大事なものを、ひとつひとつ、売ってゆく。
残せるものが、見つかるまで。
その価値を、手放してゆく。
彼らを喪う日まで。
本当に彼らを、残せる日まで。
知ることのない日曜日。
彼らを喪う日が遣って来る。
日は浅い。
日は遠くに,感じるまま。
何も、何もぼくは話したくない。
彼に。
ただ会いたい。
きみの醜い感情のすべてが顕になる瞬間を見届けて死にたい。
きみの弱さが、きみを救う。
きみを打ち砕くハンマーが、きみの価値を蔑ろにし、きみを上げる。
きみを上げる。
真っ白な凧の糸、放してしまうんだ。
わざと。
もう二度と会えないのに。
「ぼくは悲しいんじゃなくて、やめたいんだ。」
「やめたいんだよ。」
「やめたいんだ。」
「やめたいんだよ。」
「ずっと。」
でもぼくは、これを待っていた。
死んでもいいと、想っている。