山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

旅のつかれの夕月がほつかり

2011-01-29 23:53:18 | 文化・芸術
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―四方のたより―

一昨日の午後、「SOULFUL DAYS」の一次発送を近くの郵便局に持ち込んだ。
昨日から、受領したとのメールやハガキなどいくつか寄せられている。
突然不躾にも重いものを送られてきた知友あるいは未知の人-生前のRYOUKOの友人など-、その何人かのひとたちが、いま現に手に取りつつ読んでいるかも知れないのだ、と思うとじっとしても居られず、先程まで数時間かけて、自身またまた再読してみた。
それもほぼ終えかけるころ、電話が鳴った。古い神沢の弟子、昔の仲間だった。

<日暦詩句>-13
赤い林檎の頬をして
眠っている 奈々子。

お前のお母さんの頬の赤さは
そっくり
奈々子の頬にいってしまって
ひところのお母さんの
つややかな頬は少し青ざめた
   ―吉野弘「奈々子に」より-昭和34年―


―山頭火の一句― 行乞記再び -145
6月2日、同前。

雨、そして関門地方通有の風がまた吹きだした、終日、散歩-土地を探して-と思案-草庵について-とで暮らした。
午後、小串へ出かけて、必要欠くべからざるものを少々ばかり買ふ。
山ほとゝぎす、野の花さまざま。

老慈師から、伊東君から、その他から、ありがたいたよりがあつた。隣室の奥さん-彼女はお気の毒にもだいぶヒステリツクである-からご馳走していただいた。
自己を忘ず―そこまで徹しなければならない。

ここはうれしい、しづかにしてさびしくない。
だんだん酒から解放される、といふよりもアルコールを超越しつつある、至祷至祝。
緑平老から貰つた薬を、いつのまにやら、みんな飲んでしまつた、私としては薬を飲みすぎる、身心がおとろへたからだらうが、とにかく薬を多く飲むほど酒を少く飲むやうになつたわい。
昨夜はよく寝られたのに、今夜はどうしても睡れない、暁近くまで読書した。

※表題句の外、3句を記す

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Photo/下関市小串の駅舎

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Photo/同じく小串の海


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