本日は11時半〜12時15分まで東坂市長と西辻副市長と懇談させて頂き、2020年度の予算要望書を提出しました。
市民の皆様の要求を伝えて来ました。
以下、提出した要望書です。
2019年12月12日
2020年度大東市予算及び施策に関する要望書
大東市長 東坂浩一 殿
日本共産党大東市会議員団
市議会議員 天野一之
市議会議員 新崎美枝
TEL 072-872-5533
日本共産党大東市委員会
委員長 新崎美枝
事務局 森 秀一
〒574-0046 大東市赤井1-1-5
TEL 072-871-3810
FAX 072-872-4198
はじめに
安倍政権は、2019年10月に消費税10%増税を強行しました。国民の暮らしが悪化し、景気と経済を壊すこともかえりみず、2度にわたり増税し、合計13兆円と言う大増税で、安倍政権は戦後最悪の増税政権となりました。これまで、消費税で集めた税金は18%しか社会保障に使われておらず、8割は大企業の大減税に充てられました。その結果、大企業の内部留保は449兆円を超えました。中小企業の法人税は18%に対し、大企業の法人税は10%の負担と大幅減税されている現状を正し、応分の負担を求めることで、消費税の増税無くして社会保障の財源を生み出すことができます。さらに、内部留保の449兆円の一部を労働者の賃上げに使う事で、経済を好循環に転換できれば、自治体への税収入UPにもつながります。このように、国の進める政治は地方にも大きく影響し、財政も厳しい状況に追い込まれています。
さらに、安倍政権は今後、介護保険サービスの切り捨て、国民健康保険料の引き上げ、医療費窓口負担の負担増など福祉の改悪がまたぞろ狙われています。
こうした悪政を市政に持ち込まず、市民のくらしと営業を守り、安全・安心のまちづくりを進めていく本市の役割は極めて重要です。地方自治法第1条2「地方自治体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」を厳守し、市民みんなが住んでよかったと思える大東市にするために、2020年度予算及び施策に関し、以下の事を要望いたします。
〈1〉一人ひとりを真に大切にする教育・保育を実践する大東市にすること
【教育環境の充実】
①給食費無償化は年々実施する自治体が増えています。子どもの貧困が問題となっている現代、給食費を無償化にして、誰もが未納の心配なく平等に学校給食が食べられるようにしてください。
②給食の全員喫食を継続し、美味しい給食の提供をさらに追求してください。そして、中学校は自校方式の導入をあきらめず追求してください。自校方式は、今後、災害時などの温かい食事の提供が可能になるなど、避難所環境の充実にもつながります。
③就学援助金の項目を増やしていく事を求めます。入学準備金の拡充、クラブ会費、PTA会費、卒業アルバム代など、子どもが親の経済面を心配して悩むことのないような配慮を取り入れてください。
④高校・大学・専門学校の進学に既存の奨学金制度と併用して使える、奨学金制度を大東市独自でつくり、教育の機会均等の実現を求めます。
⑤学校教育の向上には、伸び伸びと学習できる場が必要です。
すべての小中学校で35人以下少人数学級を実施してください。また、教師を増やし、教師の業務量を減らしてゆとりの持てる教員生活が送れるような環境をつくってください。
⑥公立小中学校の「1年単位の変形労働時間制」には大東市として国に断固として反対の意思を表明すること。1年単位の変形労働時間制は「1日8時間労働」の原則を破り、教員の長時間労働をさらに助長する事になりかねません。大東市の教員、子どもたちを守るためにも大東市から意見を表明してください。
⑦放課後児童クラブの施設拡充と従事者の処遇改善を求めます。
現在は教室で子どもたちがひしめき合いながら宿題をしておやつを食べる生活になっています。ゆとりの持てるスペースと人員配置を求めます。
⑧夏休み限定の児童クラブを立ち上げるなど、働く親の支援をさらに充実させてください。
また、従事者の賃金UP、休みの確保など処遇改善を求めます。
⑨2018年7月、南郷中学校での事故で一人の生徒がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。すべての学校施設の危険個所は早期に点検し改善し、二度と同じ事故が起こることのないように求めます。
⑩チャレンジテストの廃止を求めます。
各学校が責任をもってつけた1年間の成績が、たった1回のテストによって、むりやりに変更させられ、日常の授業やとりくみで、いくら頑張っている生徒であっても正当に評価することができません。日頃の頑張りが正当に評価されるように、チャレンジテストの廃止を求めます。
【保育環境・質・子育て施策の充実向上】
⑪現在の待機児の状況はどのようになっていますか?保留児も含めた待機児ゼロを目指してください。
⑫保育士の処遇改善(常勤者月5万円UP)を大東市独自で実施してください。保育士の賃金は(特に民間園)は平均より低く、結婚して仕事を続ける事も大変な状況です。保育士の処遇改善を積極的に行ってください。
⑬子ども発達支援センターの給食は直営で専門職が発達段階や機能に応じたきめ細やかな食事提供を行い、子どもたちの健康と命を守ってください。
⑭公立保育所を守り、公的責任を果たしてください。特に、障害児の民間園への入所が困難である状況も鑑み、公立保育所の役割と特徴をはっきりさせ、常に質の向上を追求した保育環境を整えてください。
〈2〉介護保険制度・国保・福祉施策の充実で安心して住める大東市にすること
【介護】
①要支援1・要支援2の軽度者の訪問介護やデイサービス、リハビリを軽視せず、必要な人が必要な介護を受ける事ができるように制度を改善すること。
②年金から天引きされる介護保険料が高すぎます。介護保険料の値下げを求めます。
③介護保険料の減免制度を充実してください。減免制度の要件を1人世帯の収入108万円から150万円へ引き上げてください。
④介護従事者の処遇改善(常勤者月5万円UP)と研修の充実を求めます。
大東市で安心して年をとることができ、住み続けることができるように、介護の充実を求めます。市内在住で市内従事の介護従事者には大東市独自の賃上げ制度を作るなど、2040年の高齢化最高峰に向けて介護人材の確保に取り組んでください。
【障害児・者】
⑤障害者タクシー券補助制度の復活(500円補助をワンメーター補助へ戻す事)と回数の増加など、さらなる充実を求めます。
⑥障害児・者施設・グループホーム・ショートステイの補助の充実と増設を求めます。
⑦8050問題対策は喫緊の課題です。現状把握及び対策に取り組んでください。
【国民健康保険】
⑧国民健康保険税の負担軽減を求めます。
全国知事会は、低所得者が多く加入する国民健康保険料が高額となる構造的な問題を解決するために、「1兆円の公費負担増」を政府に要望しています。大東市からも公費負担を1兆円増やすよう、国に求めるとともに、大東市独自で減免制度の充実と、高すぎる国保の値下げを行ってください。
財源を確保し、子どもへの均等割(年間一人32,838円)を無くしてください。(20歳未満人数と保険料の負担額:2019年4月時点3,545人×32,838円≒1億1641万円)
【困窮者への政策充実】
ひとり親家庭、病気で働けない、借金、低年金、税金の滞納、高齢、障害。市民の皆様は様々な困りごとを抱えて助けを求めて市役所に来られます。「困った時、市役所に行けば何か解決方法が見つかる。」そんな市役所づくりと政策の充実に取り組んでください。
⑨窓口対応の改善と職員の研修。職員が市民の困りごとに応じて横断的に対応できる力を身に付けるために、研修を確保すること。また、正職員の数が少なく、常に残業が発生している、市民対応が滞っている部署などを把握し、人員増員をお願いします。
⑩固定資産税の減免制度の拡充をお願いします。特に年金だけで生活しているご家庭は増税が相次ぐ中、生活は厳しくなっています。まずは床面積を70㎡以下という制限を緩和するなど、減免の要件を緩和してください。
⑪憲法を守った生活保護制度の運用を求めます。
生活保護の申請を、あれこれの理由をつけて受け付けない「水際作戦」が日常的に行われ、さらに市外に転出させる「硫黄島作戦」、不当な保護廃止、人権を侵害するような「圧力」的な発言、違法な就労指導など、大東市の生活保護行政に対する市内外からのイメージは計り知れず悪い物となっています。この原因は、相談者・利用者への対応や説明が不十分であり、理解を得られるような対応が出来ていないからだと推測できます。
職員の数を増やし、相談者・利用者に寄り添った対応が出来るように求めます。なお、女性の自宅へ行く場合は必ず女性職員が対応するようにしてください。女性の相談者にはDV被害を受けた方もいます。人権を守る配慮ができる部署にして下さい。
※水際作戦とは生活保護を申請しようとする生活困窮者を、行政が窓口で追い返すことである。 そのやり方は、「若いから働ける」「家族に養ってもらえ」などの理由をつけて「申請書を渡さない」という方法が報告されている
※硫黄島作戦とは「就職」「適正化」など様々な理由で受給開始後に辞退届を提出させて保護を打ち切ること。
両語句ともに日本軍の用語から転用され使われている。近年はマスメディアでも常用されている。
〈3〉誰もが安心安全なまちづくりを進めること。
【コミュニティバスの拡充】
津の辺、楠の里、深野、太子田地域は公共交通の空白地域です。高齢ドライバーは免許証を返納したくても公共交通がないため不便になるので、返納できません。誰もが安心して住み続けることができる地域づくりに取り組んでください。
①市役所を含む各公共施設を巡回できる路線の拡充を求めます。
②龍間地域の公共交通は減便しないでください。
③空白地域に公共交通を走らせてください。
※交通空白地域とは一般的にバス停から300m圏外、駅から500m圏外としています。
【災害に強いまちづくりの推進】
がけ崩れ防止対策、水害対策、防災対策を強化できる予算を求めます。
大型の台風が日本列島を襲う今日、災害への備えを余すことなく行ってください。
④避難所の環境整備を充実してください。エアコン設置、ベッド、プライバシーが確保できるテント、温かい食事が提供できる施設を整えてください。逃げ遅れによる被災を防ぐため、それらの設備が整った段階で防災訓練を行い、避難所の環境を実感していただく機会を作ってください。
⑤防災倉庫の分散配置と備品の充実を行ってください。
⑥防災グッズ購入補助制度を創設してください。期間限定でも制度を実施する事で、防災グッズをそろえようと思うきっかけになります。
⑦政府が激甚災害指定を行っても一部損壊にはほとんど補助が適応されません。安心して住み続けるためにも、一部損壊も含めた被災者お見舞金制度の創設を行ってください。
⑧公共施設の耐震化100%を目指して、計画を作成、市民に公開してください。
⑨空き家対策にもっと力を入れてください。解体・リフォーム・隣地取得の補助の更なる充実と、空き家の個別の対応にもっと力を入れてください。持ち主不明の家屋への対応を早期に決めてください。
【市庁舎問題・公民連携事業を民主的に】
⑩消防跡地への移転新築(案)は否決されました。しかし、老朽化・耐震性への課題解決は早急に必要です。今後、どのように進めていくのか早期に方向性をしめしてください。なお、その際にはこれまで出された意見を反映させ、「住民合意」を基本に進めてください。
⑪深野北小跡地活用や北条プロジェクトなど全国に先駆けて公民連携事業が進められていますが、いずれも「市民参加」と情報公開が徹底されず、さらに庁内合意にも欠けたまま進められています。市民参加と透明性を確保した民主的な運営を求めます。
⑫公営住宅の充実を求めます。大東市に住み続けたいが、大東市内の「府・市営住宅が当たらない。何とか入れるようにして欲しい」という相談が相次いでいます。公営住宅を減らさず、充実させてください。
⑬サービスの質と安全性の低下を招き、経済的には割高になると言われているPFIの導入はおこなわないでください。
【道路の整備・安心して住める大東市】
⑭段差・凸凹・狭い歩道・老朽化など改修を求め安心して外出できる街づくりを求めます。
⑮ゴミ収集の戸別収集及びゴミ出し支援の充実を求めます。戸別収集を追求して、ゴミ収集業者との契約内容を見直してください。
【中小企業支援・まちの活性化】
住んで働ける大東市。大東市の中で経済の好循環をつくりだし、豊かな大東市をつくるためにも中小企業を応援する施策が必要です。
⑯小口融資や起業の支援を含む融資制度を設立してください。
⑰正規化を応援する制度を創設してください。
⑱「公契約条例」を制定し、地域の賃金アップを目指してください。とりわけ、地域の事業をたくさん担っているシルバー人材センターで働く高齢者の賃金をUPすることは地域経済の好循環を作り出すことに貢献すると考えます。大東市の意見を聞かせてください。
⑲未来人材奨学金返還支援補助金制度の要件の緩和と充実を求めます。
【公衆浴場の復活を】
⑳菊水温泉・諸福の浴場が廃止されて、風呂で困っている市民が増えています。自宅の風呂がない、故障していて使えない。段差が多くて設備が危険、光熱費の心配など、風呂の問題が深刻化しています。また、近年はジムの「風呂会員」が増えているという傾向がみられます。災害時に一番困るのは浴場の問題です。風呂問題について貧困化・衛生面・防災面など多角的に考え、公・民浴場、家庭風呂支援、一人暮らし風呂支援などに力を入れることを求めます。
※ジムの「風呂会員」とは「家で入るより安い、銭湯より近い、足が伸ばせる」などの理由で実際は風呂メインの方を通称「風呂会員」と呼んでいる。