著者: 真保裕一 出版社: 講談社
サンフランシスコで日本人女子大生・霜村瑠衣が失踪し、日本から駆けつけた父親の立ち会いのもと、アパートの捜索が行われた。外務省邦人保護担当領事・黒田康作も現場に立ち会ったが、当の父親は、娘の失踪理由を知っていて隠している様子が窺われる。瑠衣の容疑は、単なる窃盗ではなく、テロ準備罪?! 黒田が調べていくうちに、彼女の周囲には、日系ボリビア人や謎の日本人フリージャーナリストをはじめとする不審な人物の影がちらついていて、何人かの死亡者までいることが判明。ついに失踪事件の背後に隠されていた真実に辿り着いたとき、その重さに、黒田は愕然とする。国益を優先すべきか、邦人の命を守るべきか、黒田の苦悩はつきない。(「BOOK」データベースより)
フジテレビ系連続ドラマ「外交官 黒田康作」の原作です。
ドラマの方を先に見てから本を読みました。(図書館の順番待ちがやっと回ってきた)
初めにドラマ化ありき!ということですが、原作通りの設定にしたら官僚天国の日本では放映許可が下りないからなのか、テロじゃなくてエロ落ちだからか、かなりバッサリと変更されてのドラマ化だったんだなぁということがよくわかりました(^^;
黒田ファンとしてはTVも本も何だか中途半端な感じが否めないのね。アメリカの製薬会社が鍵であることは変わりませんが、ドラマの方が薬害や人体実験により深く焦点を当てていたように思います。(そういえば人種的偏見を招くと批判を受けお断りテロップも流されたっけ)
その点、本は官僚機構の軋轢に多くページが割かれていて、相関図を頭に入れておかないと人間関係で迷子になりそうでした。それが面白いと言う人じゃないと楽しめないかも。
原作の不満点は、事件の真相が、家族の不始末による負の連鎖ということで、なんか「ちっせ~~な!」というのが正直な感想です。
黒田自身も、事件に首を突っ込んで探偵の真似事をしてる割には、出し抜かれたり傍観者の立場に近かったりで、ヒーローっぽくはなかったかな。
マネー・ロンダリングならぬヒューマン・ロンダリングの手法はTVでも使われていますが、本は二倍(笑)おいおい、そうくるか!で、しかも親バカも二人って・・どうよ(^^;
最後に真犯人が登場しますが、その動機もなるほど!と納得するには少し弱い気がします。
また、脅迫されていた男が脅しに屈せず指示された強毒性のウィルスではなく比較的害のないものを所持していたのも、彼の研究者としての正義感を強調したいのでしょうが、脅された理由の下劣さを相殺するまでは至らないのも残念でした。
第三作はまた映画になるようですが、今回より面白いことを期待します。
サンフランシスコで日本人女子大生・霜村瑠衣が失踪し、日本から駆けつけた父親の立ち会いのもと、アパートの捜索が行われた。外務省邦人保護担当領事・黒田康作も現場に立ち会ったが、当の父親は、娘の失踪理由を知っていて隠している様子が窺われる。瑠衣の容疑は、単なる窃盗ではなく、テロ準備罪?! 黒田が調べていくうちに、彼女の周囲には、日系ボリビア人や謎の日本人フリージャーナリストをはじめとする不審な人物の影がちらついていて、何人かの死亡者までいることが判明。ついに失踪事件の背後に隠されていた真実に辿り着いたとき、その重さに、黒田は愕然とする。国益を優先すべきか、邦人の命を守るべきか、黒田の苦悩はつきない。(「BOOK」データベースより)
フジテレビ系連続ドラマ「外交官 黒田康作」の原作です。
ドラマの方を先に見てから本を読みました。(図書館の順番待ちがやっと回ってきた)
初めにドラマ化ありき!ということですが、原作通りの設定にしたら官僚天国の日本では放映許可が下りないからなのか、テロじゃなくてエロ落ちだからか、かなりバッサリと変更されてのドラマ化だったんだなぁということがよくわかりました(^^;
黒田ファンとしてはTVも本も何だか中途半端な感じが否めないのね。アメリカの製薬会社が鍵であることは変わりませんが、ドラマの方が薬害や人体実験により深く焦点を当てていたように思います。(そういえば人種的偏見を招くと批判を受けお断りテロップも流されたっけ)
その点、本は官僚機構の軋轢に多くページが割かれていて、相関図を頭に入れておかないと人間関係で迷子になりそうでした。それが面白いと言う人じゃないと楽しめないかも。
原作の不満点は、事件の真相が、家族の不始末による負の連鎖ということで、なんか「ちっせ~~な!」というのが正直な感想です。
黒田自身も、事件に首を突っ込んで探偵の真似事をしてる割には、出し抜かれたり傍観者の立場に近かったりで、ヒーローっぽくはなかったかな。
マネー・ロンダリングならぬヒューマン・ロンダリングの手法はTVでも使われていますが、本は二倍(笑)おいおい、そうくるか!で、しかも親バカも二人って・・どうよ(^^;
最後に真犯人が登場しますが、その動機もなるほど!と納得するには少し弱い気がします。
また、脅迫されていた男が脅しに屈せず指示された強毒性のウィルスではなく比較的害のないものを所持していたのも、彼の研究者としての正義感を強調したいのでしょうが、脅された理由の下劣さを相殺するまでは至らないのも残念でした。
第三作はまた映画になるようですが、今回より面白いことを期待します。