komaの こまごまひとりごと

気が向いたときに更新しています。ただいま「歌の力」カテゴリ工事中。すみません。

「海辺のカイン」樹村みのり

2016年07月22日 | イラストなどなど

             

 

「海辺のカイン」樹村みのり(mimi 1980年6、8、11月号 1981年1、3月号)
「カッコーの娘たち」   (mimi 1978年4、6月号)
 
 華やかな「りぼん」の世界から、急に地味な画風になりますが。
 あっちとこっち、私には両方の世界が大切でした。


 母親から思うような愛情をかけてもらえず、そのために自分自身の存在も、なかなか受け入れられない展子。
 海辺の町をふらりと訪れた彼女は、年上の女性デザイナーとの出会いを通して、自分のアイデンティティを獲得していく。
 これが「海辺のカイン」。
 もうひとつ「カッコーの娘たち」のほうは、やはり母親からの愛に飢えた少女ビリーを軸に、三人姉妹が彼女たちなりに世の中を渡っていく物語。


 どちらの作品も、たぶん母親は悪くない。母は母なりのやりかたで、ちゃんと娘を愛していた。
 そしてどちらの物語も、母との葛藤だけを描いているわけではなく、親子を超えた人間まるごと、人生まるごとを描こうとしている。
 甘くない余韻。
 それでいて感じる、深い人間愛、人生観。
 それを描き出す表現力、つまり画力と文章力。


 文章力と書きましたが、萩尾望都さんや大島弓子さんをみてもわかるとおり、良いマンガの条件は台詞がすばらしいってことですね。
 文が苦手だから絵、ではなくて、そのまま本にしてもおかしくないくらい、台詞だけでも読み応えがあります。
 画力についてはデッサン力や顔の表情は当然ですが、たとえばこれ。

        


 これはカインの冒頭ですが、俯瞰、人物、波、はだしの足元、脱いだスニーカーときて、わかりにくいですが左下は町並みの絵です。
 これで彼女が海でくつを脱いじゃうような少女であること、海から町に移動したことがわかるわけ。
 文字で説明してもいないのに、映画みたいなカメラワークでちゃんと伝えてるんですよね。


 しかし・・・樹村みのりさんのウィキを確認してみてびっくり。
 この2作を描いた年齢が、まだ30歳前後だなんて。
 シリアスだけじゃなく、アットホームなコメディもお上手ですが、すでに円熟味を感じます。
 私なんか50代になっても円熟の片りんもないっつーのに、プロはやっぱりちがうのね・・・。
 おそるべし、花の24年組!

 

               つづきます


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中1男子、はじめての期末テスト

2016年07月10日 | 子育て甘辛ホンポ(上の子入学~現在)

 先月の話ですが、6月23,24日に中学校の期末テストがありました。
 中間がおわって1カ月しかたってないのに、ずいぶん早い実施ですよね。
 で、その数日前および当日に、冬坊と大変笑える会話を繰り広げましたので、忘れないように書いておこうと思います。


        その1

 土曜日の午前中にEテレを見続けるのが、冬坊のお気に入り。
 ジョージ、ショーン、テストの花道などときて「基礎英語」に入ったとき、ふいにぼそっと私にたずねる。

   冬坊「英語 はごころ って何?」
   私 「え? はごころ?」

 はごころ。羽衣なら知ってますけど・・・。

   私 「そんな言葉、テレビに出てきた?」
   冬坊「書いてある」

 画面を見ると、並んですわる講師の先生たちの名札のところに、キャッチフレーズみたいなものが、それぞれ記入されている。
 その中のひとつが「英語は心」。

   私 「・・・・・(沈黙ののち)英語、はごころ?」
   冬坊「うん(大真面目)」
   私 「・・・・・英語は、心、じゃないの?」
   冬坊「あっ!」

 ・・・冬坊によると、毎週、はごころって何だろうかと疑問に思いながら見ていたらしい。
 幼稚園児ですか!?
 英語講座を見ているにもかかわらず、日本語さえ読めない中学生・・・。
 来週、期末テストだよ。だいじょぶか~、冬坊!

 

        その2

 テスト1日目がおわり、2日目をひかえた夜の9時。
 昼間はちゃんと勉強していた冬坊が、いまはスマホで将棋ゲームに熱中している。
 私が学生だったころは、前日ともなればあせって夜も勉強した記憶があるんだけど・・・。

   私 「すごい余裕だね、冬坊。試験勉強しなくていいの?」
   冬坊「え? こんな時間にふつう勉強しないでしょ」
   私 「・・・今日、お友達のお母さんに会ったけど、
     お友達は塾で3時から9時まで勉強するんだって言ってたよ」

 それも大変だと思うけど、しかし。

   冬坊「へえ(まったく動じず)」
   私 「よっぽど自信あるんだね。不安な教科ないの?」
   冬坊「ある。保健(保健体育)」
   私 「教科書、もう1度読み返しといたら?」
   冬坊「教科書は学校に忘れてきた」
   私 「えっ??」

 動揺する母を横目に、冬坊は落ち着いていた。通信教育で送られてくる問題集があるから、それを見て勉強したという。
 あ、そうですか。びっくりした・・・。
 しかし不安がよぎったため、ためしに適当な問題集を持ってこさせて、成果を確認することにする。
 開いた社会のページにはこんな問題が。

   世界一寒い地域である( )では冬の気温がマイナス30度を下回る日もある

 この( )内に冬坊が記入している答えが「チベリア」。

   私 「・・・これ、シベリアじゃないの・・・?」
   冬坊「いや、チベリア(断言)」
   私 「シベリアでしょ?」
   冬坊「先生が黒板にこう書いてた」

 もしかして、どこかにチベリアという地名があるとか・・・。
 子どもの教科書を見ていると、しばしば自分の思い違いに驚かされることがある。たとえば漢字の書き順とか、けっこう自分のほうが間違ってたりね・・・。
 にわかに自信をなくした私のそばで、スマホを見ていた夫がその地名を検索する。

   夫 「チベリアという言葉は、ない!」
   私 「ほら~、テストでチベリアなんて書いたら、先生笑っちゃうよ」
   冬坊「え~・・・(不満げ)」
   私 「もう少し暗記とかしたら?」
   冬坊「いや、しない(断言)」
   私 「不安な教科ないの?」
   冬坊「ある。保健」

 なんか異星人と話している気分・・・。
 落ち着かない気持ちを抱きつつ、もう少し確かめてみようと世界地図の問題を指し示し、

   私 「この川の名前は何?」
   冬坊「チベリス川」
   私 「チグリス川だ!」
   冬坊「あ、混じっちゃった」
   私 「中国でいちばん長い川は?」
   冬坊「ながえ」
   私 「ちょうこうって読むんだよ!(注・長江)」


 ちなみに・・・。
 期末テストの結果は推して知るべしでありまして。
 中学校のテストは小学校とはわけが違うということを、冬坊も身をもって知ったのでありました。
 2学期の健闘を祈る。でも面白かったな~。

 

            ありがとうございました 

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