きみはぼくを苦しめるために生まれてきた。
きみはぼくを喜ばせるために生まれてきた。
きみは太陽と花冠をぼくに与えるために生まれてきた。
きみはぼくから去り、ぼくを悲しませるために生まれてきた。
きみは自由を離し、束縛を手に入れた。
きみは束縛を離し、自由に帰る。
きみは安楽を棄て、ぼくを選んだ。
きみは愛されることと、愛されないことを同じだけ求めた。
きみは透明な波のなかで、ぼくの生まれる音を聴いた。
きみは固まった空のなかで、ぼくを想像した。
それはきみだった。
もうひとりの、きみだった。
ぼくたちは今、別々の苦しみを経験している。
ぼくたちはひとつだった。
ぼくたちはひとつの生だった。
ぼくたちは今、同じ悲しみのなかにいる。
ぼくたちはひとつの固まった空だった。
具象化された固い空は、柔らかい海を映していた。
ぼくらを映していた。
波がぼくらを渫うまで。
きみの空は、ぼくの海を映している。
海が、きみを映さなくなるまで。
きみはぼくのそばにいて、いつか、見えなくなる。
そのときぼくらはひとつになる。
ぼくたちはひとつの人生だった。
遠くはない未来。
ぼくらはひとつに戻ろう。
Life as One