あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

青い穀物

2018-03-30 17:19:29 | 

彼を傷つけると、彼の内に、傷がはじまり、私はもう二度と、創ることをやめようと想いました。

にわかに、彼はくらのなかの青い穀物を、私に献げ、こう言いました。

「あなたが悲しむため、わたしは喪われます」

痛みを切るため、彼を小舟に乗せました。

硬い彼の嘴は、白く、私を起こすため小さく突くことも、もうありません。

壊すことに、懐かしむことも、もうありません。

彼を傷つけると、私の内に、傷がはじまり、彼はもう二度と、献げることをやめようと想いました。

にわかに、私はくらのなかの青い穀物を、神に献げ、こう言いました。

「あなたが悲しむため、あなたに献げます」

神はその番(つがい)を、自らのくらのなかへ大事におさめました。

神のくらのなかで、白くちいさな嘴は、私の手の甲を突くと、青い穀物がそこから零れ落ちました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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