杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

オズランド 笑顔の魔法おしえます。

2018年10月30日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年10月26日公開 105分

夢と希望にあふれて、彼氏(中村倫也)と同じ超一流ホテルチェーンに就職した波平久瑠美(波瑠)に言い渡されたのは、 系列会社が運営する地方の遊園地グリーンランドへの配属辞令だった…!ふてくされながらも、“魔法使い”と呼ばれる風変わりなカリスマ上司・小塚慶彦(西島秀俊)と 個性的すぎる従業員たちに囲まれる日々を過ごすうち、 少しずつ働くことの楽しさ・やりがいに気づいていく。小塚に対して、憧れとも恋ともわからない感情を抱きだしたある日、 久瑠美は小塚の秘密を知ってしまう…働く人なら誰でも共感する悩みを抱えながら、やがて仕事の極意を掴みとる久瑠美の姿に思わず拍手喝采!!知っているようで知らない“遊園地の舞台裏”を舞台にした、 最高にハッピーな “お仕事エンターテインメント”が誕生 !!!(公式HPより)


「海猿」や「S 最後の警官」の原作者・小森陽一の小説「オズの世界」を映画化した作品です。舞台となったのは熊本県に実在する遊園地「グリーンランド」(小説での遊園地名は“東洋スーパーワンダーランド”だそう)で、実際に撮影が行われています。“小塚”という役は、実際にグリーンランドで働いていた方がモデルとなっていて、波平と同期の吉村(岡山天音)も、東大卒の新入社員という実在のモデルを基に、映画で作り出したキャラクターだそう。

恋人と一緒にいたいがために同じ会社に就職したのに、系列の地方遊園地に配属された波平は、不承不承グリーンランドへやってきます。ところが、初日からドッキリイベントは仕掛けられるは、動物たちの糞掃除から園内のごみ拾いまでさせられる始末。目覚しい成果を上げたMVP社員は、本社に戻れると聞いて企画書を出しても目を通しても貰えず不満たらたらで恋人に電話すると、「もう社会人なんだから」と突き放されて落ち込みます。

園長に望まれたという話も、名前を「なみへい」と読み間違えられ面白がられただけというのが本当で、学歴枠は自分より冴えないと思っていた吉村君が東大卒だったと知り、早稲田卒のプライドもへし折られてしまいます。

この辺までは、ちょっと頭が良くて都会育ちなことを鼻にかけたタカビー女のキャラですが、ごみ拾いをさせられた真の意味(遊園地の場所や働く仲間を知るための準備期間)に気付いたあたりから変わっていくんですね~。 吉村君はちゃんと意図を理解していたというのは、やはり東大卒だけあるわぁ

仕事に熱意をもって取り組んでいく姿は好感が持てました。逆に彼女を温かく見守ってきた筈の恋人が、実は自分勝手な奴だったという展開はちょっとガッカリ。(なんだよ~~俊郎ってそんな男だったんかい!

 黄色地に赤と青の派手な上着は、実際に着用されている制服なんだとか。派手さは目立つということでもあり、園の職員だということが一目瞭然でわかりやすいんですね 下は自由みたいですが、波平は最初はガウチョパンツを履いています。これはまだ職場に溶け込んでいない彼女のプライドを示しているのですが、馴染んでくると動きやすい細身のパンツスタイルに変化していって、彼女の働く姿勢がわかりやすく伝わってきます。
 
小塚の退職を知り、何とか彼の念願(“どんなことでもいいから世界一の遊園地を目指す”)を叶えようと企画した気球で一万個の風船を撒くイベントは源作とは異なっているそうですが、映画ならではのカラフルで素敵なクライマックスとなっています。(初日に騙された時限爆弾=ドッキリ作戦がここでも使われるのは、ちょっとあざといけど
 
遊園地の裏側を描いたお仕事ムービーであり、一人の女性の成長物語でもあります。
個性的な周囲の仲間たちも登場し、最後まで楽しい気持ちにさせてくれる作品です
何より「グリーンランド」訪れてみたくなりますね

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