komaの こまごまひとりごと

気が向いたときに更新しています。ただいま「歌の力」カテゴリ工事中。すみません。

子どもといっしょに百人一首 40

2016年04月04日 | 百人一首 桃札

 

 

        ながらへば またこのごろや しのばれむ

          憂しと見し世ぞ 今は恋しき
               う

 

 

 詠んだ人・・・藤原清輔朝臣(ふじわらのきよすけ あそん)

 詠んだ人のきもち・・・生き続けていれば(つらい)今のことが
            なつかしく思い出せるのだろうか。
            つらいと思っていた(かつての)世の中が
            今は恋しく思えるのだから。

 

     ながらへば・・・生き永らえていれば

     憂し・・・つらい。苦しい。

 

 


 


子どもといっしょに百人一首 39

2016年03月28日 | 百人一首 桃札

        

                             
          世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る

                山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる

 

 

 詠んだ人・・・皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶ しゅんぜい)

 詠んだ人のきもち・・・ああ、世の中というものは
            (つらさから逃れる)方法はないものだ。
            思いつめて入っていった山の中でさえも
            (悲しさのために)鹿が鳴いているようだよ。

 

      道・・・方法。手段。

      思い入る・・・思いつめる、という意味と
             山の奥に入る、という意味をあらわす

      鹿・・・牡鹿(おじか)は秋になると牝鹿(めじか)を求めて鳴く

 

 

      


子どもといっしょに百人一首 38

2016年03月23日 | 百人一首 桃札


 

                みね            がわ
        つくばねの 峰よりおつる みなの川

              こひぞつもりて 淵となりぬる
                              ふち

 


 詠んだ人・・・陽成院(ようぜいいん 第57代天皇)

 詠んだ人のきもち・・・筑波山の峰から流れ落ちる、みなの川が
            細い流れから深い淵になるように
            私の恋ごころも、つもりつもって深くなっていったよ


 

      つくばね・・・筑波山(茨城県)のいただき。
             男体山
(なんたいさん)と女体山(にょたいさん)に分かれている。             

      みなの川・・・筑波山から流れ出る男女川(みなのがわ)

      淵・・・水の流れがたまってよどみ、深くなったところ
             

      


     

 


子どもといっしょに百人一首 37

2016年03月18日 | 百人一首 桃札

 

 

           たご うら              しろたえ
           田子の浦に うちいでて見れば 白妙の

          富士の高嶺に 雪はふりつつ
             
たかね

 

 


 詠んだ人・・・山部赤人(やまべのあかひと)

 詠んだ人のきもち・・・田子の浦の海辺に出て、ながめてみると
            富士山のいただきに、真っ白な雪がふっているよ

 

 

      田子の浦・・・静岡県、駿河湾(するがわん)の北西部の海岸

      白妙・・・白く染めた布。「富士」のまくらことば。
           富士山のいただきが雪で白いことをさしている


      高嶺・・・高い峰。いただき。

 

 

(余談・・・今朝、たまたま開いた百人一首の本でこの歌をみつけたときには感動しました。
 というのも、今日は冬坊の小学校の卒業式!
 晴れの門出の朝に、おめでたい富士山の景色を拝ませてもらったみたいな気分です。
 卒業おめでとう、冬坊。6年間の小学校生活、よくがんばったね!)

 

 

 


子どもといっしょに百人一首 36

2016年03月11日 | 百人一首 桃札

 

                       いお  とま 
           秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ

                         ころもで  つゆ
                       わが衣手は 露にぬれつつ

 

 

 詠んだ人・・・天智天皇(てんじてんのう 第38代天皇)

 詠んだ人のきもち・・・秋の田にたてられた仮の小屋は
            草であんだ屋根のあみ目があらいので
            そこで夜をすごしているわたしの着物のそでは
            ぬれつづけているよ。

 


      かりほ・・・稲を刈った穂、という意味と
           仮のいおり(小屋)という意味の両方をあらわしている
                                           
(競技かるたでは「かりお」と読みます)

     庵・・・草などをあんで作った粗末な小屋
         ここでは、刈り穂を見守るために作られた農業用の小屋のこと

   
     苫・・・アシやカヤなどの草をあんだもの

     あらみ・・・あらいので

     衣手・・・着物のそで

     露・・・夜露

                (百人一首、第一首目の歌です)

 

 

 


            


子どもといっしょに百人一首 35

2016年03月08日 | 百人一首 桃札

 

 

           山里は 冬ぞさびしさ まさりける

                人めも草も かれぬと思へば

 



 詠んだ人・・・源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)

 詠んだ人のきもち・・・山の中の里はいつもさびしいけれど
            冬はいちだんとさびしく感じられるなあ。
            人も来ないし草も枯れてしまうと思うと。


     人め・・・人の出入り
                か                
      
かれぬ・・・人が離る(はなれる)という意味と
             
  
           草が枯る(かれる)という意味の両方をあらわしている

 

 

 


子どもといっしょに百人一首 34

2016年03月04日 | 百人一首 桃札

 

 

          吹くからに 秋の草木の しをるれば

                      やまかぜ  あらし
                  むべ山風を 嵐といふらむ


 

 

 詠んだ人・・・文屋康秀(ふんやのやすひで)

 詠んだ人のきもち・・・(山から吹く風が)吹きおろすとすぐに
             秋の草木がしおれ弱る。
             なるほど、だから山風のことを
             嵐(荒らし)というんだろうな。

 


      吹くからに・・・吹くとすぐに

     しおる・・・しおれ弱る

     むべ・・・なるほど、どうりで

     嵐・・・激しく吹く風。
          山から吹く風を「荒らし」と呼ぶのだということと
          山と風をくみあわせると「嵐」という漢字になるということの
          両方を歌っている。

 

         
          

 

 

 


子どもといっしょに百人一首 33

2016年02月28日 | 百人一首 桃札

                     

 

                                    
        立ちわかれ いなばの山の 峰に生ふる

                まつとし聞かば いま帰り来む


 

 詠んだ人・・・中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)

 詠んだ人のきもち・・・お別れして(いなばの国に)行くとしても
            いなば山にはえている松のように
            あなたが待つと聞いたなら、すぐに帰ってきましょう。

 


    いなばの山・・・因幡(いなば。いまの鳥取県)の国にある、稲葉山
             

     
生ふる・・・生える

    まつ・・・松の木と、「待つ」の意味をかけている

 

    
      (行平が、因幡守
(いなばのかみ)になるよう命じられて
       遠い因幡に旅立つことになったときに、詠んだ歌です)

          

 


子どもといっしょに百人一首 32

2016年02月25日 | 百人一首 桃札

 

 

         風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ

                 くだけて物を 思ふころかな


 

 詠んだ人・・・源重之(みなもとのしげゆき)

 詠んだ人のきもち・・・風がはげしいので、岩にぶつかりくだける波のように
            わたしだけが、恋に思い乱れているこのごろですよ。

 


      岩・・・ここでは、思いをぶつけても、つれない女性のたとえ

    
 波・・・ぶつかってくだける自分の恋心のたとえ

 
    くだけて・・・思い乱れる、悩む

   
       

 


      


子どもといっしょに百人一首 31

2016年02月23日 | 百人一首 桃札

 

 

            しのぶれど 色にいでにけり わが恋は

              物や思ふと 人のとふまで




  詠んだ人・・・平兼盛
(たいらのかねもり

  詠んだ人のきもち・・・私の恋心はかくしていたけれど、
            表情に出てしまいました。
            恋に悩んでいるのかと人に問われてしまうほどに。

 

     色・・・顔色、表情

     ものや思う・・・恋の悩み、もの思い