2012年7月21日公開 フランス 106分
1962年、パリ。株式仲介人のジャン=ルイ・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)は、妻シュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)が雇ったスペイン人メイドのマリア(ナタリア・ベルベケ)を迎え入れる。彼女は、シュベール家と同じアパルトマンの屋根裏部屋で、同郷出身のメイドたちと暮らしていた。軍事政権が支配する故郷を離れ、異国で懸命に働くスペイン人メイドたちに、次第に共感と親しみを寄せるジャン=ルイは、やがて機知に富んだ美しいマリアに魅かれてゆくのだった。しかし、そんな夫の変化に無頓着なシュザンヌは、彼と顧客の未亡人との浮気を疑い、夫を部屋から追い出してしまう。こうしてその夜から、ジャン=ルイはメイドたちと同じ屋根裏で一人暮らしを始めるが、それは彼に今まで味わったことのない自由を満喫させることになる……。
1962年当時、フランコ軍事独裁が続くスペインから大量の移民がパリに流入し社会問題になっていたという。そんな厳しい状況下で家族に仕送りするためにメイドとして働く健気でたくましいスペイン女性たちに、彼女たちの雇い主であるブルジョワに属するフランス人男性が魅了され、社会的地位や財産では計れない幸せを見出す物語である。自身ブルジョワ階級出身のフィリップ・ル・ゲイ監督が共同脚本も手がけている。(goo映画より)
ジャン=ルイは現在の住居(アパルトマン)で生まれ、祖父の代に築いた会社を継いで何の苦労もなく人生を過ごしてきました。彼の妻は家事を全くしません。家事はメイドの仕事だから。
昔から仕えていたメイドが辞めると、あっというまに家の中は散らかり放題、汚れた食器と洗濯ものが山のよう。おいおい、少しは自分で片付けたら?と思うけど、きっと彼女には考えも及ばないことなんでしょう。ブルジョワ階級恐るべし
彼女が女友達から「フランス人のメイドは時代遅れ。今の流行はスペイン人のメイドよ!」と吹きこまれ、早速雇ったのがマリアです。若くて奇麗で家事能力も抜群!(実は試採用当日、マリアはメイド仲間に手伝ってもらったのよね。だってあんなに汚い部屋を一日で片付けるなんて一人じゃ無理無理
)
さて、ジャン=ルイは半熟玉子が完璧でさえあれば上機嫌。その点マリアは合格です。そりゃ、親切心も湧くってもんです
ある時、マリアが暮らす部屋を見せてもらったジャン=ルイは、その狭さや浴室もなくトイレも共同なことに驚きます。自分たちの暮らしとあまりにも隔たりがあるんですものね。そこでトイレの詰まりを訴えられるとすぐに業者を呼んで修理させます。この一件から彼はマリアの仲間のスペイン人メイドたちと知り合い、親しくなっていき、食事に招かれたりもします。
メイドたちの境遇も様々。家を建てる資金を稼ぎにきた女。暴力亭主を持つ女。国で家族を殺され逃げ出してきた女などなど。敬虔なカトリック信者もいれば共産主義者も。でも彼女たちに共通しているのは陽気で明るい人生を楽しむ姿勢です。
マリアに対して好意以上の気持ちを抱き始めたジャン=ルイは、ホームパーティの時、コックに言い寄られているマリアの姿を見て誤解し勝手に憤慨しますが、彼女は動じません。
一方、シュザンヌは友人たちから夫の顧客である未亡人のよからぬ噂を吹き込まれ、夫の浮気を疑い、家から追い出してしまうの。行き場のないジャン=ルイは倉庫に使っていた部屋(メイド部屋と同じ上階)に住むことにします。親や寄宿学校や妻・・今まで一人暮らしをしたことのなかった彼にとって、自由な世界が開けたのです。
息子たちに戻ってきてと懇願されても首を縦に振らない彼が家に戻ったのはマリアとの一夜の後、彼女に言われたから。
でもね、マリアは未婚で産んで養子に出した息子の行方を知らされ、一緒に暮らすためにメイドを辞める決心をしていました。ジャン=ルイとの最後の思い出を胸にきっぱりと旅立ったのです。
普通のブルジョワなら、夢から醒めたとばかりに妻とよりを戻して何事もなかったようにこれまでの生活に戻っていくのだと思います。でも一度「自由」を味わった彼にはそれは無理。
物語は3年後、妻と別れ、マリアへの断ちきれない想いを抱えてスペインを訪れる彼が彼女と再会するシーンで終わります。二人の笑顔が輝いていました
愛があれば年の差も身分の差も乗り越えちゃうのね~~
妻のシュザンヌに落ち度があったわけではありません。家事しないのは当時のブルジョワ女性には当然のことでしょうし、夫を愛しているからこそ嫉妬もしたし、彼が戻ってきた時は受け入れる気持ちでいました。そもそも彼女の方が彼に気に入られようと努力して結婚に至ったんですもの。でもね、きっとあの後ジャン=ルイは自分の正直な気持ちを妻に告白したんだろうな。だから二人は別れちゃったんだろうな。なんて想像してしまいました。
どうもサブストーリーに弱い私
もう一つ
マリアの居場所をメイド仲間は教えてくれなかったけれど、その一人の夫がジャン=ルイにこっそり教えます。妻には「私がメイドをしている間に浮気したバカ亭主」と散々に言われる彼ですが、「あいつは愛を信じないんだ」と茶目っ気たっぷりにジャン=ルイに話す姿がまさに陽気なスペイン人って感じでした
1962年、パリ。株式仲介人のジャン=ルイ・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)は、妻シュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)が雇ったスペイン人メイドのマリア(ナタリア・ベルベケ)を迎え入れる。彼女は、シュベール家と同じアパルトマンの屋根裏部屋で、同郷出身のメイドたちと暮らしていた。軍事政権が支配する故郷を離れ、異国で懸命に働くスペイン人メイドたちに、次第に共感と親しみを寄せるジャン=ルイは、やがて機知に富んだ美しいマリアに魅かれてゆくのだった。しかし、そんな夫の変化に無頓着なシュザンヌは、彼と顧客の未亡人との浮気を疑い、夫を部屋から追い出してしまう。こうしてその夜から、ジャン=ルイはメイドたちと同じ屋根裏で一人暮らしを始めるが、それは彼に今まで味わったことのない自由を満喫させることになる……。
1962年当時、フランコ軍事独裁が続くスペインから大量の移民がパリに流入し社会問題になっていたという。そんな厳しい状況下で家族に仕送りするためにメイドとして働く健気でたくましいスペイン女性たちに、彼女たちの雇い主であるブルジョワに属するフランス人男性が魅了され、社会的地位や財産では計れない幸せを見出す物語である。自身ブルジョワ階級出身のフィリップ・ル・ゲイ監督が共同脚本も手がけている。(goo映画より)
ジャン=ルイは現在の住居(アパルトマン)で生まれ、祖父の代に築いた会社を継いで何の苦労もなく人生を過ごしてきました。彼の妻は家事を全くしません。家事はメイドの仕事だから。
昔から仕えていたメイドが辞めると、あっというまに家の中は散らかり放題、汚れた食器と洗濯ものが山のよう。おいおい、少しは自分で片付けたら?と思うけど、きっと彼女には考えも及ばないことなんでしょう。ブルジョワ階級恐るべし

彼女が女友達から「フランス人のメイドは時代遅れ。今の流行はスペイン人のメイドよ!」と吹きこまれ、早速雇ったのがマリアです。若くて奇麗で家事能力も抜群!(実は試採用当日、マリアはメイド仲間に手伝ってもらったのよね。だってあんなに汚い部屋を一日で片付けるなんて一人じゃ無理無理

さて、ジャン=ルイは半熟玉子が完璧でさえあれば上機嫌。その点マリアは合格です。そりゃ、親切心も湧くってもんです

ある時、マリアが暮らす部屋を見せてもらったジャン=ルイは、その狭さや浴室もなくトイレも共同なことに驚きます。自分たちの暮らしとあまりにも隔たりがあるんですものね。そこでトイレの詰まりを訴えられるとすぐに業者を呼んで修理させます。この一件から彼はマリアの仲間のスペイン人メイドたちと知り合い、親しくなっていき、食事に招かれたりもします。
メイドたちの境遇も様々。家を建てる資金を稼ぎにきた女。暴力亭主を持つ女。国で家族を殺され逃げ出してきた女などなど。敬虔なカトリック信者もいれば共産主義者も。でも彼女たちに共通しているのは陽気で明るい人生を楽しむ姿勢です。

マリアに対して好意以上の気持ちを抱き始めたジャン=ルイは、ホームパーティの時、コックに言い寄られているマリアの姿を見て誤解し勝手に憤慨しますが、彼女は動じません。
一方、シュザンヌは友人たちから夫の顧客である未亡人のよからぬ噂を吹き込まれ、夫の浮気を疑い、家から追い出してしまうの。行き場のないジャン=ルイは倉庫に使っていた部屋(メイド部屋と同じ上階)に住むことにします。親や寄宿学校や妻・・今まで一人暮らしをしたことのなかった彼にとって、自由な世界が開けたのです。

でもね、マリアは未婚で産んで養子に出した息子の行方を知らされ、一緒に暮らすためにメイドを辞める決心をしていました。ジャン=ルイとの最後の思い出を胸にきっぱりと旅立ったのです。
普通のブルジョワなら、夢から醒めたとばかりに妻とよりを戻して何事もなかったようにこれまでの生活に戻っていくのだと思います。でも一度「自由」を味わった彼にはそれは無理。
物語は3年後、妻と別れ、マリアへの断ちきれない想いを抱えてスペインを訪れる彼が彼女と再会するシーンで終わります。二人の笑顔が輝いていました


妻のシュザンヌに落ち度があったわけではありません。家事しないのは当時のブルジョワ女性には当然のことでしょうし、夫を愛しているからこそ嫉妬もしたし、彼が戻ってきた時は受け入れる気持ちでいました。そもそも彼女の方が彼に気に入られようと努力して結婚に至ったんですもの。でもね、きっとあの後ジャン=ルイは自分の正直な気持ちを妻に告白したんだろうな。だから二人は別れちゃったんだろうな。なんて想像してしまいました。

どうもサブストーリーに弱い私

もう一つ

