komaの こまごまひとりごと

気が向いたときに更新しています。ただいま「歌の力」カテゴリ工事中。すみません。

子どもといっしょに百人一首 24

2015年10月29日 | 百人一首 桃札

 

 

          音にきく たかしの浜の あだ波は

              かけじや袖の ぬれもこそすれ

 

 
 詠んだ人・・・祐子内親王家紀伊
(ゆうしないしんのうけのき 女性)

  詠んだ人のきもち・・・うわさに高い、高師の浜のむなしい波は、
             そでがぬれると困るので、かけませんよ。
            同じく浮気者とうわさに高い、あなたのことは、
             涙でそでがぬれてしまうと困るので、
             気にかけませんよ。

 

     音にきく・・・うわさ、評判に高い

     たかしの浜・・・大阪府堺市あたりの浜

     あだ波・・・むなしくうちよせる波
           ここでは、心がわりしやすい浮気な男のおさそい、の
                               意味もかねる

     


           


子どもといっしょに百人一首 23

2015年10月25日 | 百人一首 桃札

 

 

        もろともに あはれと思へ 山桜

             花よりほかに しる人もなし

 

 

 詠んだ人・・・前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん お坊さん)

 詠んだ人のきもち・・・あなたをなつかしんでいる私といっしょに
            あなたも私をなつかしんでください、山桜よ。
            あなた以外に、わたしをわかってくれる人はいないのです。

 

    あはれ・・・しみじみと心にしみて、なつかしい

    山桜・・・ここでは、大峰山(おおみねさん 奈良県)に咲いている桜の花のこと。
         行尊は、大峰山にこもって修行をしていた。
         
         

           

     


子どもといっしょに百人一首 22

2015年10月18日 | 百人一首 桃札

 

 

           こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに

             焼くやもしほの 身もこがれつつ

 

 

 詠んだ人・・・権中納言定家(ごんちゅうなごんていか 百人一首をえらんだ人
                       藤原定家 ふじわらのていか )

 詠んだ人のきもち・・・いつまでも来てくれない恋人のことを
            わたしは身もこがれるほどに思っています
            松帆の浦で焼いている藻塩のように

 

     まつほの浦・・・淡路島の北にある海岸
     
     夕なぎ・・・ゆうがたに、海が無風になる時間

     もしほ・・・藻塩。塩のついた海草を焼いて、煮つめてとった塩


 

撰者の歌なので、ちょっとおしゃべり。
この歌、私は昔から響きがすごく好きだったんですが、今回調べてみて
これが百人一首を選んだ人の歌だったと初めて知った情けなさ・・・。
しかも女性の心情を歌ったものだったなんて。
本歌は万葉集にある、海女さんの少女の恋の歌らしいです。

来ない男。待つ女。
松帆の浦の藻塩を焼く風景。煙。潮の匂い。夕暮。
恋に身を焼く。胸をこがす。

主人公が女性だと考えて読むと・・・色っぽい!
他人の歌を99首も選んだ定家。
自分の歌をいっぱい入れたいとは思わなかったのかな。
唯一選んだ自分自身の歌がこれだと思うと
なんだか感慨深いものがありますね・・・。



 


子どもといっしょに百人一首 21

2015年10月11日 | 百人一首 桃札

 

 

           なげけとて 月やは物を 思はする

                かこち顔なる わが涙かな

 

 

  詠んだ人・・・西行法師(さいぎょうほうし お坊さん)

  詠んだ人のきもち・・・悲しめといって、月は私に恋の物思いをさせるのか。
             いや、そうではない。
             なのに月のせいにして、涙がこぼれてしまうよ。

       
       かこち顔・・・かこつける(何かのせいにする)という意味。
              ここでは、月のせいにする。