ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

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ボーディングスクールの卒業式

2013年05月30日 | 教育
先日、レポートさせていただいたボーディングスクール卒業生のお母さまから、卒業式当日に撮影されたお写真が届きました。
この生徒さんの、”ほんわか笑顔”! これは、彼が小学生のときに、初めてサマーキャンプに参加するためにアメリカに到着したころの笑顔のままです。

彼は、4年間、勉強も頑張りましたが、スキー部と演劇部の舞台装置担当として、課外活動もがんばりました。演劇部の舞台装置に関しては、SAT(高校生が大学進学のために受験する、全国統一テスト)の集中講義とスケジュールがぶつかってしまった場合は、演劇部のほうを優先したと聞いています。

今年の卒業生代表のスピーチを堂々と披露したのは、アジア系の女子生徒さんでした。卒業生代表のスピーカーは、卒業生たちの投票で決まるのだそうです。ジョークをまじえながらの堂々したスピーチに、会場はすっかり魅了されたのです。

式の後、彼女について、私の生徒さんに訊いてみたところ、「彼女はたぶんアメリカ生まれのアメリカ育ちだと思う。最近は、アジア系でも、出身国もいろいろだし、バックグランドもいろいろだから。。。」と、特に気にしていない様子が印象的でした。アジア系だからといって、留学生とは限らず2世だったり、3世だったり、また小さいころに養子にもらわれてきて、白人のご両親に育てられるケースも少なくありません。

式では、成績優秀者、スポーツで優秀な成績を残した生徒、課外活動において多きに活躍した生徒など、いろいろな賞の受賞もありました。私の生徒さんも、学科別の賞をもらったのですが、それぞれ入賞者が壇上に上がるたびに、やはり大きな声援と拍手がありました。肌の色や、バックグランドも関係なく、この学校のコミュニティの一員として、ひとりひとりの生徒さんがしっかりと存在していることが、よく伝わってくる素晴らしい機会でした。

式が終了した後は、ガウンを着た先生方、学校スタッフが退場し、その後に卒業生たちが退場したのですが、先に退場した先生方がキャンパスに一列に並んで、卒業生ひとりひとりと握手をし、ハグをし、そして語りかけていました。私の生徒さんは、先生方から、「今日はサンダル履きじゃないんだね。」など、声をかけられていました。

「本当に、早かったなー!もう、ここにいることがないんだなーと思うと、すごく不思議な感じ。」というコメントには、4年間がいかに充実した時間であったのか、わかるような気がしました。

来週には、もう一人の高校留学生の卒業式があります。この学校は、小さな学校であり続けることを、学校運営の哲学とし、生徒ひとりひとりと教師たちの信頼関係において、素晴らしいものがあります。毎年、卒業生ひとりひとりが壇上でスピーチするのです。私の生徒さんがどんなスピーチをしてくれるのか、今から楽しみです。