彼を傷つけると、彼の内に、傷がはじまり、私はもう二度と、創ることをやめようと想いました。
にわかに、彼はくらのなかの青い穀物を、私に献げ、こう言いました。
「あなたが悲しむため、わたしは喪われます」
痛みを切るため、彼を小舟に乗せました。
硬い彼の嘴は、白く、私を起こすため小さく突くことも、もうありません。
壊すことに、懐かしむことも、もうありません。
彼を傷つけると、私の内に、傷がはじまり、彼はもう二度と、献げることをやめようと想いました。
にわかに、私はくらのなかの青い穀物を、神に献げ、こう言いました。
「あなたが悲しむため、あなたに献げます」
神はその番(つがい)を、自らのくらのなかへ大事におさめました。
神のくらのなかで、白くちいさな嘴は、私の手の甲を突くと、青い穀物がそこから零れ落ちました。
bibio - down to the sound