グイン・サーガ120巻 栗本薫 著 早川書房
グインが古代機械によってその記憶を疾走以前のものに「修正」されたことで、ヴァレリウスはフロリー母子やブランの処遇について自分たちの都合のよいように扱えることにホッとしていた。フロリーからミロク教徒の聖地ヤガ行きの意思を伝えられ渡りに船と賛成し送り届ける手筈を整えるのだが、出発の朝、自らの去就を決めあぐねるマリウスやフロリーとの友情を結びたいリンダが訪れ・・
今回はグインは殆ど登場しないし、彼自身の感情も出てこないです。
専らフロリーと彼女を取り巻く人たちの思惑を描くことにページが費やされてます。
敬虔なミロク教徒であるフロリーは、大人しく慎ましく鬱陶しいほど謙虚な人柄です。しかしその芯は普通の女性より遥かに強く、彼女と関わった誰もが心中で驚き、その強さに触れて自らの考えをも変えてしまうほどの影響を及ぼしているようです。
新興宗教であるミロク教が、この先の中原の政治にも深く関わってきそうな気配はタイス編あたりから顕著になってきていますが、この巻でヴァレリウスにその存在の危険さを気付かせることで、ますます目が離せない要素となってきそう。
今回の収穫は、ウダウダと自分のことばかりを優先させ、何とかクリスタルパレスやパロから逃げようとしていたマリウスがフロリーとリンダの会話を盗み聞きすることで、やっと「前向き」に事に対処しようという自覚が芽生えたことかな。
相変わらず登場人物たちの繰言の多い独白が続くのだけれど、ちょっとだけ進展したかな~という感じ。
今回もヴァレちゃんが中心で展開していくので、けっこう気に入ってます。
わざわざ章を設けた「ヨナの秘密」は肩透かしだったけど、それを知った時のヴァレちゃんの反応が可愛いから、ま、いっか♪
グインが古代機械によってその記憶を疾走以前のものに「修正」されたことで、ヴァレリウスはフロリー母子やブランの処遇について自分たちの都合のよいように扱えることにホッとしていた。フロリーからミロク教徒の聖地ヤガ行きの意思を伝えられ渡りに船と賛成し送り届ける手筈を整えるのだが、出発の朝、自らの去就を決めあぐねるマリウスやフロリーとの友情を結びたいリンダが訪れ・・
今回はグインは殆ど登場しないし、彼自身の感情も出てこないです。
専らフロリーと彼女を取り巻く人たちの思惑を描くことにページが費やされてます。
敬虔なミロク教徒であるフロリーは、大人しく慎ましく鬱陶しいほど謙虚な人柄です。しかしその芯は普通の女性より遥かに強く、彼女と関わった誰もが心中で驚き、その強さに触れて自らの考えをも変えてしまうほどの影響を及ぼしているようです。
新興宗教であるミロク教が、この先の中原の政治にも深く関わってきそうな気配はタイス編あたりから顕著になってきていますが、この巻でヴァレリウスにその存在の危険さを気付かせることで、ますます目が離せない要素となってきそう。
今回の収穫は、ウダウダと自分のことばかりを優先させ、何とかクリスタルパレスやパロから逃げようとしていたマリウスがフロリーとリンダの会話を盗み聞きすることで、やっと「前向き」に事に対処しようという自覚が芽生えたことかな。
相変わらず登場人物たちの繰言の多い独白が続くのだけれど、ちょっとだけ進展したかな~という感じ。
今回もヴァレちゃんが中心で展開していくので、けっこう気に入ってます。
わざわざ章を設けた「ヨナの秘密」は肩透かしだったけど、それを知った時のヴァレちゃんの反応が可愛いから、ま、いっか♪