2015年6月27日公開 アメリカ 101分
ニューヨークのコロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、キャリアを積み学生たちから絶大な人気を集めていた。夫のジョン(アレック・ボールドウィン)は変わらぬ愛情にあふれ、法科大学を卒業した長女のアナ(ケイト・ボスワース)と医学院生の長男トムにも何の不安もなかった。唯一の心配は、ロスで女優を目指す次女のリディア(クリステン・スチュワート)だけだった。まさに人生の充実期を迎えていたアリスに、まさかの運命が降りかかる。物忘れが頻繁に起きるようになって受診したところ、若年性アルツハイマー病で、しかも子供たちに50%の確率で遺伝する家族性だと診断されたのだ。アリスは気丈に闘うが、病の進行は止められない。ある日、アリスはパソコンに自分が残した映像を見つける。かつての自分から自分へのアリスのままでいるためのメッセージとは・・・。
若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々をつづったリサ・ジェノヴァの全米ベストセラー小説「静かなるアリス」の映画化で、主演のジュリアン・ムーアはオスカー、GG、英国アカデミーを制覇しました。
この病気を題材にした映画は「私の頭の中の消しゴム」や「」など洋の東西を問わず秀逸な作品があります。年老いての発症と違って、まだやり残したことがある、まだ未来が残されている筈の人生が突然閉ざされてしまう悲しみや口惜しさに身が震えるほどの切なさがあります。
アリスが自分の物忘れに異常さを感じ戸惑う印象的なシーンはジョギングの途中、良く知っている筈の大学構内で自分がどこにいるのかわからなくなるところです。視覚的には周囲がぼやけてしまうという描き方でしたが、これは少し違う気がしたなぁ。どちらかというと、周囲の建物や道がどれも同じに見えて見分けられないという感じじゃないかしらん?
神経科で、質問に答えるテキパキした受け答えとは裏腹にアリスの不安が感じられました。そしてスクリーンを観ながら担当医の質問を頭の中で繰り返す自分に気付いて苦笑
夫と共に気丈に診断を受け止めたアリスですが、自分の病気が遺伝性のものと知らされ更に絶望を味わいます。子供たちに真実を告げ、遺伝しているかの検査を受けるかどうかは子供自身に決めさせますが、リディアは検査を拒否します。幸いトムには遺伝していなかったのですが、不妊治療中のアナは引き継いでいました。
(自分の運命を知ってなお双子を妊娠したアナの決断もまた凄いとしかいいようがありません
)
実はこの後、アリスが徐々に記憶を失っていく状況をこそ詳細に描いて欲しかったのですが、映画ではトイレの場所がわからず失禁してしまうシーンくらいしか出て来なかったのはちょっと物足りなかったかな。
逆に、講演会でのスピーチは、その内容は胸を打つ素晴らしいもので思わず涙が込み上げてきましたが、同じ場所を読まないよう蛍光ペンでなぞりながら話すような状態なのに、床に落としてしまった原稿を順番通りに揃えられるものかしら?という疑問を感じてしまい感動が差し引かれてしまったぞ
症状が進み、感情も乏しくなったアリスを前に家族がその処遇を話す場面で、リディアが母を庇う発言をするのですが、一番将来を心配していた末っ子が一番優しい心を持っていた、ということですね。
夫に最後まで妻の面倒を看て欲しいところではありますが、現実的にはあのような選択になるのでしょう。
問題の、まだ記憶が確かな頃のアリスが自分に向けて残したメッセージは、(おそらく宗教的な意味でも)とても辛く衝撃的な内容でした。記憶力が失われたアリスが何度も何度もそのメッセージをなぞりながらも、遂に成し遂げなかったことは、彼女にとって幸いだったのかしら?もし自分に同じことが起こったら・・・もう少し早い時期に実行しなくてはいけないのね、なんて考えてしまった
ニューヨークのコロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、キャリアを積み学生たちから絶大な人気を集めていた。夫のジョン(アレック・ボールドウィン)は変わらぬ愛情にあふれ、法科大学を卒業した長女のアナ(ケイト・ボスワース)と医学院生の長男トムにも何の不安もなかった。唯一の心配は、ロスで女優を目指す次女のリディア(クリステン・スチュワート)だけだった。まさに人生の充実期を迎えていたアリスに、まさかの運命が降りかかる。物忘れが頻繁に起きるようになって受診したところ、若年性アルツハイマー病で、しかも子供たちに50%の確率で遺伝する家族性だと診断されたのだ。アリスは気丈に闘うが、病の進行は止められない。ある日、アリスはパソコンに自分が残した映像を見つける。かつての自分から自分へのアリスのままでいるためのメッセージとは・・・。
若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々をつづったリサ・ジェノヴァの全米ベストセラー小説「静かなるアリス」の映画化で、主演のジュリアン・ムーアはオスカー、GG、英国アカデミーを制覇しました。
この病気を題材にした映画は「私の頭の中の消しゴム」や「」など洋の東西を問わず秀逸な作品があります。年老いての発症と違って、まだやり残したことがある、まだ未来が残されている筈の人生が突然閉ざされてしまう悲しみや口惜しさに身が震えるほどの切なさがあります。
アリスが自分の物忘れに異常さを感じ戸惑う印象的なシーンはジョギングの途中、良く知っている筈の大学構内で自分がどこにいるのかわからなくなるところです。視覚的には周囲がぼやけてしまうという描き方でしたが、これは少し違う気がしたなぁ。どちらかというと、周囲の建物や道がどれも同じに見えて見分けられないという感じじゃないかしらん?

神経科で、質問に答えるテキパキした受け答えとは裏腹にアリスの不安が感じられました。そしてスクリーンを観ながら担当医の質問を頭の中で繰り返す自分に気付いて苦笑

夫と共に気丈に診断を受け止めたアリスですが、自分の病気が遺伝性のものと知らされ更に絶望を味わいます。子供たちに真実を告げ、遺伝しているかの検査を受けるかどうかは子供自身に決めさせますが、リディアは検査を拒否します。幸いトムには遺伝していなかったのですが、不妊治療中のアナは引き継いでいました。


実はこの後、アリスが徐々に記憶を失っていく状況をこそ詳細に描いて欲しかったのですが、映画ではトイレの場所がわからず失禁してしまうシーンくらいしか出て来なかったのはちょっと物足りなかったかな。
逆に、講演会でのスピーチは、その内容は胸を打つ素晴らしいもので思わず涙が込み上げてきましたが、同じ場所を読まないよう蛍光ペンでなぞりながら話すような状態なのに、床に落としてしまった原稿を順番通りに揃えられるものかしら?という疑問を感じてしまい感動が差し引かれてしまったぞ

症状が進み、感情も乏しくなったアリスを前に家族がその処遇を話す場面で、リディアが母を庇う発言をするのですが、一番将来を心配していた末っ子が一番優しい心を持っていた、ということですね。

夫に最後まで妻の面倒を看て欲しいところではありますが、現実的にはあのような選択になるのでしょう。

問題の、まだ記憶が確かな頃のアリスが自分に向けて残したメッセージは、(おそらく宗教的な意味でも)とても辛く衝撃的な内容でした。記憶力が失われたアリスが何度も何度もそのメッセージをなぞりながらも、遂に成し遂げなかったことは、彼女にとって幸いだったのかしら?もし自分に同じことが起こったら・・・もう少し早い時期に実行しなくてはいけないのね、なんて考えてしまった
