ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第26節 SC相模原vsヴァンラーレ八戸

2022-09-30 17:08:30 | サッカー視聴記(2022年その他)

<相模原スタメン> 4-4-2
GK 圍
RSB 石田 CB 水本 CB 藤原 LSB 夛田
RSH 中原 DH 中島 DH 田中 LSH 松橋
FW 佐相 FW 藤沼
<八戸スタメン> 4-4-2
GK 服部
RSB 國分 CB 廣瀬 CB 下堂 LSB 板倉
RSH 渡邊 DH 宮尾 DH 相田 LSH 野瀬
FW 島田 FW 佐々木

1年でのJ2復帰は夢のまた夢、という状態になっている相模原。
オフを挟み、今季も頭から指揮を執っていた高木琢也監督の姿は既に無く。
降格となったものの善戦したのを受けての続投だっただけに、見事にアテが外れた格好となってしまいました。

前年は夏の移籍期間で、レンタルでの選手獲得に活路を見出して陣容を整え、何とか戦う体制を築いていた高木氏。
その集められた選手で今季も残ったのは藤原・松橋・高山のみで、再編成を余儀なくされた今オフ。
船山はじめ実績ある選手の獲得にも成功し、数多選手を入れ替えて巻き返しを図ったものの、やはり夏の移籍とシーズンオフとでは勝手が違ったようであり。
夏場はシーズン途中という事もあり、それまで築いてきたサッカーに合わせるような補強、つまり微調整の意味合いが大きく。
それに対してオフは、相模原のような大幅入れ替えが起こってしまえば、どうしてもサッカーの練度が未熟になってしまうものであり。
獲得選手のネームバリューの大きさで期待感は高かったものの、結局そこを改善出来ぬままシーズンを進めてしまった感がありました。
その後を継いだのは、2016年以来の出番となった薩川了洋氏ですが、尻拭いをするには至らず低迷中。

この日は前大宮勢の2トップで挑んだ相模原。
しかし八戸の、開始1分にも満たない段階から(相田の)ロングスローを活用するなどの強引な押し込みに苦戦を強いられ。
向かい風という要素もあり、GK圍のフィードも乱れがちでペースを掴めません。
そうなるとミラーマッチ故に、相手の勢いに呑まれる前に逃げのパスへと傾倒しがちであり、その結果単なる蹴り合いという絵図となった立ち上がり。

相模原の出鼻を挫く事に成功した八戸、開始5分間でコーナーキックを2本得るなど押し込み続け。
前半7分には前述のロングスローが決定機を生み出し、左から相田の投げ入れたボールがクリアされるも、國分がそれをダイレクトでシュートを放ち。
かなり距離があったものの、放たれたボールはゴールバーを直撃と際どい一撃となり、さらに拾った國分が再度エリア外からシュート。
ブロックされエリア内左へ浮いたボールをさらに廣瀬がボレーシュートするも、枠外となり連撃を得点で締める事は出来ず。

八戸が荒らしたかのような立ち上がりが終わると、落ち着いた相模原はボールポゼッションを高めて反撃を試みます。
しかしミラーマッチの状況で完全にボールを前線に運びきるのには一苦労といった感じで、GK圍が前目の位置を取って数的優位を作っての繋ぎを敢行。
一方の八戸のプレッシングは、右サイドハーフの渡邊の動きが曖昧で、相模原・夛田にプレスを掛けるか否かで迷っていた風であり。
2トップの2人も、ボランチへのパスコースを切りながらのプレッシングが出来ておらず、前に出るか構えるかの二択を常時行っているといった立ち回り。
時にはボランチの相田がGKにまで詰めにいき、ロングフィードを蹴らせるという強引さが奏功する事もありましたが、ハマっている感は今一つな印象でした。

それでも相模原の攻撃にリズムを与えず、自身は野瀬を中心とした左サイドアタックに活路を見出し。
そこに前への意識が高い相田が加わり、威力ある推進が成されていたようでした。
迎えた22分、相模原のロングフィードを宮尾が回収、拾った相田が左サイドからドリブルで奥を突いてカットイン。
そして浮き球でマイナスのクロスを入れると、ブロックでコースが変わった事で相模原・中島の足に当たり、これが綺麗に合わせるような形になってしまいゴールに吸い込まれ。
避ける事の難しい、無情のオウンゴールといった得点で先制点が転がり込んだ八戸。

ビハインドとなった相模原、中盤での寄せの速さを受けて中々パスが繋がらず、中々反撃体制を作れません。
ビルドアップの出口の作り方も、2トップのいずれか(ないしは双方)が降りるという手法に頼ったものであり、スムーズな運びはままならず。
シュートは21分の松橋のヘディングシュート(枠外)の1本のみという苦境で、時間はズルズルと進んでいきます。

そして40分、最終ラインのパスミスを八戸・佐々木に拾われ、そのままミドルシュートを放たれて(ブロックに当たりゴール左へ外れる)CKに持ち込まれ。
ここから3本続くCK攻勢に入る八戸、その1本目でクリアボールを拾った野瀬がミドルシュート、GK圍がセーブして何とか防ぎ。
3本目にも同様の流れで相田がミドルシュートを放つ(枠外)など、相模原とは対照的にフィニッシュを重ねていきました。

アディショナルタイムにようやく最終ラインからの繋ぎからエリア内左を突き、藤沼が低いクロスを入れる(GK服部抑える)好機を作るも、結局シュート1本のまま前半を終えた相模原。
流れが良くないのは明白で、ハーフタイムに一挙に3枚替えと大きく動きます。
田中・松橋・佐相→河上・高山・安藤へと交代し、中原がFWへとシフト。(SHは右が高山・左が安藤)

後半も、左サイドで人数を掛けて攻め上がるのは不変の八戸。
それに対して相模原は、川上がボランチに入った事で、彼が降りて3枚の最終ラインでビルドアップを行う体勢に入ります。

このスタイルを続け、相手を走らせて隙を作ればいずれは……といった相模原。
しかしその矢先、ミスが失点に絡むという致命的なシーンを作ってしまい。
後半5分の八戸、廣瀬のボール奪取から右サイドへ展開すると、相田が裏へロングパスを送り。
走り込む島田に対し先んじて対応に入った藤原ですが、そのクリアがあろう事かエリア内に転がってしまうミスキックに。
そしてすかさず島田が反応して中央へパスを送ると、合わせた佐々木が強烈なシュートをゴール上部へと突き刺します。
豪快なシュートとは裏腹に、相模原にとっては非常に安い失点となってしまいました。

こうなると気落ちしてしまうのはどうしても避けられず。
失点に直結してしまった藤原、10分にもビルドアップの際、プレッシングを受けて八戸・佐々木にボールを奪われる失態を演じてしまい。(そのまま右サイドから佐々木がシュートを狙うも枠外)
「切り替えろ」というコーチング(薩川監督の?)が飛び交ったのも当然過ぎる程当然で、今季フィールダーの中でチームトップの出場時間を残している藤原ですが、若年故の弱さが露呈してしまうに至りました。

気を取り直して相模原の攻撃、2トップのポストワークに依存する体勢はあまり変わらず。
それでも11分に藤沼の収めが八戸・廣瀬の反則を生み、中央の良い位置からの直接フリーキック。
これをキッカー中島が無回転でシュートを狙いましたが、GK服部にしっかり弾かれてゴールはなりません。

15分に八戸ベンチも動き、島田→佐藤へと交代。
この日はアウェイという事でベンチメンバーを一人削っていた八戸、まずは複数枚替えはせずに様子見といった采配だったでしょうか。

川上が降りての最終ラインからパスを回し、相手のスライドでスペースを作ったうえでロングパスを供給するという方法で前へ運ぶ相模原。
後半は追い風も味方した事で、最善の方策となったでしょうか。
18分にその流れからCKを得て、そこから前半の八戸同様にCK攻勢に入ります。
キッカー中原はニアサイドへ低いクロス、そして体勢を崩しての頭でのフリックという方針を1・2本目で徹底。
そして2本目で、藤原のフリックが中央の水本の足下に入り、こぼれた所を中島がシュート(ブロック)→跳ね返りを安藤がシュート(ブロック)とフィニッシュに繋げ。
その後3本目からは普通のクロスを選択と、モノにする工夫は見られたもののゴールを奪う事は出来ず終わります。

その後は見せ場を作る事が出来ず、25分に再び交代カードに手を付ける相模原。
藤沼・中原→船山・浮田に2枚替えと、早くも5人の枠を使いきります。
29分に得たCKで、再びニアサイドへのクロスを浮田がフリック、これがゴールへと向かいましたが寸前で八戸・國分にクリアされやはりゴール出来ず。

八戸は2トップが、最終ラインへのプレスとボランチ脇での待機を使い分ける姿勢なのは選手交代後も変わらず。(31分に佐々木・渡邊→江幡・丹羽へと交代)
しかし中盤も含め、パスコースの切り方は相変わらずイマイチであり、狭い所を縦パスで抜かれるシーンが目立ちました。
33分の相模原、右サイドで川上が縦パスを通し、高山のフリックを経て奥を取った石田から低いクロス。
クリアされたボールを拾った船山がシュート(ゴール左へ外れる)と、その隙を突かんとしますが実らず。
好機は作るもののゴールは奪えない、という時間が続く苦境に塗れ。

そんな相模原を尻目に、35分過ぎから押し返しを図る八戸。
エリア内の左右を突く攻撃を仕掛け3点目を狙いましたが、その矢先に相田が足を攣らせてしまったのが39分。
たまらず最後の交代を使い、相田・野瀬→坪井・武部へと2枚替え。
しかしペースは落とす事無く、丹羽の右からのカットインシュート(44分・ブロック)などフィニッシュ意欲は相変わらずの終盤戦。

すっかり反撃の機運は失われてしまった相模原。
最後は自陣からのFKでも放り込みを選択するなど、追い込まれた者の苦肉の策といったシーンも見られ。
ATには石田が足を攣らせてしまい担架で運ばれ、治療の間に数的不利での戦いも余儀なくされる等踏んだり蹴ったりの状況となります。
その間に、右サイド奥のFKから安藤のボレーシュートに繋げた(枠外)のが最後の好機となり。

その後石田が復帰するも、その石田の反則により、敵陣奥での逃げ切り体制に入った八戸。
最後は左CKの連続から抜け出しを許さず、そのまま試合終了の時を迎え。
停滞感露わな相模原を、順位で上回る勝ち点3を挙げました。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第26節 愛媛FCvs藤枝MYFC

2022-09-29 18:56:36 | サッカー視聴記(2022年その他)

<愛媛スタメン> 4-2-3-1
GK 徳重
RSB 三原 CB 栗山 CB 鈴木大誠 LSB 前野
DH 田中 DH 矢田
RSH 近藤 CH 佐々木 LSH 小原
FW 松田
<藤枝スタメン> 3-4-2-1
GK 内山
RCB 小笠原 CCB 秋山 LCB 神谷
RWB 河上 DH 芝本 DH 鈴木惇 LWB 榎本
IH 杉田 IH 横山
FW 渡邉

前回の試合はともにダービーマッチ(愛媛=今治との伊予決戦・藤枝=沼津との静岡ダービー)だったクラブ同士の対戦。
しかし愛媛の前試合は2週間前なのに対し藤枝は3日前。
おまけに藤枝はその前の週も水曜に試合が挟まったため5連戦となっており、2週間丸々試合が無かった愛媛と、その間に3戦行った藤枝という中止・順延が生んだスケジュールの差が露骨な立場での一戦となりました。

それでも3勝1分という好成績で連戦をこなしている藤枝。
前節のダービーマッチは数的不利ながらもスコアレスドローと、厳しい日程を凌ぐという現状に相応しい結果で勝ち点1をもぎ取り。
それに併せて昇格争いが深まっていく事もあり、自慢の攻撃サッカーは影を潜めてしまうのではないか、という不安要素を抱えながらも悲願の初昇格に向けて歩みを止める事は許されず。

そんな相手の苦境を受けてか、試合のは入りは愛媛が積極的に仕掛け。
攻撃時は縦に速い運びでディフェンスの的を絞らせず、守備時は出足の速さで、藤枝特有のゆったりとしたビルドアップを封じに掛かります。

しかし有効だったのは立ち上がりのみで、前半9分にGK内山が前に出てボールを足下で持つという、本来のペースを確保する藤枝。
送られた内山のロングフィードから、河上のポストプレイを経て横山が細かいタッチでドリブル、そしてエリア内右からシュート(ゴール上へ僅かに外れる)とファーストシュートに辿り着き。
これが切欠となり、最終ラインでのボール保持から、じっくり隙を探した末にそこを突くという本来の攻撃力を発揮し始めます。
小笠原が前に出る事によりセンターバックを2枚へと変形させ、間に入るGK内山によって秋山と神谷が左右に大きく開くという、本来の最終ラインの形を採ってのビルドアップ。

GKを交えての藤枝のボール保持を受けては、どうしても数的不利になるのでプレッシングを控えがちになる愛媛。
そんな相手ペースを乱すにはスコアを動かすのみと判断したのか、以降も攻撃では縦に速い攻撃で相手の高目のラインを突く姿勢を貫きます。
22分に決定機が訪れ、左サイドから前野が裏へのロングパス、これが中央で抜け出した矢田に渡ってGKと一対一の状況に。
しかしエリア内へ進入した矢田、必死で戻った藤枝・榎本のディフェンスを受けつつも放ったシュートはGK内山の正面で、足でセーブされてしまい先制ならず。

冷や汗を掻く格好となった藤枝ですが、気を取り直して攻撃。
自陣で構える姿勢が強くなった愛媛に対し、じっくりとボールを握り、駄目ならば一旦最終ラインないしはGKまで戻して相手を引き込むというスタイルを貫きます。
そんなプレッシャーを与え続けたのち、30分から怒涛の攻撃を開始する藤枝、神谷の裏へのロングパスで一気にエリア内左を突き。
受けた榎本がマイナス方向へカットインし、中央からシュートを放ちGK徳重の右を抜いたものの、その後ろで愛媛・前野のブロックに阻まれ。
続く31分にはパスワークで押し込んだのち、左サイドからの鈴木惇のスルーパスでエリア内左へと走り込む渡邉。
左足でシュートにいくも空振り、そして逆の右足に当たったボールが偶然シュートとなりましたが、左サイドネット外側に終わり。
33分にはGK内山からグラウンダーでの前進、神谷縦パス→渡邉ポストプレイ→横山ドリブルという流れるような推進でエリア内を突くも、横山が愛媛・田中のディフェンスに遭い撃てず。(反則無し)

愛媛サイドにとっては、中盤~前線で幅広く動き回る藤枝・横山の存在が脅威といった感じで、掴まえられず窮地に陥るシーンが目立ち。
36分には右サイドからのパスを渡邉がスルーし中央の横山にボールが渡り、そのまま細かいタッチでのドリブルを経てシュート(GK徳重セーブ)と、かなり自由にやられていた印象は拭えませんでした。

しかし41分、GK内山からのパスを降りて来て受けた横山ですが、トラップの隙を突いて愛媛・田中がボール奪取。
そのままショートカウンターに持ち込み、こぼれ球を拾った小原がエリア内右からシュートしましたがGK内山がセーブ。
自分のペースでプレーしていた横山のミスを誘った事で、今後流れが変わるという期待感も生む好機となりました。

結局前半はスコアレスで終え。
ハーフタイムでは押され気味の愛媛が先にカードを切る(佐々木→忽那)という具合に、コンディション面の有利さは微塵も感じられない試合絵図となった愛媛のホーム・ニンジニアスタジアム。

何とかその流れを押し返したい愛媛は、後半の入りも積極的な姿勢を見せます。
後半2分、ラフな蹴り出しを左サイドで松田が収めたのが効き、小原・忽那のパス交換を経てエリア内を突き。
そして忽那のシュートが放たれたものの、またもGK内山のセーブに阻まれます。
シュート数・攻撃機会で後れを取る愛媛、折角辿り着いた枠内シュートも内山の壁に阻まれるという具合に、勝利への道筋は中々見えず。

一方の藤枝、立ち上がりは前半とは逆に左肩上がりの最終ラインで、神谷が前に出て小笠原・秋山の2CBとなってのビルドアップの形を採り始め。
それがズレを生んだのか、愛媛の圧力に屈する形となりピンチを量産してしまいました。
コーナーキックも2本与える等押し込まれましたが、その愛媛のCKからカウンターに持ち込んだのが9分、杉田のダイレクトでのスルーパスが左サイドでフリーの榎本に渡り。
そして持ち運びからのエリア内左へのスルーパスが混戦を生み、渡邉の倒れながらの中央へのパスから杉田がシュートを放ったものの、左ゴールポストを直撃して跳ね返り。
尚も繋がって杉田が再度シュートするも、GK徳重のセーブに阻まれゴールならずと、波状攻撃は実りませんでした。

しかしこの好機を境に流れも一気に変わり、前半同様攻勢を掛ける藤枝。
最終ラインも改め、前半同様右の小笠原が前に出る形へと戻して良化を図ったのも功を奏しました。
愛媛ディフェンスの隙も大きくなったか、縦パス→渡邉ポストプレイという流れも面白いように通るようになり、中央からの崩しも有効となり。

12分に横山のミドルシュートがGK徳重にセーブされ、CKを得たというタイミングでベンチが動いた藤枝。
芝本→押谷へ交代するとともに、空いたボランチに横山が回るという、縦横無尽に動く横山を活かすべくのシフトを敢行します。
CK攻勢となり2本目の左CK(キッカーは2本とも鈴木惇)、クロスの跳ね返りを拾った横山が再度ミドルシュート。
これがコース上に居た杉田に当たってしまうも、足下に収めた杉田が再度シュート、しかしGK徳重が足でセーブ。
内山同様にビッグセーブを量産する徳重の存在で、何とか凌ぐ愛媛。
この辺りは隙が出来てきたブロック同様、エリア内に持ち込まれると中々掻き出せずというディフェンス全般の脆弱ぶりが露わになっていたようであり。(参考記事→2020年10月の栃木戦
J2時代から顕著だったこの弱点はカテゴリを落としても、強い攻撃力を持つチームに対しては一気に厳しい状況に追い込まれるといった感じでした。

すっかりペースを握られてしまった愛媛。
打開を図らんと、前半と同様に押され気味な中で縦に速い攻撃に活路を見出す姿勢を採り。
松田狙いのロングボールや三原・忽那のドリブルを交えながら、裏へのスルーパスを狙ったものの、そのパスがズレてしまい決定機を生み出す事は出来ません。
そして再び耐える時間を迎えましたが、藤枝サイドもスルーパスのズレが目立ちこちらもシュートまではいけず。

お互い停滞感が漂ってきたものの、試合を動かしたのはやはり攻撃権を握っていた方でした。
26分横山のボール奪取から攻め右サイドへ展開し、戻しを右ハーフレーン・エリア手前で受けた鈴木惇。
ここで前述のスルーパスの乱れが心理にあったのか、思い切ってミドルシュートを選択した鈴木惇でしたが、見事に奏功します。
ゴール左を襲ったシュートはGK徳重がセーブしたものの、エリア内に落ちるこぼれ球を詰めたのは渡邉、ワントラップからのヘディングシュートが徳重の必死で伸ばした腕を抜いてゴールへ。
愛媛・鈴木大のブロックも及ばず、ストライカーの執念が勝り先制点に辿り着いた藤枝。

とうとうリードされてしまった愛媛、早めに追い付かんと、前野のフィード力を活かしてやはり裏狙い。
28分にその前野からロングパスを受けた松田、エリア内左でのボールキープからシュートを放ち(ブロック)、何とか反撃体制を作ります。
その後30分に双方ベンチが動き、藤枝は河上・秋山→久富・鈴木翔太。
愛媛は一挙に3枚替えで、鈴木大・前野・小原→森下・高木・茂木へと交代しました。(5人とも同ポジション)

大きく変わったメンバーを経て最初にゴールに迫ったのは藤枝で32分、ラフな蹴り出しが押谷の(脚での)フリックを経て裏を取り、受けた渡邉がエリア内からシュートをゴールに突き刺したものの残念ながらオフサイド。
カウンターの恐怖との戦いも強いられる愛媛、それでもボールを握っての攻撃は不得手なのか、攻め手は大きく変わる事は無く。

このあえての不動が実を結んだか、35分にGK徳重のロングフィードからの攻めで決定機。
跳ね返りを拾った三原がエリア内右へスルーパス、走り込んだ近藤からグラウンダーでクロスが入ると、ファーサイドで松田が合わせ。
しかし走り込みながらのシュートは浮いてしまいゴールバーを直撃し、GK内山の掻き出しを経て高木が左サイドで拾って継続、上げられたクロスから今度は三原のヘディングシュート。
ゴール左を襲うもポスト直撃とまたも枠に嫌われてしまい、跳ね返りを高木がエリア内左からシュートしましたが、GK内山のセーブに阻まれ。
怒涛の3連撃も、後一歩及ばずという感じで同点にはなりませんでした。

一方寸での所で凌いだものの、連戦の影響かディフェンスの破綻は隠せなくなった藤枝。
37分に最後の交代を敢行(神谷・榎本→松村・三木)し、最終ラインを大きくシフトします。
<後半37分以降の藤枝> 3-4-2-1
GK 内山
RCB 久富 CCB 小笠原 LCB 鈴木翔
RWB 松村 DH 横山 DH 鈴木惇 LWB 三木
IH 杉田 IH 押谷
FW 渡邉
入った2人をいずれもウイングバックに置いたうえで全体的に左へスライド、5バックをフレッシュにさせました。

千載一遇の好機を逃してしまった愛媛、その後は守備を固めた藤枝の前に苦戦。
攻めあぐねの色は隠せず、逆に藤枝のラフなクリアを渡邉に収められる事で好機を作られるという具合に、ディフェンス面の弱さは追い掛ける立場でも露呈してしまい。
再度藤枝優勢の流れとなったまま、後半のアディショナルタイムへ。
そこでもやはり藤枝の攻撃は止まる事無く、キレの落ちない横山のボールキープから、パスを受けた松村がエリア内を突いてのシュートがゴールを襲い。(ゴール上へ際どく外れ)

何とかそれを断ち切り、栗山を前線に上げるパワープレイ体制に全てを賭ける愛媛。
それが実りかけ、GK徳重のロングフィードを松田が落とし、栗山の繋ぎも交えて強引に中央突破。
そして大澤(近藤と交代で出場・44分)がペナルティアークからシュートしましたがGK内山がキャッチと、最後まで内山の牙城を崩す事は出来ませんでした。

無事に逃げ切った藤枝、ウノゼロでの勝利とスコアを見れば「連戦での凌ぎ」を醸し出すものですが、内容的には攻撃サッカーを名乗るには十分過ぎる出来で試合前の不安は杞憂に終わりました。
連戦を乗り越えさあ終盤の昇格争いへ、と向かいたい所ですが、今度は台風による甚大な被害を受けてホームでの試合開催が危ぶまれるという危機を迎え。
更なる連戦を余儀なくされそうな状況で、とりあえず次の土曜は開催が決定したとの事ですが、その行方は如何に。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第24節 FC岐阜vsAC長野パルセイロ

2022-09-14 16:01:00 | サッカー視聴記(2022年その他)

<岐阜スタメン> 4-4-2
GK 桐畑
RSB 菊池 CB 藤谷 CB 服部 LSB 宇賀神
RSH 窪田 DH 庄司 DH 柏木 LSH 村田
FW ンドカ・チャールス FW 田中
<長野スタメン> 4-2-3-1
GK 大内
RSB 藤森 CB 池ヶ谷 CB 秋山 LSB 坪川
DH 宮坂 DH 水谷
RSH 佐藤 CH 三田 LSH 森川
FW 山本

前節の勝利(YS横浜戦・3-0)でようやく勝敗を五分(9勝9敗4分)にした岐阜。
既に昇格争いに加わる余裕など無く、あれほどシーズン前の大補強で賑わせたのは何だったのかと言いたくなるものですが、それは去年もだったので恐らく恒例行事なのでしょう。
選手入場時のチアチームの姿やキッズの大量導入など、イベント面でもJ3の規模に合わないという印象を残すものが映像でも流れ、こんなアンバランスなクラブが一つぐらいリーグに存在しても良いかという気持ちにさせてくれたでしょうか。
その甲斐あってか客入りはそこそこ(4530人)でこの日の試合を迎え、相手は長野。

放送席の談より、「我々は(岐阜の)プレッシングに対して苦しむ姿は想像できない」という旨のコメントを残していたとされる長野・シュタルフ悠紀リヒャルト監督。
それだけ試合前はビルドアップに自信を持っていたようであり、それは最近貫いている可変式フォーメーションに表れており。
冒頭のメンバーは攻撃時のものであり、守備時は以下のように可変。
<守備時の長野> 3-3-3-1(5-1-3-1)
GK 大内
RCB 池ヶ谷 CCB 秋山 LCB 坪川
RWB 藤森 DH 宮坂 RWB 水谷
RSH 佐藤 CH 三田 LSH 森川
FW 山本
水谷が左ワイドの位置に降りる事で、5バックで守るというスタイルを採っていました。

そんな知将・シュタルフ監督の思惑だったでしょうが、いざ蓋を開けてみると、自陣でのパス回しで詰まるシーンを量産してしまう長野。
サイドバックを高い位置へと押し出さず、4バックのまま繋ぐといったスタイルで数的優位を作らんとしましたが、そのSBの部分で硬直性が見られ前に運べずといった感じ。
それ故に、坪川と水谷の位置が何度か入れ替わり、水谷を左SBにしてパスを回すといったシーンが目立ちました。
両者利き足が違う(坪川=左・水谷=右)ため、その辺りを変えて繋ぐ事を試していたでしょうか。

一方の岐阜は、前々節(愛媛戦・1-1)からスタメンに抜擢した村田が左サイドを何度も切り裂く攻撃を絡め。
実績ある選手達がメンバーに名前を並べる中、停滞感を吹き飛ばすのはこうした勢いのある選手という事を如実に示しているようでもありました。
長野のような激しい可変(横軸の圧縮も目立っていた)はせず、FWがサイドに開けば村田がFWの位置に回るという具合に、あくまで4-4-2を保つポジションチェンジでバランスを取る立ち回り。

かくして長野は攻守に受けに回る状況を強いられ。
15分の岐阜はスローインからの攻撃で、クリアボールを窪田がダイレクトで縦パス、ンドカが入れ替わって前を向きエリア内左からシュート。
やられた、というような場面でしたがGK大内が足でのセーブで防ぎます。
しかし引き続き岐阜のコーナーキック攻勢を受ける等、劣勢は跳ね返せず。
硬直するビルドアップを改善しようと、左サイドバックの入れ替えだけでなく、宮坂が最終ラインに降りる場面も何度かありましたがさしたる効果は無く終わります。

そんな状態の相手を尻目に攻め上がるも、試合を有利にする得点は奪えない岐阜。
前述のFWがサイドに開く、特に田中が左サイドでボールを受け、村田が中に絞ってFWの立ち位置を取るという振る舞いは30分以降に顕著となり。
何とか変化を付けてゴールに辿り着かんとしましたが、長野の5バックを崩しきるまでには至らず、といった前半戦となりました。

終盤は坪川が左SBの位置に戻った長野にペースが傾きかけ、左サイドでの前進からCK攻勢に持ち込む場面もあり。
しかし長くは続かず、最後はアディショナルタイムに岐阜の攻撃で、柏木が右サイドでのボール奪取からバイタルエリアを突かんとする所に(長野・森川に)反則を受け。
これで右ハーフレーンからの直接フリーキックを得ると、反則を受けた柏木が直接シュートを放ち、クロス気味の軌道でゴール左を襲いましたがGK大内のセーブに阻まれます。
それと同時に前半終了を告げる笛が鳴り、スコアレスで折り返し。

勝負の後半戦、といった状況の中、ハーフタイムで岐阜が動き。
田中→吉濱に交代と、何度かサイドに開いていた動きがやはりベンチも気になっていたでしょうか。
最初は吉濱はFWないしはトップ下の位置取りでしたが、時間が進むとポジションを変え右サイドハーフとしてプレー。

巻き返したい長野の方が(後半の)ファーストシュートに辿り着き、後半2分に三田が敵陣でボール奪取してそのまま前進し、自らミドルシュート。(ゴール左へ外れ)
まず一糸を放つと、4分にはゴールキックからショートパスを繋ぐ攻撃。
前半から何度も試みていた姿勢で、実らずといった場面が続いていましたが、ここで敵陣深めまで運び。(縦パスを絡めて坪川が左サイドを持ち運ぶも、シュートには繋がらず)
ポゼッションスタイルのチームが良い流れを作るのは、やはりこうしたビルドアップを決める事にあるでしょうか。

しかしこの日の長野はこれでも流れを呼び込めず、再び岐阜の攻勢が始まります。
前半と比してベテラン左SB・宇賀神の動きが積極的になり、敵陣まで果敢にプレッシングを掛けてマイボールに繋げるシーンが目立ち。
そしてボールを持てば、村田とのコンビネーションで左サイドを制圧しつつ、自らも中央に絞ってシュートを狙うという活躍ぶりを見せ。

決定機を迎えたのは8分で、宇賀神のパスを左ワイドで受けた村田がカットインの姿勢からエリア内中央へパスを送ると、ンドカのスルーでファーサイドへ。
そして吉濱のシュートが放たれ、GK大内のセーブに阻まれるも後方から庄司が追撃。
これもブロックで防がれますが、さらに吉濱がこぼれ球に反応してシュート、しかしゴール上へと外れてしまい3連撃も実らず終わります。

尚も柏木や宇賀神がミドルシュートを放っていき脅かすなか、17分にさらに動く岐阜ベンチ。
窪田→藤岡へと交代し、この段階でも吉濱はセカンドトップないしはトップ下的な位置を保ち。
藤岡と入れ替わりで右SHへと入れ替わるのはその後の事となります。

ホームの中、攻勢をモノにしたい岐阜でしたが、審判のゲームコントロールがそのムードを崩してしまったでしょうか。
後半になって、選手がチャージを受けて倒れてもノーファールというシーンが一層際立つ状態となり。
そして19分好調ぶりを見せていた宇賀神にその牙が向き、長野・佐藤のチャージを受けて倒れるも笛は鳴らず、拾ってドリブルする佐藤に対し逆上したまま追い掛ける宇賀神。
その結果後ろからスライディングを敢行し削ってしまうという事態となります。
これで反則・警告を受けたとあり、苛立ちを隠せない宇賀神は主審に猛抗議。
結果的には自身がサスペンドとなってしまった宇賀神でしたが、こうしたシーンを見せた事で終盤の伏線となったでしょうか。
この直後に長野ベンチも動き、坪川→宮本へと交代。
前線は宮本FW・山本トップ下という布陣となり、最終ラインにも手が加えられ藤森が左SBへと回り、空いた右SBには佐藤が降り。

メンバーが変わってもサッカーは変えず、ゴールキックから短く繋いでいくスタイルを目立たせる長野。
上記の交代前のシーンですが、18分には長いボールでのゴールキックからの攻撃で、左サイドを前進していった末に佐藤のクロスがファーサイドでフリーとなっていた藤森に。
ボレーシュートを放った藤森でしたが、ふかしてしまいモノに出来ず。
こうした貫いていた自身の姿勢での攻撃で、決められれば今後のチームにとっても大きな自信となったでしょうが……

しかしさらに試合は進むと、再びビルドアップを遮断されてしまう事が目立ち。
しかも今度は拙い奪われ方でショートカウンターを浴びてしまうという、なまじ形を作れていた故のリバウンドが表れた格好となります。
やはりメンバーが変わっても左サイドで奪われる事が目立ち、29分・32分と立て続けに岐阜・吉濱がボール奪取に成功。(いずれもシュートには繋がらず)

結局劣勢を強いられた長野は、31分に三田・森川に代えて山中とデューク・カルロスを投入。
推進力あるデュークが左サイドに入って巻き返しを図り、その効果が表れたのがさらにカードを切った後でした。
36分に藤森・宮坂→小西・乾へと再び2枚替え、リベロに乾が入った事で秋山が一列上がりボランチに。

直後にまたもゴールキックから短く繋いで攻める長野、深めの位置から縦パスを絡めてボールを運び、デュークのドリブルからのクロスに繋げます。
すると37分、再びデュークのドリブルに持ち込むと、それに対する岐阜・吉濱の反則でFKに。
左サイドからという位置で、キッカー水谷が中央にクロスを入れると、岐阜・村田に乗っかるように強引に跳び込んで合わせたのは乾。
この執念が実りゴールネットを揺らし、自身は着地での打ち身で痛みながらも先制点を齎しました。

押され気味の中、交代カードでそれを覆してリードを奪った長野。
尚もその力を見せるかのように、40分小西とデュークが左サイドを突破し、デュークがカットインからボールキープののちシュート(ブロック)と攻め上がり。
このままペースを保ち勝利に辿り着く……といった思惑は、最悪の形で覆される事となります。

その内容は懸念されていた審判団のゲームコントロールが、今度は長野サイドに牙が向くというもの。
43分、発端はビルドアップでのパスミスで庄司にボールカットされ、岐阜がショートカウンターに持ち込み。
そしてエリア手前右で受けた吉濱がカットインを経て中央からシュート、これをエリア内で秋山がブロックしたものの、主審の腕が鳴りハンドの反則に。
そしてPKが告げられるやいなや、ほぼ総出で長野の選手が猛抗議する事態となります。
借りに腕に当たっていたとしても、秋山の腕は広げていないため流すべきシーンであり、「思わず笛を吹いてしまった」と取られかねない判定。
そしてこのPKは藤岡がキッカーを務めてゴール右隅へと蹴り込み、GK大内は反応したものの届かず、スコアは振出しに。

不運という他無い長野ですが、自陣でショートパスをカットされた自身が悪いとして開き直るしか無い残り時間。(尚、岐阜はキックオフ前にンドカ→富樫へと交代)
その後のキックオフからの攻撃で右サイドからのクロスにまで繋げるなど、負の感情をパワーに変えて勝ち越しを狙いにいきます。
しかし制御し難く空回りしやすいのも常であり、ピッチアウトしたボールを掴んだシュタルフ監督が、手近の岐阜選手に渡さずというシーンで遅延行為を取られ。
これで警告を受けてしまい今季2枚目と、複雑な状況下で情熱を抑える事が出来ないシュタルフ氏。

結局その後岐阜へと針が振れ、藤岡や富樫のシュートを浴び(両者ともブロック)、最後はCKへ持ち込まれて万事休す。
引き分けを告げる笛が鳴った瞬間、再び主審へ向けて抗議を重ねる長野選手達。
そして池ヶ谷が警告を受ける事態を招きましたが、置き所のない感情故の一種の不可抗力で仕方無くもあり。
昇格争いは首の皮一枚といった状況故に、切り替えて次戦に挑む必要経費といった所でしょうか。

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TV観戦 天皇杯 第102回JFA全日本サッカー選手権大会準々決勝 アビスパ福岡vsヴァンフォーレ甲府

2022-09-09 18:29:09 | サッカー視聴記(2022年その他)

<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB 前嶋 CB 熊本 CB 宮 LSB 輪湖
RSH 田中 DH 北島 DH 森山 LSH 金森
FW 城後 FW ジョン・マリ
<甲府スタメン> 3-4-2-1
GK 河田
RCB 須貝 CCB 浦上 LCB エドゥアルド・マンシャ
RWB 関口 DH 石川 DH 山田 LWB 荒木
IH 宮崎 IH 長谷川
FW 三平

前回の天皇杯の記事 - ラウンド16・栃木vs京都

GKのフィールダー出場・紳士協定違反と、サッカーの内容以外の面で何かと話題を振りまいている今季の福岡。
そんな凸凹ぶりは、リーグ戦で残留争い・カップ戦で勝ち残りという成績面にも表れており。
この日勝利すれば、天皇杯・ルヴァンカップともにベスト4という実績を残す事が出来るとあれば、いかに残留争いの渦中といえど露骨なメンバー落としは出来ない状況。
それでも9人入れ替えと厳しいやり繰りのなか、幸い?次節出場停止の宮が居る事で何とか箔が付いたようなスタメンで挑みました。

一方の甲府は、前節(徳島戦・0-2)出場停止の山田も加わりほぼベストメンバー。
ジェトゥリオと入れ替わったFW三平もスーパーサブという事を考えれば、万全のメンバーで勝ち抜けを目指す姿勢なのは明白であり。
そして試合が始まると、両者の置ける状況がモロに内容に現れる事となります。

リーグ戦同様に、多彩なポジションチェンジを駆使したパスワークで攻め上がる甲府。
しかも入りでロングボールの多用に軸を振るという、二重三重にも相手の目線をずらした上での攻撃とあっては、メンバー落ちの状態の福岡では対処は厳しいといった感じでした。
特にJ2ではお馴染みの、右センターバック・須貝のオーバーラップに対して対処法に乏しさを見せる福岡。
前線には大ベテランの城後が入ったため、最終ラインへのプレッシングにも甘さが見られた事も拙かったでしょうか。

ともかく甲府のビルドアップに対し、前から行こうとすると城後が付いていけず。
2トップがボランチの側で構える体勢を採っても、須貝・石川の多彩な動きを切る事が出来ずという悪循環。
またドイスボランチの森山・北島が経験不足故に、相手のボランチに対して前に出られないというのも、プレスを嵌められない一因となり。

そうして良い様に甲府に攻撃権を支配され続け、迎えた16分。
石川の自陣でのパスカットから素早い攻めを見せる甲府、左ワイドの荒木を経由して宮崎へパスが出されると、福岡・前嶋がカットかデュエルかで迷ってしまったのか結局どちらも出来ず。
そして中央の三平にボールが渡ると、放たれたシュートがゴール左へと転がり。
ジャストミート出来ず綺麗なシュートでは無かったものの、その得点力を福岡に見せ付けた三平により、甲府が先制に成功しました。

福岡はリードを奪われたのちも、甲府のショートパス主体の攻撃に振り回され続け。
一向に反撃の機運を高められずにいたのを受けて、20分過ぎ辺りからフォーメーションを3-4-2-1、つまり5バックシステムへと変更して凌ぎに掛かります。
<前半20分以降の福岡> 3-4-2-1
GK 村上
RCB 前嶋 CCB 熊本 LCB 宮
RWB 田中 DH 北島 DH 森山 LWB 輪湖
IH 城後 IH 金森
FW マリ
これにより何とか甲府の流れを堰き止め。

しかし攻撃の形は作れない状態。
立ち上がりからマリ狙いのロングボールを中心としていましたが、フアンマ・デルガドや山岸の収めに比べると対処可能というレベルであり、甲府ディフェンスに跳ね返され続け。

メンバー落ちのため展開力も足りずという状況のなか、26分に右ハーフレーン手前から森山のクロス、ファーサイドに金森が走り込んだ事でクリアされてコーナーキックに。
この左CKから、今まで良い所の無かったボランチ2人が魅せる福岡。
キッカー北島のクロスが良い所に入り、GK河田にパンチングされるもこぼれ球が絶好のシュートレンジに落ち、金森が詰めにいってさらにクリアされた所を森山がダイレクトでミドルシュート。
GK河田のセーブも及ばず、ゴールへと吸い込まれ。
ワンチャンスをモノにした福岡、試合を振り出しへと戻しました。

甲府は追い付かれた事で、福岡の5-4-1ブロックをどうこじ開けるかという課題に取り組む事となり。
29分に石川の縦パスをエリア内右で受けた長谷川、ワイドに流れてからヒールパスをエリア内に通し、受けた関口が奥からマイナスのクロスを入れるも誰にも合わず。
エリア内の左右を突いて崩す姿勢を貫きましたが、以降はスペースが無くなった事もあり尻すぼみとなっていきます。

守備を建て直した福岡、これで何とかカテゴリの差を見せられるようになり。
甲府の攻撃を冷静に跳ね返しつつ、能力の差で押し込むという立ち回り。
次第に堅さが取れて来た事もあり、甲府がサイドにボールを出すとすかさずウイングバックの選手が前に出て距離を詰めるといった、プレッシャーを与える守備も出来るようになります。
しかしメンバー落ちという状況もあり主体的な攻撃は中々出来ず、主な好機は1点目同様にセットプレー頼みとなりました。
39分にはサイドでのフリーキックからの二次攻撃、右サイドからの田中のクロスをマリが中央でバイシクルで合わせましたが、ゴールには向かわず逸れていき。
42分には右CKから、キッカー北島のクロスをファーサイドで宮がヘディングシュート、しかしゴール右へと外れ。

結局1-1のまま動かず前半を終え。
ハーフタイムの交代は共に無く、そのままの布陣で後半に臨んだものの、巻き直したのは甲府だったでしょうか。

福岡はミラーマッチにする事で互角の戦いが出来るようになったものの、プレスを嵌めたという場面はあまり無く。
甲府は2CBへと可変してビルドアップを行うので、1トップ2シャドーにすると前線のマッチアップは逆に難しくなったという印象であり。
そのため甲府は修正を施したというよりは、意思統一を図って後半に挑んだでしょうか。
自信を持って最終ラインからビルドアップを敢行し、再び立ち上がりのような攻勢に入る事に成功します。

すると後半3分に決定機が訪れ、右サイドから前半同様に攻め上がる甲府、奥で溜めを作ったのち上がってきた須貝からクロス。
ファーサイドでフリーになっていた三平が合わせましたが、ヘディングシュートはジャストミート出来ずゴール左へと外れてしまいます。
続く4分にも三平の上空へ素晴らしいクロスが関口から上がったものの、今度は落としを選択した三平、山田がダイレクトでシュートしましたがブロックされて枠外に。
チャンスが訪れながらも、後半はそのゴールゲッターぶりに陰りが見られた三平。

しかし依然として流れは甲府であり、福岡は自陣でボールカットされての危機も多く招くなど、その圧を受けて押し込まれ。
また後半からは、攻撃時4-4-2・守備時5-4-1という可変システムを採用していた節があり、その所為でトランジションの増大により可変する田中への負担も気になる状況となります。

どちらが上位カテゴリか解らなくなってきた状況を受け、最初に福岡ベンチが動いたのが19分。
目立つ所が無かった城後に代え、ルキアンを投入して強化を図ります。

するとその効果がハッキリと表れるようになり、甲府の攻勢を逆手にとっての好機も作り始めます。
23分ロングパスを収めたマリがさらに裏へ浮き球を送り、走り込んで受けたルキアンがシュートを放つも、ブロックに当たった末にGK河田がセーブ。
前線に脅威を残して甲府サイドにプレッシャーを与えますが、甲府も24分に動き宮崎→鳥海へと交代。
パワーを補填して締め直し、26分には関口の低いクロスをニアサイドで収めた鳥海がシュート(ブロック)と、その効果を自ら示します。
29分にはセットプレー(右サイドからのFK)から、マンシャが際どいヘディングシュートを放つ(ゴール左へ外れる)など、依然として勝ち越し点の匂いを保つ甲府。

両ベンチとも2度目の交代を敢行し、福岡は30分に前嶋・金森に代え、湯澤とジョルディ・クルークスを投入。
甲府は31分に石川・三平→松本・ジェトゥリオと、ともに2枚替え。

その後も福岡はシステムを変えなかったため、クルークスは本来の右に入り田中が左に回った事で、WBを務める事となったクルークス。
しかし嵌らず、すぐに田中が元の位置に戻りクルークスは左に回りました。
それでも後半の終盤には再びクルークスは右に回っており、その際はルキアンと入れ替わっていたようであり。

布陣でやや迷走気味の福岡を尻目に、果敢にゴールを脅かしに掛かる甲府。
36分にはマンシャのミドルパスをエリア内で鳥海が収める絶好機となるも直ぐに撃てず、右へと流れたのちに放たれたシュートはブロックに阻まれ。
続く37分にはショートパス攻勢から、長谷川がエリア内右を突いてシュートを放ちましたが、ジャストミート出来ず枠外に。
長短織り交ぜて好機を作るも、フィニッシュの部分で甘さが見られ勝ち越し点は奪えず。

それでも気丈にペースを保つ甲府。
迎えたアディショナルタイム、エリア内左をスルーパスで突いて荒木からマイナスのクロスが送られると、合わせたのは長谷川。
しかし福岡・宮がスライディングでのブロックで防ぎ、上位カテゴリの意地を見せ付け。
するとその後福岡に決定機が訪れ、ロングパスを中央エリア手前で収めたマリがシュート、ブロックされた跳ね返りを尚もルキアンが追撃。
放たれたシュートは甲府・浦上が顔面でブロックと、こちらも寸での所で防ぎます。
多彩かつ手数の多い甲府と、直線的でワンチャンスを活かす福岡とのぶつかり合い。
ともに譲らず、スコアが動かないまま後半終了を告げる笛が鳴り響き、勝負は延長戦にもつれ込む事となりました。

延長開始の前に福岡ベンチが動きを見せ、輪湖とマリに代え、ドウグラス・グローリと渡を投入。
グローリがCBに入る(中央)事で、湯澤がWBに回ります。
しかしここでも湯澤は本職とは逆の左を務める事に。

先に押し込んだのは福岡で、FWに入った渡がグローリのロングパスを足を延ばしてエリア内で収め、そのままシュートを放つも枠外に終わったのが延長前半3分。
直線的な攻撃は変わらずといった福岡に対し、甲府は4分ジェトゥリオ狙いのスルーパスがクリアされた所を長谷川が拾い。
そして前進した所を福岡・グローリのスライディングを受け、倒れて反則となりFKを獲得。
右ハーフレーンからのFKをキッカー松本が直接シュート、無回転のボールがゴール左を襲いましたが、GK村上がセーブして防ぎ。
尚も左CKで甲府の攻撃は続き、キッカー長谷川のニアサイドへのクロスを、浦上がフリック気味にヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。

セットプレーで好機を作った甲府は、続く7分でした。
自陣で松本がボール奪取すると、福岡のゲーゲンプレスでこぼされるも拾った関口がスルーパス、これが裏を完全に取る形となります。
抜け出した鳥海がエリア内へ進入し、溜まらず後追いした福岡・グローリが反則覚悟のショルダーチャージで止めに掛かり。
倒された鳥海ですが、すかさず起き上がってシュートを放つと、前に出たGK村上の左を破ってゴールに突き刺さるボール。
値千金の勝ち越し弾となり、歓喜に沸く甲府ベンチ。

リードを許してしまった福岡、過密日程なうえに120分を戦う事となったとあれば、このタイミングでのビハインドはガクリと落ちても仕方ない状況。
特に何度も可変を強いられた田中の運動量は最早無きに等しく、マイボールになっても上がれないシーンが目立ち。
その代わりに甲府の須貝よろしく、右CBの熊本が盛んにオーバーラップを見せる事で何とか補わんとします。
さらに11分に残された最後のカードを使い、森山→田邉へと交代する福岡。
しかし甲府の前線のディフェンスに阻まれるシーンが目立つなど、その影響は甚だしく。
結局最後は甲府にボールを持たれたまま、延長前半終了を迎える事になりました。

延長後半を前にして、甲府も交代カードを使い長谷川→フォゲッチへと交代。
最後の15分に望みを託す事となった福岡は、湯澤を本来の右へと移す策を施し、田中が左へと回る布陣で挑みました。

しかしいきなりの延長後半1分に、鳥海のパスカットから攻め上がる甲府。
左サイドで前進して荒木のクロスが上がり、ファーサイドでフォゲッチが折り返した所を、中央のジェトゥリオの手前でGK村上が何とか抑え。
何とか凌いだ福岡、以降はセットプレーを交えて押し込むという、マンパワーを活かさんとする立ち回り。
その過程でグローリも常時前線に残るという、完全なパワープレイ体制へと移ります。

6分、グローリの落としから左サイドへ展開して前進、ルキアンがカットインでエリア内左を突いてマイナスのクロスを入れる決定機。
しかしニアで合わせた渡はジャストミート出来ず、クリアに跳ね返されます。
直後に甲府は残っていた交代枠を使い、関口→北谷へと代え須貝が右WBに回り。

再びの決定機は7分で、ここもGK村上のフィードをグローリが合わせ、浮かんだボールをルキアンが落とすという強引な好機の作り方。
そして拾った渡がシュートを放ち、GK河田にセーブされるも尚もCKと、ひたすら押し込み続ける福岡。
しかし10分、グローリの折り返しをクリアした甲府、拾ったフォゲッチからのスルーパスがジェトゥリオに繋がって逆に決定機を迎えます。
GKと一対一という完全な1点もののシーンでしたが、放たれたジェトゥリオのシュートはGK村上にぶち当たるという結果に終わり、止めを刺し損ね。

この影響は甚大といった感じで、再び攻勢に入る福岡を前に、(浦上が)反則を犯してしまいほぼ中央からの直接FKに。(13分)
北島が放った直接シュートがゴール左を襲いGK河田がセーブと、際どい凌ぎ方が続いた甲府も決して盤石では無く、やはりジェトゥリオが決めていれば……と漏らしたくなる程の守勢を強いられます。
しかし前掛かり故に甲府のカウンターの機会も膨れ上がり、その度にアフターチャージを敢行する福岡、北島と湯澤がそれぞれ警告を受け。

そしてATに突入し、最後の決定機が。
クルークスの手前からのクロスを田邉がヒールでフリックして混戦が生まれ、グローリがシュートするもGK河田がブロック。
最後まで河田のビッグセーブが冴え渡る事となり。

そして試合終了の時を迎え、凌ぎきった甲府が準決勝へとコマを進めました。
2018年の山形・2019年の長崎(レギュレーションは違うが2020年の徳島)に続くように、J2クラブのベスト4という快挙を達成。
このまま決勝まで行ってもらいたいものですが、次の相手は鹿島というあまりにも高い壁がそびえており、果たしてその決戦の行方は。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第23節 FC今治vsギラヴァンツ北九州

2022-09-08 16:01:32 | サッカー視聴記(2022年その他)

<今治スタメン> 4-4-2
GK 茂木
RSB 駒野 CB 安藤 CB 飯泉 LSB 下口
RSH 山田 DH 楠美 DH パクスビン LSH 福田
FW 中川 FW 高瀬
<北九州スタメン> 4-4-2
GK 加藤
RSB 長谷川 CB 本村 CB 河野 LSB 永田
RSH 佐藤亮 DH 永野 DH 西村 LSH 中山
FW 前川 FW 上形

橋川和晃監督の宣言通りにホーム3連戦を3連勝したうえで、上位の鹿児島との一戦に臨んだ前節の今治。 
しかしそこでウィルスの魔の手に襲われ、メンバーを大幅に変更して臨まざるを得なくなってしまい。
中川・下口・飯泉以外は全員入れ替えという事態で、白兵戦に近いサッカーを仕掛けたでしょうか。
4-3という乱打戦のスコア・双方合わせて警告11度(退場2人)と大荒れに近いなか、インディオのハットトリックもあって制した今治。
前回書いた記事の中で「結果主義への傾倒」と危惧したものの、イレギュラーな事態によりただただ「内容よりも結果」を求めざるを得ない状況に陥った感がありました。
しかしまだ目標の昇格を目指すには追う立場なのは変わらずで、この日の相手は北九州。

GK茂木に安藤・楠美と、ある程度レギュラーメンバーが復帰して迎えたキックオフ。
そのため内容も戻りつつあったか、前半1分にいきなり中川がエリア内右からシュート(ブロックされてGK加藤キャッチ)と好機を作る今治。
その流れのままに3分には右サイドでのスローインから、駒野が(パクスビンとのパス交換で)溜めを作ったのち裏へミドルパス、走り込んだ山田からマイナスのクロスが入り。
そしてニアサイドに中川が走り込んだ所、後ろから止めにいった北九州・永野に倒されると反則の笛が鳴り、早々にPK獲得という運びになります。
キッカーを務めるのはセンターバックの安藤と意外な人選でしたが、既に今季PKで1点決めているとの事で。
その期待通り、GKが届かないゴール左上というコースへ蹴り込んで決めた安藤。
今治が幸先良く先制に成功しました。

対する北九州。
昇格争いに絡む事すら出来ていない今季、何となく「普通のチーム」となってしまったという印象であり。
放送席の談では「プレスの熾烈さが特徴」との事ですが、8分にその片麟が。
ロングボールを蹴り込み、今治が回収した所をすかさずプレッシャーにいき、敵陣深め右サイドで佐藤亮が奪う事に成功します。(その後永野がクロスを上げるも中山には合わず)

しかしリードされた事で、主体的な攻めも見せなければいけない北九州。
今季3試合目(スタメン2試合目)である長谷川の動きが今一つに映り、その影響か右サイドバックを絞らせる形での最終ライン3枚によるビルドアップ体制を採り。
それにプレスを掛ける今治は、長谷川に対して高瀬と福田のどちらが付くかでやや迷いが見え、そこが隙となって脱出される場面が見られました。
全体としては、2度追いが顕著な高瀬が前線に入っている事で、彼の動きで他の選手の役割も決まるといった感じ。
北九州CBに対しても、高瀬が2度追いする際は中川がボランチの側に付くという具合であり。
2度追い出来る選手は有り難い限りでしょうが、ミラーマッチなためマンマークの方が難しく構えずに済み良かった気もしました。

12分にカウンター気味に攻める今治、中川の右からのカットインから福田のポストプレイを経て、パクスビンが強烈なミドルシュートを放つもGK加藤がキャッチ。
14分にも福田が細かいタッチで左サイドから仕掛け、エリア内左を突いてシュートするもGK加藤がキャッチ。
ともに攻撃機会は互角ながらも、相手GKを働かせるシーンが目立つ今治の方が押し気味という印象を残して飲水タイムに突入します。(22分・その直前に、福田をスライディングでチャージした北九州・中山に対し警告)

ブレイクが明けると、北九州は長谷川が絞らず、しっかりと右サイドに張る体勢を採って攻撃を組み立て始め。
その分前川が降りて出口を増やす事でカバーするというビルドアップ。
ようやく機能し始めたという以降の長谷川の印象で、両サイドをくまなく使って攻め上がり、急所を突く縦パスを中心に好機を作ります。
しかし成果は、29分にコーナーキックからの本村のヘディングシュート(GK茂木キャッチ)ぐらいに終わり。

その後は今治のプレッシングに対し、キープする西村が自らゴールラインを割ってしまいCKを与える(33分)など、前節から続く今治の総員突撃ともいえる姿勢に苦戦が色濃く表れます。
36分には福田のパスカットから右サイドへ展開すると共に自らも右へと移動、エリア内右でパスを受けた福田がクロスを上げると、ファーサイドで中川がジャンピングボレーの形でシュート。
しかし北九州・長谷川がブロックして何とか防ぎます。

1-0のまま前半ももうすぐ終わりという所で、今治はやや消極的になってしまったでしょうか。
アディショナルタイムに突入して北九州の攻撃、右サイドで長谷川が持ち上がると、対面となるべき福田はプレスにいかず最終ラインに入り。
緊急的な5バックという、いかにも前半を無失点で凌ぎたい思惑が表れましたが、これが裏目となります。
長谷川のパスを受けた佐藤亮が、ボールキープする所をその福田に反則を受け、フリーキックを得た北九州。
キッカー永野のクロスをニアサイドで西村がフリックし、ファーへ流れたボールが下口に当たってゴール方向へと跳ね返り。
GK茂木が必死に跳び付いて抑えたものの、ゴールラインを割ったという判定が下され、オウンゴールの形で同点となります。

GK茂木を中心に猛抗議をした今治サイドですが判定は覆らず、そのおかげで前半の残り時間は逆上気味に。
一度の攻撃機会で北九州の選手が3人も倒れるという珍妙なシーンが作られてしまいます。
結局FKを得た今治ですがゴールは奪えず、1-1で折り返しとなりました。

後半開始、の前に北九州サイドが動き、前半37分にゴール前の競り合いで痛んだ本村が交代となり。
代わりに藤原を投入して臨みました。

不運な形で追い付かれた今治、再び勝ち越さんと攻勢に入ります。
大ベテラン・駒野を中心に右サイドで攻め上がり、クロス攻勢から数多CKを得ると、そのキッカーも駒野が務め。
後半7分に3本目(後半のみで)の右CKから、駒野のファーサイドへのクロスを安藤が収め、シュートを放ちましたがブロックに当たり枠外となり再度右CK。
今度は中央にクロスを上げた駒野、これを飯泉が合わせヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れと、押し込みながらも得点は奪えません。

今治のCK攻勢が終わったのちの、北九州最初の攻撃が10分。
中央で受けた西村が左へ長いパスを通し、受けた永田がエリア内へスルーパス、走り込んで中山からクロスという縦に速い攻め。
このグラウンダーのボールにニアサイドに走り込んだ上形が合わせ、コースを変えるだけとなったシュートがゴール内へと転がり、流れるような攻撃を締めくくりました。
「ピンチの後にチャンスあり」の如く、ワンチャンスをモノにした北九州。

追い掛ける立場となった今治は、すかさず攻撃の重点を切り替え。
下口を軸とした左サイドアタックへと変更すると、効果は直ぐに表れました。
13分下口のスルーパスに走り込んで受けた高瀬がクロス、これが高い弾道でファーサイドを突くと、走り込んだ山田が合わせボレーシュート。
しっかりと捉えたボールが左サイドネットに突き刺さり、同点に追いついた今治。

この試合も点の獲り合いとなるなど、白兵戦は尚も続くといった今治の戦い。
相手を同じ土俵へと引き込むかのように、以降も北九州ゴールに迫り。
17分にはプレスを嵌めて敵陣で高瀬がボールカット、すかさず送られたスルーパスで中川がGKと一対一に持ち込みます。
そしてエリア内で左へ切り込む姿勢から、GK加藤の右を破るシュートを放った中川でしたが、ゴール右へ僅かに外れてしまいモノに出来ず。
しかし果敢に前からいく姿勢は変わらない今治、20分にも北九州のパスミスを誘いショートカウンター。
拾ったパクスビンがすかさずシュート、北九州・河野のブロックに阻まれるも、こぼれ球を拾った下口が反則を受けた事で直接FKを得ます。
左ハーフレーンという位置からキッカー駒野が直接狙い、ゴール右上を捉えたもののGK加藤のファインセーブに阻まれ、これも惜しくも実りません。

押し込まれる北九州、既に18分に2枚替えを敢行(長谷川・永野→藤谷・針谷)したものの流れを変える事はままならず。
しかし23分に佐藤亮が今治・下口にチャージされ倒れ込むと、半ば強引に飲水タイムに持ち込まれ、ブレイクの時間を得ます。(佐藤亮は1分程倒れ込むも、無事に復帰)

そして再開されると、前川が縦パスを受けに中盤に降り、サイドハーフが中央に絞ったうえでSBを押し上げるという攻撃でリズムを掴む北九州。
自分達の持ち味を取り戻す方向へと傾倒したブレイクだったでしょうか。
今治サイドが29分に3枚替えを敢行(高瀬・福田・駒野→千葉・近藤・冨田)してもその流れは変えられず。

迎えた33分(32分に北九州は上形→狩土名に交代)、ここも降りてポストプレイに入った前川が、後方から(今治・楠美に)反則を受けた事でFKに。
キッカー針谷が放り込みを選択せざるを得ない所からでしたが、そのロビングがエリア内左の河野に合い、折り返されたボールを中央で西村がシュート。
ゴール右上へと突き刺さり、セットプレーをモノにした北九州が勝ち越しを果たしました。

再び追う立場となった今治。
先程の交代により右SBへとポジションを移した下口を中心に、右サイドへと傾倒していく攻撃ですが、既に時間も少なくなってきたので形振り構ってはいられず。
ニアサイドにクロスを入れ、そこに千葉や中川が跳び込むという狙いは見られたものの、シュートは40分の中川のヘディング(枠外)ぐらいに終わり成果は上がりません。

ATも間近という所(43分)で右サイドからのFKを得た今治、このタイミングで最後の交代枠を使い(山田、パクスビン→フィリップ・ピシュチェク、三門)、少ない残り時間に賭ける体制に。(北九州は既に42分に永田→池高へと交代)
クロスが何度もクリアされても、CBが前残りしたままで次々と放り込み。
そして中川のクロスから、ピシュチェクが中央で合わせたボールが浮かび、こぼれた所を残っていた安藤がシュートで締めます。
しかしGK加藤のセーブに阻まれ、劇的な同点弾は生まれず。

突入したATでも押し込むものの、どうしてもゴールに辿り着けない今治。
ピシュチェクが反則チャージを頻発させてしまい北九州に時間を使われるなか、最後までゴールに迫ったものの、結局2-3のまま試合終了の笛を聴く事となり。
これで今治は11試合ぶりの敗戦となりましたが、足を止める事無く今後も昇格争いへの生き残りを賭けての戦いは続く事でしょう。

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