よ
夜もすがら 物思ふころは 明けやらで
閨のひまさへ つれなかりけり
ねや
詠んだ人・・・俊恵法師(しゅんえほうし)
詠んだ人のきもち・・・一晩中、振り向いてくれない人のことを思って
眠れずにいる今日このごろは
夜もなかなか明けず
寝室のすきまさえ(明るくならなくて)
無情に思えてしまうよ。
夜もすがら・・・一晩中
物思ふ・・・恋に悩んで、物思いにふけること
閨・・・ねや。寝室。
つれなかりけり・・・無情である。思いやりがない。
(作者は男性ですが、女性の気持ちになって詠んだとの見方もあります。夜にたずねてきてくれない男の人のことを、一晩中思っている。早く朝になってほしいのに、夜さえなかなか明けてくれず、寝室のすきまから朝の光はまだもれてこない。すきまさえも冷たいなあ・・・。この解釈は色っぽくて素敵ですね)