火花
2016年05月29日 | 本
又吉直樹(著) 文芸春秋(発行)
お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。 (「BOOK」データベースより)
芸人さんが書いた芥川賞受賞作品ということで話題になり、図書館で予約して半年以上も待たされてしまった本です。表題の「火花」は小説の巻頭と末尾に登場する熱海の花火大会のエピソードから付けられた?それとも彼らの心の中にあるお笑いへの熱い情熱を現しているのかな?
既に宣伝内容も忘れていて、まず手に取った瞬間、「薄っ!」というのが感想
中編小説ということですから妥当なんですけどね
そして芥川賞が純文学の新人に与えられる章だということもうっかり失念していたので、読み始めてすぐ「なんじゃ、この小難しい表現は」と思ってしまったのでした。
まぁせっかく借りたのだから最後まで読み通そうと、半ば宿題感覚でページをめくっているうち、「あれ?重いけどけっこう深いな、真理を突いてるな」と感じるようになりそこからは一気に読み通したのですが・・・う~~ん、この終わり方はどうよ??この先の神谷さんはどうなったの?と消化不良な思いが残ってしまいました。
どんな世界(職業)でもそうですが、何も考えていない(考えることのできない)人が成功することはまずないでしょう。
お笑いの世界でも同じだと思いますが、だからと言って小難しく考え過ぎても受け入れられるとは限りません。
神谷や徳永の「お笑い」に対する真摯な思いは感じ取れても、彼らの考えるそれが私には面白いとは思えなかったし、芸を離れた神谷の人間的な優しさは感じられても、彼の芸そのものは理解できなかったのです。
徳永は神谷を理解し尊敬もしていながら、彼の狂気や脆さを危ぶんでもいます。
行方不明になっていた神谷との再会において、徳永の危惧は現実のものとなります。
それでも神谷は神谷然としており、徳永は神谷を偉大なる芸人の先輩として崇めることを止めないのですね。それは徳永がやろうと思ってもできない領域に神谷がいることの証明でもあるかのようです。
そういえば、クイズやバラエティ番組の雛壇に座っているのは見かけても「ピース」の芸って見たことないかも
お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。 (「BOOK」データベースより)
芸人さんが書いた芥川賞受賞作品ということで話題になり、図書館で予約して半年以上も待たされてしまった本です。表題の「火花」は小説の巻頭と末尾に登場する熱海の花火大会のエピソードから付けられた?それとも彼らの心の中にあるお笑いへの熱い情熱を現しているのかな?
既に宣伝内容も忘れていて、まず手に取った瞬間、「薄っ!」というのが感想


そして芥川賞が純文学の新人に与えられる章だということもうっかり失念していたので、読み始めてすぐ「なんじゃ、この小難しい表現は」と思ってしまったのでした。
まぁせっかく借りたのだから最後まで読み通そうと、半ば宿題感覚でページをめくっているうち、「あれ?重いけどけっこう深いな、真理を突いてるな」と感じるようになりそこからは一気に読み通したのですが・・・う~~ん、この終わり方はどうよ??この先の神谷さんはどうなったの?と消化不良な思いが残ってしまいました。

どんな世界(職業)でもそうですが、何も考えていない(考えることのできない)人が成功することはまずないでしょう。
お笑いの世界でも同じだと思いますが、だからと言って小難しく考え過ぎても受け入れられるとは限りません。
神谷や徳永の「お笑い」に対する真摯な思いは感じ取れても、彼らの考えるそれが私には面白いとは思えなかったし、芸を離れた神谷の人間的な優しさは感じられても、彼の芸そのものは理解できなかったのです。
徳永は神谷を理解し尊敬もしていながら、彼の狂気や脆さを危ぶんでもいます。
行方不明になっていた神谷との再会において、徳永の危惧は現実のものとなります。
それでも神谷は神谷然としており、徳永は神谷を偉大なる芸人の先輩として崇めることを止めないのですね。それは徳永がやろうと思ってもできない領域に神谷がいることの証明でもあるかのようです。
そういえば、クイズやバラエティ番組の雛壇に座っているのは見かけても「ピース」の芸って見たことないかも
