
ネットサーフィン中にこの本を読んだ人の感想を見つけて、気になって借りた本。
これ面白かったー。3回くらい読んだ。
でも、「怒り」のように「この本面白かったよ!」と興奮気味に人に伝えたくなる、というのとはちょっと違うんですよね。
読みながら「フフッ」と鼻で笑ってしまうような。
例えば、女性社員のそばで男性社員たちが
「それにしても女いないよな」
「どこに行けばいるんだろーな」
と会話している場面があって、
「なんだおまえら、女、女って、伝説の生き物でも探してるのかよ。グリフィンですか、女は。」
って応戦している記述にフフッと笑ってしまう。
「うわー、言ってやりたい」と思うよね。
そんな日常の些細なワンシーンを面白おかしく、そして鋭く描かれているのが小気味よくて。
他にも挙げだしたらキリがないほど。
言いたいことがうまく言葉にできず、モヤモヤすることが多いんですよ、この本の感想にしても。笑
そういうのをズバッと的確に表現してるのが痛快。
OLが読むと面白いんじゃないかな。
もしかしたら男性はあまり共感しないかも。
あと、心に残った場面を残しておきたい。
引越しして家財道具を揃えてる今だからこそ特別にそこが印象に残ったかもしれないし。
「もうすぐ結婚する女」が耐熱ガラスのティーポットとお揃いのカップを持ってくる場面。
(ちなみにもうすぐ結婚する女は名前がなく、一環して「もうすぐ結婚する女」として描かれている)
私は安心した。それなりの値段がしたであろう耐熱ガラスのポットや外国製のしゃれた食器をもうすぐ結婚する女が使っていることに。100円ショップで買ったような、何もうまくいかない疲れた夜に思わず砕き割ってしまいたくなるような、安っぽい陶器のポットを使っていないことに。美しいガラスポットの中にはハーブが沈んでいることに。そういう小さな余裕が抑止力になることが、もうすぐ結婚する女を助けることが、あると思うからだ。生きていく上で。
この、もうすぐ結婚する女と私の感覚っていいなと思った。
いい食器を使う女性と、それに小さな余裕を感じて安心する私。
わたしも自宅に置くものはお気に入りの物を揃えたいと思うのです。
お金がないからとその場しのぎの安いものを購入するんじゃなくて、多少予算オーバーでも気に入った物を買いたい。
わたしなんか特に一人暮らしだから、自宅に職場のストレスをそのまま持ち込んでしまうと消散する術がない。
実家なら喋る家族もいるし、美味しいご飯もあるし、温かいお風呂だって沸いている。
でも一人暮らしだとそれがない。
そういったときにお気に入りの物に囲まれてるのと、そうでないのとでは全然違うと思うのです。
フォートナムアンドメイソンの紅茶を、ウェッジウッドのカップで飲むとか、そういうことで幸せを感じられるからね、わたしは。
自宅に帰る前にストレス発散できる人はそれでいいと思うけどね。
そんなわけで納得のいくものを探そうとした結果、未だにテーブルすらない部屋に住んでいます。
こんなんじゃいつまで経っても「もうすぐ結婚する女」になれないよ。