杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

フィレーネのキライなこと

2007年05月31日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年1月27日公開 オランダ 94分

可愛い顔して性格キツイ女の子、フィレーネ(キム・ファン・コーテン)は、恋も長続きしない。そんな彼女が優しくてハンサムなマックス(ミヒル・ハウスマン
)と恋に落ち、甘い恋人関係も束の間、俳優を志すマックスは演技の勉強にNYに行くと言い出す。強がって彼を見送るフィレーネだったが、母の言葉に勇気付けられ、NYを訪ねる。しかし、彼女の我儘な行動が大騒動になり、マックスにも愛想をつかされてしまう…。

裏切られるとキレまくるフィレーネだが、それは彼を心から愛しているから。自分の感情に素直で、考えるより行動が先のタイプ、いるいる~~

フィレーネも彼女の友だちも、今時の日本の女の子とあまり変わらないように見える。基本的には自分の感情に正直に行動しているがゆえの暴虐無人な振る舞いなので、呆れはしても嫌悪感は湧いて来ないかな

恋人マックスはその点、フィレーネにはもったいないくらいの出来た男の子。ハンサムだしそんな彼が惚れるんだから、やっぱりフィレーネも良い子なんだね・・と無理やり納得してみる。

まぁ、NYで彼女がキレタ理由は十分に理解出来るので、内心「もっと言ったれ!」と喝采を送りながら観てました。で・・「ごめんなさい」が大嫌いで苦手で口に出来ないフィレーネが・・という結末は、何も意外性もないので、割愛。

これ、劇場で観ようと思って行けなかったんだけど、DVDで良かったかも

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パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド  ネタバレ

2007年05月28日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年5月25日公開

ついに海賊の時代は、終わりを告げようとしていた。世界制覇をもくろむ東インド貿易会社のベケット卿は、デイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れ、彼と最強のフライング・ダッチマン号を操り、海賊達を次々と葬っていく。いまや海賊達が生き残る道はただ一つ。9人の“伝説の海賊”を召集し、世界中の海賊達を蜂起させ一大決戦を挑むのみだった。だが、鍵を握る9人目の人物こそ、ジャック・スパロウ、その人だった……。

先週のアジアプレミア試写会に友人の好意で参加することが出来たのが、この映画の初見。続いて公開初日の金曜午後にいつものシネコンで2回目観賞。そして今日、同じ劇場の一番大きなスクリーンでの上映が3回目。

初めに観た時に感じた疑問は2度目で大体解けたのだけど、3度目の今日はまた新たな疑問も出てきて・・・以下、徒然なるままに感想列挙。
思いっきりネタバレしてます。

映画冒頭は首吊り縄のアップから
流れ作業のように囚人たちが処刑台に並び、次々とハンギング。そして小さな少年までがその子が歌う「海賊召集の歌」がやがて大きな歌声となっていく・・・「始まったか」というベケット卿のセリフはこの事態を予測して、あるいはそのために仕組んだ大量処刑という意味かしら。

続いて場所はシンガポールへ。
川(海?)の中を丸い物体が移動していく・・と見えたものは偽装した海賊たち。しかし、一つだけ本物の坊主頭がここから笑いの小ネタ満載。
お猿のジャックはオルゴールは回すは(あの荷車を引いてたのはティア・ダルマだと三回目でようやく気付いた)、ロケット花火?は打ち上げるは大活躍 コットンさんのオームとの相性もバッチリエリザベスの体から出てくるわくるわの銃の数々。あんなデカイのどこに隠してたんだい?そしてバルボッサからフェアプレイ精神と慈悲の心を取ったらサオ・フェンになるというけど、バルちゃん、元々そんなの持ってないじゃん二人とも海図を盗もうとして捕まったウィルを「知らない」ととぼけるのもお上手。でも・・・。ラゲッティのゲイ疑惑発覚か(爆)こういう小さなツボが全編に散りばめられているから、リピーターにも飽きを感じさせないです。

ここで早くも始まる海賊対軍隊の一戦の最中に、何やら怪しい取引をしてるウィルとサオ・フェン。これが裏切りの初戦か。

舞台はフライングダッチマン号に移り、容赦なく敵をけちらした後は、ベケットに弱みを握られていることを印象付けるシーンが挿入される。ここで登場のスワン総督は今回出番はあと一箇所だけ。ちょっと寂しいな。

海図と船と乗組員を手に入れた一行は、ジャックを探して海の果てへ。極寒の海ではお猿のジャックもぶるぶる震え、乗組員の足の親指も凍傷でもげちゃう。いくら暖かい地からの航海といっても、も少し着るもの位あるだろ?と突っ込むのは止めよう。 ここでもお馴染み、セリフの横取りをするピンテル。取られたのはギブス。続いて煌く星空の下では恋人たちの甘い夜・・じゃなくて互いの本心を隠し、ぎくしゃくするウィルとエリザベスなのでした
そしてあっと驚く海の果ての深遠に落ちていく船と乗組員・・・

アトラクションそのままのフレーズの後はジャックの登場、但し、鼻。はなぁぁぁ???そしてジャックがいっぱい。これはジャックの頭の中を具現化してるのね。情け容赦なく銃をぶっ放し、剣で突くけど、想像の中だから、子供の夢は壊してないってか? ついでにカニもいっぱい出てくる。今回のキーワードの一つは間違いなくカニだね 猿もいるし、日本ならここで猿カニ合戦が始まるところだが、映画では軽くスルー。

クルーとの再会は予告でよく流れるシーンそのままではない。あれはその後にあるシーンと繋ぎ合わせたものなのねけれど、マストに立つジャックは「呪われた~」の登場シーンを彷彿とさせ、いや、あれ以上のカッコよさが 

バルボッサをヘクターと呼ぶジャック。ファーストネームだったかしらん?なんだかんだと屁理屈をこねながらも全員揃って船に乗り、さて始まるキャプテン争い。ピンテルに一喝されても止まらない。バルちゃんが望遠鏡を覗けば張り合って自分も取り出すものの、大きさで負けていじけるジャックが可愛いで、次の時は大きいのを持ち出すのね。

ここで明かされるディヴィ・ジョーンズの秘密の一部。死者の面倒を見るという義務を怠ったためにあのような怪物と成り果てた。しかし、何故その義務を放棄したのかの説明はこの時点ではなし。ティア・ダルマと同じハートのオルゴールがクローズアプされるのみ。

死者の霊と出会うシーンで、スワン総督再登場。って、あんた、いつ死んだの?

ジャックの機転で何とか生者の世界に戻ったのは良いけれど、その途端始まる銃の抜きあい。これが海賊!お猿のジャックまでそしてパーレイを交渉するコットンさんのオーム。笑える

水の補給に寄った島で打ち上げられた怪物イカの屍骸を前にバルちゃんとジャックの会話「世界が狭くなったんじゃない、人間が小粒になったんだ」ここ、現代にも十分通じる皮肉です。
ここで、サオ・フェンとベケットにも再会。この三人の過去の関係は明らかにされないのね。続編への欲が見え隠れしてるようです。そしてここから裏切りの連続。ウィルが、ジャックが、バルボッサが、サオ・フェンが・・正直者は一人もいないじゃないの ブラックパールの持ち主もジャック→ウィル→サオ・フェン→ベケット→ジャックとめまぐるしく移り変わります。そしてバルちゃんが復活したその理由も見えてきましたね。

さて、エリザベスに横恋慕したサオ・フェンはフライングダッチ号に襲われて、あっけないほどあっさりと舞台から退場~~。彼が愛したのは女神カリプソ自身なのか、その映し身としてのエリザベスなのか・・セリフからはカリプソなんだけどなぁ。囚われたエリザベスを旧知のノリントンが逃がし、そのために命を落とすのも、前回あれだけウェイト高かったのに、出番少ないというか、華がないというか・・・。この時、ウィルがノリントンに作った剣がディヴィーの手に。

ところでジャックの行ってた両手足をなくしたラリーって・・誰?

女神カリプソを解き放とうと召集した海賊長会議は協調性皆無の海賊達故、大混乱。然しジャックパパの一喝と海賊の掟(掟本の鍵は1・2で登場のわんこです。海亀に乗ってやってきたって)に従った海賊王の投票でジャックの計略通り、エリザベスが海賊王になり、ベケット卿に対して宣戦布告が決定される。海賊長たちの銀貨代わりの品物は一見がらくたばかり。バルちゃんのは何とラゲッティの義眼。これは驚いたそしてジャックのは頭に付けてた銀貨そのもの

やっと登場したジャックパパ、キースは酔っぱらっての撮影だったとも聞くが、どうして堂々威風の海賊ぶりであります流石のジャックもこのパパを前にしては小僧のよう。「ママは元気?」に差し出されるは干物になったママ?のミイラ。「元気そうだね」には会場からクスクス笑いが洩れてました。パパのセリフ「大切なのは永遠の命ではなく~」がいい。

戦いを選んだ海賊達だが、想像を絶する艦隊の数にとりあえず・・パーレイ!
海水を張った盥に足を突っ込んだディヴィがちょっと笑えます。
ここでも裏切りと計略のオンパレード。

ティア・ダルマ=カリプソとディヴィの束の間の逢瀬?、解き放たれるカリプソへウィルが告げた真実。そして始まるクライマックスへの壮大な戦闘シーン。渦巻く大海と、2隻の帆船の一騎打ち。マスト上ではディヴィとジャックがコミカルに、甲板ではウィルとエリザベスがタンゴのように激しく、ワルツのように優美に戦う姿が目を楽しませてくれます。ここが予告で流れた「結婚」のシーンなのね。バルちゃんも一役買って、二人は無事結ばれたのでした

が・・・ウィルを貫くウィルの作った剣。彼の命を救うためにジャックが選んだのは・・その手しかないよね、やっぱり。

復活したフライングダッチ号と手を組み、エンデヴァー号を打破した海賊軍は勝利に沸くが・・・エリザベスとウィルにとっては悲しい愛の結実となったのです。

海岸でただ一日の愛に燃える二人、靴のシーンは官能的ですらあります。ここはお子ちゃまは目を瞑らないとね緑の閃光と共にウィルは去っていくのでありました。

舞台変わって、とある港。(トゥルトゥーガ?)
女性を両脇に「左に寄る癖があるし、デカさにみな驚くんだ」と意味深なセリフをはきながらジャック登場。バンダナ頭にはコインの代わりに象牙の飾りが。しかし、熊のぬいぐるみを抱えて波止場で眠りこけてるギブスを残し、ブラックパールはバルちゃんと共に沖合いに姿を消していくのでした。

力で奪え!情けは無用。はい、これも1からお馴染みのセリフですねそして横向き骸骨マークの旗を上げ、ジャックは小船で去っていく・・END

で、エンドロールの後、お楽しみは10年後のエリザベスとあの時のウィルの置き土産らしき息子の姿。(冒頭の歌う少年に激似だけど、おそらく別人)そして緑の閃光が消えた後、一回り逞しくなったウィルの姿が・・・おしまい

うーーん、続編、あり!とみた

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ママが泣いた日

2007年05月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年 アメリカ 117分

デトロイト郊外の閑静な住宅地に、幸せに暮らしていたウルフマイヤー家の四姉妹。ところが、父が別れも告げずに突然いなくなり、秘書と駆け落ちしたと考えた母テリーは急に怒りっぽくなった。そんなテリーに同情し、隣人で気ままな独り暮らしの元野球選手デニーは、彼女の飲み友達を買って出る…。四姉妹は困惑し、ときに反発しながらも、それぞれの人生の問題に前向きに対処していく。そして母も、新たな愛に支えられて明るさを取り戻していくが、3年目の秋、思いもかけなかった事実が判明する…。


夫の不実を憤る一方で、ちゃっかり隣家のデニーと出来ちゃって・・という見方は下司でしょうか ヒステリーな被害妄想の中年女にしか見えなかったのは私の理解力が足りないのよね・・でもこんな女は嫌い、というか受け入れ難いキャラ。彼女の思いこみの最大の被害者は夫だったと思うんだけど
愛しているから疑う、これは理解できる。でも真実に向き合う姿勢が彼女にあったら、違った三年間が彼女にも娘たちにもあった筈です。それをいっちゃ~おしめぇよ!だけど、ダメなんで・・・私には合わなかったということで・・あ~~劇場観賞しなくて良かったと胸を撫で下ろすのでした。


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ドコモコンサート

2007年05月26日 | ライブ・コンサート他
第154回 ドコモコンサート
会場:六本木ヒルズけやき坂コンプレックスB1F
1st:開場13:45、開演14:00
2st:開場15:45、開演16:00

出演:マリンバ・デュオSecomds
   (ヴィヴラフォン 宅間善之 、マリンバ 宅間政彰)

先日の宅間久善コンサートでも出演していた彼のご子息お二人の、ミニコンサートでした。こういう編成でのコンサート(兄弟二人だけ)は今日が初めてなんだとか。

さだ友と一緒に出かけた六本木ヒルズは、去年・一昨年のジョニー来日時、プレミアイベントで散々歩いた場所なのですが、B1Fのどの辺で行われるのかよく調べもせずに行ったため、危うく迷子になるところでした。多分一人で行ってたら確実に辿りつけなかった・・私は方向音痴です

開場前に並んで1回目のステージは椅子に座って観賞。でも楽器も兄弟も良く見えないので、2回目は立って観てました。音を聴くのに視覚は不要?いえいえ、こんなに近くにマリンバやヴィヴラフォンを見る機会はそう滅多にあるものではないです。どんな風に演奏するのか、手は?足は?と興味津々な女

綺麗な司会のおねいさんが、楽器についての質問を兄弟に振ってくれました各回で質問内容を変えてくれたのも嬉しかったです。
ヴィヴラフォンってファンが回って、あの「ビブラート」を出しているとか、ピアノのようにペダルがあって、踏むことで音を伸ばすとか、マレットの種類(硬さ)で音も変わることとか、トリビア話が他にも沢山聞くことが出来て、とってもお勉強になりました。
トークは年の功?兄さんの方が滑らかかな~
「演奏は手と足を使うんですね?」の問いに「頭も使ってます」と切り返す回転の速さに 2回目の時は政彰さんもなかなか雄弁だったわ

マリンバを演奏する政彰さん、曲に没頭した時の頭の振り方や、マレットを振り上げる仕草など、お父さんに凄く似てる・・・・。
お兄さんの善之さんは、流れるような優雅な演奏スタイルです。
そして二人ともかなり細身なのに、とっても確かな音

最後の曲は兄弟が神奈川出身→湘南→サザンということで、下記の曲が演奏されました。

初めは初回だけ聴いて帰るつもりが、どうしても2回目も聴きたくなり、スタバでお茶してまた会場へ舞い戻ったのでした ついでにビアフェスの試飲コーナーでビールも飲んじゃったビール好きの政彰さん、ごめんね~~美味しかった!オリオンビール

2回とも聴いた人、割といたみたいで、だから2回目の方が人垣が厚かったかも 今日はお父様の姿は見えなかったけど、渡辺俊幸氏がいらしてたような

また、聴きたいです。

(プログラム)
1.ケニー・G/The Moment
2.モーツァルト/ピアノソナタ第11番
3.H.カーマイケル/我が心のジョージア
4.スタンダードジャズ・メドレー
 ~イパネマの娘(ジョビン)、Conch Salad (宅間善之)、フライ・ミー・トゥ・ ザ・ムーン(ハワード)~
5.ジャズバラード・メドレー
 ~ミスティ(ガーナー)、煙が目にしみる (ヤング)、マイ・フーリッシュ・ハ ート(カーン)~
6.ディズニー・メドレー
 ~いつか王子様が(チャーチル)、不思議の国のアリス(ファイン)、星に願いを
  (ハーライン)~
7.TUNAMI(サザン)

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ライアンを探せ

2007年05月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年12月16日公開

NY動物園のライオンの親子、父サムソンと息子ライアン。ライアンはライオンらしく吠えることができず、野生で育ったワイルドな父にコンプレックスを感じていた。そんな時もの知りな鳩から“緑の箱”で外の世界に出られると聞いたライアンは、父と喧嘩したのをきっかけにその箱へ入りこむ。すると箱には鍵がかけられ、彼はトラックで運ばれていってしまった。それを知ったサムソンはライアンを追いかけて動物園を飛び出すが……。(goo映画より)

連れ去られた息子を探すため、父ライオンとその仲間たち(キリン・コアラ・リス・へび)がNYやジャングルで繰り広げる冒険をCGアニメーションで魅せる。父ライオンのサムソンは実は野生育ちでもない弱いライオン。でも息子を探す旅の過程で、本当の強さと勇気に目覚めていく。

CGの毛並みが本物の質感に近く、リアリティがあって凄い。

サムソンの仲間がまた個性的。

親友であるリスのベニーは仲間の調整役も兼ねるしっかりもの。偉大な父を装うサムソンに息子へ本当のことを伝えるべきと助言する。
コアラのナイジェルは人気のグッズ「喋るコアラ人形」のモデルだが、当人は皮肉屋。この人形がもとで、ジャングルで大騒動が持ち上がる。
ベニーが恋するキリンのブリジッドはライアンを自分の子供のように可愛がっているし、蛇のラリーはおっとりマイペースなキャラ。

人間にも当てはまる各動物の性格はそれほど単純ではないのが良い。
敵キャラのヌーのリーダー・カザールの偏執的で独断的考えに仲間が反発を覚え、反逆する様子は独裁者の末路に重なるし、子供向けとはいっても、かなりシニカルな大人へのメッセージを含んでいるのかな

お喋りなカメレオンはお笑いコンビのオリラジが声を担当。

洋ものアニメは、字幕と吹き替えの両方を楽しもうとDVDまで待つことが多いけれど、借りてきても時間切れでどちらかしか観ないことが多い。今回も吹き替えしか観れず・・・ちょっとだけキーファの声を聴いたけど・・・ま、ファンじゃないからいいか

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アジアプレミアin武道館(POC3)

2007年05月23日 | 日々の出来事
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドのアジアプレミア。
一番大口だったキリンレモン主催の応募枠にはことごとく外れ、他のメディアの募集枠にもついぞ引っかからなかった私に、手を差し伸べてくれたのは、ジョニーサイトのお友だちでした。

思えば、10年ぶりの来日となった「チョコファク」でレッドカーペットを当てて以来、去年も今年も自力で当たらず、ギリギリで友人に救われている私。人の優しさ、温かさに救われているんだな~と感じるのです本当にありがとう。

今年は六本木から場所を移して武道館、ということで、かなり門戸は広がった筈なのに、蓋を開ければ、当選チケットはかなりのプラチナチケットに変わりなく。武道館周辺には「同行させて下さい」「譲って下さい」のカードを持った人が大勢いましたが、彼女たちも入れたのだったなら良いなぁ
ジョニーは会場入りする前に車の窓から手を振ってくれたそうです。
去年のようなサプライズはなかったようですが、一目でも姿を見られたなら待っていた甲斐もあったことでしょう。

会場へは、まず携帯の電源オフ(マナーモードと言ってる係り員もいました)して渡された赤い封筒に入れます。そして空港並のボディチェックと荷物検査を受けて入場。南側スタンド席で、スクリーンは真正面で最高の位置ですが、アリーナとカーペットは音響・照明装置?のせいで半分しか見えません。が、見える半分はすごく視界良好。肉眼で顔がわかるほどです。

会場内ではルールを守って写メ・携帯をしない人が殆どだったのに、スタンドで一部フラッシュの光が上がり、それはイベント中も同じ位置から盛んに光ってました。なのに係りの人が注意に飛んで行ってる風でもなく、アナウンスがせいぜいといった感じで、これは非常に不愉快な情景。そもそも規制する必要があるのでしょうか?素人の撮る写メなんて個人的記念に過ぎないし、よからぬことを考える輩はルール無視でとりまくってたんだろうし、素直な一般ファンへしわ寄せがきただけって不公平感を強く感じます。反則行為には取り上げ・退場などの処置を断固として行って初めて規制の意味があるんじゃないかなぁ

さて、カーペットに最初に登場はビル・ナイ。
熱心にインタビューに応えているので、ちっとも移動してないです。更にジェフリー(意外にお茶目なキャラで親しみ倍増)、チョウ、ジェリー、ゴアと続々登場にカーペット内は少々混雑の様相。ここで少し時間を置いて、芸能人招待客もカーペットに。(沢山いらしてましたが、あんまり記憶に残ってないかも。思い出したら補足します)

オーリーは愛くるしいお顔で、スタンドに向かってもお手振りやウィンクを盛んにしてくれてます。良い子だ~~

そしていよいよジョニーが・・・昼の記者会見とは異なる服装でお出ましです。白のパンツとシャツが眩しい~~
シャツの袖から覗く腕周りにはいつものリリーちゃんのブレスもジャック君のハンカチも見当たらず、皮ブレスと時計だけで非常にシンプル。
その分?パンツにハンカチが結ばれてました。

アリーナ席の人は更に抽選で出演者と触れ合える特設コーナーへ招待があり、その模様はスタンドで見てる私たちにも、マスコミにもしっかりと見えました。アリーナ全体に同じサービスは時間的に無理だし、ジョニーたちの負担も増えることを考えての措置なんでしょうが、穿った見方をすれば、主催者がマスコミに向けて「私たちはちゃんとファンとの触れ合いの時間も取ってますよ」というアピールとも受け取れたりして・・え?ひがみですか?そうですか

だってさ~~その人たちはサイン貰い放題・握手し放題でしたもの。スタンドは元々カーペット参加権はないので、上から眺める分にはより近くでジョニーが見られて良かったんですが
ファンの代表として触れ合える仲間がいたことは嬉しいサービスではあるんですよ。これだけの規模ともなれば、どう企画しても不満の声は上がる筈なので、主催者の苦労も理解はしてます。だから次回があったら私に当ててね、ブエナさん

そして、カーペットで取材を受けている音声は流れないので、ファンではない一般の人には退屈な時間だったようで、席移動が頻繁
この時間を利用してトイレへ行った人も多かったかも。(死角に入っちゃった時に私も・・)別映画会社の時は、この間も実況中継風にMCが入ってたので、見えなくても耳で楽しめたので・・・主催者さん、次回ご検討下さいな。

さて、舞台挨拶はジョニーとチョウさ以外は皆さん日本語で挨拶をしてくれました。特に最後のジェフリーの「ガチョーン」には仰け反ったわ一体誰が彼にそのギャグを仕込んだんでしょう

ジョニーは「僕が日本語を教えたんだよ」と煙に巻いて、日本語は彼の口から出てこなかったけれど、(それは過去2回も同じような感じでしたが)いつか、ジョニーの口から出る日本語のフレーズを聞いてみたいです

さて、映画の方は、完結編に相応しく、良い意味でも悪い意味でもてんこ盛りな内容となっています。お猿のジャックとオームが大活躍するし(わんこも出てくる)、ジャックはいっぱいだし、ウィルの苦悩も見られるし・・あと数回観てから感想まとめます。

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フーリガン

2007年05月20日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年6月17日公開

大学でジャーナリズムを専攻するマット(イライジャ・ウッド)は、ルームメイトに麻薬売買の罪を着せられ、退学処分になる。失意のまま姉の住むロンドンへ来た彼は、姉の夫スティーヴ(マーク・ウォーレン)とその弟ピート(チャーリー・ハナム)と出会う。ウェストハムの熱狂的サポーターであるピートとの初のサッカー観戦で興奮したマットは、その直後サポーター同士の喧嘩に巻き込まれるが、その中で異様な興奮と連帯感を覚え、彼らとの世界に埋没していく・・・。

若い女性監督の作品であるこの映画は、同士愛と友情がテーマだ。

ルームメイトは有力議員の息子で、闘う前から結果を予想し諦めるマットは、離れて暮らすジャーナリストの父親にも相談出来ず、すごすごと尻尾を巻いて負け犬としてロンドンに住む姉の元を訪れる。義兄に邪魔にされ、義弟のフーリガン・ファームGSEのリーダーであるピートにお守りという名目で追い出された彼は、この時点でも邪魔者である。しかし、初めてのサッカー観戦の興奮の後に彼を襲ったある事件を通してマットはピートや彼の仲間に加わることになる。暴力という初めての強烈な体験が彼の中に眠っていた強さへの渇望を掘り起こし、友人をも与えてくれたのだから、のめりこんでいってもそれは当然の結果だろう。そして長年の敵であるミルウォールとの抗争で彼らを出し抜いてGSEに勝利をもたらしたことで、仲間としての位置を確実なものとした彼は、十分な満足感と充足感を感じることになるのだ。

野球の方が好きなごく一般的なアメリカ人のマットにとって、サッカーの魅力より、フーリガンをすることで培われる仲間との繋がりの方が大事なのは明らかだ。そして、GSEの仲間たちにとってもそれはあまり変わらないように思える。
マットの出現により、親友ピートを奪われた疎外感を募らせるボヴァーや、先代のリーダー「少佐」を超えようと悩むピートなど、それぞれの心の中の迷いや葛藤が丁寧に描かれていく。

やがて明かされる「少佐」の正体は義兄の堅物だと思っていたスティーブ。そして起こる悲劇。だが、この時の姉の行動は納得できんのよね。
誓いを破ったから、というより息子に危険が及ぶのを恐れてロンドンを離れようとした彼女が、弟の身を案じて抗争現場に駆けつけるのは、まして子供を連れて飛び込んでいくのは軽率すぎやしませんか。
更にあの場面で立ち去ってしまうマットも何だかな~~。
大学に復学するための手段もせこい、と言ってはいけないんだろうけど、どうも最後の最期でゆるゆるな気がして、脱力~。

しかし、暴力は結局自分に返ってくるものだという視点では、この結末は正しいのかもしれない。マットは自分の想いとは別に、あの国では終始よそ者であったわけだし。

もう一つの友情、ピートとボヴァーの関係の方が、純粋かもね

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宅間久善コンサートツアー2007~おかえり~

2007年05月19日 | ライブ・コンサート他
16:30開場 17:00開演
於:よみうりホール

出演 宅間久善 宅間善之 宅間政彰
   紺野紗衣(Pf)、川嶋一久(bass)、川瀬正人(Per)

今夜は大好きなマリンバ奏者宅間さんのコンサートにいってきました。さださんのバックを務めて30年、華麗で卓越したその音色に魅入られてます。

会場に着いたのは15分前、既に大勢の人が入場し、グッズ売り場も混雑してましたが、お目当てのリストバンドを購入し、友人と談笑しながら開演を待ちました。本やCDは既に購入済みでーす

今回のコンサートは二人の愛息(兄善之・弟政彰)を従えてのステージ。前回聴きに行ったカザルスホールから1年以上が経過していますが、まず思ったのは、その息子たちの成長でした。

前回お気に入りだった善之君がね~~更にビジュアル向上~~プレイ姿もしなやかで優美で、お父さんを見にきた筈が、気が付くと視線が彼に行っちゃうんですね~~

弟君も更にパワーUP&安定した音で聴かせてくれました。

この二人に囲まれた宅間さんは、もちろん、技術や円熟味、音の深さでは、まだまだ息子たちに負けませんが、速さは今宵は弟君に軍配が上がったかな。そして1曲演奏後の息遣い(=体力)では既に子供たちにかないませんね。いや~~若いって、それだけで凄い価値があるんだな~と思ってしまいました。

こんな素晴らしい息子たちと共にステージに立ってる宅間さん、とにかく嬉しそうで、楽しそうで良いんだな親として、演奏家として、これ以上の幸せな瞬間はないって感じでした。

そういうあれこれで感極まったのか、アンコールに入る前のトークで言葉がつまりがち・・あれ?もしかして泣いてません?うん、確かに見ました、何気ない仕草で顔をこする彼の目に涙。そして上を向いてこらえてる様子。数十年、さださんのライブでも見たことのない宅間さんの涙、私、初めてでした。

そうそう、今宵のサプライズゲストはさださん本人。
実は、開演前に友人が国際フォーラムの駐車場に入れる車の中にさださんを見たと言ってたので、宅間さんが招待したのかと思い込み、「どこに座ってるんだろうね?」と開演前にキョロキョロするも確認できなかったのですが、何と、宅間さん本人は全く知らなかったそうで、マジ驚いてました。でもスタッフは全員知ってたんだそうです(爆)

さださんってば、しっかりトークで盛り上げ、宅間さんを上げては落としの繰り返しで笑いをとり(この父の元、よくぞ立派に育った、母は偉い!とか、善之君の方が親父よりトークが落ち着いてて旨いとか)更に歌まで披露するサービスぶり。
おかげで30分、延びたぞ~~>嬉しいけど

終了後、グッズやCD・本を買った人が参加出来る握手会に並び、(前回は宅間さんだけでしたが)政彰君・久善氏・善之君の順に握手して貰って会場を後にしたのでした。

(曲目リスト)
・朝刊

・Close your eyes
・本当は泣きたいのに
・長崎小夜曲

・主人公

・大切な人

トーク(学生時代について)
・夢中
・Mishearing
・竹林

久善氏休憩、兄弟でトーク
・アントゥルーフィーリング
・The Way

再びステージ上へ、長男の曲に挑戦
・ルート357

父子速さ対決
・くまんばちの飛行

まっさん登場、トークの後ピアノ伴奏で秋桜を歌い退場

・デイジー
・舞姫
・おかえり
・胡桃の日

・My Funny Betty
・Conch Salad(ちょっとあやふや

そういえば、客席前の両端にはカメラが数台。今夜のコンサートがDVDになるのかしら?(期待)さださん登場で時間が延びたため、容量が足りなくなったのか、ちょっとバタバタしてる様子があったのが可笑しかったです。(あくまで勝手な推測です)
    

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パッチギ

2007年05月18日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年1月22日公開

グループ・サウンズ全盛の1968年。京都府立東高校の空手部と、朝鮮高校の番長・アンソン(高岡蒼佑)一派は、激しく対立していた。アンソンの妹で、フルートが得意なキョンジャ(沢尻エリカ)に心を奪われた、東校の松山康介(塩谷瞬)は、彼女が奏でる美しい曲が、「イムジン河」という朝鮮半島に思いを馳せた歌だと、音楽に詳しい坂崎(オダギリジョー)に教えられる。キョンジャと親しくなりたい一心で、康介は、ギターの弾き語りで「イムジン河」を練習し、朝鮮語の独学を始める。(goo映画より)

19日の続編公開を前にTV放送されたこの作品。
井筒監督はTV露出の人柄が好きじゃないので(あくまでTVで見た印象)作品も敬遠してましたが、食わず嫌いも何だかなぁという理由を付けて観てみることに。

最初の数十分は、「なにこれ?喧嘩上等、不良の映画?」と気を入れずにながら見してたものの、後半は「ちょっと良い話じゃない」と思っちゃったりして。うん、食わず嫌いはいけないね。
ただ、登場人物の生き方そのものが、自分の日常を超えているので(あんな抗争してたら、ソク逮捕じゃないの?)逆にリアリティを感じなかったかも。

主人公たちの置かれている環境や立場に全く無知な自分を改めて知ったという点では、目を開かれた気がしました。けれど、「ピンポン」とかこの作品のように、主人公が攻撃的タイプで描かれると、全体的にそういう傾向なのかなぁと感情的に引いてしまうというのも正直あります。

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クリムト

2007年05月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年10月28日公開

1918年、第一次世界大戦のさなかに、病院で死を迎えようとしている男がいた。彼の名はクリムト(ジョン・マルコヴィッチ)。ウィーンを代表する天才画家だ。見舞いに来た弟子エゴン・シーレの存在にも気づかず、彼の頭に人生が走馬灯のように去来する。19世紀末、保守的なウィーンでの酷評をよそに、彼の描く絵画はパリでは絶賛される。パリ万博のサロンで美しい女性と出会ったクリムトは、彼女から肖像画の依頼を受けた。ウィーンに帰ったクリムトは大臣から助成金の打ち切りを聞くが、作品制作を続けることは止めない。しかし、やがて現実と虚構が混じり始める。(goo映画より)

グスタフ・クリムトは19世紀末~20世紀初頭に活躍したウィーンの画家です。映画は彼の見た夢を具象的に描いているようで、伝記だと思って見るとわけがわからなくなります。それでも後半に差し掛かる頃には十分に気付かされるのですが

案内役のような役割の三等書記官や永遠の理想愛人レナなど、どう受け取っていいのかよくわからないまま未消化のうちに終わってしまった感じ
芸術家って・・・よくわからない、ということだけわかった
そして、自分がクリムトの作品自体を良く知らないことも。

 20世紀初頭のサロンの様子やファッション、映写機など、当時を偲ばせる映像がノスタルジーあり。ただ、登場人物についての知識がない当方にはそれを楽しむゆとりなし、という状態でした。

同じ「画家」をテーマに描いた映画でも、「モディリアーニ」や「真珠の耳飾りの少女」の方がわかりやすく面白かったな

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バベル

2007年05月16日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年4月28日公開 143分

末の息子の突然死で壊れかけた夫婦の絆を取り戻すための旅をしているアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)。彼らの幼い子供たちを世話するのは不法滞在のメキシコ人ベビーシッター。一方、山羊を狙うジャッカルを退治するため、不法な銃を手に入れた父親は息子たちにそれを渡す。日本ではその銃の持ち主だった男の聾唖の娘チエコ(菊地凛子)が父(役所広司)との心の疎通や自分の境遇に苛立っていた。そしてある日、一発の銃声が響き、彼らの運命を変えていく。

モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、一見脈絡のない人間模様が、やがて一つの線上に浮かび上がっていく。これはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 監督お得意の手法らしい(21g、アモーレス・ぺロス)
私は21gしか観てないが、確かに切れ切れの断片を繋ぎ合わせるような手法だ。

でも・・・賞レースを賑わせる作品として「凄く感動した!」「素晴らしかった」という感情は沸いてこなかったかな

今夜はかなり斜め、ひねくれ視線の感想です。

まず、日本のシーンの必要性について。

娘が聾唖であることは会話の疎通が十分でないことの理由にはならないし、父との距離感も娘が一方的に抱えているように見えます。そのことが性的に攻撃性を増す理由として使われるのは納得出来ないし、あれでは単なる欲求不満なバカ娘じゃないかと。特に歯医者とのシーンはお話にならない。

問題のクラブの明滅シーン(劇場窓口で口頭注意あり)も、音と光と人の洪水の真っ只中にいての孤独感を表現したいのだろうけれど、その方法はもっと他にもあったのではと思ってしまう。確かに、疲れる映像だし。

伝わらないもどかしさは、この日本のシーンで監督が意図したことだったりして?

モロッコ人の、早熟な弟と自分より能力の優る弟への嫉妬を抱えている兄との関係自体はよくある話だが、結末はかなり厳しいなぁ。実行したのは弟だが、そのきっかけは兄が作ったとも言えるけど、あくまで弱者に徹底して冷たい運命だね。

気持ちはわかります。わかった上でキツイ言い方だけど、雇い主の子供たちのことを考えているようで、実は自分のしたいことを優先させる乳母も自業自得という見方ができる?で、甥の彼(ガエル君)の行方やいかに。

テロへの恐怖心から撃たれたスーザンと夫を置き去りにしてしまう他の観光客。事件を大げさに受け取りヒステリックな反応をするアメリカ政府の姿に風刺を見たといってはそれこそ過剰反応ですか?

ボタンの掛け違いが起こした悲劇の連鎖だけれど、そもそもは人間の利己性が関わっているように思えてならないのでありました。

主要キャストであるアメリカ人夫婦の失われかけていた愛の絆を取り戻せて良かったね~。子供たちが無事で良かったね~という主にアメリカ万歳的なラストに不満があるわけでもないし、判断を誤ってしまったモロッコ人少年や乳母の運命が当然だとも言いません。

ちょっと、自分に合わなかっただけ。

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ゆれる

2007年05月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年公開 119分

写真家の猛(オダギリジョー)は、母の一周忌で帰郷した。父(伊武雅刀)と折り合いの悪い彼だが、温和な兄・稔(香川照之)とは良好な関係を保っている。翌日、猛は稔、そして幼馴染の智恵子(真木よう子)と渓谷へと向かった。智恵子が見せる「一緒に東京へ行きたい」という態度をはぐらかして、一人で自然へカメラを向ける猛。そんな彼がふと吊橋を見上げた時、橋の上にもめている様子の稔と智恵子がいた。そして次の瞬間、そこには谷底へ落ちた智恵子に混乱する稔の姿だけがあった…。(goo映画より)

公開時、作品への評価はほどほどに高かったと記憶してます。映像がゆれて気持ちが悪くなったという感想も耳にしていたので、敢えてDVDまで待ちましたが、全然そんな「揺れ」は感じなかったなぁ

「ゆれ」はむしろ、兄弟の心の中に存在していました。
いつも自分のことは二の次で、家族のために温和な役回りをしてきた兄と、自分勝手にやりたいことをしてきた弟。この二人が、幼馴染の智恵子を巡って、心の中にそれぞれの葛藤や嫉妬を抱え込み、吊橋での惨事に収束していった気がします。

弟は兄の気持ちに気付きながら智恵子に手を出し、兄もまた、そのことに気付きながら知らぬふりをする。事件の後も、互いに本心を隠し、疑い、弟は兄を破滅に導いてしまう。しかし、真実は弟自身も気付かぬ心の奥底に潜んでいた・・というところでしょうか

裁判シーンでの検察官役のキムにぃこと木村祐一のポーカーフェイスの喋り口がとてもインパクトがありました。しかし、あんな風に「被害者」の全てが法廷に曝されるのって・・ヤダなぁ

結局、弟が目撃したことの「記憶」は物事の真実を捉えてはいなかった、とみて良いのかしら?そして、7年経って、子供の頃の思い出のビデオを見ていて突然そのことに気付く弟。慟哭。そして和解への序章・・・

閉塞した暮らしの中で息が詰まりそうになっていた兄の気持ちが切なかったです。人って、ある日突然、切れちゃうんだなぁ。いや、突然じゃなくて、毎日少しずつ、少しずつ壊れていくのかもしれないね。だけど、そうして壊れた後に再構築できるのもまた人というものなんだねぇ・・・。

弟を見つけて微笑む兄の顔をバスが隠すラスト。あれからこの兄弟は新しい関係を築いていけるんだと信じたい、そういう再生への希望を示した終わり方でした。

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主人公は僕だった

2007年05月11日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年5月19日公開予定

試写会:一ツ橋ホール 18:30開演

ハロルド(ウィル・フェレル)は国税庁の会計検査官として、過去12年間、毎日判で押したような生活を送ってきた。しかしある朝、ハロルドの頭の中に、彼の行動を文学的な表現で語る女性(エマ・トンプソン)の声が聞こえてくる。彼女によれば彼はどうも小説の主人公らしい。彼に死が近づいていると仄めかす彼女の声に焦ったハロルドは何とか自分の運命を変えようと努力するのだが・・・

ハロルドが助けを求める文学教授ヒルバートにダスティン・ホフマン、ヒロインにはマギー・ギレンホール、作家の助手にクィーン・ラテファと演技達者が揃い踏みのこの作品は、劇場公開を楽しみにしていたところ、友人が試写会に誘ってくれて、一足先に楽しむことが出来ました。

けっこうあちこちで試写会が催されているらしいのですが、今夜もホールは満員状態。そして入り口で配られたのはクッキーが一枚。特に協賛の会社の名前もなく??状態だったのですが、その理由は映画本編の中にありました。
そのシーンが流れた瞬間、会場のあちこちでガサゴソとクッキーの袋を開けているらしき音がしたのが可笑しかったです。うん、確かに食べたくなるけど

この映画、何よりも脚本が練れてます。あちこちに伏線が用意され、それが終盤の収束に繋がっていくのも小気味良いし、「本人」にとっては大真面目な話しが、第三者からはいかに奇想天外&変人に見えるかなど、ブラックな要素も楽しめます。

自分の死を宣告されてから、味気なかったハロルドの生活は一変。趣味に恋にと色づいていく彼の人生のページは観ている側まで楽しい気分にさせられます。

脇役達もそれぞれ個性的。彼が助言を請うヒルバート教授の大雑把な性格にクスッと笑い、ハロルドが恋するアナ(何気に賢い女性。防衛費分の22%だけわざと税金を払わないとか、政府への皮肉もあり?)のさっぱりと、でも優しいキャラに温かな気持ちになり、10年ぶりの新作に行き詰っている女性作家カレンの変人キャラ(エマの迫真の演技がより一層笑いを誘います)の炸裂に爆笑し、それを冷静に見つめる助手のラティファの押さえた演技がちょっと新鮮。

ハロルドが声の主カレンを探し当て、悲劇で終わらせないでと懇願、しかし・・といったラストへ向けての山場は泣かせると見せて次の場面転換で笑いが起きるという不思議な空気感が会場を漂います。

ハロルドだけでなく、大悲劇作家のカレンや、小説研究家のヒルバートにとっても今回の経験は自らの人生を変える出来事だったのかもしれません。

作品に出てくるアナが焼く甘いクッキーが意味するもの、それは・・・今は見てのお楽しみ、と言っておこう~っと

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涙そうそう

2007年05月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年公開 118分

那覇で自分の店を持つことを夢見て働く兄の洋太郎(妻夫木聡)のところへ、高校に合格した妹のカオル(長澤まさみ)がやって来て同居することになった。やがて資金が貯まり店が開店を迎えようとしたとき、洋太郎は詐欺に遭って莫大な借金を背負ってしまう。それでも洋太郎はカオルを大学に進学させるために必死に働くが……。 (シネマトゥデイより)

ブッキーは好きな俳優さんです。劇場で観はぐったので、DVD新作だけどレンタル

互いに義理の兄妹と知っていて成長したのだと思って観ていたら、兄の方は妹が真実を知らないと思っている、ということが最後の方でわかって、あれ?という箇所もあったけれど、二人の淡い兄妹を超えた想いを交えながら、淡々と進んでいく物語と、最後の悲しい結末に、やっぱり涙が・・

涙が出そうになった時は鼻をつまむと我慢出来る・・亡くなった母(小泉今日子)から教えられて兄妹がする同じ仕草が余計に涙を誘います。

一見、善人タイプの船越英一郎さんの役は、最初から「ん~~こいつ怪しい」と思っちゃったので意外性はなかった私 沖縄の「おばぁ」平良とみさんも出てます。 彼女がカオルに海岸で話して聞かせる「亡くなった人は南の島に・・」はあの景色の中で聞くと何だか真実に思えます「泣いて良いんだよ」のおばぁの言葉に一緒に涙が出ちゃいました。もう一つ、兄から贈られた着物と一緒に入っていた手紙を読むシーンでも

先日結婚をキメた塚本高史君や、ちょっとお気に入りの橋爪功さんも出てます

「にぃにぃ」はでも、短く辛い人生だったように見えても、本人は誰より幸せだったんじゃないかなぁ。例え騙されたり、好きな人との別れがあっても、守りたい人がいて、自分の夢があって、そのために働く毎日は彼にとっては輝いていたんだろうと、そんな風に思ったのでした。

夏川りみさんの歌がとっても合ってます。

最後、少々ネタバレ  



エンドロールの後に、子役の二人が「大きくなったら、にぃにぃと結婚したい」「ダメじゃ」「なんでダメなの?」「兄妹は結婚できないの」「どうして」「どうしても」と言った会話シーンが挿入されているのですが、このシーンがその前の涙を乾かし、微笑ませる素敵な効果があります。

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スネーク・フライト

2007年05月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年10月21日公開 アメリカ 107分

ハワイで偶然大物ギャングのキムが検事を殺している現場を目撃してしまったショーン(ネイサン・フィリップス)は命を狙われたところを助けられたFBIエージェント・フリン(サミュエル・L・ジャクソン)の護衛のもと、検察側の証人としてロスへと向かう飛行機に乗り込んだ。しかしそれを察知したキムは、航空機に暗殺者=大量の毒ヘビを送りこんだ・・。

殺人現場の目撃者を消すため、数千匹の毒ヘビを送り込むなんて発想そのものが既にかなりのB級だって、気付くべきでした。予告じゃ、どちらかというとコミカルな印象を受けたのですが、パニック・アクションなんだよね。

コブラにガラガラヘビ、色鮮やかな縞蛇などありとあらゆる毒蛇たちが通路を這い、上からぶら下がり、牙を剥いて飛び掛っていくさまは、気分が悪くなるほど。噛まれた後の描写(腫れあがった死体など)もグロいです。

ヒロインはERのハサウェイ看護士役でお馴染みのジュリアナ・マーグリーズ。

機内のあらゆる場所から這い出してきて乗客を襲う毒蛇たちのリアルさったら初めのうちのちょっとコミカルな部分(トイレで大事な部分に噛み付いたり、肥った女性の足元から服の中に這い登ったり)もすぐに酷いシーンにかわって、思わず身を縮めて見てました。

キューティ・ブロンドのヒロインを意識したようなキャラのティファニーが連れていた子犬も餌食になっちゃうし、二人旅の幼い兄弟や赤ちゃんにも容赦なく襲い掛かる毒蛇たちの様子に、おいおい、そこまで描かなくても・・と気持ち悪くなっちゃうくらい。そのくせ、主人公たちは怪我もなく、乗り切っちゃうところがなんだかな~~

フェロモンで攻撃性を増幅した設定とはいえ、あんなに「人間」をターゲットに襲ってくるものなのかしらん?それにしても攻撃スピードの速いことったら。ちょっと魘されそうです。
蛇たちと同じく、かなり毒のあるB級パニックだね

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