杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

QP ドラマ (エイジの感想のみ)

2016年06月29日 | ドラマ
2011年10月5日~12月28日 日テレドラマ

2016年4月2日  QP Vol.2

高橋ヒロシ作「ヤングキング」連載漫画のドラマ化で、『QP外伝』を基に、我妻涼を主人公として、彼の視点から描いています。

第四話ウルトラメンソール
第五話ラッキーナンバー
第六話シマブクロ

小学生の時にいじめられっ子だった涼(斎藤工)が、暴力の世界に身を投じるうち「数こそ力」という信念に囚われる様になり裏社会でのし上がろうとする様が描かれているようです。(エイジ登場まで倍速見なので実はよくわかっていない
度胸があり頭も切れるけれど、自分の力しか信じない彼は、周囲から浮いている存在。雇われて涼を殺しにきたトム(金子ノブアキ)とジェリー(渡部豪太)を寝返らせ仲間にするところまで、かな

これも窪田出演作追っかけ作品ということで、不良漫画には興味がないため、彼の出演部分のみに注目して観たのですが・・・出番少なっ!
演じているのは街の情報屋のエイジです。
涼に情報を提供する場面では、人懐こそうな表情の下に隠された強かさを感じさせてくれます。その後(5話か6話どちらか忘れた)街でいかにも情報を集めています!的に両耳に手を当てて周囲の様子を窺うような場面が登場しますが、その中世的な佇まいが逆に裏社会を泳ぐ者の不敵さを感じさせます。ほんの少しの出番なのに印象に残る役者さんだわ~


2016年6月29日     QP Vol.4
第十話「ブルームーン」
第十一話「ラビットフット」  
第十二話(最終話)「ウインター・トライアングル」

エイジ登場場面しか観てないので、内容的な感想はありません。というかあらすじわからない

11話が一番登場シーンが多いかな。
マスターと会話中にエイジの携帯に涼からメールが届きます。
灰皿にしていた皿に酒を注いで飲みながら、物憂げに会話するエイジがまた
添付された地図にある場所に現れた血だらけの涼に拳銃をつきつけられたエイジは彼の指示に従いますが、それは脅されたからというより、面白がっているように見えます。「はいはい」「ねえねえ」「ほんとにほんとに」「マジで、本当にマジで」など単語の重複の連発はエイジというキャラをそう作りこんできたか!という感じ
消毒薬や包帯、薬などを買い、最終的に涼の自宅に着くというのも、それだけ信用されている証よね。「俺の命と一緒に手帳もあんたに預けとく」というエイジとの間に通い合う一種のシンパシーも心地よいこの時のニヤリ笑いも

この後、最終話で涼の行動を手助けするかのような行動(トムとジェリーに涼の行方をさり気なく伝える)をしてエイジの出番終了。

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さよなら、人類

2016年06月26日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年8月8日公開 スウェーデン・ノルウェー・フランス・ドイツ合作 100分

面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンのサム(ニルス・ウェストロブロム)とヨナタン(ホルガー・アンダーソン)は、行く先々で様々な人生を目撃する。ワインを開けようとして心臓発作を起こして絶命する男とそれに気付かない妻、臨終の床につき天国へ持っていこうと宝石の入ったバッグを頑なに握る老女、現代のバーに立ち寄るスウェーデン国王率いる18世紀の騎馬軍。何をやってもうまくいかないブラックでシュールなエピソードは全39シーン。


2014年・第71回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した不条理コメディ。ロイ・アンダーソン監督の「散歩する惑星」「愛おしき隣人」に続く『リビング・トリロジー3部作』最終章だそうですが・・・どれも観てないし何というか・・・日本のお笑いのショートコントを二人組のセールスマンを軸に繰り広げているような印象で、でも面白いかというと正直何だかよくわからない作品でした。邦題は、たまの「さよなら人類」から採られているのだそうですが関連も意味不明だ~!

監督は多数の画家から影響を受けていて、各シーンも絵画に見立てれば理解し易い・・・のか???
不条理という点では巨大な金属の樽のようなもの(楽器なのか?)に人間が入れられ、下から火を付けられて回り、それをグラス片手に見物してる特権階級らしき人々のシーンが一番かな
両手両足を拘束された猿にいたっては、何を言いたいのかさっぱりわからんぞ
アメリカ民謡『リパブリック讃歌』(「おたまじゃくしはカエルの子」やヨドバシカメラのCMのメロディ)に乗せて歌うシーンは酒場のキスや王様のエピソードに登場しますが、それって笑うところなの?面白いの?と、観ているうちに自分の笑いのセンスに疑問が生じてきたくらい
ダメだ!高尚過ぎてついていけなかった

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ディセンダント

2016年06月26日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年ディズニー・チャンネルで放送 112分

魔法のバリアで覆われたロスト島。ここにはマレフィセント(クリスティン・チェノウェス)やイーヴィル・クイーン(キャシー・ナジミー)といったディズニーヴィランズ(悪役)たちが子供たちと暮らしている。彼女たちを島に閉じ込めたのは、海を隔てたオラドン合衆国の王、ビースト(ダン・ペイン)だ。ビーストの息子ベン(ミッチェル・ホープ)はもうすぐ16歳を迎え、王位に就こうとしていた。ベンはヴィランズたちの罪はその子供たちにはなく、子供たちは解放されるべきだと考え、彼らをオラドン合衆国に呼び寄せた。
生まれて初めて島を出ることになったマレフィセントの娘マル(ダヴ・キャメロン)と、イーヴィル・クイーンの娘イヴィ(ソフィア・カーソン)、ジャファー(マズ・ジョブラニ)の息子ジェイ(ブーブー・スチュワート)、クルエラ・ド・ヴィル(ウェンディ・ラクエル・ロビンソン)の息子カルロス(キャメロン・ボイス)の4人組。彼らは親たちからオラドンでフェアリー・ゴッドマザー(メラニー・パクストン
)の魔法の杖を奪ってくることを言いつかる。マレフィセントの願いは、魔法の杖を手に入れ、島に閉じ込めた善人たちに復讐することなのだ。
悪役の子供は、親と同じ悪の道に突き進むしかないのか?それとも、彼らは自分たちの手で新たな人生を切り拓くことができるのか?悪名高き親を持つ子どもたちの葛藤や、彼らの心の成長、友情、そして初恋を、圧巻の歌とダンスが彩る。
“めでたし、めでたし"のその後にはどんな物語が待っているのか―?(アマゾン商品説明より)

ディセンダントは、“子孫”を意味していて、もしディズニー・キャラクターに子孫がいて、10 代だったら?という発想から誕生したオリジナル作品です。
ということは・・・まずはディズニー・キャラを押さえなければ話についていけないわけですね

「眠れる森の美女」でオーロラ姫に呪いをかけたマレフィセント、「白雪姫」の継母で彼女を殺そうとした悪の女王がイーヴィル・クイーンで、「101匹わんちゃん」で子犬を盗んで毛皮のコートを作ろうと企んだ悪女がクルエラ、「アラジン」に登場する悪の大臣がジャファーっと・・・。そしてその子供たちがマル・イヴィ・カルロス・ジェイなんですね

戴冠式を控えた「美女と野獣」の息子のベンは、親は親として子供に罪はないと考える島から4人を招待して自分たちの高校に通わせることにします。国王と王妃で母親のベル(キーガン・コナー)は不安ながらも息子の決断を見守ることにします。一方マレフィセントはチャンスとばかりにマルたちを焚きつけて島から出て復讐するため魔法の杖を盗むよう指示して送り出すのです。

マルは本当は心の優しい女の子なのですが、母親に認められたい、愛されたいという想いでミッション遂行のために努力します。他の三人も彼女に協力します。だって一緒に育った仲間だもんね

高校には「白雪姫」のフェアリー・ゴッドマザーの娘・ジェーン(ブレンナ・ダミコ)や七人の小人ドーピーの息子・ダグ(ザッカリー・ギブソン)、「シンデレラ」の息子・チャド(ジェディディア・グッドエーカー)に「眠れる森の美女」オーロラ姫の娘・オードリー(サラ・ジェフリー)、それに「ムーラン」の娘・ロニー(ダイアン・ドアン)もいました。(覚えきれないよ~

プリンセスに憧れるイヴィは裁縫や料理が得意ですが、本当は頭も良いの。
カルロスは無邪気な少年。母親から恐ろしい生き物だと教え込まれて犬を怖がっていましたが、実際に犬と触れ合って仲良くなります。彼の特技はパソコン操作。
ジェイは盗みが得意でしたが、高い身体能力を買われて「トーニー」(競技)の選手にスカウトされ、仲間との信頼関係を学びます。

校長のフェアリー・ゴッドマザーの杖は博物館に飾られていて、盗もうとして失敗した4人は戴冠式にその杖が使われると知って、作戦を立てます。
マルはベンに惚れ薬入りのクッキーを食べさせオードリーからGFの地位を奪いますが、オードリーはあっさりチャド(いかにも王子様なハンサム君だけど頭は空っぽという設定)に乗り換えちゃう。この二人はマルたちを受け入れていないことが後でわかるのですが、善人に見える人でも裏返せば醜いものが隠れているということかな。

高校生活に慣れるに従い、4人の心には自分たちの生き方に迷いが生じてきます。特にマルはベンに好意を持つようになるので尚更です。そして戴冠式当日、惚れ薬の効果を消すクッキーを渡すマルに知っていたよと打ち明けるベン。う~~ん、青春だ~!!

魔法の杖を奪ったのは何とジェーンでした。彼女は自分の容姿に自信が持てず、母親の杖を使って美しくなろうとしたのですが杖を制御できなくて、島のバリアが消えてしまいます。
マレフィセントは意気揚々と式場に現れますが、マルたちの反抗に遭い小さなトカゲに変えられてしまうのでした。めでたしめでたし。

突然歌い踊り出すから最初はインド映画かと思っちゃったけど、これってミュージカル映画だったんですね~~キレの良いダンスと今風な歌を楽しむのもです。恋や友情というテーマは不変の輝き。若さが眩しい作品です。ま、たまにはいいかも

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マネーモンスター

2016年06月22日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年6月10日公開 アメリカ 99分

リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)は財テク番組『マネーモンスター』のパーソナリティを務め、巧みな話術と軽妙なパフォーマンスを織り交ぜながら、株価予想や視聴者へのアドバイスで番組の看板スターとなっていた。いつもの通り、リーがプロデューサーのパティ(ジュリア・ロバーツ)の指示を無視して、ノリのいいアドリブで視聴者ウケを狙っていた生放送の最中、彼の背後に一人の男(ジャック・オコンネル)が現れる。その男、カイルは完全にテレビ画面にフレーム・インし、拳銃でリーを脅す。番組で語られた株式情報を鵜呑みにして全財産を失ったというカイルは、復讐のためリーを人質にとり、自分を嵌めた株式のカラクリを生放送内で明らかにしろとパティに指示する……。(Movie Walkerより)


ジョディ・フォスター監督作で、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの共演となれば・・・観るっしょ

意図的な株の情報操作によって全財産を失ったと訴えるカイル。実は彼には妊娠している恋人がいますが、母親の遺産を全部継ぎこんだ挙句に失った逆恨みで、リーと彼が薦めたアイビス社のCEOウォルトを狙ったのです。ところがスタジオにはリーだけ。ウォルトは所在不明で株価暴落の理由もアルゴリズム取引のバグと言う説明から進展しません。アルゴリズム取引とはプログラムが自動で株の売買注文をしてくれるシステムのことで、売買スピードも一段と早く複雑になっているのが現状なんだとか株の世界は全くわからないけど、要は機械のミスだと言いたいらしい。

最初はカイルの逆恨みに付き合ってられないという態度だったリーですが、自分も無自覚に誤った情報を発信していたことに気付き、気持ちに変化が現れます。
時間つなぎに自分とカイルとの幸福度比べをしますが、どちらも幸せとは言えない人生なのが面白いところ。途中、カイルの恋人と中継が繋がりますが、説得に当たらせようという警察の思惑を外れ、彼女はカイルを激しく罵倒します。曰く「母親の遺産を全部継ぎこんで失うなんて大ばか者!おまけにこんな事件を起こして、もう頭ぶち抜いて死んじゃえ!!」みたいなおいおい刺激してどうする
恋人の言葉にすっかり落ち込むカイルに同情したのか、リーの態度は励ましに転じます。

この状況を救うため、視聴者にアイビス社の株を買って欲しいと訴えるリーですが、逆に下げてしまう結果となるシビアな現実(視聴者にとってはあくまで他人事
一方、パティたちスタッフは事の真相を確かめようとアイビス社についての調査を始めます。それがリーを救うことにもなるからです。

狙撃犯がリーが装着させられている爆弾の起爆信号装置を彼もろとも撃とうとしていることを知ったパティは、アイビス社の疑惑と共にそのことをリーに伝えます。そこから先は、リーはカイルと共犯関係になっていきます。うろたえるカイルを自分の盾(装置を破壊させないため)にスタジオを出て、ウォルトがいる建物まで歩いていくのです。

プロデューサーのロン(クリストファー・デナム )は、リーから精力剤のモニターを命じられたり(しっかり実践に励むあたりは業界人イメージを忠実に映したキャラですね)、パティにあちこち調査に行くよう命じられたりと無茶ぶりに翻弄されます。しまいに、リーへイヤホンを渡そうとして動揺したカイルに撃たれる始末・・命に別状はない設定がせめてもの温情?(このキャラ、けっこう好きなんですが

アイビス社の広報担当のダイアン(カトリーナ・バルフ )はウォルトの愛人でもあるようですが、彼の不正を知るとパティに協力します。実は株価暴落はアルゴリズム取引のバグではなく、南アの鉱山ストで8億ドルの損失を被ったウォルトがその穴埋めのために仕組んだことだったのです。(株価操作のためストを起こさせたまでは良かったが、すぐに収束する目論見が指導者がウォルトの説得に応じなかったことで計算が狂ったわけね。)

狙撃警官が取り囲む中で、二人がウォルトと対峙する場面がクライマックス。法を犯してはいない、文句があるか!と言わんばかりのウォルトの不遜な態度は時節柄某元知事を連想させます。パティたちが用意した証拠を画面に映しながら追い詰めていくリーは最早人質ではなく、真相を追う記者のような堂々たる態度です。(元々は有能な証券スペシャリストなのよね)

道々、カイルはこの爆弾が模造品であることをリーに打ち明けています。でも世間も警察も気付いていません。ウォルトに爆弾ベストを装着させるシーンはちょっと笑えます。全てを知ったカイルがリーに見せた哀し気な顔が印象的。彼は自分の成すべきことが終わったことを悟り、自ら終止符を打ったのですね
もちろん、これだけの事件を起こしたのですから(ロンを撃ってしまたのははずみだとはいえ)お咎めなしというわけにはいかないでしょうし、アメリカ的にはこの展開しかないのでしょうけど、やっぱり可哀相に思えました。その瞬間TVを見ていた視聴者たちは言葉を失いますが・・・すぐに日常は戻ってきます。これもまた実にシュール

どうやらパティが転職を止めてリーとのコンビを継続しそうな雰囲気でエンディングとなりますが、どんな事件が起きても、それは一つの出来事でしかないのかな。
リーが学んだのは視聴者という他人の冷たさと、身内(スタッフ)の愛かしら
最後まで彼と行動を共にしたカメラマンの男性が一番ヒーローじゃない?

ちなみに、パティとリーの間で交わされる「サカジャヴィア」という単語。これは『ナイト ミュージアム』シリーズにも登場した白人に協力したインディアン女性の名前。どうして彼女の名前が出てくるのか意味がわからなかったので調べてみました。
彼女は探検家として有名ですが、私生活は幸福とは言えなかったらしく、劇中では「油断大敵」みたいな意味で使われているようです。その辺も字幕で説明があれば良かったのにな。

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僕の初恋をキミに捧ぐ

2016年06月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年10月24日公開 122分

8歳の少女・種田繭(熊田聖亜)は、医師である父親(仲村トオル)の病院に入院していた少年・垣野内逞(小林海人)と出会い、お互いに淡い恋心を抱くようになる。しかし2人は、逞が心臓の病気を患い、20歳まで生きられないことを偶然知ってしまう。幼い2人は、悲しみに暮れる。しかし、はかない未来に望みを託し、大人になったら結婚しようという“最低の約束”をする。やがて時が経ち、2人は少しずつ成長していく。自分の余命が長くはないことを自覚した逞(岡田将生)は、繭(井上真央)への気持ちを自ら封印し、彼女を遠ざけるようになっていく。お互いのすべてを知っている2人は、避けることのできない現実に直面し、苦悩する。さらに、繭に好意を抱く昴(細田よしひこ)や、逞と同じ病気を患っている照(原田夏希)が現れる。こうして繭と逞の気持ちが揺れ動いている間にも、逞の病気は進行していった。しかし、残された時間が少ないことを知った2人のもとに、思いがけない知らせが届く。それは2人にとって、さらなる悲劇の訪れを告げるものだった。


青木琴美の同名ベストセラーコミックを映画化した作品です。
逞の父親役に杉本哲太、母親役は森口瑤子、昴の祖父役に山本學、そして逞の同室者・杉山律役で窪田君が出演出番は数シーンだけ(同室になった挨拶、弓道場脇での逞との会話、逞の不在を繭に聞かれる教室の会話、不調の逞との登校前の会話)ですがどれも可愛いからいっか~!

目的は窪田君作品踏破ですが、これは物語としても良かったです
井上真央ちゃん演じる繭ちゃんの真っ直ぐな想いと行動力は観ていて気持ちが良いです。

しかし、弓道場内でのとか、しょっちゅう高校を抜け出したり、命の終わりを悟ったとはいえ、あんな無茶なデートとか、???な設定には首を傾げてしまいます。ま、フィクションだから目くじら立てるほどではないんですけど・・・細かいところが気になる性分

昴が事故に遭った時点で先が読めた!と思ったのですが、そうきたかな展開にびっくり。現実的にはいくら本人の意志があった(ドナーカード)とはいえ、その状況を目にしたら身内としては「はい、どうぞ」とは言えないわけで・・・友達の心臓を奪ってまで生き延びたくはないという逞の気持ちも、何としても逞を助けたい繭の気持ちも痛いほど伝わってくるしで、ここは何とも重いシーンでした。

タイトルから察する通り、逞は逝ってしまうのだけど、短い生を愛おしみ尽くしたことに後悔はないんだろうなぁとか思ったりします。

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マイ・ファニー・レディ

2016年06月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年12月19日公開 アメリカ 93分

先鋭のハリウッドスター、イザベラ“イジー”パターソン(イモージェン・プーツ)は、ニューヨーク5番街にあるバーでインタビューを受けていた。コールガールをしていたこともあっけらかんと語る天真爛漫な彼女は、偶然に出会った演出家アーノルド(オーウェン・ウィルソン)から「君の将来のために三万ドルをプレゼントする」という奇妙な申し出をされ、人生が一変した日を振り返る……。
アーノルドからの突然のプレゼントをきっかけにコールガールを辞め、夢だったブロードウェイのオーディションにチャレンジすることを決意したイジー。張り切って会場へと向かったが、そこは偶然にもアーノルドが演出し、彼の妻で女優のデルタ(キャスリン・ハーン)が主演する舞台だった。さらにデルタに昔から好意を寄せている人気俳優セス(リス・エヴァンス)、イジーに一目惚れする唯一の常識人の脚本家ジョシュ(ウィル・フォーテ)、その恋人で“人の話を聞かない”セラピストのジェーン(ジェニファー・アニストン)らが加わり、ひょんなことから複雑に絡み合ってゆく男と女。はたしてアーノルドは無事にブロードウェイの舞台を成功させることができるのか……。(公式HPより)


ひょんなことから複雑に絡みあっていく人間模様が、幸福な笑いの連鎖を生み出す大人のためのロマンチックコメディという宣伝は嘘じゃない
コールガール好きだけどどこか憎めないアーノルド(有名人だからか、妻にばれないためか偽名使って呼ぶのね)は、彼女(たち)にリスと胡桃の例え話をするのが常套手段で、三万ドルのプレゼントも都度あげていたようです。そもそも最初は妻にだったようだし

オーディションで再会して慌てるアーノルド(妻のデルタに浮気がばれちゃうもんね)は、何とかイジ―を落とそうとするけれど、この役は彼女のはまり役(コールガールの役だし)。イジーに一目惚れしたジョシュは彼女を夕食に誘いますが、店でアーノルド夫婦や、イジーのストーカーの判事と彼が通うセラピストのジェーン、判事に雇われた探偵が鉢合わせこの探偵とジョシュは親子だし(ついでにジェーンとジョシュは恋人同士だった)でてんやわんやの大騒動になります。
更にデルタに想いを寄せるセスも絡み、場所をホテルに移して更なる混線状態になるのはコメディの王道的展開です。

日本では考えられない設定も、愛にルーズな(よく言えば奔放な)ハリウッドなら「有り」。唯一共感できるのは夫の素行を知ったデルタの怒り。それが普通の感覚でしょ他人事だからこそ笑って観ていられるのよね

プライベートと仕事は別と割り切って舞台稽古をするものの、デルタとセスのキスシーンで感情を抑えきれないアーノルドに「それが人間よねぇ」と頷いてしまいます

結局幕は上がったものの、その後で彼らの関係は破綻してしまうのだけど、それも人生の肥やしとして逞しく生き抜くのがハリウッド人種なのかも

スピーディな展開や大人な会話を楽しむコメディでした。

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MARS(マース) ただ、君を愛してる

2016年06月18日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年6月18日公開 98分
初回9:30開映、ライブビューイング終了11:48

心に傷を抱える零(藤ヶ谷太輔)とキラ(飯豊まりえ)は、海辺で出会い、互いに惹かれ合っていった。そこへ、零の亡き弟・聖と親友だった牧生(窪田正孝)が転校してくる。零とキラの良き理解者のように思えた牧生だったが、彼は零に特別な感情を抱いていた。牧生は零に執着するあまり、二人を引き裂こうとする。辛い過去を突き止められ、深く傷つくキラ、狂おしいほど零への思いを募らせる牧生、キラを守ろうとする零。3人の運命が絡み合っていく。(Movie Walkerより)


惣領冬実のコミック「MARS」を藤ヶ谷太輔と窪田正孝のダブル主演で実写化したテレビドラマの劇場版です。少女漫画を卒業してかなりの年月が経っている身には少々敷居が高い内容ですが窪田君観たさにTVドラマからずっとお付き合いしていました

生舞台挨拶は行けなかったけれど、代わりに初回上映とその後に全国100か所で中継されたライブビューイングを観てきました。
藤ヶ谷、窪田、飯豊まりえ、山崎紘菜、稲葉友、耶雲哉治監督の6名が登壇し、のどを痛めている山崎さんをかばう窪田君や、はちみつを持参した監督など、仲の良い場面も多々見受けられ、和やかで楽しい挨拶でした。
窪田君のテンションはかなり高く、サプライズで登場した砂の城(海岸で零とキラが作ってました)を模したケーキ(ごま味だとか)を前にこのシーンのセリフを二人に再現させる無茶ぶりをして、自らは🎬役を買って出たり、稲葉君の挨拶に茶々を入れたりして会場を笑わせていました。これって本人かなり緊張している反動なんじゃないかなと見たんですが

ドラマでは、零とキラの良き理解者然と見えた牧生がその本性を現すところで終わっていて、映画では、牧生の反撃と言うか、本領を発揮する展開になります。牧生が零に抱いている気持ちはBLなんかじゃなくて、純粋に零の暴力的な面を崇拝しているという点でサイコパスとも違うという・・・いや、それをサイコと言うんじゃないかとも思うんだけど

窪田=牧生は、無邪気な笑顔で残酷なことを言ったりしたりするのよね演じる上で敢えて暴力的な顔はしないよう心掛けたらしいですが、いっそ純粋過ぎる危うさが逆に恐さを増幅しています

零に対する気持ちを明らかにしてからの牧生の行動が、どんどんエスカレートしていくのも恐いよ~キラの過去を調べてそれをネタに二人を引き裂こうとして、美術室ではぶっ飛ばされて首を絞められ、廃ビルでは何度も殴られる牧生ですが、その時の恍惚顔がまた彼の狂気を浮き上がらせています。(ちょっとデスノのKIRAっぽかったりするんだけど)
かと思うと、女子高生にぶつかったお婆さんが落としたリンゴを拾ってあげる優しさ(謝るどころか邪魔扱いした女子高生の方は突き落としちゃうんですが)もあったりして、牧生にもちゃんと正義感はあるんだけれど、それが普通の人から見たら歪んでいるんだということも示されます。
最期は完全にイッちゃってる感がありました

本筋である零とキラの恋愛模様に関しては、お互いの傷を受け入れて生まれ変わるという恋愛の王道スタイルです。キラのために流す零の涙は監督じゃないけど「美しかった」です

零とキラ、そして牧生は本質的なところで似ていますが、愛する人を得て弱さを強さに変えることが出来た零やキラと、その弱さが許せなかった牧生という意味では真逆でした。

予告で煽っていた「撃的なラスト」は実は本当のラストじゃなくて、その一年後が描かれるあたりは後味的にも少女漫画的にもOKかなちゃ~んと冒頭に伏線も用意されてたしね(ん~~牧生ちゃんはきっと○○の中なんだろうけど

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先生と迷い猫

2016年06月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年10月10日公開 107分

妻に先立たれて独り暮らしを送る森衣恭一(イッセー尾形)は、学校を定年退職した元校長先生。そのカタブツで偏屈な人柄のため、近所では浮いた存在だ。訪ねてくるのは、亡き妻が餌を与えて可愛がっていた三毛猫のミイくらい。猫が嫌いな校長先生は、なんとか追い払おうとするが、ミイはどんなに追っ払っても毎日やってきて、妻の仏壇の前に座り続けていた。ところがある日突然、その姿が見えなくなる。そうなるとなぜか心配になり、探し始めたところ、自分の他にもミイを探している人たちがいたことが判明。みんな、ミイに餌をやって語りかけることで、どこか救われていた人たちだった。彼らと関わってゆくうちに、頑なだった先生の心も変わってゆく……。ミイの存在が思い出させる妻のこと。忘れてしまわねばならないと思っていたこと。失くしてからでは伝えられないこと……。やがて、必死でミイを探していた校長先生に、小さな奇跡が起きる……。(公式HPより)


埼玉県・岩槻で起きた地域猫失踪事件を記したノンフィクション「迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生の物語」(木附千晶著/扶桑社刊)を元に、オリジナルキャラクターやストーリーを加えて映画化されています。
観終わってまず思ったのは「タイトルが合ってない、猫は迷ってない、迷っているのは人間の方だぞ」です

元校長先生は、妻を亡くした悲しみが猫を見ることで呼び覚まされるのが辛くてミイに邪険に当たるのね。
彼は素直に自分の気持ちを現すことができない、なかなかめんどくさい性格をしているので、町の人は偏屈な彼を煙たがってはいますが、嫌われているわけでもなさそう。何しろ元校長先生ですから、ある程度の尊敬は得ているわけです。

冒頭、紙袋をぶら下げた元校長先生が向かった先はパン屋さん。いつもの味じゃないとの一言が店主(カンニング竹山)に閉店を決意させてしまい当惑の表情を浮かべますが口には出しません。クレームを言いに来たのではなく、何故味が変わったのかが知りたかっただけなのに、ギリギリで商っていた店主の迷う背中を思いっきり押すことになってしまったのです。このエピソードが彼の性格を端的に物語っています。

元校長先生を訪ねてくるのは、市役所の青年・小鹿(染谷将太)くらいです。仕事用に写真を使わせてもらうためと割り切ったいかにも今風の若者なのですが、彼は認知症の祖母と父親の三人暮らしで、おばあちゃん想いの根は優しい青年です。徘徊先の自動車修理工場の主人(猫好きで沢山飼っている)に連絡を貰って迎えに行った際、普段笑顔の少ない祖母が猫と接していてとても良い笑顔をすることに気付いて猫を飼おうとするの。ちなみに彼は猫アレルギーがあるのですがそれでも祖母の笑顔が見たい。これってかなり素敵ですね

ミイが町の人からも別の名前(タマコとかソラ)で呼ばれ愛されていることを知り、何だか面白くない元校長は、自宅の猫用出入り口を塞いで、やってきたミイに「もう来るな」と怒鳴ります。ところがその翌日からピタっとミイの姿は消えてしまうの。そうなるといてもたってもいられなくなり、町を捜しまわるうちに、同じく姿が見えないことを心配している妻が通っていた美容院の女主人(岸本加代子)や、元教え子の真由美(北乃きい)に出会います。(真由美に贈った卒業記念色紙に書かれた4文字の意味が一種のダジャレだったのには脱力でしたが、元校長のお茶目な一面を垣間見せるエピソードでもあります。)彼らは協力して猫探しを始めるのですが、特に元校長先生の熱心さは群を抜いていて、河原に棄てられていた段ボール箱を見つけて水に浸かりながら駆け寄ったり、電柱によじ登っているところを通報され警官に連衡されたりなど、全体的にユーモラスに描かれてはいますが、その必死さが伝わってきました。彼が身元引受人に小鹿を呼んだのは、今現在一番繋がりがある人物だったからなのかな。

いじめに遭っている女子中学生の話も出てきます彼女は毎夜バス停で出会う猫をちひろと呼んでいました。元校長先生はそれを知ると4つの名前を呼びながらより熱心に捜し歩くの。本題ではないけれど、小鹿と真由美の出会いは彼らのその後を連想させます。

結局ミイは見つかりませんでしたが、町の人たちとの新しい出会いというか絆が見つかったというお話ですねそれはいなくなったミイ(ひいては亡き妻)からの元校長先生への贈り物だったのかも

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64 ロクヨン 後編

2016年06月15日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年6月11日公開 119分

昭和最後の年、昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件は刑事部で“ロクヨン”と呼ばれ、被害者が死亡し未解決のままという県警最大の汚点となっている。その事件から14年が過ぎ、時効が近づいていた平成14年、“ロクヨン” の捜査にもあたった敏腕刑事・三上義信(佐藤浩市)は、警務部広報室に広報官として異動する。記者クラブとの確執、キャリア上司との闘い、刑事部と警務部の対立のさなか、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生する。そして三上の一人娘の行方は……。(Movie Walkerより)

横山秀夫の小説「64(ロクヨン)」を映画化した2部作の後編です。前編は試写会が当たりましたが、今回は自力鑑賞
平日初回の割に8割方埋まっていたので、興行成績も良いのでしょうね

犯人は「サトウ」と名乗り、身代金の額は2000万円でデパートの一番大きなスーツケースの使用を指定し、車で何か所も立ち寄らせるなど、「ロクヨン」をなぞったような展開に、初めは一課は模倣犯を疑います。上層部は警察庁長官の視察に対する刑事部の妨害とまで邪推する始末。マスコミ対策は広報室に押し付けるけれど、肝心の情報は被害者の名前すら伏せたままなので、これでは協定を結ぼうにも(地方紙の記者は前編で信頼関係を築けているので良いとしても)全国紙の記者が納得する筈もなく、広報室はまたまた矢面に立たされます。今回三上は外に出て動くので、記者たちを相手にするのは諏訪(綾野剛)と捜査二課から差し出された落合(柄本佑)なんですけど落合君ってば、初めは渡された文を読み上げるだけで、被害者の名前すら知らないお飾り君だったのですが、長時間の記者たちとの攻防に消耗しながらも、だんだん逞しくなっていくのがです。

新たな誘拐事件の犯人については前編のラストの方で何となく想像がついていたのですが、事件そのものが人質とされた少女の素行を利用したものだったとは
誘拐事件の被害者の父親・目崎(緒形直人)の過去にこそ、重大な秘密があったことに三上と一緒に気付くことになる展開にもでした。

原作と異なるというラスト。これは三上の暴走を指しているかと思うのですが、たしかに映画としては見応えがあるけれど、現実には行き過ぎな感を禁じ得ません。憎むべき真犯人ではありますが、彼もやはり人の子の親であることを考えれば、二度もあのような思いを繰り返すのは私刑に等しいのではと思ってしまいます。(喉元過ぎれば・・な態度は腹立つけれど、家族のために一生隠し通さなければならない秘密を持ってしまった故と思えば哀れです。)彼の娘の前で真実を暴いてしまった三上が、辞職を決めたのは、もしかしたらそのことへの贖罪が含まれているのかも。三上の娘は見つかっていませんが、真犯人逮捕の時に留守宅にかかってきていた公衆電話からの着信が観る側に希望を与えています。

雨宮が真犯人を探し当てたのは最初の電話で耳にした犯人の声です。電話帳の最初のページから順に電話をかけていくその地道な作業(現代ならその方法では犯人には辿り着かないけれど)に要した途方もない時間はそのまま彼の行き場のない怒りや悲しみを現しているかのようでした。

しかし・・・一課はいつからこの新たな誘拐事件の全容に気付いていたのかしらん?もしかして最初から?だから初めから匿名と決めていたの?だから、あくまでも「犯人逮捕」のために人質の筈の娘が見つかったことを知らせなかったの?機会を見つけて原作を読んで検証しなくては

さて、日吉(窪田正孝)君は前編のおさらいシーンと、事件が解決してからのワンシーンのみの登場ですが、14年間引き籠っていたその時間の長さや苦しみを歩き方や表情で見事に演じています 
この作品を観ようと思ったきっかけは窪田君が出るからなんですが、それ抜きにしても、三上と一課長の松岡(三浦友和)を初めとする豪華俳優陣の緊迫したやりとりなどはまさに「ザ・日本映画」です

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ブリッジ・オブ・スパイ

2016年06月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年1月8日公開 アメリカ 142分

アメリカとソ連が一触即発の状態にあった冷戦下の1950~60年代。ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)は、保険の分野で実直にキャリアを積み重ねてきた弁護士だった。彼は、米国が身柄を拘束したソ連のスパイ・アベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受けたことをきっかけに、世界の平和を左右しかねない重大な任務を託される。それは、自分が弁護したソ連のスパイと、ソ連に捕えられたアメリカ人スパイを交換することだった。良き夫、良き父、良き市民として平凡な人生を歩んできたジェームズは、米ソの全面核戦争を阻止するため、全力で不可能に立ち向かってゆく……。


東西冷戦下の50〜60年代に起きたソ連によるアメリカ軍のU-2撃墜事件を基に、捕虜となったアメリカ軍パイロットの救出という極秘指令を受けた弁護士の奮闘を描いた作品です。

冷戦下の両大国がスパイ合戦を繰り広げていた時代が舞台。畑違いとも言えるソ連のスパイの弁護を引き受けたジェームズは、彼の人柄に興味を惹かれます。敵国のスパイであるアベルの弁護をすることはアメリカ国民の反感を買うことでもありますが、彼が祖国に忠誠を誓っているごく普通の人間だと感じたジェームズは、何とか死刑を免れるため、判事に将来アメリカ人がソ連の捕虜となった場合の交換材料として生かしておくことを提言して死刑判決を回避することに成功します。(死刑を求める国民感情を逆なでする結果となり、彼の家族にも危害が及ぶあたりは、現代と変わりない集団心理の恐さを感じました。)

同じ頃、U-2偵察機でソ連を偵察するスパイ任務についたパワーズ空軍中尉(オースティン・ストウェル)がソ連に捕まったことで、両国間で秘密裏に捕虜交換の提案がなされ、その交渉任務がジェームズに回ってくるのです。

更に、ベルリンの壁が建設されつつあるドイツで、アメリカ人留学生 フレデリック・プライヤー(ウィル・ロジャース)が東ベルリンにいる恋人を西側へ連れ出そうとして東側の秘密警察に捕まります。

CIAのホフマン(スコット・シェパード)は国の意向として、パワーズの救出が最優先だとジェームズに命じますが、米ソ独の間にある複雑に絡まる思惑に苦慮しながら、彼は二人とアベルの交換に向け奔走します。このあたりの駆け引きは息詰まるものがあり、冬の凍てつく寒さの風景も相まって緊張が伝わってきました。

何とか交渉が成立して、いよいよアベルがソ連側に引き渡される場面で、ジェームズはアベルが本国で無事でいられるのか尋ね、アベルは車に乗り込む前の同僚たちの態度でわかると答えます。そして抱擁もなく後部座席に乗せられる彼の姿を映すことで、観客はアベルが無事で済まないことを知ることになるのです。

アメリカでは二人の捕虜を救い出したことで、ジェームズの世間的評価は一変し、ヒーロー扱いとなりますが、彼の胸中はどうだったのかしら?
アベルのために最善を尽くしたことが、逆に彼の命を縮める結果になったかもしれないのですものね。
ジェームズから不安じゃないのかと尋ねられるたびに、「役に立つか?(Would it help?)」と返すそのある種諦観したセリフが印象に残りました。


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パリ3区の遺産相続人

2016年06月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年11月14日公開 イギリス=フランス=アメリカ 107分

パリの旧市街マレ地区。疎遠だった父を亡くしたマティアス・ゴールド(ケヴィン・クライン)は、相続した遺産のアパルトマンを調べるためにニューヨークからやって来る。離婚3回、子どもはなく、持ち家を処分して借金だけが残った彼にとって、負け犬人生をリセットするチャンスだった。部屋数が多く、庭付きのアパルトマンは高く売れそうだと期待するが、誰もいないはずのそこには、英国生まれの老婦人マティルド・ジラール(マギー・スミス)が住んでいた。驚いたことに、フランス伝統の不動産売買制度“ヴィアジェ”によって、元の所有者であるマティルドが亡くなるまで売却できない上、毎月2,400ユーロを年金のように支払い続けなければならないという。頭を抱えるマティアスだったが、ニューヨークに帰る金もなく、マティルドから部屋を借りることに。夜には、帰宅したマティルドの娘クロエ(クリスティン・スコット・トーマス)から、月末までにお金を支払わなければ不法侵入で訴えると逆に脅される始末。アパルトマン売却の機会を虎視眈々と狙うマティアスは、売れそうな家具を探している最中、父親とマティルドが一緒に写った写真を発見。マティルドは、2人が愛し合っていたことを告白する。長年の父の裏切りを知り、ショックを受けたマティアスは翌日、母親が目の前で自殺したことをクロエに明かす。10才の時に母親が別の男性を愛していることに気づき、傷ついてきたクロエも、既婚男性と不倫関係を続けてきた自分が母親と同類だというジレンマを抱えていた。互いの心の痛みに共感し、その夜、2人は結ばれる。一方、病死と聞いていたマティアスの母親の死の真相を初めて知ったマティルドは、マティアスとクロエの行く末に思いを巡らす。やがて近づくアパルトマン売買契約の期限。マティアスの決断は……?そしてクロエとの恋の行方は……?(Movie Walkerより)


ケビン・クライン、マギー・スミス、クリスティン・スコット・トーマスの名優競演は良かったです。
マギー演じるジラール老婦人の生き方は全く賛同しかねるものの、あまりにも堂々とした信と威厳の前に力技でそういうのもありかもと思わせてしまいます。

物語の中で重要な役割を果たすのがフランス独特の不動産売買制度「ヴィアジェ」。何と200年以上も前から存在する制度なんですって。
アパルトマンや持ち家などの物件を相続する人がいない独り身の老人が、売却しても死ぬまでそこに住める=買い手は売主が死ぬまで物件を自由にできないってこと。フランスも日本ほどではないけれど長寿国なので、買い手にとって通常より安く手に入るけれど、売り手の寿命によって物件の相場が左右されるギャンブル性の高い制度というわけ。さらに「ヴィアジェ」には終身年金という意味もあって、買い手は前金を支払った後、売り手が死ぬまで一定金額を払い続けなければならない。下手すると買い手の方が先に死んじゃうこともあり得ます。

そんな契約を交わした老婦人とマティアスの父の関係は、だから容易に想像できるというもの。
案の定、物語が進むにつれて、恋仲だったことがわかります。
そうなると、マティアスとクロエは兄妹なのか?という疑問が湧いてくるのですが、既に二人はベッドインしちゃってるの検査の結果は血縁関係無しということでホッとしますが、肝心の老婦人はどっちでも構わないという態度これはどうよ??そんな風に達観できるものかしらん?

親の過去に縛られ苦しんできたのはマティアスもクロエも同じ。
母親が夫の浮気を疑い、挙句に自殺してしまったことで、マティアスは父を許せずにいたし、自分が父の本当の娘ではないのではないかという不安を抱えて生きてきたクロエも同じです。
そりゃ、恋愛は自由だし、人の心は縛れないけれど、せめて子供に対する責任はちゃんとしようよ!
マティアスの名が老婦人の名前から採っているなど、言語道断ですけど

親の過去を知ったことで、二人はようやく人生を前に進めたわけですが、内容的には釈然としなかったなぁ

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デッドプール

2016年06月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年6月1日公開 アメリカ 108分 R15+指定

タクシーに乗って目的地へ急ぐ全身真っ赤なコスチュームの男。運転手に“デッドプール”と名乗ったその男が到着したのは、ハイウェイの上。デッドプールは、そこで宿敵への復讐を果たそうとしていた……。その2年前。かつて特殊部隊の有能な傭兵だったウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は第一線を引退後、好き勝手に悪い奴を懲らしめ、金を稼ぐというヒーロー気取りの生活を送っていた。そんなウェイドが一夜の相手として知り合ったのが、娼婦のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)。最初のベッドインがあまりに完璧だったため、2人は1年間の同居を経て結婚を決意する。幸福な未来が待っていると思ったのも束の間、原因不明の痛みに襲われたウェイドに医師が下した診断は、全身にガンが転移しているという事実だった。余命わずかとなり、激しく落ち込むウェイド。そこへ、末期ガンが治療できると声を掛けてきた男がいた。ウェイドはその男から、ある施設へ案内される。そこで行われていたのは、余命宣告を受けた者たちに人体実験を施し、肉体改造を経て戦闘マシンとして売り飛ばすという恐ろしいプロジェクトだった。施設を仕切るのは、自らも無敵の肉体を手に入れたエイジャックス(エド・スクライン)。様々な実験を重ねて改造されたウェイドは、やがてどんな攻撃を受けても回復できる肉体を手に入れる。怒りが収まらない彼はエイジャックスとの激しい戦いの末、施設から逃亡。だが、実験で全身の皮膚がただれてしまい、ヴァネッサに素顔を見せる勇気がなかった。その顔を隠すため、自ら作ったマスクを被って“デッドプール”と名乗り、エイジャックスを探し始める。元の肉体を手に入れ、もう一度、ヴァネッサと幸せな生活を送りたい……。ウェイド=デッドプールは強い感情に突き動かされ、エイジャックスへの手がかりを見つけては、次々と敵を倒してゆくが……。(Movie Walkerより)


マーベルコミック「X-MEN」シリーズのスピンオフで、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」に登場した毒舌家で自己中心的なアンチヒーロー・デッドプールが主役のアクションエンタテインメントです。

能天気で無責任、口から出るのは毒舌ばかり。すぐにブチキレるが美女には弱く、自分を「俺ちゃん」と呼び、戦うのはあくまでも自分(または報酬)のためという正義感ゼロのアンチヒーローなのに、なんか憎めないのよね。戦闘の最中も、おしゃべりしまくりでカメラ目線で観客に語りかけるというのも今までにないパターンです。

末期癌は治ったけれど、醜く変貌した容姿を気にして恋人の前から姿を消したウェイドは、自分を改造したエイジャックスを見つけ出して元の容姿に戻してもらおうとしますが、そもそも騙されて実験に参加させられたんですから、「元に戻る」という言葉だって嘘ってことに気付けよ~~そして外見が変わったくらいで愛情を失うと思うなんて恋人に失礼だぞとエンディングの彼に言ってやりたい

劇中のアクションはかなり激しくアクロバティックです。
彼が注射されたのはウルヴァリンから抽出されたヒーリング・ファクターということで、『X-MEN』シリーズとのつながりもあります。デッドプールの監視役としてコロッサス(皮膚を金属に変えることができる)と彼が指導しているネガソニック(核弾頭並のパワーを持つ火の玉少女でクールで皮肉屋のティーンエイジャー)が登場します。デッドプールがプロフェッサーの屋敷を訪れてのたまう毒舌には爆笑です
他にも過去の映画からの引用ネタもふんだんにあり、映画通には嬉しいかも

エイジャックスの本名はフランシス(洗礼名)と言い、本人はその可愛らしい名前を嫌がっているようで、デッドプールはからかいネタとして口にし怒らせるところがまたガキみたいで笑えます。片腕の怪力女の名がエンジェルというのも洒落が効いてるね

ウェイドの親友ウィーゼルを演じているT.J.ミラーは「シークレット・ウィンドウ」の頃のジョニーを思わせる風貌で個人的にツボでした

お行儀の良いヒーローの悩む姿より、自己中我儘男のアンチヒーローに親しみを感じるってちょっとどうかとも思うけれど、楽しかったから、ま、いっか~~!

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ぼくらの家路

2016年06月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年9月19日公開 ドイツ 103分

10歳のジャック(イヴォ・ピッツカー)は、6歳になる弟マヌエル(ゲオルク・アルムス)の世話で毎日大忙し。シングルマザーの母は優しいが、まだ若いため、恋人との時間や夜遊びを優先してしまう。そんなある日、とある事件をきっかけに、ジャックは施設に預けられることに。友達もできず、施設に馴染めないジャック。待ちに待った夏休みがようやく訪れるが、母から“迎えは3日後になる”との電話が。がっかりしたジャックは、施設を飛び出してしまう。夜通し歩き続けて家に着いたものの、母は不在でカギもない。携帯電話は留守番メッセージばかり。仕方なく母に伝言を残して、預け先にマヌエルを迎えに行くジャック。仕事場、ナイトクラブ、昔の恋人の事務所まで、母を捜してベルリン中を駆け回る兄第。小さな肩を寄せ合う2人は、再び母の腕の中に帰ることが出来るのか……?(Movie Walkerより)


10歳と6歳の幼い兄弟が母を捜す3日間を描き、2014年の第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された作品。ジャックを演じた子は撮影当時11歳でこれが俳優デビュー作とは思えない確かな演技で魅せます。

冒頭で描かれるのは母の留守中に弟の面倒を見るジャックの日常。(ちょっと邦画の「誰も知らない」を連想してしまいます。)でも、お風呂の温度を間違えて弟が火傷を負ったため、家庭の事情がばれて児童保護局?の指導が入り、母と引き離されて施設に入れられてしまうの。まだ幼い弟には母親が必要だろうと見なされたようですが、そもそも母が留守がちだからこそ起きてしまった事故なのに、ジャックがいなくなったらマヌエルの世話は誰がするんじゃ!って話ですが

施設ではいじめっ子に目を付けられてしまいます。母と会える夏休みの初日。いそいそと帰り支度をするジャックを待っていたのは迎えが遅れるという母からの電話気晴らしに出た池で出くわしたいじめっ子もどうやらジャックと同じく親が来ない様子。親近感から気を許したのも束の間、彼はジャックを水中に押し込みあわや溺れかけます。更に同室の子が貸してくれた双眼鏡を池に投げ込まれ、我慢の限界に達したジャックは木の枝で彼を殴ってしまうの。恐くなったジャックは母のところに帰ろうとします。(この展開はあらすじ紹介では省かれていたのね)

ところが、夜通し歩いて辿り着いた家には母の姿はなく、心当たりを訪ねても誰も行き先を知りません。弟も母の友人のところに預けられたまま迎えに来ていない様子。とりあえず弟を迎えに行ったジャックは二人で母を捜そうと決意します。

彼らが訪ね歩く母の友人たちは、幼い兄弟の状況に無関心。お金も食べ物も寝るところもない二人ですが、トイレの手洗い水で体を拭き、食べ物は盗み、他人の車の中で寝てと、幼いながらに知恵を絞るジャックの姿が何とも健気。
最後に訪ねた母の恋人は二人に食事を与えてはくれますが、連絡が付かないことに業を煮やし、兄弟を警察に連れて行こうとします。(まぁ一番まともな対応をしたわけですが、ジャックが望んでいたことではないのよね

ようやく会えた母は、そんな兄弟の苦労には無頓着で、いっそ無邪気なほどに新しい恋人の話をします。毎日残していた伝言メモの存在さえ気付かない母に、ジャックは・・・・。
翌朝、眠っている母を起こさずに弟を連れてジャックが向かった先は施設です。彼は母と離れ弟と一緒に施設で暮らすという選択をしたということですよね?

弟のマヌエルが天使のように愛らしく、兄に連れまわされても不平の一つも言わずついていくの靴紐の結び方を教えてもらって一生懸命練習する姿のいじらしいことったらありません

子は親を選べない。彼らの母は決して子供たちを愛していないわけではないけれど、彼女は母である前に女であることを無意識に選んでいます。(おそらくジャックとマヌエルの父親は別人なのではないかしら?)そしてジャックは10歳で自らの人生を選択したわけです守るべき存在(弟)を得たジャックは、きっと施設で逞しく生きて行けると思うわ

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ゲーム・オブ。スローンズ 第五章 竜との舞踏  第9~10話

2016年06月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
第9話「竜の舞踏」
死者たちの猛攻から逃れたジョン・スノウと野人たちは“壁”に到着する。サンスピア宮では、ドーランがジェイミーを迎え、反対するエラリアをよそにミアセラを王都に帰すことに同意。貝の商人に扮していたアリアは“鉄の銀行”に訪れたメイス・タイレルを護衛中のマリン・トラントを発見する。劣勢を強いられているスタニスは、メリサンドルの助言に従うことに…。


アリアは憎い敵の一人を見つけ、自分に与えられた仕事を放り出して復讐の機会を狙います。そもそも彼女にとって復讐こそが生きる目的なのよね
あれほど愛していた筈の愛娘を犠牲にしてまでスタニスが成し遂げたかったことって玉座を手にしても後継者が絶えてしまっては本末転倒じゃないかしら?
ジェイミーはミアセラを取り戻すことに成功したかに見えますが・・・エラリアの様子が不穏
デナーリスは闘技場で罠にはまり絶体絶命の窮地に陥ったところをドラゴンに救われます。絆はまだ確かに存在していたのね


最終話「慈母の慈悲」
スタニスがウィンターフェル城の攻撃を開始し、サンサはラムジーが戦に出た隙に脱走を試みる。ブレーヴォスではマリンに対する復讐を誓ったアリアが彼を追い娼館に潜入する。ダーリオとジョラーはドラゴンとともに去ったデナーリスを探しに北へ向かうことに。独房生活が耐えられなくなったサーセイはついにハイ・スパローに対し罪を告白するが…。


サムはジリと赤ん坊を連れて壁を出て行く許しをジョンに願い出ます。ジル母子を守る力がないことを思い知り、またメイスターとしてジョンを支えたい覚悟があるからこその決意です。
スタニスが王女を生贄に捧げてまで拘った玉座への執着は裏目に出て、兵の大半が逃げ出してしまいます。そりゃ、鬼畜にも劣る行為を平然とするような者を誰が受け入れるもんですか王妃も自殺と言う形で喪い、ウインターフェル城を前にして圧倒的兵力の差で敗れたスタニスにとどめを刺したのはブライエニー。レンリーの敵をとったわけね。
戦いのどさくさに逃げ出したサンサとシオンの運命は???
目的を遂げたアリアですが、ルールを破った彼女には厳しい運命が待ち受けているようです。
エラリアに毒を盛られたミアセラは父の腕で息を引き取ります。そういえば、毒についての伏線がちゃんと描かれていたんだったわ
デナーリスが行方不明なミーリーンの統治を任されたティリオン。情報を握るヴァリスとの再会もあり、いよいよ彼の政治手腕が発揮されることになるのかしら?一方デナーリスはドスラクの民に囲まれ・・・彼らをまた味方につけるのかな?
そしてサーセイはキングズランディングに戻りたい一心で告白を受け入れますが、その罰は酷い辱めの道行きとなりました。さすがにあれはないなぁ。そして誇り高い彼女がこの屈辱に心が折れるわけもなく、逆に恐ろしい報復をするであろうことは容易に予想出来ます。ハイスパローもわかってないなあ
わかってないといえば、ジョンも・・・大局を見ることに必死で、すぐ近くにあった陰謀に気付かなかったのね人の心に宿る憎しみは理性を超えて暴発するものなのよね

さてさて、この先は原作もまだ出ていないけれど、すでに第六章が出ているという。早く続きが観たいけれど、DVDに回ってくるのはまだ半年は先なのかなぁ

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エンド・オブ・キングダム

2016年06月03日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年5月28日公開 アメリカ=イギリス=ブルガリア  99分

ホワイトハウス陥落の悪夢から2年。イギリスの首相が不可解な死を遂げた。ロンドンで行われる葬儀は、世界を代表する40ヵ国もの首脳が集結する式典となる。街は史上最大の超厳戒態勢にあったが、その中でも各国首脳を狙った同時多発テロが起こってしまう。数々の歴史的建造物が崩壊し、犠牲者が出続ける中、命からがら逃げ出した米大統領ベンジャミン・アッシャー(アーロン・エッカート)と身辺を警護するシークレットサービスのマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)。非常事態宣言下のロンドンの街で決死の逃亡と救出劇が繰り広げられる。


アーロンもジェリーも好きな俳優さんだし、副大統領役はモーガン・フリーマンだし、配役に惹かれて観ました。平日午後の鑑賞でしたが、観客は男性率が高かったです。やっぱりドンパチ派手な場面が多かったからかしらん?

「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編は、舞台を米ホワイトハウスから、イギリスの首都ロンドンへ移してテロリストとの新たな戦いが描かれました。
いや・・・よそん家で何破壊しまくってんだよ!って話ですが
前作で自国の最高府をぶっ壊したら恐いものはない!とばかりに、今回はセントポール大聖堂やロンドン橋などの英国の歴史建築物をこれでもかと破壊しまくってくれます。

各国首脳の警備はアメリカに比べたら何とお粗末なことでしょう
日本の首相なんて、渋滞の橋(そもそも東洋の島国とはいえ、一国の首相が普通に渋滞に巻き込まれていること自体ありえないですが)の真ん中で車に乗ったまま水中へと消えちゃうんですからあっけないもんです。

テロリストの目的はずばり家族を殺された復讐。冒頭のやりとりがそのまま伏線となっていましたが、あれだけ正確に狙って爆撃したのに死んだのは家族の中で娘だけって・・ありか??

主役の二人が生き延びるだろうことはお約束ですので、予想通りの展開で進んでいきましたが、それにしても強過ぎだろ!マイクそして、英国の警備体制、お粗末過ぎです!日本じゃないんだから、もう少しちゃんとしてくれないとなぁぁ。
今回は誰が裏切り者の内通者なんだろう?と興味はそちらに向きましたが、結末であっさり登場した「彼」は小者過ぎませんか

今回、大統領も頑張ってアクションしてます。体張ってます銃も撃ちますテロリストに捕まって全世界にネット放映される場面でも、雄々しく自分の使命を全うしようとする姿はさすが「大統領!!」ベタですが、こういう「悪に屈しない」精神こそ健全な指導者の姿よね
そして、あわやという場面で颯爽と登場し見事に敵をやっつけるマイクはやっぱりカッコイイ!!絶対無理だろ!な火責めから見事生還するのも無問題

目には目を!ということか、最期は親玉の居場所を見つけ出して今度こそな重点爆撃。それを初めにちゃんとしとけばこういう危機を招かなかったんですけどね・・・
いやいや、そうじゃなくて、復讐から生まれるものは憎しみの連鎖だと思うんですが・・・

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