「帰らざる氷河」美内すずえ(1975年別冊マーガレット1月号)
小学生のときに読んだ記念すべき名作、第3弾。
当時の別マは、河あきらさん、和田慎二さん、美内すずえさんの3枚看板だったような覚えがあります。
あと市川ジュンさんとか、巻頭とったりしてましたね。
いまの別マからは考えられないスケール感たっぷりのラインナップでした。
上の作品も、本当にスケールが大きくてドラマチック。
国王の落とし胤であるヒロインが、暗殺の手をのがれて何とか生きのびる。彼女には、母親ゆずりの歌の才能があった。
やがて天才歌手として成功した彼女が向かった先は、母を殺した憎むべき故郷。そしてその大劇場で、国王と再会し・・・。
天才の描きっぷりのすばらしさは、美内マンガの独壇場といっていいですね。
少ないコマ数なのにすごく説得力があり、この表現の力が、のちに「ガラスの仮面」を描き出すことになるわけです。
ちなみに、ヒロインの才能を見出す敏腕プロデューサーが登場しますが、これが若きイケメンで(笑)。
思い出すのは、もちろんマヤちゃんと速水社長。こんなところに片鱗があったとは・・・。
さて、「わたり鳥~」でテレビドラマ化を、「超少女~」で実写映画化を希望した私。
この作品では何が希望かといいますと、当然! 舞台化です!
以前から、劇団四季あたりがミュージカルにしてくれないかと期待してましたが、今回読み直して、ますますその気持ちを強くしました。
四季じゃなくて宝塚でも、案外いけるかもしれませんね。いや、いけそう、いけるって絶対。
主人公は女性だけど「エリザベート」ができたんだから大丈夫なんでは?
イケメンプロデューサーの側にもう少しドラマを作ってですね。たとえば彼自身にも、ヒロインの出自に共感できるような過去があるとか、歌に共鳴できるような生い立ちがあるとか。
歌の世界に身をおいた理由を語るとか、彼女を妨害しようとした故郷の追手たちを華麗に撃退するとか、無事に大劇場でコンサートが開けるよう個人的な犠牲を払うとか。いったい私は何を妄想しているのか。
美内すずえさんの読み切りでは「王女アレキサンドラ」というのも、単行本をもってはいないけど印象に残っています。
目の見えない王女が人々の心をつかんでいく、とっても良い話でした。
あ、「白い影法師」ってのも印象に残り、印象を消すのに何年もかかりましたよ(涙)。ああいうのめちゃめちゃ苦手なのに、あまりに流行っていたから読んでしまい・・・。
ホラーマンガの名作、あれを現役女子高生時代に、教室で読んだ恐ろしさ(涙々)。
私の少女マンガ歴の巻頭を飾る3作品を、続けてご紹介しました。
カラー表紙の写真じゃないのは、あまりに古くて単行本の劣化がはげしいためと、モノクロのほうが断然好みであるため。
次回もかなり古いマンガの予定です。巨匠たちとちがってマイナーだから、知ってる人はほとんどいないかもしれないですね。
つづきます