komaの こまごまひとりごと

気が向いたときに更新しています。ただいま「歌の力」カテゴリ工事中。すみません。

子どもといっしょに百人一首 44

2017年12月25日 | 百人一首 黄札

 

 

      すみの江の 岸による波 よるさへや

                 夢のかよひ路 人めよくらむ
                  

 

 

 詠んだ人・・・藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)

 詠んだ人のきもち・・・すみの江の岸に寄せる波、
            その「よる」という言葉ではないが
            どうして私は夜の夢の中までも
            あなたと会うのに人目を避けてしまうのだろう

 


    すみの江・・・大阪府住吉区の海辺

   夢のかよい路・・・夢の中で恋人たちが会う道

   よく・・・避ける

 

 

 

(上の解釈だと「人目を避けるのは私」ですが、「避けるのは恋人」という説も有力なようです。
「私」の場合は、人目を気にしてしまう自分の弱さを嘆く歌になりますが、「恋人」だと「どうしてあなたは、夢の中でまで人目を気にするのですか」という意味の歌になりますね。
 どちらにしても「人目を避けなければ会えない状況の恋」に変わりはないですが・・・。

 このブログを書くとき、いつも本とサイトあわせて5つ参考にするのですが、この歌に関しては「私」派3つ、「恋人」派2つでした。
 一応3つのほうをとってみましたが、「恋人」のほうが共感しやすい気もしますね)

            


子どもといっしょに百人一首 43

2017年12月15日 | 百人一首 黄札

 

                 
     これやこの 行くも帰るも わかれては

             知るも知らぬも あふ坂の関

 

 

 

 詠んだ人・・・蝉丸(せみまる

 詠んだ人のきもち・・・これがあの、都から出て行く人も
            都に帰ってくる人も
            たがいに知っている人も、知らない人も
            別れたり出会ったりするという
            逢坂の関なんだなあ

 

 

   あふ坂の関・・・逢坂(おうさか)の関
           
京都府と滋賀県の境にあった関所 
           (この歌の中では、出会いと別れをくりかえす
           人生の縮図の場として、とらえている)

 

 

  余談ですが、私の知っている坊主めくりでは
  これが出ると捨て札全部引き取らなければならないという
  ルールが・・・なんでこの札なのかしら。作者の名前のインパクト?
  作者は、天皇の皇子とか、天皇の皇子に仕えた人とか、
  琵琶の名手であるとか、逢坂の関にいた乞食とか、 
  百人一首の絵だとお坊さんに見えるし、伝記不明の人物らしいです)