杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

エイベックス シークレットライブ 2009

2009年06月28日 | ライブ・コンサート他
さいたまスーパーアリーナ
13:30開演 17:30終演

今年も株主限定ライブに参加しました~♪
去年と違い、株主本人のみの招待なため、会場の二階スタンド席は封鎖され、アリーナとスタンド一階のみの観客でした。チケット引き換えの列(9時から開始)も殆ど待つこともなくスムーズで拍子抜けしちゃいました。ちなみに会場に着いたのは9:30頃。去年は長蛇の列で50分並んで会場を一周したのに比べたら雲泥の差だね(^^; グッズを買って外に出る頃には列自体が消えてたもんなぁ。

総会後に軽く昼食を取り、予定時間ぴったりの13:30にコンサートが始まりました。受付で配られたルミカライトをポッキンしてスタンバイします♪

司会は去年と同じく牧野隆志(東京プリン)&渋谷亜希
初めに俳優の石橋凌さん(映画MWムウの関連かな?)と書道家の金田石城さんが登場して今年は「絆」という文字を大書しました。

この後、ステージ設定に時間がかかり次の 倖田來未が登場するまで30分近くかかってました。全体的にアーティストの交代に時間かかり過ぎ。BeeTVのCMで繋いで誤魔化していたけど段取り悪いよな。

・ 倖田來未
黄色の花柄レース調ミニワンピにゴールドのアクセ&サンダルで登場。
来月発売のCDより「 Lick me 」と「走れ!」を披露。
この後は「HEY!HEY!HEY!」の収録だそう。

・GIRL NEXT DOOR
この娘は「歌のおにいさん」の大野君の相手役(元カノ)なんだと教えられて「おおおお!!!」確かに
白丸襟シャツ+グリーンのミニスカート、白スニーカーで可愛かったよ
「Infinity」ともう1曲を歌いました。

・alan
去年は「誰?この子」だったけど、レッドクリフ観たから今年はバッチリ白いドレス姿がとても似合ってて綺麗でした。
「久遠の河」と「懐かしい未来」を歌いました。

・Elliott Yamin
「You Say」他2曲を披露
すみません・・・この人全く知りません(^^;
でも彼だけが唯一3曲歌ったな

・ACID BLACK CHERRY (Janne Da Arcのボーカル“yasu”のソロプロジェクト)
いきなりのビジュアル系ロックに会場が乗り切れず、特にアリーナは殆どが座っていて空回り感漂う中でのトークはちょっと可哀想なくらい。
でも一生懸命盛り上げようと頑張った姿に好感度UPでした。
「眠り姫」他1曲を披露しました。

ここで一部が終わり休憩15分が入りました。
トイレがめちゃ混み。この会場、男子トイレが少ないの女子より長蛇の列でした。こんな光景初めて見たよ

二部のトップバッターは
・Blue Man Group
お馴染みの青い顔の三人組です。
ドラムに絵の具に配水管といったパフォーマンスが会場を笑いに包みます。
彼らの専用劇場が六本木にあるんだってね

・水谷豊
白ジャケット、グレーTシャツ、黒パンツに茶の靴で登場。
「ひとついいですか?」と右京さんの名セリフが飛び出し、昨日は国際フォーラムでライブだったけど歌詞をとっちらかって大変だったと言って本人苦笑い。TVで見るあの笑い方でした♪「カリフォルニア・コネクション」と「やさしさ紙芝居」を歌ってくれました。

・盲目のピアニスト辻井伸行さんのVTRも流れました。エイベックスってクラシックも扱ってるのね。

・SEAMO
「ルパン・ザ・ファイヤー」
「Continue」(エルガーの「威風堂々」がベース。これってドラマ『夢をかなえるゾウ』の主題歌だったのね)

・mihimaru GT
「気分上々」(一部上場バージョン)「スイッチ」(世界卓球のテーマ曲)

・大塚愛
黒のキャミと袖無しハーフ丈の赤つなぎ、黒サンダルで登場。可愛らしいというよりしっとりした大人の女性の雰囲気が漂ってます。
自分もエイベックスの株を社長に貰って持ってるという発言には後にMCがストックオプションだと補足説明をしてました(^^;
「プラネタリウム」「バイバイ」

で、次は誰?と思ったところで「今日はこれで終わりです」って・・・ん???
まあ、時間は17:30だしそんなもんかとは思うけど、それなら愛ちゃんの時に「本日のラスト」って紹介してくれれば良かったのにぃぃ。

ステージを片付けてたからエグザイル登場かと期待しちゃったじゃないか

終わってみれば去年と同じ11組(VTR入れたら12組)でした。
でも大物!!というアーティストが来なかったような・・

個人的にはブルーマンと水谷さんだけでモ大満足なんですが。

グッズの大塚愛ちゃんのスポーツタオルは、会場の冷房対策と終了後に雨が降っていたので傘代わりにと大活躍で助かりました

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トランスフォーマー/リベンジ  

2009年06月25日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年6月20日公開 アメリカ

トランスフォーマーの生命の根源である「キューブ」を巡りオートボットたちとの死闘の末に敗北した邪悪なディセプティコン。あれから2年・・ミカエラ(ミーガン・フォックス)と離れ大学生活を送るサム(シャイア・ラブーフ)は、当時身に付けていた服に残っていたキューブの破片に触れたことから奇妙なサインが見えるようになる。それは古代ピラミッドに秘められたある暗号を示していた。一方その頃、全滅した筈のディセプティコンの生き残りが新たな仲間を引き連れ、再度地球へやってきた!オートボットとディセプティコンの、新たなる闘いが始まる。

前作ももちろん劇場で観ました。ということで今回もかなり期待して劇場へ。
あれ~~~シャイア君ってば良い具合に成長してるじゃないですかぁ♪

正直、ロボット同士の戦いは少々長く感じられることもあったのですが、登場人物たちの何気ない会話の中にもかなりコミカルなセリフが仕込まれていて、特にサムの母親(ジュリー・ホワイト)のキャラが楽しくて面白かったです。

シボレー・カマロ姿のバンブルビーの人間くさい反応や、前作でも活躍?したシモンズ(ジョン・タートューロ)、サムのルームメイトで騒動に巻き込まれるレオ(ラモン・ロドリゲス)老プライムなども物語を盛り上げてくれます。また敵キャラながらミカエラのペット状態になった偵察ロボもなかなか可愛いヤツでした。

メカ好き、戦闘好きには後半の怒涛の戦闘シーンに大満足する筈。

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剣岳 点の記

2009年06月24日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年6月20日公開

陸軍陸地測量部の柴崎芳太郎(浅野忠信)は、日本地図最後の空白地点を埋めるため、「陸軍の威信にかけて剣岳の初登頂と測量を果たせ」と厳命を受ける。妻(宮崎あおい)の励ましを背に、前任・古田(役所公司)に紹介された案内人の宇治長次郎(香川照之)と下調べに入るが、登頂への手掛かりすら掴めず下山する。翌明治40年、測夫・生田信(松田龍平)らを加えた総勢7人で雄山、奥大日岳、別山など周辺の山々に三角点を設置しながら遂に剣岳に挑んだ。同じ頃、日本山岳会の小島烏水(仲村トオル)らも最新の登山道具を揃え、剣岳山頂を目指していた。

原作は新田次郎の同名小説。
古来、その険しさと宗教上の理由から「針の山」「死の山」と云われてきた前人未踏の剣岳に挑んだ男たちの記録映画です。点の記とは、三角点設定の記録です。

100年前の装備やルートを忠実に再現しての撮影は役者・製作者ともどもに過酷なものとなったようですが、カメラマン出身の木村大作監督の作品だけあって、四季折々のため息の出るような美しく厳しい自然はまさにスクリーンで観るのが相応しい逸品です。

柴崎が出会う行者(夏八木勲)の言葉「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」が登頂の重要なヒントになりますが、何よりも名誉や利益ではなく、仕事に誇りをもって山に挑んだ男たちの心根の美しさが際立つ物語にもなっています。

対比として、軍の面目や利ばかりを気にする陸軍幹部連中と。勝ち負けに拘る地元新聞記者の卑しい品性が目を引きました。
山岳会のメンバーとの反目もやがて互いを認めその健闘を称え合う清々しいものに変っていくのも良かったです。当時の最新の登山用品はヨーロッパ製なのね☆富裕層出身である山岳会のメンバー、とりわけ烏水の登山服のエレガントさに口あんぐりでしたが。

紅一点のあおいちゃんがまた可愛いの~~♪
監督がデレデレになる気持ちがわかる気がしました。

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愛を読むひと  ネタバレあり

2009年06月24日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年6月19日公開 アメリカ=ドイツ 124分

1958年、大戦後のドイツ。15歳のマイケル(デヴィッド・クロス、長じてはレイフ・ファインズ)は21歳年上のハンナ(ケイト・ウインスレット)と恋に落ちた。ハンナに請われるままに始めた本の朗読は2人の時間をいっそう濃密なものにしたが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは傍聴した裁判で、戦時中の罪に問われる被告席のハンナを見て驚く。彼女はある秘密を守るために不当な証言を受け入れ無期懲役となる。彼女の秘密を知るマイケルは苦悩しながらある選択をする。

原作はベルンハルト・シュリンク「朗読者」。


15歳の少年を誘惑する年上の女性という設定がまず自分の常識外の出来事ではあるのですが・・(^^;ケイトの脱ぎっぷりはあっぱれなほど無造作で自然で、扇情的なところがないのは好ましかったです。

ハンナが隠している秘密は本の朗読や二人だけの旅行中のメニューのやり取りなどから察することは出来るのだけど、そのことを彼女がどれほどに恥と思っているかは裁判においての彼女の選択ではっきり観客にわかるようにもなっています。

また、ハンナの犯した過ちを責めるのはたやすいけれど、でもその罪は罪として、彼女は与えられた職務を忠実に果たしたに過ぎないとも言えます。

理知的で厳格・几帳面な性格だったからこそハンナは自分が文盲であることを非常に恥じて隠そうとしてきたのです。もしかしたら、自分の罪に対してもその行動自体に後悔はなくても、感情としては深く苦しんでいたからこそ、敢えて自らを罰したのかもしれないな~と後の「お茶の缶」のエピを見て感じました。

逆にマイケルの方にはかなり物足りなさが残りました。
年下の少年に過ぎなかった頃ならともかく、法科の学生として彼女の秘密が求刑を左右することを知りつつ沈黙を守ったのは、本当に彼女のためになったのかしら?彼にもっと包容力や財力や愛があれば、真実を世間に知られて傷ついたとしても、ハンナのその先の未来を守ってあげられたのではないかと・・・。
面会を申し込みながらも引き返してしまった彼の心がよくわからなかったです。

その後マイケルはハンナの朗読者となって刑に服している彼女の下へカセットを送り続けます。そのカセットを使ってハンナは文字を覚えることを思い立ち、簡単な手紙を書けるまでになるのです。

それでいて、二人の関係はもどかしいくらいに交わることがなく、ハンナの出所が決まった時にようやく面会をしますが、ハンナには決心していた想いがあり、それは悲劇の形で実現してしまうのでした。

ハンナが犯した罪はホロコーストに関わったものですが、映画はそれを追求するのが目的ではないようです。彼女の死後、その「罪」の事件の生き残りのユダヤ人女性とマイケルの対話シーンがあるのですが、その中で語られる内容が重く心に残りました。

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大変な結婚

2009年06月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年7月23日公開 韓国 112分

ベンチャー企業の若手社長、デソ(チョン・ジュノ)は、ある朝目覚めると、隣に見知らぬ女性が…。彼女は、超几帳面なジンギョン(キム・ジョンウン)で、2人とも昨夜の記憶はない。名刺を交換して別れるも、その日、デソの元にジンギョンの3人の兄たちが押しかけた。ジンギョンは伝説のヤクザ「3J」の娘だったのだ!「責任を取れ!」と迫られて途方にくれるデソは、ジンギョンに検査を受けさせ、処女である証明書を持って3Jへ会いに行く。ところが3Jの一家はこの結婚に大賛成で、着々と準備を進めていた…。

ヤクザの娘でありながら、大人しくて潔癖でちょっぴりマヌケ、でもキレると怖いジンギョンのキャラが面白い。
彼女の父や3人の兄(ユ・ドングン、ソン・ジル、パク・サンウク)に振り回される二人の間にいつしか愛が芽生えというのはお決まりの展開だけれど、家族の絆という情も描かれ、ほろりとさせられるシーンもありました。

韓国のロマコメは強いけどちょっと天然なヒロインに振り回される恋人の設定が多いね~~。でもけっこう好きです♪

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2009 さだまさしコンサートツアー初日

2009年06月20日 | ライブ・コンサート他
第3682回
サンシティ越谷市民ホール 
16:30開場 17:00開演 

今年のツアーの幕開け初日に参加です。
ファンクラブ枠は外れてしまったけれど、さだ友のつてでチケットを譲って頂き無事観賞できました。

コンサートの前に越谷レイクタウンで半日遊んできたので、疲れた足を座席で休めながら歌とトークを楽しんできました。

もちろん、終了後は居酒屋で乾杯のフルコース。充実した一日を終えて帰宅は零時を回っていました(^^;

今回のツアータイトルは「美しい朝」アルバムタイトルのまんまだ~~☆
緞帳が開いたままのステージにまずはバックメンバーが登場し、予定を5分過ぎた17:05開演です。

・二千一夜
・霧に消えた初恋
・雨の夜と寂しい午後は

MC:昨夜放送の「親父の一番長い日」ドラマ
   さだまさし博での店内放送・アマチュア時代の初ステージ

・不器用な花
・まんまる

MC:国村 隼さんは自分より年下だと知って驚いた(彼は1955年生まれ)
   はねトび収録話

・親父の一番長い日

ここで第一部終了。15分の休憩
第二部は18:20~
白スーツにピンクT、赤白のスニーカーで登場

・破
・1989年渋滞

MC:仲間と行く京都・奈良の旅 
十津川村話ダイジェスト版(話が長くなり宅間さんに「長ぇ~よ!」と突っ込まれ会場の爆笑をかいました。
今夜の宅間さんは久しぶりのツアー合流のせいかとってもテンションが高くて嬉しいよ~~♪コーラスにも加わっていて、マイクが彼の声を良く拾っていたのも

・私は犬になりたい490
・勧酒

MC:十津川村話の続き(運転手のツーさんのまむし話)
   ソフトバンクCM余波(カレンダー撮影のための街頭撮影時の女子高生の反応)から内容が日本の現状を憂う話になっていき、本人も熱くなったことを自覚して後に自重気味に話を〆ました(^^;

・小夜曲
・舞姫
・LIFE

MC:小説アントキノイノチ、アルバム「美しい朝」がベスト10入り(9位)
   クサイセリフの例えで何故か宅間さんの「ごらん、フロントガラスで雨がジルバを踊ってるぜ」というのを暴露?してました。

・ママの一番長い日

ACは黒スーツとプリントシャツ、黒靴に早着替えで登場

・いのちの理由

終演18:05 ぴったり三時間のコンサートでした。

会場で購入したアルバムにはB5サイズのクリアファイルとポストカードが特典としてついてきました。アルバムジャケットと同じデザインで好みだわ♪

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宮廷画家ゴヤは見た

2009年06月17日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年10月4日公開 アメリカ 

18世紀末スペイン。ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)は国王カルロス4世(ランディ・クエイド)の宮廷画家に任命される一方、権力や社会を風刺する作品も描いていた。ある日、彼のミューズであるイネス(ナタリー・ポートマン)が、ロレンソ神父(ハビエル・バルデム)が指揮する異端審問所に捕われてしまう。そして彼女を救おうとしたゴヤが見たものとは……。(シネマトゥデイ)

ゴヤの生きた時代は、異端審問、フランス革命とその後のナポレオンの台頭といった波乱激動の時代でした。彼の描いた2枚の肖像画の二人、イネスとロレンソに起こった出来事をゴヤは運命の証人・傍観者として見つめ続けます。

過酷な拷問により無実の罪を着せられたイネスは、家族と引き裂かれ、ロレンソに孕まされた娘を取り上げられ、長い年月の幽閉で精神を病みます。一方異端審問強化の先鋒だったロレンソはイネスの件で失脚し国外逃亡するのですが、ナポレオン政府に食い込んで凱旋帰国をするのです。

無垢な魂でロレンソを慕い、娘の行方を捜すイネスの姿は哀れさと同時に気高さもあり、複雑な想いに駆られます。
ロレンソはそんな彼女と、売春婦に堕ちている娘の両方を遠ざけようと画策するのですが、やがてナポレオン軍の失脚により彼もその地位を追われ、自身が異端者として処刑されるのです。

映画の冒頭のゴヤの描いた教会批判の風刺画が聖職者一同に回し見されるシーンと、ラストで処刑されたロレンソの手を握り、拾った赤ん坊を腕に抱いて幸せそうに歩くイネスの姿がとても印象的でした。

ゴヤの目を通して見えるのは、王や聖職者たちの権力に執着する愚かしさや、どんな状況下でも逞しく生きる人々の強さです。
彼自身は自らイネスを救おうと積極的に働きかけたわけではなく(その辺は少々物足りない思いがしますが)あくまで傍観者の役割で控えめなだけに、イネスとロレンソが強烈な個性を持って観る者の目と心に迫ってきました。

ナタリーとハビエルだったんだ~~☆☆
それにしても「家政婦は見た!」じゃあるまいし、この邦題、もう少し何とかならんもんでしょうか?

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夢をかなえるゾウ

2009年06月14日 | 
水野敬也 (著)  飛鳥新社(発行)

主人公「ぼく」は人生を変えようとして何かを始めるけれど、全部三日坊主に終わってしまうサラリーマン。ある晩、酒に酔った勢いでインド旅行の記念に買った置物に暴言を吐いた翌朝に、彼の目の前にゾウの姿をした奇妙な生き物が現れます。「ガネーシャ」という名のインドからやってきたこの神様は、「ぼく」に今から自分が出す簡単な課題さえこなしていけば、お前は確実に成功すると持ちかけ、彼の家にニートとして住みつくのです。あんみつに目がなく食い意地が張り、ゲームをしては寝るだけの史上最悪のメンター(師匠)ですが、二人は「成功するためにはどうしたらいいか?」「そもそも成功とは?」という本質的な問題を漫才のようなやりとりの中で深めていくのです。

世の中には成功法則書やビジネス書が溢れていますが、それを読んで成功したとか、ためになった、面白かったという話は殆ど聞かないのはなぜ?という疑問に対する一つの解答だとこの本の作者は言っています。

たしかに、その辺の指南書のような堅苦しさは皆無。なんたって関西弁を話すけったいなインドの神様(しかもゾウだし)と、いかにもダメダメな普通のサラリーマンのぼくが漫才のコンビのような問答を繰り広げながら課題をクリアしていくさまは、どうみても真剣さにかけるように思えるからです。

しかし、ガネーシャの出す課題そのものは、その気になれば実践できることばかりです。そして、ダメダメ君に見えた「ぼく」の最大の長所は、他人(ガネーシャ)の言うことに耳を傾け実践する素直さなのです。

頭で考えているだけではダメ。行動に移すことが何より大事だとガネーシャは説きます。笑いながら読み進めるうちに、「あれ?自分でも出来るかな。やってみようかな」と思わせる本です。

以下ネタバレ 

ガネーシャの課題()は引き合い出した偉人の一部
・靴をみがく (イチロー)
・コンビニでお釣りを募金する (松下幸之助)
・食事を腹八分目におさえる  (釈迦)
・人が欲しがっているものを先取りする  (ヘンリー・フォード)
・会った人を笑わせる  (ハーブ・ケレハー)
・トイレ掃除をする  (世界の大富豪)
・まっすぐ帰宅する  (スティーブン・キング)
・その日頑張れた自分をホメる (手塚治虫)
・一日何かをやめてみる  (カーネル・サンダース)
・決めた事を続けるための環境を作る  (リンカーン)
・毎朝、全身を見て身なりを調える  (ナポレオン)
・自分が一番得意なことを人に聞く  (マイケル・ジョーダン)
・自分が一番苦手なことを人に聞く  (リチャード・ブランソン)
・夢を楽しく想像する  (ノエル・ゴダン)
・運が良いと口に出して言う  (エジソン)
・ただでもらう  (シェイクスピア)
・明日の準備をする (ランス・アームストロング)
・身近にいる一番大事な人を喜ばせる (ロベルト・ゴイズエタ)
・誰か一人の良いところを見つけてホメる (アンドリュー・カーネギー)
・人の長所を盗む  (モーツァルト)
・求人情報誌を見る  (ダーウィン)
・お参りに行く  (タイガー・ウッズ)
・人気店に入り、人気の理由を観察する (アルバート・セント・ジョルジ)
・プレゼントをして驚かせる  (ツルゲーネフ)
・やらずに後悔していることを今日から始める
・サービスとして夢を語る (スティーブ・ジョブズ)
・人の成功をサポートする  (グレン・カーチス)
・応募する  (エステル・ゴランタン)
・毎日、感謝する

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ヤーンの選択

2009年06月10日 | 
グイン・サーガ125
栗本薫(著) 早川書房(発行)

巡礼団全滅という惨事は、ヨナにとって信仰を揺るがすほどの大きな出来事だった。しかしヨナは、任務を続行することにし、スカールら騎馬の民に守られながらヤガを目指す。実はスカールも、戦うミロク教徒の出現に危機感を抱いてヤガ潜入を画策しており、それに際してヨナの力を借りる代わりに彼の護衛を申し出たのだった。一方、イシュトヴァーンは、カメロンの苦悩などおかまいないしに、勝手にパロへと出立してしまった。


先に126巻を読んでいたけれど、物語の舞台や人物が異なるために特に問題は無かったです。

一緒に旅していた巡礼団が荒くれ騎馬の民に全滅させられたその惨事に際しミロクの神の助けがなかったという衝撃に、信仰心が揺らいでしまったヨナと、この新興宗教が中原や草原の国、沿海州に与える影響に危惧を抱くスカールとの会話が主な柱となって進んでいく物語です。

最終章ではパロ乗っ取りを企んでカメロンを出し抜こうとするイシュトとカメロンの会話が中心となりますが、ここではイシュトのずるさと情熱が遺憾なく発揮されています。

あとがきでは作者が自分の病状を語っているのですが、このとき既にかなり抜き差しなら無い状態だったのかなぁと思うととても切ないです。

小説は130巻までは書き残されているそうだけど・・・完結して欲しかった(泣)

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マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋

2009年06月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年2月16日公開 アメリカ 95分

243歳のマゴリアムおじさん(ダスティン・ホフマン)のおもちゃ屋は、おもちゃたちが魔法で動き回り、子どもたちに大人気だ。ある日マゴリアムおじさんは引退を宣言。支配人のモリー(ナタリー・ポートマン)に店を継いでほしいと言い出し、資産価値の計算のために経理士のヘンリーを雇う。おもちゃたちは怒って店は大混乱。かつて天才ピアニストと呼ばれながら作曲が出来ずに自信をなくしたモリーにはオーナーになる自信もなくて、必死におじさんを引き止めるが、聞き入れてもらえない。

夢や自信を失くした女の子モリーがおもちゃ屋相続の騒動の中で、友だちに支えられ自信を取り戻していくファンタジーです。

帽子マニアの風変わりな少年エリックと、現実的でお堅いヘンリーがその「友だち」彼らも自分だけの殻を破ってモリーを助けることで新しい自分を見つけ出すのでした。

可愛くてカラフルで面白いおもちゃたちは見ているだけで楽しいけれど、モリー自身にはあまり共感が出来ずに終わったというのが正直な感想です。マゴリアムおじさんにもそれは言えるかなぁ(^^;
主役の二人より脇の少年と経理士の方が魅力的だったかも。

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お買いもの中毒な私!

2009年06月03日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)


2009年5月30日公開 アメリカ 105分

ソフィー・キンセラの「レベッカのお買いもの日記」シリーズの映画化です。舞台はロンドンからニューヨークとなり、物語の展開も原作とは異なっているとか。

監督がジェリー・ブラッカイマーというのもかなり異色ですが、とても楽しいラブコメに仕上がっています。何しろスタイリストは『プラダを着た悪魔』や『セックス・アンド・ザ・シティ』のパトリシア・フィールドなんですから、ファッションについてはもう文句無し!

25歳のレベッカ(アイラ・フィッシャー)の夢は、一流ファッション誌の記者になること。でも現実は地味な園芸雑誌の編集者。そんな彼女のストレス解消法は大好きなお買いものをカード払いですること。子供の頃に倹約家の母にオシャレ心を抑え込まれてしまったレベッカは、反動でファッションへの憧れを過剰に募らせ、買い物中毒に陥っていたのでした。

彼女が親友のスーズ(クリステン・リッター)とシェアしてるアパートはまるで部屋自体が巨大なクローゼットのよう。あらゆる色に囲まれたパラダイスだけど、現実はカード会社の督促人の電話に怯える毎日です。

転職の面接に出かけたのに、ショップのセールに寄り道して衝動買いしてしまったグリーンスカーフが縁となり、マネー情報誌の編集長ルーク(ヒュー・ダンシー)の下で働くこととなった彼女ですが、二人の出会いからして彼女の嘘が始まりというのは、後半の波乱を予感させます。

憧れのファッション誌「アトレ」に移るための踏み台という不純な動機で、経済雑誌編集者になったレベッカですが、自身の買い物から得た知識をわかりやすく例えに用いたユニークな文章が世間に受け、経済ジャーナリストとして人気者になります。ルークとも良い感じになりハッピーな彼女は、親友が心配して紹介してくれた自助会にも殆ど参加せず、TV出演のために親友を裏切るあることをしてしまいます。

天罰覿面というか、その番組内で督促人(映画の中では悪役だけど、彼自身は悪いことをしてるわけではなく、仕事に忠実なだけなんだよなぁ。そう思うとちょっと可哀想でもあります。後日のレベッカの強烈なお返しには笑ったけれど。)に今までの嘘をばらされたレベッカはルークを怒らせ、親友にも裏切りを知られ絶交されてしまうのです。

親友の涙と、父親が長年の夢を叶えて手に入れた(節約はそのためだったのね)ワゴン車を娘の借金のために換金して肩代わりしようとの申し出(「お前とママが一番大事」というセリフが泣けるね)に、レベッカは自分の本当の願いに気付くのです。

自分は愛されている、背伸びして着飾らなくてもありのままの自分でいいのだ。
それに気付いた時、レベッカの買い物中毒症は癒されたのです。

憧れのアトレの編集長の欺瞞の香りする仕事の申し出をきっぱりと断り、部屋いっぱいの衣装を売り払いすっきりした彼女は親友とも仲直りして、語りかけてくるマネキンたち(レベッカの心の代弁者としてマネキンが手招きしたり語りかけたりするという手法が新鮮で面白かったです)に祝福され、そしてラストはもちろんルークとハッピーエンド♪


呆れるほどいい加減だけど、根は素直で天真爛漫なレベッカには、どこか人を惹き付ける魅力があります。それは彼女の真っ直ぐな行動力と明るさから来るのかな。演じたアイラもとてもキュートでヒロインにぴったりでした。

そして相手役のヒューがまた甘いマスクのイケメンです。
母親の家名(NYの名士)に縛られずに自力成功しようと努力しているルークを好演しています。

もちろん、プラダやグッチ、ディオール、ミウミウ、フェラガモ、バレンシアガなどなどブランド品も目の保養になりました。

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センター・オブ・ジ・アース

2009年06月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年10月25日公開 アメリカ 92分

失踪した兄の遺志を継ぎ地質学研究に打ち込むトレバー(ブレンダン・フレイザー)は、3年ぶりに合った甥っ子ショーン(ジョシュ・ハッチャーソン)と共にアイスランドに向かうことになる。過去に兄が取り付けたアイスランドの地震調査装置が異常な計測地を示していたからだ。地底世界を信じていた兄の手帳をヒントに現地山岳ガイドのハンナ(アニタ・ブリエム )とスネフェル山脈にたどり着いた彼らを、激しい落雷が襲い、彼らは洞窟に閉じ込められてしまう。出口を求めて進む3人は突如果てしない縦穴を落下し、辿り着いたのは地底160kmの不思議な世界だった・・・。


ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」の映画化です。
『ハムナプトラ』のリック役が強烈な印象なために、ブレンダンが登場するだけで何か冒険が始まる予感がしますね。

映画は3Dで公開されたけれど、DVD観賞のため、その効果の恩恵は無し。それでも十分楽しめましたが、3Dならランドのアトラクションそのままによりドキドキ感があったのかな?

閉じ込められた坑道でのトロッコシーンはインディのパクリ?(本にあるなら、パクッたのはインディの方になるのかな)

地底世界が地上とそれほど変らない、どちらかというと南海の無人島風だったのも原作通りなのかな?食虫(人?)植物や磁力で浮かぶ岩場、巨大な恐竜に人食い魚など、3人の旅はハラハラ・ドキドキのスリル満載の楽しさです。彼らを案内するかのような絶滅した筈の発光する小鳥が可愛かったな♪

無気力だったショーンがこの旅で成長していくのも見所の一つ。これは少年の成長物語でもあるのですね。

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