リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

幼保無償化:負担の地方押しつけに猛反発した全国市長会が譲歩していた

2019-02-13 | 待機児童
幼児教育・保育の無償化を10月から始めるための子ども・子育て支援法改正案が閣議決定された(朝日新聞2019-2-12夕刊)。政府の試算では、新たにかかる費用は年7764億円で、そのうち国が4割、地方は6割を負担するという。 自民党が勝手に選挙公約で決めたものなのに、費用は地元で出せと言い出されて全国市長会は猛反発していたはず(過去ブログ「幼児教育無償化:地方の財布を当て込んで公約したのか!?」)。 . . . 本文を読む

保育士不足に対応する「地域限定保育士」

2019-02-08 | 待機児童
「地域限定保育士」というものがあることを先日新聞で知った。平成27年通常国会で導入された新たな制度で、資格取得後3年間はその自治体内でのみの資格だが、4年目以降は自動的に地域限定のない「保育士」になれるという。 要件をゆるめて人材を確保するのだったら「保育の質の低下」が懸念されるが、通信講座会社の説明を見る限り、同等の筆記試験を受ける機会を増やす、という性質のようで、質の低下の心配はなさそうだと思 . . . 本文を読む

労働力不足解消:外国人助っ人よりも、子育てしやすい社会が王道

2018-12-30 | 待機児童
外国人労働者の受け入れ拡大を目指す入管法改正を自公政権が進めている。何もかも「検討中」の段階での拙速な進め方は衆院議長でさえ再質疑(過去ブログ)を求めたほどだったが、働き手の不足を解消するために外国人労働力に頼らざるを得ないという点では野党にも理解があるという。だが、労働力不足になった原因を放置したまま、単に外国人労働者を受け入れても、社会のひずみが増すばかりだ。働き手が足りないという問題のそもそ . . . 本文を読む

「教育負担の軽減へ」をうたう公明党は、保活の負担をどう思っているのか

2018-12-13 | 待機児童
「教育負担の軽減へ」――街で見かける公明党のポスターはそう謳っている。だがそれで恩恵を受ける人ははたしてどれくらいいるのだろうか。(今回は自公政権が決めた「幼児教育無償化」に限る。高等教育についてはまた別途。) たしかに私も「助かる」という声を聞いたことはある。何度も言うように、それだけ取り出してみるなら幼稚園や保育園が無償になるのは悪いことではない。 だが保育園無償化どころか、「有償でも何でもい . . . 本文を読む

保活「落選狙い」について再考

2018-12-08 | 待機児童
育休を延長したいがためにあえて人気の高い園を希望し落選通知をゲットする――そんな「落選狙い」について先日書いた。その時の主題は「落選狙い」対策として厚労省が提示した「入園本気度チェック」についてのものだったのだが、朝日新聞2018-12-8の「記者有論」を読んで、そもそも「落選狙い」について私の理解足りなかったような気がしてきた。 ●落選狙いと育児給付金 育休中は給与の50~67%が給付される。 . . . 本文を読む

幼児教育無償化:自治体も懸念している

2018-12-06 | 待機児童
政府が決めた幼児教育無償化について、自治体に行ったアンケート結果によれば、反対41%、「無償化より優先してほしい施策がある56%」、賛成はわずか3%だった。これは「保育園を考える親の会」が、幼児教育無償化の費用について国が自治体にも負担させることを検討しているとの報道を受けて首都圏および政令市の100の市区に対して行った調査で、72の有効回答があったという「幼児教育無償化の費用負担に関する緊急アン . . . 本文を読む

待機児童解決策としての3通りの送迎サービス

2018-11-27 | 待機児童
子供乗せ自転車で転倒して小さな命が失われた事故をきっかけにその危険性が話題になっているが、そもそも小さな子供を一人どころか、二人、三人も乗せて自転車に乗らなければならない一因は、自宅近くに保育園がないからだ。待機児童が一向に改善されないなか、かなり遠くの保育園に預けざるを得ないことも多いと聞く。 朝日新聞の連載企画「子ども乗せ自転車」の最終回(朝日新聞2018-11-26)では、保育園の送迎サービ . . . 本文を読む

幼児教育無償化:地方の財布を当て込んで公約したのか!?

2018-11-16 | 待機児童
安倍政権が選挙対策で決めた幼児教育無償化について、根本的な財源の手当てが未確定だったことが露呈した。 これまでの報道を見ていれば、誰だって無償化の財源は国が負担するものと思っていたはずだ。菅義偉官房長官からも「無償化については全額国費で負担するので、市町村には迷惑をかけない」と複数回確認されていたという。だが今になって地方に負担を押し付ける案を出してきたという(朝日新聞2018-11-15)。 現 . . . 本文を読む

保活:「入園本気度チェック」の功罪

2018-10-23 | 待機児童
●「入園本気度チェック」は、表現を工夫しないと「3年間抱っこしほうだい」の強制と勘違いされる 育休延長資格を得るためにあえて競争率の高い保育園に希望を出す「落選狙い」が一部の保護者にあるという。その対策として厚労省が提示した対応は、保育の必要度を見るために、「保育を希望するが、申し込んだ園に落選した場合は育休延長も可」というチェック項目を入園申込用紙に設けるよう自治体に促すというものだという。( . . . 本文を読む

待機児童は減ったが,その3倍以上もいる隠れ待機児童をどう考える?

2018-09-11 | 待機児童
待機児童が4年ぶりに減少して2万人を割ったという(朝日新聞2018-9-8).自公政権は幼児教育無償化を実施して保育需要が増えたとしても待機児童は解消できると言い張っているが,その見通しの根拠が示されいないどころか,民間が政府資産と大幅に違う数字を出しても議論しようともしない. さらに問題なのは,「待機児童」に含まれていない隠れ待機児童が7万人を超えるという点だ.隠れ待機児童を無視して表面的な「待 . . . 本文を読む

保育園を作っても保育士不足で開園できない:これでも無償化を先行するのか?

2018-09-06 | 待機児童
160人の子供を受け入れる保育園を作ったのに保育士が集まらず開園できずにいる空きビルが東京都墨田区にある.保育士不足のため定員よりも受け入れる子供の数を減らしている保育園も認可園だけで全国に204に上る.(朝日新聞2018-9-5) 政府も待機児童解消を謳っていて一応の対策はしているのだろうが,いくら「ハコ」を作っても人が集まらなければ意味がない.保育士の待遇改善に数百億円を振り向けるというが,月 . . . 本文を読む

保育士の待遇改善:自治体はどうやってる?

2018-07-02 | 待機児童
待機児童解消のために保育士の確保が待ったなしの課題になっている.今日の朝刊でも保育士不足のために定員を減らしている保育園が204園もあったことが報じられていた(朝日新聞2018-7-2).かといって定員を減らすなとは言えない.保育士に余裕がなくなり「自分の子も預けたくないような」環境になってしまう事例も残念ながらめずらしくないようだ(同4面).そのような環境では保育士を増やしても離職者が絶えない状 . . . 本文を読む

待機児童解消のための国の予算が未消化だった!

2018-06-28 | 待機児童
幼保無償化に何千億円も投じるより前にまず待機児童解消に予算を振り向けてほしいということを何度も書いている(「待機児童」カテゴリーの記事一覧).だがそもそも待機児童解消などのための国の予算の一部は未消化であることが,佐藤一光「なぜ未消化? 国の育児支援予算」(週刊エコノミスト6月19日号)で考察されていることを知った(朝日新聞2018-6-28). 国の支援メニューは多様だが,それが細分化しすぎてい . . . 本文を読む

幼児教育無償化で需要が増えれば結局「負担増」となる懸念

2018-06-20 | 待機児童
兵庫県明石市は2016年度から第2子以降の保育料無償化を実施しているが,待機児童が急増していることが報じられた(朝日新聞2018-6-18).もちろんニーズの増大は見越して保育所を整備したのだが,(例によって)希望者の増大が予想を上回った.明石市の場合,政府が無償化を言い出す前に進めた先進的な取り組みであったこともあって人口増や税収増による経済活性化を実現したという側面も以前に紹介したが,待機児童 . . . 本文を読む

選挙の看板用の幼児教育無償化より,待機児童解消を!

2018-06-08 | 待機児童
幼保無償化で衆院委員会での審議があったことから新聞社説でも「子育て支援 無償化ありきでなく」と取り上げられた(朝日新聞2018-6-7).中身に新味はない.べつに論説委員が悪いのではなく,同紙も私も,多くの人がさまざまな問題点を指摘してきたのに,政府が改めようとしないからだ. もちろん,幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)はそれだけで考えればいいことだ.そのことは社説も「国の懐に余裕があるならば . . . 本文を読む