいうのは無し、この場合あくまでも例だからね、例。
そんで話を戻すと、要は動脈で血を止めるっていうのは結構大変だし、ある程度知識や経験が必要になるから、基本的には難しいことを考えず、患部にハンカチなどを当てて直接圧迫止血するのが一般的。
後、可能なら心臓よりも患部を高い位置に持ち上げる事。
これもポンプで水をくみ上げるのと一緒で、同じポンプであれば、高い位置に水を汲み上げるほうが圧力は弱くなるから。
そうすれば大抵は5分や10分で血は止まる。
血が止まらず傷が酷いようなら、そのまま病院へ行った方がいいです。
不慣れに動脈を止めたり、むやみに止血点を縛ったりすると、かえって組織を痛めてしまったりすることがあるそうなので、よほど緊急事態で無い限り、素人考えは捨ててください。
余談
注射をするときは採血と手順が違います
採血は、駆血帯を巻く→親指を中にしてグー→圧力をかけたまま採血→手を開き最期に駆血帯を外す。
ですが
注射は、駆血帯を巻く→親指を中にしてグー→針を刺す→手を開いて駆血帯を外す→薬を注入。
採血は加圧、注射は静圧