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DAZN観戦 2022年J3リーグ第12節 カマタマーレ讃岐vsいわきFC

2022-06-16 16:01:45 | サッカー視聴記(2022年その他)

<讃岐スタメン> 3-4-2-1
GK 高橋
RCB 長谷川 CCB 遠藤 LCB 西尾
RWB 内田 DH 西本 DH 松本直也 LWB 臼井
IH 後藤 IH 川崎
FW 松本孝平
<いわきスタメン> 4-4-2
GK 鹿野
RSB 嵯峨 CB 家泉 CB 星キョーワアン LSB 日高
RSH 岩渕 DH 宮本 DH 山下 LSH 鈴木
FW 古川 FW 有馬

J3という新たな戦いの場においても、快進撃を続けるいわき。
ここまで僅か1敗と並み居る強豪達をバッタバッタと薙ぎ倒し……という表現をしたくなりますが、既に実力的にJ3と同等以上のクラブが居るリーグ戦(JFL)を制して参入してきただけに、この結果はある意味当然感もあり。
それに現在のJ3上位組とは軒並み引き分けなうえに松本とは未対戦と、決して圧倒している訳では無いので、判定はもう少し先でもいいかも知れません。

そんな視界良好な状態ですが、それを後方から支える媒体の部分で動きがあり。
少し前の話ながら、株式会社ドームが事実上の買収に遭い子会社化する事となりました。
その伊藤忠商事は事業を見る限りではスポーツとは無縁であり、現在の「スポーツを通じて社会を豊かにする」ドームの方針が変更される事があれば、立場が危うくなる恐れも考えられます。
まあ今の所は変更は無いと発表されているので、冷静に見守るのが吉でしょうか。

この日は(愛媛戦以来)2度目の四国地方に乗り込んでの、讃岐との戦い。
その入りは讃岐サイドが、いわきのフィジカルを警戒しての立ち回りとなり。
右サイドで長い距離のスローインを駆使しての漸進戦法の末に、数多のセットプレーで好機を作るスタイルを見せます。
前半3分にはそこからの右コーナーキックで、キッカー後藤のクロスをニアサイドで長谷川が合わせヘディングシュート。(枠外)
試合開始早々から、10番の選手(川崎)がロングスローを投げ入れるその姿は泥臭さと滑稽さ双方を醸し出しますが、ペースを握る事には成功した讃岐。

一方のいわき、そのベースは縦に速い攻撃で、その破壊力は前節の大勝(YS横浜戦・6-0)に色濃く表れ。
守備だけでなく攻撃時でも、横軸を圧縮させて攻め上がるその姿は、相馬直樹氏(現大宮監督)が率いていた町田を彷彿とさせ。
11分には家泉のロングパスの跳ね返りを、中央で拾いにいったのはサイドバックの嵯峨で、ダイレクトでのロングパスで古川を裏へ走らせ。
そしてそのままループシュートを狙った古川でしたが、ボールは枠を捉えられず。

そんな「ワンサイドアタック」のいわきに手を焼く讃岐ですが、15分にはGK高橋の左へのロングフィードから決定機。
臼井の落としを拾い抜け出した川崎がエリア内左を突き、中央への横パスは遮断されるもこぼれた所を自らシュート。
しかしGK鹿野にセーブされ、詰めにいった後藤も撃てずモノに出来ません。

それでもこの好機から、対角線のロングパスが有効と踏んだ讃岐はその後サイドチェンジのパスを中心に攻撃を組み立て。
序盤に臼井の突破力を見せていただけにこれは効果覿面で、いわきディフェンスを巧にスライドさせ揺さぶっていきます。

そして迎えた33分、左サイドで臼井がこぼれ球を拾ってから組み立て、松本直の裏へのロングパスを逆サイド(右シャドー)の後藤が走り込んで受け。
戻しから臼井がクロスを上げると、ニアサイドでもう一人のシャドーである川崎が合わせヘディングシュート。
GK鹿野が弾くも及ばず、先制点を挙げたのは讃岐となりました。

スコアが動いた事で、讃岐はボールポゼッションを高めつつ守備を固めるという、リードしている側らしい立ち回りへと移り。
追い付きたいいわきは守備時は素早い寄せ、攻撃時は逆サイドでプレーするサイドハーフという、ワンサイドアタックらしいサッカーで徐々に押し込み。
40分にはパスを受けた古川が讃岐・松本直に倒されて反則、左ハーフレーンからのフリーキック。
キッカー嵯峨はクロスを選択し中央へ送ると、家泉がヘディングシュートを放ち、GK高橋がセーブした所を星が詰めますが枠に飛ばず。
センターバック2人が立て続けにフィニッシュを放ったものの、ゴールを奪えずに終わります。
そしてそのまま1-0で前半終了となり。

ハーフタイム、追い掛ける立場のいわきは2枚替え。
FW2人を揃って代え、鈴木・古川→谷村・有田へと交代しました。

後半1分に讃岐がスローインから好機を作る(左から臼井クロス→ファーで松本孝折り返しも繋がらず)という具合に、前半同様の入りとなる気配を漂わせ。
しかしセットプレーからフィニッシュに持ち込んだのはいわきで2分、パスを受けた有馬が讃岐・松本直に倒され、左ハーフレーンで良い位置での直接FKを得ます。
前半は嵯峨と山下(中村俊輔とヘアースタイルが似ているため様になっていた)がキッカーに立っていましたが、この場面では日高と岩渕の2人が立ち。
そして日高の左足でのシュートが放たれると、左から巻いて来たボールがゴールへ突き刺さり。
華麗な日高のFKで同点に追い付いたいわき。

振出しに戻り、試合様相は球際での攻防と、それを避けるための素早い蹴り出しが目立つようになります。
そしてその副産物であるスローインも膨らみ、中々ペースを得難い展開に。

それでもその流れが止むと、最終ラインから繋ぐ下地のある讃岐へと針が振れ。
10分、後方からのラフなパスを収めた松本孝から左へ展開、臼井のエリア内左へのスルーパスに川崎が走り込み。
そしてグラウンダーでクロスを入れ、ファーサイドで後藤が走り込む好機となったもののDFに当たって僅かに合わず。
18分には最終ラインから左サイドで繋ぎ、後藤がいわきディフェンスのアタックをかわして左ハーフレーンを前進、エリア手前で切り返してコントロールシュートを狙いましたがゴール上へと外れ。

それでもいわきは一度敵陣で攻撃権を握ると、ゴールを狙う嗅覚を押し出し。
右サイドでのプレーを目立たせる有馬を軸として、山下の縦パスを絡めつつサイドを抉っていきます。
しかし讃岐サイドも、いわきのサッカーに対抗する姿勢を序盤から見せていたためか容易に崩れず、フィニッシュまで辿り着けないいわき。

同点のまま時間が進んでいく中、25分に讃岐・長谷川がハイボールをクリアにいった際に足を痛めて倒れ込んでしまいます。
1分半程で何とか自力で起き上がり、交代の準備も行われる中ピッチ外に出た長谷川ですが、暫くしてピッチへと復帰。(直後にいわきは岩渕→山口へと交代)
それでも時間稼ぎだったようで、30分にいわきの左サイドのFKからの好機(嵯峨中央にクロス→山口合わせるも枠外)が終わったのちに交代が敢行され。
長谷川に代わって西野が入りました。(同時に田尾→下川に交代、西本が左CBに回って下川がボランチに)
同時にいわきも家泉→江川へと交代。

さらに35分に讃岐が後藤・川崎→青戸・神谷へ2枚替えと、ベンチの采配が乱交したこの時間帯。(25分~35分)
結局セットプレーからしか目立った好機は生まれず、それが終わると今度はスローインからの好機が頻発し。
38分には讃岐が再びロングスロー(川崎が退いたため臼井が投げる)、左から投げ込まれたボールを西野がフリック、ファーに流れた所を西本が戻して内田が逆サイドからのクロス。
西野がもう一度合わせたものの、枠には飛ばず。
一方のいわきはロングスローは使わずに、押し込んだ末に右サイド奥で連続で獲得。
41分、投げ入れた嵯峨が有馬の戻しを受けてカットイン、そしてクロス気味のシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。

スコアが動かないまま迎えた終盤。
讃岐はカウンターに持ち込んだり、ショートパスの連続でサイドからエリア内を突いたりしましたが、いわきの素早い寄せに遭い結局シュートまで辿り着けず。
業を煮やしたのか45分には松本直の右奥へのスルーパスに松本孝が走り込むと、クロスでは無くシュートを選択しましたが角度の無い所ゆえに枠には飛ばず、左へと流れていきました。
攻勢は掛けたもののリズムを得られずといったシーンを連発した讃岐、アディショナルタイムではいわきに攻撃権を握られる事となります。

時間的にも最後の攻勢といった感じのいわき、押し込んでのセットプレー攻勢へと突入します。
左CK→右スローイン(江川のロングスロー)×2と推移しての左CK。
キッカー嵯峨はショートコーナーを選択、山下とのパス交換を経てプラス方向へのクロスとし、送られた低いボールをニアサイドで合わせたのは有馬。
フリック気味に頭で合わせたボールがここしか無いという軌道を描き、GK高橋のダイブも届かずゴール右へと吸い込まれていき。
この土壇場で見栄え抜群のゴールが生まれ、勝ち越しを果たしたいわき。

一方失意の讃岐、キックオフ直後にいわきのプレッシングを受け、スライディングでこぼされる失態を演じてしまい。
何とかGK高橋がこぼれ球を蹴り出すも、結局跳ね返されたのちに試合終了を告げる笛が鳴り響き。
胸すく逆転での勝利を挙げたいわき、これで鹿児島・松本を抜いて首位に浮上する運びとなり。
旋風は何処まで続くのか、見所が耐えないJ3リーグとなりそうです。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第11節 FC今治vs愛媛FC

2022-06-10 16:35:29 | サッカー視聴記(2022年その他)

<今治スタメン> 4-4-2
GK 岡田
RSB 野口 CB 安藤 CB 飯泉 LSB 上原
RSH 近藤高虎 DH 山田 DH 楠美 LSH 島村
FW 中川 FW 千葉
<愛媛スタメン> 4-4-2
GK 徳重
RSB 忽那 CB 鈴木 CB 栗山 LSB 高木
RSH 近藤貴司 DH 横谷 DH 森下 LSH 小原
FW 進 FW 松田

本州中央では信州ダービーで盛り上がりを見せたと思えば、こちら四国・愛媛でもダービーマッチ(名称は「伊予決戦」に決まったとの事)が今季から開催される環境となり。
いずれも松本・愛媛が降格してきた事に拠るためイメージは良くないものの、今治のように、これから成長していくクラブにとっては渡りに船の存在。

しかし初のダービー開催となる、今治のホーム・ありがとうサービス.夢スタジアム。
その存在も未だ発展途上で、バックスタンド側が施工中と生々しい姿となっており。
そんな状況故に運営側も慣れていない感がありありで、アウェーサイドのゴール裏観客席の席割りが、映像でも違和感を覚えるようなものとなっておりました。
左右に分別するのが通常の姿なのですが、あろう事か上下へと割ったため、愛媛サポーターを上から見下ろす今治サポーター(一部)という絵図が出来上がってしまい。
これが単なる間違いならばまだしも、独特感を出したいという思いが先走っての事だったとしたら、今後に不安の影を落としかねないと思いますが果たして翌年はどうなるでしょうか。

さて試合の方は、今治は普段の4-1-2-3から、4-4-2へとフォーメーションを変更して臨み。
愛媛に対するミラーマッチを挑むという、ダービーに相応しい姿勢を取ってきた橋川和晃監督。
そのため普段左ウイングを務める近藤高が逆の右サイドとなるなど、イレギュラーな配置も余儀なくされました。

立ち上がり、そんな今治の意気込みを打ち崩すかのように愛媛がペースを掴み。
上記の要素もあり攻撃の形を作れない今治を尻目に、押し込んでセカンドボールも支配して攻撃権を独占していきます。
前半6分には、その前の右コーナーキックから二次攻撃を仕掛けんとする際に進がエリア内で痛んだため、左サイド・エリアからすぐ脇という位置でドロップボールでの再開に。
主審が落としたボールをすかさず小原が低いクロスを入れると、松田がボレーで合わせたシュートはゴールバーを直撃と、際どいシーンとなります。

そんな理不尽っぽさ(ルール上仕方無いが)が滲み出るような危機を招いた今治、さらにアクシデントが襲います。
8分ルーズボールに走り込んでクリアしたセンターバック・飯泉が、足を痛めてしまい倒れ込み。
やや無理をしたカバーに映ったシーンでしたが案の定といった負傷で、特別な一戦故の意気込みを感じましたが、無念の早期交代となってしまいました。
担架でピッチ外に運ばれ、12分に下口が投入される事となります。

リズムを掴めない今治を尻目に、あの手この手で攻め上がる愛媛。
11分(下口がアップ中のため今治は10人)にはカウンターを発動させ、松田が左→右への対角線で前進するドリブルから右へ展開。
忽那のグラウンダーのクロスが入り、クリアされ中央へこぼれた所に高木が走り込んでシュート。(ブロック)
14分には中盤右サイドからのフリーキックと距離はあったものの、キッカー横谷は長いクロスを入れ、跳ね返りを森下がシュート(ブロック)とセカンドボールをフィニッシュに繋げていき。
17分には敵陣で森下が奪取したボールを、松田がすかさずロングシュート(枠外)と、ゴールへの意欲が溢れ出ているような愛媛の攻撃。

依然として守勢が続く今治、20分過ぎ辺りから何とか反撃開始。
中川が中盤に降りるポストワークを絡め、徐々に本来の持ち味であるポゼッションを高めていき。
24分にはスローインからのパスワークに、左サイドハーフの島村が右へと流れて加わり、縦パスを通して好機を作り。(中川が右からクロス→ファーで上原が折り返すも撃てず)
これが契機となったか、その後近藤高と島村のポジションが入れ替わる運びとなった今治。
本来の左サイドに戻る事となった近藤高、ポジションの違和感が薄くなった事でペースを取り戻します。

最終ラインからショートパスを繋ぐビルドアップを軸として、30分以降は逆に攻撃権を支配するに至り。
積極的に左右に開く中川の存在を絡め、数的優位を作って前進しクロスに辿り着くというサイド攻撃を敢行していきます。
38分には中央で縦パスを受けに入った中川がダイレクトでフリック気味にスルーパス、走り込んだ千葉がエリア内からシュートするも、ブロックに当たりゴール右へ惜しくも外れ。
直後のCKからも、ショートコーナーを経ての野口のクロスを安藤がフリックし、混戦で惜しいシーンとなるも中川のシュートはミートせずGK徳重が抑え。

逆に30分の松田のシュート(枠外)以降、攻め手を欠く状況を強いられる愛媛。
自陣から中々脱出できない時間が続いたままアディショナルタイムを迎えます。
このままスコアレスで耐えるのが当面の目標と化していた感がありましたが、エリア内でキープする島村のボールを何とかこぼした所に、拾いにいった野口に対し高木がスライディングを敢行した結果反則を取られ。
これで右サイド奥からのFKを得た今治、時間的にも前半最後のチャンスといった場面でしたが、キッカー上原のファーサイド奥へのクロスにヘッドで合わせにいったのは千葉。
一旦こぼれるもすかさずキックで折り返すと、安藤が押し込みにいくもこぼれ、さらに中川がバイシクルでシュート。
ブロックに当たりGK徳重がセーブするも、さらにこぼれ球を安藤が詰め、ついにゴールネットを揺らす事に成功。
今治が先制点を挙げたと同時に前半終了の笛が吹かれる、愛媛にとっては痛恨の失点となりました。

共にハーフタイムでの交代は無く、今治のサイドハーフの位置も入れ替わったままで後半が開始。
球際激しく中々ボールを運べないといった、ダービーマッチかつミラーマッチに相応しい絵図が描かれる中、スローインによる漸進が目立つ入りとなり。
そこから今治は後半3分に、右サイドからの山田のクロスを中川が合わせヘディングシュート(枠外)と先制攻撃を果たします。
7分には中盤で千葉が反則気味にボール奪取、中川のドリブルで押し込んだのち、右サイドへの展開から野口がクロス。
ファーサイドで上原が折り返し(シュートは撃てず)と、両サイドバックも高い位置で絡む今治のペースになりつつありました。

一方反撃したい愛媛は、中々攻撃の形を作れないなかで、球際の激しさによる副産物のFKから放り込みで勝負を賭け。
12分には中盤でのFKから横谷がロビングを入れると、森下が合わせにいきGK岡田・上原と交錯するも、反則とならなかった事で前半同様に前線でのドロップボールとなり。
レアケースが複数回起こる事態となりますが、ここでは今治ディフェンスもクロスを上げさせず防ぎます。

ボールの奪い合いが激しい状況で、勝負はトランジションといった感じ。
16分には今治の攻撃が3度生まれたのち、進が反則気味にボールを奪って愛媛の反撃、中央で受けた近藤貴がミドルシュートを放ったもののゴール左へ外れ。
直後の17分には今治が中盤でボールカット、近藤高が中央をドリブルして右へラストパス、受けた島村がエリア内からシュートするもGK徳重がセーブ。
そのような流れでも、主体的な攻撃を繰り広げる今治が優勢となり。
19分にはGK岡田からの攻撃で、安藤ロングパス→千葉胸でポストプレイから敵陣で展開し、左サイドからの上原のクロスに中川がヘディングシュート。(ディフェンスに当たり枠外)

反撃の機運を高めたい愛媛、石丸清隆監督は23分に3枚替えを敢行。
横谷・小原・進に代えて、田中・佐藤・大澤を投入します。
これで押し込む流れを作り、今治同様にサイドバックが高い位置で攻撃に絡むも、クロスに持っていくのが精一杯といった感じであり。

一方の今治も28分に動き、千葉・中川→高瀬・インディオへと2枚替え。
24分の好機で楠美のシュートが空振りに終わって以降、守勢に回る時間を強いられていた今治。
リードはあるものの決して安心できる流れでは無い故に、何とかワンチャンスを得点に繋げたい所。

そして32分ここも最終ラインから組み立てる今治、安藤がサイドチェンジのパスを通し、受けた近藤高が細かいボールキープでエリア内左を突き。
同郷である愛媛・忽那との対峙を制し、切り返しからシュートを放つと、愛媛・鈴木のブロックに当たってゴール左へと突き刺さり。
貴重な追加点を齎し、勝利へ前進した今治。

GK徳重が反応していただけに、痛さは倍増といった失点となった愛媛。
その失意を余所にさらに攻め上がる今治、35分には愛媛のパスミスを自陣から楠美がダイレクトで裏へ送り、受けた高瀬がエリア内右へ進入。
GKと一対一の状況に持ち込み、右にかわしてシュートにいきましたが、付いていった徳重の決死のセーブに阻まれます。

愛媛は何とか点差を縮めようと、37分に松田→茂木へ(近藤貴がFWへシフト)、39分に森下→森脇へ交代とカードを切っていき。
しかし既に運気は尽きたといった感じで、次々に今治の攻撃を許していきます。
42分は左サイド奥から切り込んで島村からのマイナスのクロスが入り、こぼれた所を近藤高がシュート。(ブロック)
45分には愛媛・大澤のドリブルを防いでからのカウンターで、逆にドリブルで持ち上がる島村からラストパスを受けた高瀬がシュート。(枠外)

2点差のままATに持ち込み、後は逃げ切るのみといった今治。
愛媛が栗山を前線に上げるパワープレイに託すなか、最後の交代カードを切り。
山田・島村→岡山・冨田へと交代し、5バックシステム(3-4-2-1)へとシフトします。
<後半AT最中からの今治> 3-4-2-1
GK 岡田
RCB 安藤 CCB 下口 LCB 冨田
RWB 野口 DH 岡山 DH 楠美 LWB 上原
IH 高瀬 IH 近藤高
FW インディオ
これでほぼウィニングラン状態へと移行した今治。

意地を見せたい愛媛、後方からのロビングをエリア内で栗山が落とす場面もありましたが、やはりフィニッシュまでは持ち込めず。
試合終了の笛が吹かれ、伊予決戦のこけら落としを制したのは今治となりました。

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TV観戦 天皇杯 JFA第102回全日本サッカー選手権大会 ベガルタ仙台vsHonda FC

2022-06-03 18:34:48 | サッカー視聴記(2022年その他)

<仙台スタメン> 4-4-2
GK 杉本
RSB 真瀬 CB 吉野 CB キムテファン LSB 石原
RSH 加藤 DH 梁勇基 DH フォギーニョ LSH 鎌田
FW 中山 FW 富樫
<Hondaスタメン> 3-4-2-1
GK 楠本
RCB 三浦 CCB 岸田 LCB 堀内
RWB 川浪 DH 草刈 DH 松本 LWB 八戸
IH 鈴木雄也 IH 富田湧也
FW 岡﨑

今年も始まった、恒例の「ジャイアントキリング」生成の時間……と思いきや、2回戦の日程は折りしもJ1の中断期間の最中。
そのため「全とっかえ」のターンオーバーは発生しにくいという、4年前と同様にJ1有利の日程となっています。(天皇杯の他、ルヴァンカップのプレーオフステージも間にありますが)
NHKサイドも、なるべくアマチュアクラブが勝利ないしは良い勝負をする可能性が高いカードを選択したのか、TV中継はHondaの試合が選ばれました。
J2の仙台が相手とあり、リーグの中断が無いためターンオーバーが激しい、という目論見もあったでしょう。
しかし仙台は「全とっかえ」は行わず、富樫・真瀬・フォギーニョを交えはしましたが、あくまでレギュラーを小出しにしつつの控えの上位メンバーといった構成で臨み。

井幡博康監督の退任(2020年オフ)が切欠となったのか、ここ2年でプロ経験の選手が皆無となったHondaのチーム編成。
前年のリーグ戦(JFL)は、Jリーグ参入を果たす事となるいわきの進軍を阻む事が出来ず、優勝を攫われてしまう結果となり。
今季もここまで6位と、4年連続優勝(2016~2019年)の栄光から隔世となりつつある状況で、この日の試合を迎えました。

試合が始まり、富樫・中山の2トップをターゲットにしての放り込みを選択するのが目立つ仙台を尻目に、伝統ともいえるボールポゼッションを主体とするサッカーを貫くHonda。
そのため、普段Jリーグ中継が中心の放送席(解説は早野宏史氏)からも賞賛の声が止まない程でしたが、良いサッカーをしている方が勝つとは限らないのがスポーツの世界であります。

ショートパスを繋ぐシーンが顕著のHondaですが、あくまで攻撃の中心はウイングバックといった感じであり。
立ち上がりは川浪・八戸の突破力に頼る場面も見られ、また彼らに裏抜けを指せるロングボールを送る事も。
サイドの攻防で優位性を作り、そこから量産されるコーナーキック。(先制点までに3本)

そして迎えた先制ゴールは13分でした。
左サイドで前進の体勢から右へと移り、右センターバックの三浦の上がりを絡めて川浪がクロスに辿り着き。
流れたボールを逆サイドで拾った八戸から再度クロスが上がると、ファーサイドでの川浪の折り返しに合わせたのは三浦。
流れの中でCBがフィニッシュを放つという分厚い攻撃に仙台はどうする事も出来ず、ゴールネットを揺らしたHondaがリードを奪う立ち上がりとなりました。

その後もボールを支配し、試合をコントロールしていくHonda。
根底の形はやはりミシャ式と呼ばれる、ボランチ1人が最終ラインに降りるものであり、監督交代後(現職はクラブOBの安部裕之氏)もそれは不変であるという事をアピールします。

一方、スコアでも内容でも後れを取る事となった仙台。
Hondaの変幻自在なパスワークに翻弄されないためか、プレッシングを控えめに中央を固める体勢で何とか凌ぎ。
アマチュアチームの組織力vsプロチームの個の力、という図式になり易いこの大会ですが、その個の力を発揮する時をじっくり待つという形でしょうか。
TVの放送席ではその劣勢を強いられる内容に批判の声が目立っていた事もあり、耐え忍ぶという表現がしっくり来る絵図となります。

それでもビハインドの展開なためか、自身がボールを持ってビルドアップするシーンが増えていく仙台。
そこから目立った好機も作れず時間を消化していってましたが、最初の変節は27分。
ボランチのフォギーニョが降り、最終ラインを3人にする形をこの日初めて見せると、サイドチェンジを挟みつつボールを運び。
中央で受けた加藤から右へと展開して真瀬のクロスに繋げると、ニアサイドで富樫がヘディングシュート。
ゴール左へ外れたものの、大外でサイドバックをフリーにする今季の仙台の得意な形で一矢を放ちました。

こうなると仙台の流れといった感じで、Hondaは追い打ちを掛けられるように、31分に反則を犯した鈴木雄が異議で警告を受けてしまい。
余計なカードを貰うという不穏な空気を作ったその直後の32分、左ワイドに開いた鎌田の落としから、再度中央で受けた加藤のスルーパスに富樫が走り込みエリア内左からクロス。
この低いボールに中山が跳び込んでヘディングシュートを放ち、ゴールに突き刺し。
ゲームの流れを見事に結果に繋げ、振り出しに戻した仙台。

尚も仙台ペースは続き、それでもパスワークを貫くHondaでしたが、好機を作れずに相手の攻撃を受けるという悪循環となり。
そして37分攻め上がろうとしたHondaに対し、中盤でフォギーニョがボール奪取して攻守交替。
加藤が右ハーフレーンをドリブルで持ち上がり、そのままミドルシュートが放たれると、豪快にゴールネットを揺らし。
個の力を見事に炸裂させた仙台、あっという間に逆転を果たしました。

リードを失ったばかりか、一気に追いかける立場となったHonda。
前半の終盤は左サイドアタックが中心で、再び八戸を中心として攻め上がるも、立ち上がりのようにはいかず。
結局同点とする事が出来ないまま前半を終了します。

ハーフタイムで選手交代を敢行するHonda、三浦→佐々木へと交代。
CBを一枚削るという采配で、その通りにフォーメーションも変更となります。
<後半のHonda> 4-2-3-1
GK 楠本
RSB 川浪 CB 岸田 CB 堀内 LSB 八戸
DH 草刈 DH 松本
RSH 佐々木 CH 鈴木雄 LSH 富田湧
FW 岡﨑
基本は左肩上がりといった感じで、八戸を軸とした攻撃は変わらず。

布陣変更で逆転を目指すHonda。
しかしオーソドックスな形に近くなった影響か、仙台サイドの対処が幾ばくか楽になった感があり。
思うように好機を量産できず、逆に仙台にゴールを脅かされるシーンが増えていきます。

後半8分にはミスから仙台・加藤がボールを拾い、左サイドへ展開ののち石原がエリア内左を突いて低いクロス。
中央で受けた中山のポストプレイを挟み、右ハーフレーン・エリア手前から真瀬がシュートを放つも枠外に。
ホッとしたのも束の間、その直後のHondaはバックパスがズレてしまい直接CKを与えるシーンも作り。
プレッシャーを感じての戦いを強いられていた感がありました。

何とかペースを作り直すHonda。
前半とは違い無闇にクロスを入れる形にはいかず、3人の2列目を活かしてエリア内へスルーパスを打ち込む攻撃を押し出し。
仙台も中央を固めて防ぎますが、それを受けて対となるようにクロスも交える等、再びHondaサイドがプレッシャーを与える展開に移行しつつありました。
13分左サイド奥を突いて草刈がクロスを上げ、クリアボールを拾って尚も攻撃を続けるHonda、松本の縦パスをエリア内左で受けた佐々木がシュート。(ゴール左へ外れる)
対する仙台も14分に再びフォギーニョのボール奪取から好機、中央から鎌田がミドルシュート。(ブロックに当たり左へ外れる、何故かゴールキックの判定)

次の1点が明確にゲームを左右するといった流れで、是が非でも得点したいのはビハインドのHonda。
15分には鈴木雄がエリア内右から、クロスを入れると見せかけて直接シュートを放つ(ゴール上へ外れる)など、ゴールへの意識の高まりを見せていき。
そして17分には決定機、左サイドのスローインから草刈がカットイン、岡﨑のポストプレイも絡めてゴールへ迫りシュート。
GK杉本がブロックするも、跳ね返りが草刈に当たってゴール前に転がりましたが、仙台・石原にクリアされて惜しくもゴールはなりませんでした。

この日の後半最もゴールに近付いた場面でしたが、これを逃してしまった影響は大きく。
以降も好機を作ったHondaでしたが、21分には松本が、25分には草刈がともにシュートにいくもジャストミート出来ず。
空回りするようなシーンを量産するなど、勢いは削がれていきます。
それでも押し込まれていた仙台、20分台に用意していた最初の交代は、中々試合が途切れずに26分までずれ込み。
中山と梁に代え、中島とレアンドロ・デサバトと、実力者の投入で層の厚さを見せます。(同時にHondaも富田湧→川畑へと交代)

この交代策で落ち着きを取り戻したい仙台でしたが、その直後の28分に自陣深めでフォギーニョがHonda・松本にボールを奪われてしまう危機を招き。(その後エリア内へのパスが繋がらず)
依然として攻め上がるHondaのプレッシャーに晒されるのは変わりませんが、中央を固める意識をさらに強めた結果、Hondaの攻撃は再びクロスへの傾倒を余儀なくされます。
それでも少なくなっていく残り時間、理屈よりもとにかく好機を作る事を優先し、ゴールを目指すHonda。
32分に川浪→冨永へと交代し、さらに仙台も33分に2枚替え。(富樫・加藤→皆川・氣田、鎌田が右サイドハーフへシフト)

レギュラーメンバーの投入もあり、以降奥深さを発揮していく仙台。
35分にはロングボールの跳ね返りを拾い、中島の浮き球パスを収めた皆川がシュート。(枠外)
38分には左サイドで長いボールポゼッションを経て、デサバトのエリア内へのミドルパスを鎌田がポストプレイ、皆川がダイレクトでシュート。
ブロックされたボールを拾った中島がさらにシュート(GK楠本キャッチ)と攻め立て、遅まきながらプロクラブの貫禄を見せます。

その仙台の槍を受けながらも、攻撃の手を緩める事は許されないHonda。
パスワークでエリア内脇を突いた末のマイナスのクロスを入れる攻撃で仙台を脅かしますが、それでも実る事は無く。
40分に最後の交代カードを切り(松本・八戸→清水・岩切)迎えた終盤戦。
川畑・岩切のポジションチェンジを頻発させる幻惑を交えながら、尚も攻勢を続けます。
CKも再び量産されていく流れとなりますが、肝心の得点は生まれる事無く、とうとうアディショナルタイムへ。

そして仙台は残されたカードを切り、フォギーニョ→若狭へと交代。
3バックへ移行ともとれる交代策ですが、これを境にHonda陣内で仙台がボールキープする流れとなったため、具体的な布陣は判らず。
無事に逃げ切りへのレールを作った仙台、2-1で勝利を果たしました。

結局この日の試合は全て上位カテゴリが勝利と、通称「ジャイアントキリング」は皆無という珍しい展開となり。
残されたのは8日に行われる3試合ですが、各プロクラブ波乱無しで締める事が出来るかどうかが焦点となるでしょう。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第10節 藤枝MYFCvsアスルクラロ沼津

2022-06-02 16:02:47 | サッカー視聴記(2022年その他)

<藤枝スタメン> 3-4-2-1
GK 内山
RCB 小笠原 CCB 川島 LCB 秋山
RWB 久保 DH 水野 DH 鈴木惇 LWB 温井
IH 杉田 IH 横山
FW 土井
<沼津スタメン> 4-1-2-3
GK 武者
RSB 安在 CB 藤嵜 CB 篠崎 LSB 大迫
DH 濱
IH 佐藤 IH 徳永
RWG 北 CF 渡邉 LWG ブラウンノア賢信

負けられない戦いであるダービーマッチ。
J1で清水と磐田・J3で藤枝と沼津という、必然的に棲み分けられているような感じなのが、この静岡ダービーであり。
今節終了後に上(J1)の方では、清水が低迷を受けて監督交代(平岡宏章氏→代行で篠田善之氏)、これで4年連続のシーズン途中での交代という事で迷走感が露わになっており。
従って、下位カテゴリながらこの藤枝と沼津の戦いを観るに辺り、無風故の有難みが感じられる事でしょう。

とはいっても、今の沼津の状況は決して無風とはいえず。
今季までにホームスタジアム(愛鷹広域公園多目的競技場)の照明塔を整備しなければ、J3ライセンスが剥奪されてしまうという危急存亡の秋を迎えており。
クラウドファンディング実施などで財源を搔き集めている中、果たして課題クリアとなるかどうか。
こうした状況でグラウンド外でも熱が高まっている中、お互い勝ち点差1の僅差で迎えた一戦。

藤枝はお馴染みである、GKがエリア外でパスワークに加わりつつ、3バックを大きく可変させての形を軸としたビルドアップ。
これを観なければ始まらないといった感じで、観ている側にも一定の落ち着きを与えてくれるこの基本形ですが、立ち上がりは最終ラインからロングボールを中心とした組み立てを敢行します。
そうして高い位置を取ったウイングバックを中心に、サイド奥を突かせてクロスを上げるという攻撃が主となり。

迎えた前半7分、GK内山の左へのロングフィードを温井が受けると、一旦中央へ送ったのち再度左へ展開し横山が左サイド奥を突いてクロス。
これをニアサイドで鈴木惇がフリック、やや厚く当たってしまうも中途半端に浮き上がったのがかえって幸いし、中央にこぼれた所に水野が走り込んでシュート。
ゴール左へと突き刺し、早々に試合を動かした藤枝。

続く9分にも藤枝が好機を迎え、左サイドでのパスワークから、斜めの縦パスを中央で受けた土井が反転しシュート。(枠外)
ロングパス攻勢が実を結んだことで、ショートパスでの攻撃も巧く行くようになったという感じでした。

その後リードを許した沼津が反撃に出るも、鈴木惇を中心とした敵陣でのボールカットで、ビルドアップを許さずに主導権を握り続ける藤枝。
14分には立て続けに3度決定機を迎えます。
まずはその鈴木惇のカットから、受けた横山がドリブルでエリア内右を突き中央へ横パス、土井がダイレクトでシュート。(GK武者セーブ)
尚も沼津の攻撃を遮断して継続し、サイドチェンジを受けた温井から左サイドで前進、エリア内左から横山がマイナスのクロス。
ニアサイドで土井が合わせるも、GK武者が足でセーブして防ぎ。
何とか切ったのちのスローインからも、ダイレクトでエリア内左で受けた横山が再度マイナスのクロスを入れると、今度は中央で久保が合わせシュート。
これもGK武者がセーブと、1分間に3度ファインセーブした武者。
見せたのか強いられたのかは意見が分かれる所ですが、何とか追加点を阻んだ沼津。

激熱のシーンを逃した事で、以降藤枝はボールを握るものの好機は作れずに時計は進んでいき。
悪く言えばダレてきたという状態で、それを突いて反撃の機運を高めたい相手の沼津。
迎えた22分、GK武者ロングフィード→渡邉フリックというシンプルな形で好機を生み出し、拾った徳永が中央をドリブル。
そしてラストパスをエリア内左へ送ると、走り込んだブラウンノアがダイレクトでシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
目論見通りの得点となり、同点に追い付いた沼津。

その後は膠着状態から、28分に藤枝・鈴木惇が負傷(顔から出血との事)のため一時ピッチから退いた事で、ペースは沼津の方に傾きます。
最終ラインでポゼッションを高めたのちのロングパス・ミドルパスという、立ち上がりの藤枝を彷彿とさせる攻撃を敢行。
32分には右サイドで安在の裏へのロングパスに渡邉が走り込んで受け、そのままエリア内右へと切り込んでシュートしましたがGK内山がセーブ。

しかしその後は優劣をひっくり返すほどの攻撃は出来ず。
相手の藤枝も、鈴木惇は復帰したものの一旦緩んでしまった影響か攻撃権を支配するには至らずと、膠着したまま時間が経過。
アディショナルタイムに突入し、沼津がサイドチェンジを交えつつ右サイドで攻め上がる流れになるも、北の細かいカットインからのシュートは枠を取られられずに終わり。
結局1-1のまま折り返しとなります。

共に交代無く迎えた後半ですが、藤枝が再び好機を連発する流れで始まり。
前半は序盤優勢だったものの、巻き返されるという流れで終えた藤枝。
その主要因が先程挙げた緩みからであれば、ハーフタイムで締め直すだけで良かったといった所でしょうか。

サイド奥を突く攻撃を左右双方で敢行してペースを掴むと、早々の後半3分でした。
沼津のクリアボールを鈴木惇が落とし、中央で拾った杉田から縦パス、土井のポストプレイを経て横山がダイレクトでシュート。
先制点同様の後方から走り込んでのシュートが勢い良く右ゴールポスト内側を叩いてゴールイン、勝ち越しに成功した藤枝。

再びイニシアティブを握った藤枝は、前掛かりになる沼津を尻目にさらに攻撃を加速させ。
沼津は敵陣でプレスを強めて奪わんとするも、折角囲んで数的優位を作っても奪いきれず、こぼれ球を拾われて結局脱出されてしまうというシーンが目立ちました。
何とか藤枝の厚いサイド攻撃を凌ぎ、GK武者のロングフィードから好機を作らんとするも、劣勢は否めず。

藤枝の方が先に動き、17分に鈴木惇→岩渕へと交代し、杉田がボランチへとシフト。
するとその岩渕が早々に試合を動かします。
藤枝同様に沼津GK武者がエリア外で攻撃の舵取りをしようとする所にプレッシングを掛け、武者がかわそうとした所をスライディングして奪い取った岩渕。
すかさず起き上がって無人のゴールへとシュートを転がし、見事にファーストプレイで得点を奪いました。

痛すぎる失点を喫した沼津、2点差を跳ね返さんと18分にベンチが動き。
佐藤・北→瓜生・森へと2枚替えし、その2人による右サイドアタックに活路を見出さんとします。
瓜生と森の関係性で右サイドをパスで前進し、そこに安在も絡んで好機を生み出し。
それを受けた藤枝サイドも、25分に左サイドにテコ入れをするように温井・横山→榎本・松村へと2枚替え。

沼津は蓋をされたという格好で、かつブラウンノアが足を攣らせてしまい以降精彩を欠く苦しい中での反撃を強いられます。
それでも28分、最終ラインでの繋ぎから安在のミドルパスを渡邉がエリア内へ落とし、走り込んだ瓜生がシュート。
しかしGK内山が足でセーブし、惜しくもゴールならず。

何とか糸口を掴まんと、ブラウンノアを立たせたまま30分に再度2枚替え。
濵・徳永→鬼島・遠山へ交代し、圧力を掛けんとしますが、33分に今度は大迫が足を攣らせてしまいます。
傷がどんどん広がってしまう苦境に苛まれた沼津ですが、以降も両名プレーを続けます。

藤枝はこの時間帯はロングボール主体の攻撃で、ボールを失うという事を繰り返していましたが、37分辺りからようやくペースを掴み直し。
「3点取られても4点取るサッカー」を掲げる須藤大輔監督の下、尚も追加点を狙わんとします。
37分には岩渕のスルーパスをエリア内で受けた久保がシュートするも、オフサイドで無効に。
39分には水野のスルーパスに榎本が走り込み、シュートするもゴール右へと外れ。

40分辺りから、沼津・渡邉と藤枝・土井の1トップがともにボールを収められないというシーンを描くなど、疲労感も露わになっていき。
41分に沼津が最後のカードを切りブラウンノア→井上へと交代するも、劣底カバーできるものでは無く、反撃の機運を高められません。
42分には自陣でパスを出した藤枝・小笠原に対し、CBの篠崎が果敢にプレスにいった結果アフターチャージとなってしまい、反則・警告。
前掛かりな姿勢が攻勢に結び付かないという苛立ちも感じられ。
なりふり構わずという姿勢が好機に結び付いたのは45分で、左からのスローインで大迫がロングスロー、中央まで送られたボールを藤嵜がヘディングシュートに持っていき。
しかし枠を捉えられずに終わり、2点差のままATへと突入する事となります。

そこでは何とか反撃したい沼津を尻目に、藤枝がゴールを脅かす時間となり。
反則ともとれるチャージを受けつつも、倒れながらも繋いで好機を作るなど、沼津の必死さは無情にも実らず。
そして右からのコーナーキックを得た藤枝は、キッカー水野ファーへクロス→川島中央へ折り返し→久保フリック→土井プッシュでゴールを狙い、GK武者が何とかセーブ。
その後も敵陣右サイドでボールカットののち、川島が倒されながらも中央へ繋ぎ、久保がエリア内を突いてシュート(GK武者キャッチ)とゴールに迫りました。

最後まで攻撃サッカーを貫いた藤枝が、3-1で勝利に辿り着き。
実は天皇杯予選でもこのカードが行われており、それに続いてのダービーでの勝利となりました。
意地同士のぶつかり合いの中、沼津の前へのベクトルを巧にかわした藤枝、といった内容だったでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第9節 AC長野パルセイロvs松本山雅FC

2022-05-19 16:08:50 | サッカー視聴記(2022年その他)

<長野スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 大内
RCB 池ヶ谷 CCB 喜岡 LCB 秋山
RWB 三田 DH 住永 LWB 水谷
IH 佐藤祐太 IH 森川
FW 宮本 FW 東
<松本スタメン> 4-4-2
GK ビクトル
RSB 前 CB 大野 CB 常田 LSB 下川
RSH 住田 DH パウリーニョ DH 安東 LSH 菊井
FW 小松 FW 横山

Jリーグの舞台では初となる、伝統の信州ダービー。
地域リーグ時代からお互いに凌ぎを削るカードであり、そのライバル意識の強さは観客動員にも表れ。
この日は長野のホーム(長野Uスタジアム)史上最高となる動員数となりました。

松本が2012年にJリーグ参入して以降戦う場も失われ、これが実に12年ぶりの対戦……と思いきや、1週間前に天皇杯予選の決勝戦でそれは果たされており。
その場では松本が勝利し(1-0)、第2ラウンドと表現される事となったこの試合。

今季から4-4-2のオーソドックスなフォーメーションを取り入れ、3-4-2-1との使い分けを敢行している松本・名波浩監督。
その心としては、普通に戦えば戦力は上々故に優位に昇格争いを戦えるといった所でしょうか。
前年のような攻撃サッカーに変に傾倒する事無く、守備重視の戦いでここまで僅か1敗(5勝2分)と順当に上位を保ち。
機能性が上がったチームの中、2年目のFW横山がブレイクしアンダー代表(U‐19)に選ばれるまでになり、成績と育成双方で結果を出しつつあるようです。

キックオフから早速の前半1分、菊井が長野・秋山に倒されて右サイドからのフリーキックを得る松本。
キッカーの位置に立った菊井・住田が、パス交換を交えて菊井がクロスを上げるという特徴あるキックを披露し、中央で常田がヘディングシュートに持っていくも枠外に。
その後10分にも同じような位置でFKを得て、ここでも菊井がエリア内へスルーパスを送るという変化を付けたものの、ここは眼前であっさりカットされ不発に。
その一方で期待の横山は、5分に安東の縦パスを受けてエリア手前からシュート。(ブロック)
10分にはスルーパスを左サイドで受け、カットインを経て左ハーフレーン・エリア手前からシュート(枠外)と積極性を見せていきます。

立ち上がりはこのように松本優勢でしたが、次第にボールポゼッション能力で上回る長野に針が傾き。
フォーメーションの使い分けでも、シュタルフ悠紀リヒャルト監督の下一日の長があり、この日は3バックを採用。
主に森川を左ワイドに張らせ、ウイングバックの水谷がその内側でプレーするという可変を軸としての攻撃を貫いていました。

しかし中々フィニッシュには持ち込めずに時間が進み。
迎えた22分、長野が敵陣でパスを繋いで攻め込むも、松本ディフェンスの激しい当たりの前に倒れる選手が続出。
エリア手前まで迫るも奪われ、奪い返さんとした所を反則を取られた結果、ヒートアップし両軍入り乱れるというシーンを作ってしまいます。

これでテンションが上がったのは松本の方で、直後の24分に敵陣で空中戦の末にマイボールとなり左サイドから菊井がクロス。
クリアが不十分でこぼれた所を前がエリア内右からボレーシュート、ブロックされたボールを拾った安東から中央からミドルシュートを放つも、これもエリア内でブロックされ実らず。
攻撃ではもちろんの事、守備でも長野の最終ラインからのビルドアップに対し、果敢にプレッシングを掛けるようになります。
しかしそのプレスを冷静にいなしてペースを保つ長野。

この日は松本もある程度ボール保持の姿勢を見せており、ダービーマッチらしく「目には目を」といった振る舞いが感じられ。
それでも局面を変えるのはカウンターをフィニッシュに繋げる攻撃。
31分パウリーニョがカットしたこぼれ球が直接横山に渡ると、入れ替わってドリブルに入った横山がそのままエリア内を突いてシュート、しかしGK大内がセーブ。

この威力あるカウンターを見せた松本がペースを掴み、逆に長野は34分に松本のコーナーキックを防いでカウンターに持ち込むも、左サイドでドリブルした森川が反則気味に倒されてシュートまではいけず。
こうなると勢いは松本のもので、35分にはエリア手前で左からカットインを仕掛けた横山が長野・佐藤祐に倒され反則。
エリアからすぐ手前の直接FKを得ると、キッカーは横山で直接シュートを放ちますがゴール上へと外れ。
40分には長野のパスミスから攻撃開始、右サイドで安東のスルーパスに抜け出した住田からクロスが上がると、ここも横山がファーサイドに走り込んで合わせ。
しかしGKの眼前だった影響かふかしてしまい、決定機を逃す事となります。

その後尻すぼみとなった松本、再度長野がボールを握る展開になりましたが、45分に森川がミドルシュートを放った(ブロック)のみに終わり。
前半はスコアレスで終え、勝負の後半を迎えます。

そのキックオフの前に、ハーフタイムで長野サイドが動き住永→宮坂へと交代。
後半2分に松本が攻め上がり、右サイドでスルーパスに横山が走り込み、クリアされるもCKに。
そのCKで、ショートコーナーから後方へ戻したボールが長野・東の腕に当たるも、主審の笛は鳴らず松本サイドがヒートアップする一幕も生まれ。
しかしHTでの名波監督の指示が「判定に何も言うな」との事だったので、直ぐに収まります。

さらに6分には、空中戦で安東が長野・森川と頭部同士で激突、安東が一方的に倒れ込んでしまう事態に。
脳震盪のチェックが入るものの、安東は笑顔で対応し受け流します。(一旦ピッチ外に出たのち復帰)

前半はボールを握りながらも、松本GKビクトルを脅かす場面は全くといって良い程無かった長野。
宮坂の投入で展開力を上げに掛かるも、中盤で巧く繋がらなくなり攻撃機会が減ったという印象でした。
それでも決定機が作れればwin-winでしょうが、せいぜいサイド奥からのクロスボールが、GKビクトルにキャッチされるといったシーンぐらいに終わり。

一方4分に、波状攻撃を掛けたのち、クロスのクリアボールを拾った住田がミドルシュートを放った松本。(GK大内セーブ)
相手GKを働かせるという点では前半から大きく上回っていた松本ですが、それでも試合を左右するゴールは奪えず。
15分に早くも勝負手と見られる、榎本の投入を敢行します。(小松と交代)
直後の16分、長野のサイドチェンジをカットした下川が左サイドを駆け上がりチャンス到来。
しかしアーリー気味に送られたクロスは精度を欠いてしまい。
縦に速い攻撃が売りの松本でしたが、こうしたスペースを得た場面ではエリア内を抉って拓を迫る選択が欲しいと思いました。

フィニッシュを放てずにいた長野は、何とかしようと18分からCK攻勢。
2本目の左CK、ニアサイドでの池ヶ谷のフリックが上空へこぼれた所を、秋山がバイシクルでシュート(枠外)と無理気味に放ち。
その直後の19分にベンチが動き、三田と森川に代えて藤森とデューク・カルロスを投入します。
すると松本もすかさず動き、前・住田→宮部・佐藤和弘へと2枚替え。

宮部の投入で3バックに変えると思われましたが、ポジションそのままに宮部が右SB・佐藤和が右SHに入って4-4-2のまま試合を進める松本。(しかし放送席では3バックと勘違いされていた)
一方の長野も、デュークが入ったのちも左サイドで可変しての攻撃は変わらず。
それでも不利な状況を受け、繋ぎをある程度捨ててロングボールを交えての強引な攻めで好機を作る場面が目立ち。
さらに25分にターゲットを増やすべく、東→山本大貴へと交代します。

そこから暫くは双方ボールが落ち着かない展開となり。
戦術云々よりはとにかくボールを前に送るというダービー故の熱気が感じられる一幕ながらも、先程の下川のクロスの場面と同様に落ち着いた視野が欲しいとも思いながら時間が進んでいきます。
そうした流れを経て攻撃権を得たのは長野。
34分、ここも左サイドでのスローインを素早く裏へと投げ入れるというスピード重視の思考でしたが、今度は奏功し受けた水谷がエリア内左奥からマイナスのクロス。
ニアで宮本が合わせにいったもののディフェンスに阻まれて撃てずと、際どい場面となり。
すると直後に右サイドで藤森のドリブルが松本・下川の反則を呼び、右サイドからのFK。
これを宮坂が遠目の位置ながらも直接ゴールを狙い、ライナーで右上を襲ったもののGKビクトルがセーブと、この試合初めてファインセーブを披露する事となったビクトル。

攻勢を受ける形となった松本、次第に5バック気味(3-4-2-1)にフォーメーションが移る事となり。(右WBの位置には菊井)
37分に榎本のヘディングシュートが枠外となった所で、最後の交代を敢行する松本(安東・菊井→橋内・村越)、これを期に本格的にシフトします。
<後半37分以降の松本> 3-4-2-1
GK ビクトル
RCB 大野 CCB 橋内 LCB 常田
RWB 宮部 DH パウリーニョ DH 佐藤和 LWB 下川
IH 村越 IH 横山
FW 榎本
それでも宮部は右サイドのまま固定と、長野のストロングポイント(デューク)をケアせんとしていたでしょうか。

終盤戦に入り、お互いロングスローを交えるという形振り構わない攻撃を見せ。(長野=藤森・松本=榎本)
そこから右CKを掴んだ松本(42分)、キッカー佐藤和のクロスを榎本が合わせたものの、対角線を狙ったヘディングシュートはゴール左へと外れ。
43分には再度エリア内からマイナスのクロスを入れる流れを作った長野でしたが、右から藤森が入れたボールは誰にも合わず。

そしてアディショナルタイムに入り、とにかくラフに裏へとボールを送る松本。
その姿勢で押し込み、佐藤和がミドルシュートを放つ事2度。(最初はブロック・2本目はGK大内キャッチ)
得点への期待が高まってきたという所で、あろう事かパウリーニョが故障を発生させてしまい、担架で運ばれる事態に。
これで残り時間を10人で戦う事となり、結果ペースを失ってしまいました。

押し込む長野、こちらもとにかくストロングである左サイドで攻撃。
デュークと山本大の関係性で好機を作りにいくものの、フィニッシュまでは辿り着けず。
結局スコアレスのまま試合は終わり、長野・シュタルフ監督のATの時間への異議が響き渡るという、最後まで意地をぶつける絵図で幕を閉じました。

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