リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

フランスの保育園事情

2018-04-13 | 待機児童
フランスは一時は出生率が1.6まで低下したものの,その後劇的に回復して今や2%台を維持している(マーミー「フランスの子育て支援に仰天!共働き育児がしやすい5つの魅力」).やはり出産・育児を支える環境が整っているからだ.その内容も多岐にわたるが,最も重要なのは,残業せずに定時で帰ることが当たり前という「働き方」と,「うらやましすぎる!フランスの子供の預け先」の項にまとめられている「保育園事情」だと思う.昨日の新聞でもまさに「育児と働き方」と題して,2年間フランスに単身ならぬ母子赴任した人の投稿が掲載されていた(朝日新聞2018-4-12「私の視点」).

保育園に入れるのが難しいことはフランスでも同じらしい.それでもフランスが進んでいるのは,母親アシスタントと呼ばれる小規模保育制度(「フランスも保育園は足りない - それでも少子化を克服した理由 」によれば日本の保育ママに似た制度)やベビーシッターなど,保育園以外の受け皿が充実している点のようだ.さらに,3歳からは全員幼稚園に入園できて,延長保育サービスもあるという.
これらは日本にもないわけではない.ベビーシッター,保育ママ幼稚園の預かり保育については私も書いた.ママスタによれば2015年からは日本でも小規模保育が認められているが,フランスが日本と違って格段に充実しているのはこの点のようだ.
小規模だと質をどう担保するかが難しい.担当者の「当たり外れ」――と言って悪ければ子どもや親との「相性」――によって印象が全く変わってくるだろう.
逆に,東レ経営研究所(TBR)「「保育ママ」普及のカギはモンスター・ペアレント予防策」(pdf)が指摘するように,小規模保育所だと一部の親が強硬にクレームをつけるだけでも立ち行かなくなることがありうる.トラブル対処の方法論を確立するとともに,保護者にも子供どうしの日常的なトラブルにいちいち目くじらを立てないなどの意識改革も必要だろう.
今進めている保育園の新設のような量的対策も大切だが,小規模保育の拡充など質的な転換も議論されていい.

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