杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

パリ、嘘つきな恋

2019年05月27日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年5月24日公開 フランス 107分

ジョスラン(フランク・デュボスク)は、パリの大手シューズ代理店で働くビジネスマン。イケメンでお金持ちの彼は女性にモテるが、恋愛に求めるのは一時的な楽しさだけ、という軽薄な男。ある日、ひょんなことからジョスランが車椅子に座っていると、偶然美しい女性ジュリー(キャロライン・アングラード)と遭遇。 彼女の気を引くために「自分は車椅子生活だ」と、とっさに嘘をついてしまう。すっかり信じたジュリーが彼に紹介したのが、姉のフロランス(アレクサンドラ・ラミー)。フロランスは以前事故に遭い車椅子生活を送りながらも、ヴァイオリニストとして世界中を飛び回る、快活でユーモア溢れる魅力的な女性だった。親友マックス(ジェラール・ダルモン)には興味無いと言いつつも、ジョスランはフロランスが出場する車椅子テニスの試合を観戦したり、彼女が演奏するコンサートを観に、わざわざプラハを訪れる。そして会うたびに新しい一面を見せてくれるフロランスに、本気で恋に落ちる。2人はデートを重ね距離を縮めていくが、ジョスランはまだ本当のことを言えずに、車椅子に乗ったままだった。そんな時、ついに妹ジュリーに車椅子の嘘がばれてしまう!「48時間以内にフロランスに本当のことを言わないと、ただじゃ済まさない」と言われたジョスランは、マックスや秘書のマリー(エルザ・ジルベルスタイン)を巻き込んで、嘘を切り抜けるために奇想天外な計画を立てる。しかし一方、実はフロランスにも彼に隠し事があるようで…? 果たして、トンデモナイ嘘から始まった恋の行方は!?(公式HPより)


プレイボーイのビジネスマンが思わぬ嘘をついたことから始まる恋の行方を描いた作品です。フランク・デュボスクはコメディアンとして人気だそうですが、今作が監督デビュー作で脚本・主演も務めています。

ジョスランには双子の弟ルシアンがいますが外見は似てないね 彼が軽薄な嘘つき男になったのは父親の遺伝子と両親の離婚が遠因となっているのかも

母親が亡くなって葬儀に遅れて駆けつけるシーンでは、別人の葬列に紛れ込んでしまいますが、肌の色や宗教の違いで気付くというオチに笑ってしまいます。

彼が女性を口説く際のスラスラ出てくる嘘も軽妙でユーモアたっぷり。まさにコメディアンならではの語り口。

マラソン大会に出場するために毎朝ジョギングして通勤するジョスランですが、これがラストに繋がる伏線となっていました。

亡き母の家で遺品整理をしていて、彼女の車椅子に座って思い出に浸っていた時、引っ越してきたばかりの隣人ジュリーに障害者だと誤解されてしまったジョスランは、彼女の巨乳に惹かれて誤解を解かずに障害者のふりをしてしまいます。ところがジュリーの方は全くその気がなくて、逆に姉のフロランスを紹介されてしまいます。翌日、作られた出会いを謝罪しにジョスランの店を訪れたフロランスに慌てるジョスランは秘書のマリーも巻き込んで嘘を続けてしまうんですね。

そもそも、出会った瞬間に恋に落ちているジョスランですが、本人が気づいていないという構図です。テニスをしたり、ヴァイオリニストとして生き生きと活動しているフロランスを知るほどに彼女に惹かれていきますが、最初の嘘を引きずったまま本当のことが言えない状況に陥っていくのです。だって自分は健常者だと告白することは彼女を傷つけ、失ってしまうことだから ここに至ってジョスランは本気の恋だと気付くんですね。

秘書のマリーも親友のマックスも、早く本当のことをフロランスに告げて謝るべきだと忠告しますが、告白しようとするたび邪魔が入るのはロマコメのお約束ですね元カレと別れた理由が彼の「裏切り」であり、裏切りは許すことはできないと話すフロランスに、とても「嘘ついてました」なんて言えるはずないもの

そんな時、ジュリーが「真実」を知ってしまい、彼に最後通告を突きつけるの。(ジョスランの弟とジュリーって・・・そっちの関係の方がある意味主役たちよりすごくないですか~~)悩んだ彼が相談に訪れたのは施設に入れている父親のところ この父親がまたジョスランそっくりな女好き 彼のアドバイスは「ルルド」へ行け!です。「ルルドの泉」は病を癒すと言われ世界中から信者が集まってくるところ。ここで奇跡が起きたことにしようというわけです。でもルルドでは、当然ながら神父に嘘はお見通しで、ジョスランの計画は挫折。帰途、トラックに牽かれそうになったフロランスを思わず立ち上がって助けたことで、嘘もばれてしまいます。

実はフロランスはジュリーが真実を知る前から、ジョスランが車椅子生活のフリをしていたことに気付いていました。そりゃそうだよね~~

彼の家に誘われた時も、フロアマットを横切る姿やあちこちぶつかりながら動き回るさま、それに何よりすり減った靴を見たら気付かない方がおかしいってもんです。

彼女が知らないフリをしていたのは、彼女自身もジョスランに惹かれたから。嘘がばれたことがわかれば彼が去ってしまうと思ったからなんですね。

障害を負った時に諦めていた「愛されたい」という願望を、嘘でもいいから叶えたかった気持ちが切なく愛おしいです

ここでも恋のイニシアチブは女性です。失意のままマラソン大会に臨んだジョスランが途中で諦めかけた時手を差し伸べたのは・・・

そんなゴールってありかよ!ではありますが、ま、ラブロマンスですからね~~

二人が初めて結ばれるシーンは水中にフロランスの赤いドレスが花のように広がって、テーブルセッティングといい、キャンドルの演出といい、ため息の出る美しい光景で、これだけでも観る価値ありです

 


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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

2019年05月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年5月12日公開 アメリカ 112分

6歳のムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)と母親のヘイリー(ブリア・ビネイト)は定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく—(公式HPより)


カラフルな風景の広がるフロリダの安モーテル「マジック・キャッスル」を舞台に、貧困層の人々の日常を6歳の少女の視点から描いた人間ドラマです。

ここに暮らす人々の生活は貧しく、職のないヘイリーには家賃を払うことさえままならない現実がありますが、子供たちにはそんな大人の事情を察しよう筈もありません。躾もろくに受けていないムーニーには事の善悪の区別さえついていない様子。ジャンシー(バレリア・コット)やスクーティ(クリストファー・リベラ)ら悪ガキ仲間と悪戯三昧のムーニーの毎日は、面白くて楽しければそれでハッピーなんですね

モーテルの管理人のボビー(ウィレム・デフォー)はアイスを床にこぼすと叱るけれど、不審者が子供たちに近づこうとすると追い返すなど、時に厳しく、でも温かい目で見守っています。ヘイリーが家賃を払えなかった時もすぐに追い出すのは待ってくれたり、彼女の「仕事」に忠告したり、何だか保護者みたいな役回り

ある時、ムーニーたちの「遊び」で空き家が火事になります。スクーティの様子を不審に思った母親は息子から真実を聞き出すと、ムーニーと遊ぶことを禁じます。子供たちのやったことを明らかにするのではなく隠して口を噤むのは正しいやり方ではないけれど、かといってその選択を責める気持ちにもなれないかなぁ 

ヘイリーは観光客に偽ブランドの香水を売って日銭を稼ごうとしますが、警備員にバレて追い出されてしまいます。切羽詰まった彼女は売春に手を染めるのですが、そのことが周囲にばれて、福祉局の人間がやってきてムーニーを連れて行こうとします。逃げ出したムーニーの向かった先は親友のジャンシーのところ。泣きながらお別れなんて言えないと訴えるムーニーを見て、これまで大人しくてムーニーの後をついていくだけの印象だったジャンシーが行動を起こします。何も言わずムーニーの手を取り走り出した先は本家「夢の国」。シンデレラ城目指して走る二人の後ろ姿を映し出して作品は終わります。

監督は「子供達のために作られた夢の国のすぐ隣で、"その日暮らし"をしている家族がいるという悲しい皮肉が胸に刺さった」とインタビューで語ったそうですが、まさに幸せそうな入場者(高い入場料を払える裕福な人たち)の中を駆け抜けていく少女たちの境遇を誰が知るでしょう。

ヘイリーは母親として足りない点は多々ありますが、それでも娘を一番に思い愛しているのは伝わってきます。仕事をしたくても雇ってもらえず、やむを得ずに身を落としていく現実。結果として最愛の娘と引き離されることになるのはやりきれないですね 

ムーニーにとって、安モーテルでの母親や友達との暮らしこそが「夢の国」であり、逃げ出した先が現実なのだというのが切ないです それでも、この母子は一度引き離され保護された方がゆくゆくは幸せになれるのかもとも思ってしまうあたりは、それこそ彼らの現実をしらないもののたわごとになるのかしら・・。


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グリンチ

2019年05月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年12月14日公開 アメリカ 86分

つぶらな瞳が愛らしい超キュートな幼少期を過ごしながらも、すっかりひねくれた大人に成長したグリンチ(大泉洋)。今では洞窟の中で暮らし、愛犬マックスの献身的な振る舞いにもぶっきらぼうな対応。さらには、山麓の村人たちにいじわるをして楽しむという“超”がつくほどのひねくれ者に。不機嫌で孤独なグリンチはやがて、とんでもない計画を立てる。村のみんなが大好きな“クリスマス”を盗もうというのだ。小さい頃はあれほど可愛かったグリンチに、大人になるまでの間、一体何があったのか……?そして、彼のとんでもない計画の行方は……?(Movie Walkerより)


ドクター・スースの絵本に登場する「グリンチ」を主人公にしたアニメ映画です。アメリカでは有名なキャラらしいですが…知らなかった

英語版ではベネディクト・カンバーバッチが声を担当していますが、今回は吹替版で楽しみました。だって大泉洋さん、好きなんだもの

『バッド・サンタ』といい、クリスマス作品でもこういうちょっと変わり者やひねくれ者が主人公の方が惹かれるのは、どうしてかしらん

孤独な子供時代を過ごしたグリンチにとって、村中が幸せな気分になるクリスマスは我慢がならない、クリスマスなんて大っ嫌い!でもそれは「幸せの輪」に入れない自分を突きつけられるのが怖くて悲しくて堪らないから。だって誰も自分のことなんか愛してくれないに決まってるから。・・と思い込んでいるんだな、きっと。

そんなひねくれオトナになってしまったグリンチに献身的に尽くすマックスは唯一の友達です。グリンチもマックスだけには心を開いています。隣人のブリクルバウム(ロバートの秋山)もグリンチのことを親友だと思って何かと声をかけてくれるのですが、グリンチは迷惑に思っている様子。

グリンチの家は、彼の発明でとっても快適&先進的なアイディアがたっぷり詰まっています。この才能を村の人達のために使っていれば、彼も人気者になっていただろうに 

サンタに化けてクリスマスの贈り物を全部盗んでしまおうというグリンチ。サンタと言えばトナカイ!というわけで捕まえたのが、少々おバカなトナカイのフレッド。実は彼、妻子持ちだったというオチありで、それを知ったグリンチはフレッドを解放し、結局ソリはマックスが引くことになるんです。グリンチって確かにひねくれてはいるけれど、決して悪人ではないんだなぁってわかるシーンです。

さて、村に住む小さな女の子シンディ・ルーは忙しいお母さん(杏)のために、サンタさんにあるお願いをしようとしています。子供なら皆欲しがる自分へのプレゼントじゃなくて、お母さんを楽させてあげたいと願うような純真で優しい女の子です。

物語はグリンチとシンディ・ルーの日常を交互に描きながら二人の対極な思いを映し出していきます。さながら磁石の+とーのような二人が出会った時に、素敵なクリスマスの奇跡が訪れるんですね

とにかく、村やキャラの描写がポップでカラフルで、観ているだけで何だか心が浮き立つような楽しさに満ちています。結局誰一人悪人が出て来ないのも、クリスマス映画らしいかも。 


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シュガー・ラッシュ オンライン

2019年05月11日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年12月21日公開 アメリカ 113分

好奇心旺盛でワクワクすることが大好きな天才レーサーのヴァネロペ(サラ・シルバーマン)と、ゲームの悪役だけど心優しいラルフ(ジョン・C・ライリー)。大親友のふたりは、アーケードゲームの世界に暮らすキャラクター。そんなふたりが、レースゲーム<シュガー・ラッシュ>の危機を救うため、インターネットの世界に飛び込んだ!そこは、何でもありで何でも叶う夢のような世界――。ディズニープリンセスたちや、ストームトルーパー、マーベルのキャラクターたちにも出会うことができる。しかし、思いもよらない危険も潜んでいて、ふたりの冒険と友情は最大の危機に!?果たして<シュガー・ラッシュ>と彼らを待ち受ける驚くべき運命とは…。(公式HPより)


人間たちが知らないゲームの裏側の世界を舞台に、アーケードゲームのキャラクターである悪役ラルフと少女ヴァネロペの冒険と友情を描いた「シュガー・ラッシュ」の続編です。

変化を望むヴァネロペのためにラルフがコースを壊して変えたことがきっかけで「シュガー・ラッシュ」の機械のハンドルが壊れてしまい、廃棄処分の危機に! このままでは消えてしまうゲームの世界を何とか救おうと、二人はインターネットの世界に飛び込んでハンドルを手に入れようとします。インターネットの世界はとっても刺激的!でも油断していると恐ろしい危険も潜んでいます。まさに現実世界の映し鏡のような描写が次々登場し、無邪気に笑えないぞ

予告編に登場するアナとエルサ、シンデレラ、白雪姫といったプリンセスたちや、アイアンマンにベビー・グルート、R2-D2やトルーパーたちなどなど、ディズニー・マーベル・SWキャラたちを見つけるだけでもわくわくします。イーヨーやバズもいたっけ 他にもこれでもかってくらい登場しています。

ヴァネロペは危険なスローター・レースで抜群の腕を持つシャンク(ガル・ギャドット)と知り合い、影響を受けていきます。二人はシャンクの友人で「バズ・チューブ」の運営者のイエス(タラジ・P・ヘンソン)から動画投稿で稼ぐことを提案され、ラルフの面白動画が当たってハンドルを買う資金ができました。でもヴァネロペは刺激的なこの世界でシャンクと一緒にレーサーとして生きていきたいと思うようになるんですね。一方、ヴァネロペを危険から遠ざけたいラルフは一刻も早く自分たちの世界へ帰ろうとします。

親友だから一緒にいたいと思うラルフの気持ちと、親友は大切だけど自分の道は自分で選びたいヴァネロペ。すれ違う心がネットの世界にも影響を与えていくのですが、これが「ウィルス汚染」というのもなかなかシュール ラルフはそれと知らずに「ダーク・ネット」という闇のネットワークで原因を作ってしまうのです。いやいや、まさにリアル社会じゃありませんか

互いに歩いていく道は違っても友情は変わらないという着地点は良かったと思います 現実世界でもアナログとデジタルが共存していくことは可能ですものね


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若おかみは小学生!

2019年05月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年9月21日公開 94分

小学6年生の女の子おっこ(小林星蘭)は交通事故で両親を亡くし、祖母の経営する旅館「春の屋」に引き取られる。旅館に古くから住み着いているユーレイ少年のウリ坊(松田)や、転校先の同級生でライバル旅館の跡取り娘・真月(水樹奈々)らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみの修行を始めることに。失敗の連続に落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに支えられながら、次々とやって来る個性的なお客様をもてなそうと奮闘するうちに、少しずつ成長していく。


児童文学シリーズ「若おかみは小学生!」のアニメーション映画化だそう。
おっこは、梅の香神社の神楽見物の帰り道の高速道路で、対向車線を越えてきた大型トラックに衝突されて両親を亡くします。「春の屋」で暮らすことになったおっこは、そこに住むユーレイのウリ坊に出会うんですね。彼の姿はおっこにしか見えませんが、それは彼女が臨死体験をしたからなようです。
ウリ坊がきっかけで、おっこが若おかみになる決意をしたと誤解した祖母たちは大喜びで、修行が始まります。
鈴鬼や少女の姿のユーレイ・美陽も加わり賑やかになっていくおっこの生活
 
学校では秋好旅館の跡取り娘、秋野真月が何かと突っかかってきますが、裏返せばそれだけ真剣に旅館や温泉街の将来を考えている証でもあるんですね
しかしあのピンクのフリフリ衣装のセンスはどうかと・・・
 
映画の中では母を亡くした少年と父親、失恋で落ち込む占い師の水領、木瀬一家の三件のエピソードが登場します。
おっこはどのケースでもお客の立場に寄り添い最高のもてなしをします。
木瀬が事故の直接の加害者にあたるトラック運転手とわかった時はさすがに衝撃を受けるおっこですが、生前の両親や祖母の峰子がいつも話していた"花の湯温泉のお湯は誰も拒まない"という言葉で、旅館を移ろうとした木瀬一家を春の屋旅館に留めるんですね。

再び春がきて、おっこと真月は神楽を舞います。清めの源泉で、真月から自分が生まれる前に亡くなった姉の話が語られ、あぁそうだったのか!と
おっこの若おかみとしての成長にユーレイたちは心配ごとが消えて成仏していくんですね。
 
とまぁ、こんな感じの流れですが・・言葉遣いの丁寧さは親のしつけの賜物としても、なんだかな~~おっこが物分かり良すぎるというか、良い子過ぎるところが気にくわないというのが正直な感想です。まだ小学生なんだもの、もっと我儘でも感情的でもいいんじゃないかなぁ。 
公開時の評判はかなり良かったようなのですが、個人的には話が綺麗過ぎて気持ち悪いという・・・性格ひねくれてるからかしらん

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名探偵ピカチュウ

2019年05月08日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2019年5月3日公開 アメリカ 97分

かつてポケモンのことが大好きな少年だったティム(ジャスティス・スミス)は、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを、遠ざけるようになってしまった。それから年月が経ち、大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部補(渡辺謙)から電話がかかってくる。「お父さんが事故で亡くなった―」。複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。荷物を整理するため、ハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す、名探偵ピカチュウ(ライアン・レイノルズ)だった。かつてハリーの相棒だったという名探偵ピカチュウは、事故の衝撃で記憶を失っていたが、一つだけ確信をもっていることがあった……。「ハリーはまだ生きている」。ハリーは何故、姿を消したのか? ライムシティで起こる事件の謎とは? ふたりの新コンビが今、大事件に立ち向かう!(公式HPより)

 

日本発のゲーム「ポケットモンスター」シリーズの「名探偵ピカチュウ」をハリウッドで実写映画化した作品です。ごく最近になって「ポケモンGO」をやりだしたのと、劇場予告で観たピカチュウがあまりにも可愛かったので、大きなスクリーンで観たくなりました。日本語吹き替え版でティムの吹き替えを担当した竹内涼真が、ポケモントレーナー役で本編にカメオ出演していたそうですが・・・わからなかった~

登場するポケモンたちは、ゲームをしたことがないと何が何やらだと思いますが、少しでもかじっていれば、出てくるのは有名なキャラばかりなので、より楽しめます。

母を亡くし、父と疎遠になっていたティムは、父の事故死の知らせにも淡々と応じます。だって彼は父に愛されていないと思い込んでいたから・・・

遺品整理のために父の部屋を訪れたティムですが、自分のために用意された部屋を見て父に対する気持ちに変化が!そこに言葉を話すピカチュウ登場。言葉が通じるのはティムにだけという謎は事件解決時に明かされるんですが記憶を失っているにもかかわらずハリーは生きていると確信している自称名探偵のピカチュウに押され、父の行方を追い始めるティム。事件を追う新米記者のルーシー(キャスリン・ニュートン)も加わり真相に近づいていきます。

登場するポケモンたちも個性派揃い ルーシーの相棒はコダック。間の抜けたアヒル顔が逆に愛嬌があります。彼は頭痛を起こすと念力を発揮するんですね~。正直まだゲーム始めたばかりでそれぞれのキャラの能力とか殆ど知らないので、映画の中で学習させてもらいました

パントマイムが得意なバリヤードとの問答もコミカル。弱っちいコイキングの進化系のギャラドスは意外と強い カラカラが被っているのは亡くなった母の骨だとか 癒し系のフシギダネやネマシュも出てくるし、何といってもピカチュウの可愛さは中身がおっさんでも変わりませんよ~~

ライムシティでは人間とポケモンが共存しています。ゼニガメは消防隊として活躍していたりねポケモンバトルはもう過去のことで、今は違法なんだって シティを作った会長のハワード・クリフォード(ビル・ナイ)と息子のロジャー(クリス・ギア)との間に確執があり、今回の事件の核心でもありますが、二人の善悪は最後まで見てのお楽しみ。ただ、ハワードのポケモンが、変身が得意なメタモンであること自体伏線になっていたと、後で気付くわけで なかなか練られた脚本だわ

史上最強のポケモン・ミュウツー・・・(どうしても「ドラゴンボール」のフリーザさんに見えてしまう私 )彼は果たして敵なのかそれとも救世主なのか

今作では二組の父子が登場しますが、強い愛情を持つ父がいる一方で、自分の目的しか眼中にない父親もいて、とても対照的に描かれていました。

それにしても、結局人間のエゴが生物界のパワーバランスを崩すきっかけになるってのは、もうお約束のようなもんですな 

モンスターバトルや研究所から逃げるシーンや、ミュウツーとピカチュウの戦いなど、CGを駆使した映像には圧倒されます

保険会社で働く社会人であるティムや新米記者(同じく社会人よね)のルーシーが、日本人ならともかくどう見ても成人に見えない幼い感じなのと、父の同僚と紹介されているヨシダ警部補の関わり方が薄くて登場に意味あるのか疑問に感じたのがちょっと残念でしたが、それを補って余りあるピカチュウの可愛さでした

エンディングに流れる音楽はHONEST BOYZ(EXILEグループ)の「ELECTRICITY featuring Lil Uzi Vert」で英語と日本語の歌詞が交互に出てくる耳馴染み&テンポの良い曲でした。さらにクレジットの後、夏に公開予定の『ミュウツーの逆襲』(アニメ)の予告映像も流れます。


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ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲

2019年05月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年11月9日公開 イギリス 89分

 サイバー攻撃によって、イギリスの秘密情報部MI7の現役スパイ全員の情報が漏洩してしまい、隠居していたジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)が最後の頼みの綱として何故か呼び出される。早速、裏で操る犯人を見つける為に任務を開始するが、限られたスキルしか持っていない彼にとって、最先端のデジタル技術の方が脅威だった・・・果たして、イングリッシュは世界を救う事が出来るのか?今、ヨーロッパを股に掛けたアナログの逆襲が始まる!(公式HPより)


「Mr.ビーン」で知られるローワン・アトキンソン主演のスパイアクションコメディで、「ジョニー・イングリッシュ」の7年ぶりとなるシリーズ第3作です。

設定自体がありえね~~なので突っ込みは止めて単純に彼の突拍子もない行動を楽しむのが一番

第一線で活躍している優秀なスパイたちが使えなくなったため、隠居状態だったジョニーが呼び出されます。ジョニーは地理の教師になっているのですが、地理よりスパイ教育に熱心なようで、もちろん生徒の受けも抜群。そんな彼が元相棒のボフ(ベン・ミラー)と本部へ向かうと、他にも引退した3人のエージェント(マイケル・ガンボン、チャールズ・ダンス、エドワード・フォックス)が集められていました。当然彼らの方が優秀なのだけど、例によってジョニーの天然が炸裂しあっけなく退場。白羽の矢はジョニーにというお馴染みの展開です。それにしても豪華なメンバーがあっというまに消えてしまったぞ

アナログ人間故の強みが今回は遺憾なく発揮されます。スマホを筆頭に最先端テクノロジーについていけないジョニーは、アナログ装備の数々を調達します。懐かしの

“ボンドカー”アストンマーティンに乗り込んで向かった先はフランスのレストラン。ここでも火事騒ぎを起こしながらも、今回のサイバー攻撃元がジェイソン・ヴォルタ(ジェイク・レイシー)所有すの船ドット・カーム号であることを突き止めます。船に潜入するときもアナログスパイ装備が大活躍 船内で謎の美女オフィーリア(オルガ・キュリレンコ)と出会いますが、彼女の正体はロシアのスパイです。本国の指令を受けてジョニーを殺そうとしますが、当然失敗しちゃうんですね。

本部に戻りヴォルタが黒幕と報告しますが信じてもらえず、イケメンのヴォルタに夢中な首相(エマ・トンプソン)は国際会議にヴォルタを招待して各国首相に引き合わせようとして、ジョニーを任務から外す始末。

ボフの妻がイギリス海軍の旧式潜水艦艦長であるコネを使い、海から国際会議会場のスコットランドの古城に忍び込んだジョニーは、ヴォルタを暗殺しようとして逆に窮地に陥っていたオフェーリアを救います。翌日、国際会議の場で正体を現したヴォルタとのデジタルVSアナログの戦いを制したのは、やはりジョニーでしたとさ

偶然もここまで重なれば必然になります 

無事ミッション成功し、学校に戻った彼を生徒たちが喜んで迎えます。彼にとってはこちらの方が(世の中のためにも)天職にみえますね


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LBJ ケネディの意志を継いだ男

2019年05月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年10月6日公開 アメリカ 97分

リンドン・B・ジョンソン(ウディ・ハレルソン)は民主党の院内総務として精力的に活動していたが、1960年の大統領予備選挙で、党の大統領候補としてジョン・F・ケネディ(ジェフリー・ドノヴァン)が選出され、ケネディは米大統領に当選を果たす。43歳の若きライバル、ケネディの副大統領となることに同意し、その職に就いたジョンソンだったが、副大統領の執務が国政の蚊帳の外に置かれていることに気付いてしまう。しかし1963年11月22日、ダラスで暗殺されたケネディ大統領に代わり、ジョンソンは大統領に昇格。ケネディの遺志を尊重し、公民権法を支持するジョンソンは長い間敵対していたロバート・F・ケネディ司法長官(マイケル・スタール=デヴィッド)や、師弟関係にあったリチャード・ラッセル上院議員(リチャード・ジェンキンス)と争うことになる。映画.com

 

ケネディ暗殺後、わずか98分で大統領に就任したLBJは、人種差別撤廃を目指して公民権法、投票権法を成立させた辣腕の大統領として評価される一方、退任前はベトナム戦争を継続させた事で抗議にさらされています。本作は彼の埋もれた功績にスポットを当てた物語になっていました。

北東部のエリート議員であるケネディ(JFK)と、南部の成り上がりジョンソン(LBJ)。二人は大統領予備選から比較されるようになります。華やかで人を惹きつけるカリスマ性を持つ大統領を前に、議員時代には持ち前の政治的手腕で精力的に活動していたジョンソンは、その持ち味を発揮する機会もなく国政の主力から外れていきました。ところがケネディ暗殺により突如第36代アメリカ大統領に就任することになって、ジョンソンに重くプレッシャーがのしかかります。映画はその苦悩する姿や彼の抱える不安とともに、彼がとった驚くべき政治的手腕を描いています。 演じたウディ・ハレルソンは、ジョンソン本人の話し方や仕草を完璧にマスターして臨んだそうです。

ジョンソンを献身的に支えた妻レディ・バード(ジェニファー・ジェイソン・リー)の存在も大きいですね。弱気になった彼を慰め励ますシーンは心温まるものです。本来は実力で勝ち取りたかった大統領の座は、悲劇によって転がり込んできたわけで、正当に選ばれたものではないことが、彼のプレッシャーになったことは疑いもありません。ロバート・ケネディを筆頭に、ハーバード大学出身のエリート閣僚たちの冷ややかな目にさらされ、JFKと比べられることへのジレンマもあったでしょう。そんなジョンソンがまず着手したのは、これまでの立場を変えての公民権法案の可決です。南部出身の彼にとって、この法案を支持することは南部の票を失い議員たちを敵に回すことに繋がるのですが、ケネディの遺志を継ぐと決めたジョンソンは、ケネディのスピーチライターだったセオドア・C・ソレンセンに上院下院合同会議での大統領就任演説のスピーチを依頼します。初めはジョンソンの真意を疑っていたソレンセンですが、彼の本気を認め、このスピーチは盛大な拍手と感動を持って迎えられます。

LBJの功績はベトナム戦争がなければ燦然と輝く偉業として称えられるべきものであり、この失敗は致命的でしたね~~ うん、どんな大義があったとしても、やっぱり戦争はダメだよ


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