特別委員会
のまとめ
2019年1月24日
2019年1月23日の特別委員会で大東市新庁舎整備基本計画の素案・修正版が出されました。
たくさんの移転反対の声を聞いて東坂市長はどの様に判断するのかと特別委員会が注目されていましたが、消防跡地への移転計画はそのまま変わりなし。
強行するようです。
以下、注目していた問題点がどう変化したのかなどをまとめました。(まとめは新崎の視点です)
◎
容積率の緩和について
敷地面積約4,237㎡という狭い土地で18000㎡の庁舎床面積が必要という事で、容積率を現在の300%⇒400%へ変更したいという以前の計画は変わっていません。そして、一向に緩和に向けての調整が進んでいないようです。
◎
浸水対策の整備
赤井の地域は浸水を繰り返しています。そのため、多くの住民が浸水する地域での庁舎建設は問題があると訴えていました。
大東市は地下駐車場に水が流れないような構造にすることや、公用車の分散配置を基本計画に追加しました。
◎
ICT(AIやRPA)などを積極的に活用していく事が追記されましたが、これは現地(谷川)でもどこでも今からでもできる事ですね。
ちなみに、
私はAIを活用することは良いと思います。しかし、その効果として、職員の残業や負担を減らし、余裕を持って市民サービス向上へ力を入れることができるようになることが大前提だと思います。そして、時代に追いつくだけを理由に無駄な税金をつぎ込むという事にはならないようにしなければなりません。
◎
公共交通の充実が追記されました。しかし、「移転し駅に近くなるから公共交通網の利便性向上ができる」という移転のメリットのように追加されていますが、本当に市民の事を考え、やる気があるのであれば、現在の場所でも公共交通網の利便性を高めることは十分できる事です。
市役所にお金を使うより、コミュニティバスの充実を訴えたい。
◎市民から意見の多かった
駐車場の問題について。駐車場は一般来庁者は隣接するオペラパークの駐車場を利用するという計画になっています。来庁者の駐車場利用料は無料ですが、
大東市が駐車場利用料を永年払い続けるという仕組みになっています。現在地なら、100%自前の土地なので、駐車場利用料という支出は発生しません。
また、渋滞や混雑を危惧する市民の声に対して、大東市はオペラパークの駐車場の台数調査をしたところ、来庁者の駐車台数を足して利用率は高くなるが空きがあるとしています。そして、歩行者や自転車の通行環境を道路の改修などで整えていくとしていますが、市民は今現在でも混雑や危険性を感じているという事を忘れてはいけません。
今でも危険性を感じているのにこれ以上交通量が増えることを危惧しているのです。
市庁舎移転とは切り離し、早急にこの地域の安全性確保を行うべきです。
◎
複合施設の用途や機能
複合施設として、大東市は金融機関、コンビニ、医療機関、子育て施設、民間企業のオフィス、大学の研究室などの導入を進めるとしています。
しかし、所有権の問題で特別委員会の中でも大きな話題となりました。
大川創業が持っている土地に庁舎を立てようとしているので、土地建物等の等価交換などが検討されています。そのため、一つの建物の中に、最低でも
①大東市、
②民間事業者、
③PFI事業団が区分所有者となる可能性があります。
大東市は庁舎の複合施設として上記の施設が入居してくれることを希望していますが、その決定権は所有者であり、将来的にどんな複合施設が入るのか未知数ということになります。やはり、市役所は自前の土地で単独で建設すべきではないでしょうか。
◎
複合施設の規模は現時点では1000㎡~3,000㎡程度が想定されています。
(普通のコンビニでは「100~149㎡」の規模が多い。)
◎
イニシャルコストについて
83.7億円⇒84.1億円へ修正。修正の理由は説明されませんでした。
さらに、現地(谷川)を売却費用充当後:約63.6~72.2億円⇒63.6~72.6億円へ修正。これも修正の理由は説明されていません。
イニシャルコストとランニングコストについては庁舎部分のみしか算定されていません。これらの費用以外に、①民間施設部分に係る整備、②維持管理費用、③隣接商業施設(オペラパーク)の駐車場利用料、④PFI事業に係るアドバイザリー事業、⑤モニタリングに係る費用などが別途発生しますが、詳細の説明はありません。
❖用語説明❖
イニシャルコストは導入にかかる費用です。
それを使えるようにするためにかかる費用で、基本的には最初の1回だけ発生します。
ラニングコストは運営にかかる費用です。
それを使い続けるためにかかる費用で、基本的には使い続ける限り発生します。
今回の特別委員会では共産党議員団は天野議員が病欠のため出席できず、発言の機会がありませんでした。
他会派議員からどんな質問があったのか要約して以下に紹介します。
◆
現地とコストを比較したらどのようになるのか。
答:現地のコストは110億円を見込んでいる。これはあくまで概算で、最近建てられた各地の庁舎の㎡単価の平均×18000㎡で試算①建設費、②駐車場の建設費用、③隣地の取得費用(5億円)、引っ越し費用などが含まれている。
◆
瀬戸市の市庁舎は50~60億円で建てられている。このようにここ(現地でも)低コストで建てれるのではないか?
答:瀬戸市の場合は床面積が大東市の必要な床面積(18000㎡)より小さいためコストが違ってきます。
◆
今の時代は人口減少に対応し、複合化やPFIを進めていっているが、もしかしたら、それさえも時代遅れかもしれない。(複合化・PFI推奨の意見)
市民はそういう状況にある事を理解しているのか?説明が足らないのではないか。
答:市役所、行政機関のみの建物で良いのか?という視点で進めてきている。様々な手法を検討しないと変化についていけない。あくまで計画は行政計画であり、諸手段である。後発的な課題はその都度柔軟に対応していく。
◆
隣接の駐車場台数では来庁者の駐車場は確保できないのではないか?駐車場が混雑した時に阪奈道路に与える影響が危惧されているが。
答:来庁者数の台数を足しても足ります。休み明けや雨の日は多少混むと思います。入り口を奥に持っていき、中で待機できるようにするため、阪奈道路の渋滞には直結しません。
◆
事業手法について、PFIで行うとされているが、DBOの方が起債を国からできて利子が安くなりトータルコストも抑えられるのではないか?
答:PFIで民が民の金融機関から資金を調達するために、金融機関から審査を受ける事ができます。利子はPFIの方が高くなるが、トータルではPFIの方が安くなります。
◆
PFIで失敗している事例がある事は確認しているか?
答:福岡に失敗事例がある。これは市民から利用料を取って運営していたので失敗している。
◆
PFIでは民間が儲けを出さなければ事業として成立しない。庁舎建設事業が長期的に事業として成立するのか?庁舎何の収益性があるのか?
答:銀行が審査をして、庁舎建設への融資を決定したら銀行も応援してくれるという信頼関係を築けるためそれがメリットとなる。
◆
区分所有の問題などをクリアしていかないといけないと以前から意見しているが、この間、いろんな問題に検討するとしかされておらず、具体的な対処がなされていない。
答:行政と民間が所有者として持っている事例は他にもある。行政の投資を少なくするために複合機能を取り入れている。
◆
今、民間の土地は地権者は一人か?
地権者は4筆の内、大川創業が3筆、ポップスホールディングが1筆です。
◆
この土地は権利関係がややこしいし、銀行の根抵当権が設定されているのではないか?クリアすべきことが多すぎる。
答:税金を使わない方法で対応していきたい。うまくいかない時は別の方法を考える。
まとめは以上です。