はらだみずき(著) 幻冬舎
机を並べた同級生のことを、僕は何も知らなかった。
今だから話せること、笑い合えることがきっとある。同窓会の幹事をするはめになった宏樹。だが、出席者は一向に集まらない。かつての仲間たちの消息を尋ねることにするが……。思い出したくない過去、知られたくない現状。20年の空白が埋まる時、もうひとつの真実が明らかになる。(内容紹介より)
今だから話せること、笑い合えることがきっとある。同窓会の幹事をするはめになった宏樹。だが、出席者は一向に集まらない。かつての仲間たちの消息を尋ねることにするが……。思い出したくない過去、知られたくない現状。20年の空白が埋まる時、もうひとつの真実が明らかになる。(内容紹介より)
同窓会というワードに惹かれてチョイス。
そういえば、同窓会に出席した一番古い記憶は中学の時に小学校の同級会が最初かな。次は高校の同級会で、ず~~~っと離れて大学の同窓会がもう10年近く前になり・・・回数少なすぎだろ!と自分に突っ込んでみる。
参加の理由が会いたい人がいるからという動機はまさに!そして友人に誘われたからというのも大いに頷けます。
本作は中学の同窓会。ということで自分を振り返ると・・・当時1ダースのクラスが存在するマンモス中学で、一年毎にクラス替えはあったけれど三年間で全ての生徒と知り合ったわけでもなく、仲の良かった筈の友達も高校・大学と進学するにつれ疎遠になり、年賀状のやりとりも遂に途絶えたのが現状。一度だけ同窓会のお知らせが届いたけれど、そういうわけで不参加を決め込んだ。もし当時親しくしていた子から誘われたら行ったかもとは思うが残念ながらそんな誘いは来なかった。(どんだけ存在薄かったんだ、自分💦)
ところで、本作の主人公の宏樹は、特に目立った生徒ではなく、どちらかというと影の薄い存在でした。近場で開催されたからという何となくな理由で参加したけれど、次は不参加で良いかなと考えていたところを親友の吾朗の補佐として幹事を引き受けさせられることになります。
今回に続いて幹事を引き受けた斉藤さんは、担任の先生(渾名がザビエル・・そういえば担任に渾名付けたっけな~)の〆の言葉に喚起され、出席者を増やしたいと二人を巻き込んで動き出します。
同窓会に来ない理由をあれこれ考えた3人は、クラスのキーパーソンだった者たちを参加させようとします。女子に一番人気だった磯崎・委員長の田代・副委員長で男子に人気だった塩崎、お調子者の細井・・いずれも不参加だったメンバーです。
ところが磯崎は音信不通で、他の者たちもそれぞれ秘密を抱えていることがわかってきます。あれから20年以上経ってそれぞれ違う人生を歩いてきたのだから当然ですよね。
宏樹が一番会いたかったのは湯島葵でした。二人はある秘密を共有していました。転校生だった葵は、女子から嫌われクラスでも浮いた存在でしたが、ある事件が彼女を一層孤立させました。
同窓会代行会社と契約し、担当となった沢村あゆみのアドバイスを受けながら、返事の来ない同級生に連絡したり、行方不明の篠崎を探します。
その中で、田代・塩崎・篠崎が幼馴染だったと知った3人は、彼らの間に何かがあったと気付きます。男子に人気だった塩崎のあまりにも変わった容貌に驚きながらも、彼女の実家の庭の手入れをすることになった宏樹(造園プランナー)は、彼女から湯島が来るなら参加すると言われます。
沢村は会社のオプションとして人探しを提案したいと宏樹にお試し(無料)を持ち掛ける中で二人は個人的に会うようになります。(💛のフラグ立ったね😁 )彼女は昔働いていた店にいた女性が湯島葵ではないかと宏樹に告白。再会した葵に宏樹はずっと抱いていた疑問をぶつけます。
葵の悪い噂の真実と篠崎との関係は衝撃的でしたが、中学生あるあるかな~とも思いました。
葵は篠崎への復讐で彼に「悪い遊び」を教え破滅させましたが、その葵の店の常連客として篠崎がいました。う~~ん、深い😔
細井に本人には嬉しくない渾名を付けられた東・水嶋・山田・志水がいままで同窓会は不参加でも彼らだけで会っていた事実も明かされます。細井は自分の子どもが渾名で傷つけられ苦しんでいることを知り、自分が過去に彼らを傷つけたことを後悔し謝りたいと申し出ます。
色々あって最後はほぼ全員が出席することになりますが、宏樹は不参加を告げます。彼の目的は既に達せられており改めで出席しても得るものがないのよね。そして沢村との前に新しい人生のページが開かれようとしています。
同窓会、ちょっと行きたくなりますね。😊