komaの こまごまひとりごと

気が向いたときに更新しています。ただいま「歌の力」カテゴリ工事中。すみません。

子どもといっしょに百人一首 20

2015年04月23日 | 百人一首 青札

 

 

          思いわび さてもいのちは あるものを

                  憂きにたへぬは 涙なりけり
                  


 

 

 詠んだ人・・・道因法師(どういんほうし お坊さん)

 詠んだ人のきもち・・・好きな人に冷たくされたのを思い悩んで、
            それでも、いのちはなんとか保っているのに、
            涙はつらさにたえられなくて、こぼれおちてしまうよ。


     思いわび・・・恋に悩む歌でよく使われる言いかた。
            
        (道因法師が年とってから詠んだ歌なので、恋のことだけではなく
           思い通りにならない人生のこともさしているのだ、という
         読みかたもあります)

 


 

                


子どもといっしょに百人一首 19

2015年04月20日 | 百人一首 青札

 

 

                      ちぎりおきし させもが露を いのちにて

                あはれ今年の 秋もいぬめり

 



 

 詠んだ人・・・藤原基俊(ふじわらのもととし)

 詠んだ人のきもち・・・約束してくださった、させも草にやどる露のような
            お言葉を、いのちと思い頼ってきましたが、
            ああ、今年の秋も過ぎていってしまうようです。



    ちぎりおきし・・・約束しておいた、という意味。
             ここでは、当時の大臣が基俊に約束したことをさす。

          (基俊は自分の息子を講師にしてくれるように大臣に頼んでいたが
          秋になってもしてもらえず、がっかりした)


    させも・・・させも草。ヨモギのこと。
          ここでは、大臣が「講師にさせよう」と言ってくれたという意味も
          こめている。
          
          

         

          
       
        


子どもといっしょに百人一首 18

2015年04月15日 | 百人一首 青札

 

 

                      のき
          ももしきや ふるき軒ばの しのぶにも
                  なほあまりある 昔なりけり

 


 

  詠んだ人・・・順徳院(じゅんとくいん 第84代天皇)

  詠んだ人のきもち・・・古くなってしまった宮中の、軒のはしにはえている
             しのぶ草を見るにつけ、昔のことをしのんでも
             しのびきれないなあ。
            (宮中はすっかり古びてしまった。昔は栄えていたのに・・・)


     ももしき・・・宮中のこと。

     しのぶ・・・しのぶ草(シダの一種)。
           ここでは、昔をしのぶ(なつかしく思い出す)意味もこめている。

 

 
           
     


子どもといっしょに百人一首 17

2015年04月14日 | 百人一首 青札

 

 

         
         夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも

                 よに逢坂の 関はゆるさじ
                           あふさか

 


 

        詠んだ人・・・清少納言(せいしょうなごん 女性 
          「枕草子(まくらのそうし)」というエッセイを書いた)


  詠んだ人のきもち・・・夜であることをかくして、鳥の鳴きまねでだまそうと
             しても、逢坂の関はけしてあなたを通しませんよ。
             (私はけしてあなたに会いませんよ)



      鳥・・・朝になったことをつげる鳥、にわとりのこと。

      鳥のそらねをはかる・・・ここでは、中国に伝わる話をふまえている。
                  朝にならないと開かない関所を通るために
                  にわとりの鳴きまねをしたら
                  
番人がだまされて関をあけた、という話。

      逢坂の関・・・京都と滋賀のさかいにある関所。
             ここでは、男女が会うという意味もこめている。

 

     

              

          


子どもといっしょに百人一首 16

2015年04月13日 | 百人一首 青札

 

        

                            たむけやま
        このたびは ぬさもとりあへず 手向山

                もみぢのにしき 神のまにまに

 


 

  詠んだ人・・・菅家(かんけ)

  詠んだ人のきもち・・・こんどの旅では、ぬさも用意できませんでしたので
             山の美しい紅葉を、神さま、かわりにお受け取りください。

 

      ぬさ・・・布や紙で作った、神さまにおそなえするもの。幣帛(へいはく)。

      手向山・・・旅のとちゅうにある山のこと。
           山の道に神さま(道祖神 
どうそじん)をまつってあるので
           そこに幣帛をたむける(おそなえする)。

 

 

 


子どもといっしょに百人一首 15

2015年04月13日 | 百人一首 青札

 

 

                      しもよ
          きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに

                  衣かたしき ひとりかも寝む

 

 

 詠んだ人・・・後京極摂政前太政大臣
             
(ごきょうごくせっしょう
 さきのだいじょうだいじん)


  詠んだ人のきもち・・・こおろぎが鳴いている、霜のおりた夜に
            むしろの上に着物のそでをしいて、ひとりぼっちで寝るんだなあ。


     きりぎりす・・・今でいう、こおろぎ。
     
     さむしろ・・・「寒し」と「むしろ」(わらであんだ、そまつなしきもの)を
             あわせた言葉。

 

 

 


            


子どもといっしょに百人一首 14

2015年04月07日 | 百人一首 青札


 

                       みやこ
         
 いにしへの 奈良の都の八重桜

                  けふ九重に にほひぬるかな
                    ここのえ

 

 

 

  詠んだ人・・・伊勢大輔(いせのたいふ 女性)

  詠んだ人が見ているもの・・・昔、奈良のみやこに咲いていた八重桜が
                きょうは宮中にいっそう美しく咲いている。

                  奈良の都・・・平城京のこと。
            
(へいじょうきょう 710年から784年まで奈良にあった都)

      九重・・・宮中(きゅうちゅう)。ここでは平安京のこと。
               
(へいあんきょう 794年から約1000年間にわたり
                                                                      京都にあった都) 
 

 

 

 

 

 


子どもといっしょに百人一首 13

2015年04月06日 | 百人一首 青札

 

                                            
                              たれ
       
 みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに

                 乱れそめにし われならなくに

 


 

 詠んだ人・・・河原左大臣(かわらのさだいじん)

 詠んだ人のきもち・・・みちのくの、しのぶもぢずりの乱れもようのように
            あなた以外の誰かのせいで、思い乱れた私ではないのにね。
           (私の心が思い乱れてしまったのは、あなたのせいですよ)



    みちのくの しのぶもぢずり・・・乱れもように染めた、福島県の布。

 

 

 
            


子どもといっしょに百人一首 12

2015年04月05日 | 百人一首 青札

 

 

         わたの原 こぎいでてみれば 久方の

                  雲ゐにまがふ 沖つ白波

 

 

 

 詠んだ人・・・法性寺入道前関白太政大臣
         
(ほっしょうじにゅうどう さきのかんぱくだいじょうだいじん)

 詠んだ人が見ているもの・・・海に舟をこぎだして、はるかかなたを見わたすと
               雲と見分けがつかないような、白い波がたっている。


     わたの原・・・広い海 
     雲ゐ・・・雲

  

 

 


子どもといっしょに百人一首 11

2015年04月01日 | 百人一首 青札

 

 

         めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに

                    雲がくれにし 夜半の月かな
                                      
よわ

 

 


 詠んだ人・・・紫式部(むらさきしきぶ 女性 
           「源氏物語(げんじものがたり)」という小説を書いた)

 

 詠んだ人のきもち・・・見たと思うとすぐにかくれてしまう月のように
            久しぶりに会ったあなたも、すぐ帰ってしまいましたね。

 
    めぐりあひて・・・月にめぐりあう(見る)ことを、ここでは
             おさな友だちと久しぶりに会うことに、かさねている。