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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 アビスパ福岡vs徳島ヴォルティス

2020-12-22 16:17:59 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(39節・金沢戦)
※前回の徳島の記事はこちら(39節・水戸戦)

前節、目出度くともに昇格を決定させたチーム同士の対戦となった最終節。
3位・長崎が引き分けに終わるという要素もありましたが、徳島・福岡共に勝利して決定させたのは何よりの事でしょう。

そして優勝決定戦という最高のコンセプトとなったものの、「福岡は7点差以上での勝利」が必須の条件と厳しすぎるもの。
そんな訳で逆転は非現実的であり、何処と無くお互い来季J1で戦う者が激励し合うような感じとなりました。
まあ前年最終節に13対1なんて試合がありましたが

福岡はそれに伴ってか、GKにはプロ初出場となる山ノ井がスタメン出場。
ベンチ外が多くなっていた鈴木惇(既に契約満了が決定済)・城後がベンチ入りするなど、ホーム最終節で情緒に浸る雰囲気を醸し出すようなメンバー選択となりました。
一方の徳島は「勝って優勝を決める」という趣旨のリカルド・ロドリゲス監督の試合前コメントの下、ほぼベストメンバー。
とはいっても故障明けの渡井がベンチに留まり、ベテランの藤田がベンチ外となるなど、激戦を勝ち抜いた末のダメージが感じられるような陣容に。

それでも「あわよくば」逆転を狙うコンセプトだったであろう福岡、序盤から果敢に前線の激しいプレッシングを見せていきます。
前半7分には遠野が深めでパスカット、そのまま石津にパスを送るも繋がらず。
9分にも遠野が深め右サイドでカットしてから、福満のグラウンダーでのクロスが入る(繋がらず)など、積極的に得点を狙う姿勢に福岡のホーム・ベスト電器スタジアムも盛り上がり。

一方の徳島、プレスの激しさを逆手にとりスルーパス攻勢で全盛を狙います。
7分、内田のエリア内右へのスルーパスに岸本が走り込み、シュートするもGK山ノ井がセーブ。
11分には空中で右往左往するボールを岩尾がラフにロングパス、受けた西谷がドリブルで左からカットイン、エリア内へ進入してシュートするもこれもGK山ノ井がセーブ。
初陣となった山ノ井の奮闘に、これまた盛り上がるスタジアム。

福岡はボランチの重廣がパスカットを連発し、良い流れを作っていきます。
徳島が後方でのパスワークから、前へ送った所に殆どの場面で顔を出し、奪う事に成功。
チーム全体でプレッシングを掛けにいく中、非常に巧妙なポジショニングを取れていたようでした。
そして前半16分、ここでも敵陣で重廣のボール奪取から好機。
こぼれたボールを山岸が繋ぎ福満がエリア内へ送り、石津が合わせシュート。
綺麗にゴール右へと突き刺し、早い時間帯で先制した福岡。
「もしかすると……」という期待を抱かせる事に成功します。

18分は左サイドから輪湖がクロス、中央でバウンドしたのち再び石津がシュート。(ブロック)
34分には重廣のパスカットからショートカウンター、遠野のパスを受けた石津がシュート。(GK上福元キャッチ)
36分にも、右サイドで福満のスルーパスにエミル・サロモンソンが走り込み、こぼれ球を福満が走り込んでクロス。
徳島ディフェンスに当たり中央へ落ちた所を、またも石津がボレーシュート(枠外)と、ゴールを決めた事で吹っ切れたのか躍動を魅せる石津。

福岡の決定機を何とか凌ぐ徳島ですが、その反面攻撃は迫力不足に。
福岡ディフェンスの身体能力に手を焼き、シュートに持ち込めず時間を浪費していきます。
垣田がサイドに流れたりなど工夫も見せましたが、流れは変えられず仕舞い。

アディショナルタイム(2分)も最終盤、再び福岡に決定機。
福満の縦パスを重廣が受け、山岸にラストパス。
そしてエリア内に抜け出した山岸、ループシュートを放ちましたがゴール上に外れてしまい追加点はならず。
度々徳島ゴールを脅かしたものの、1-0のまま前半を終えます。

ハーフタイムに徳島は内田→福岡へと交代。
45分単位で最終ラインを代える、今季の徳島の定番パターンを繰り出し後半へ挑みました。

福岡は石津が痛み、徳島は岩尾が痛むという入り(両者ともに無事)を経て、徳島が反撃体制を取る立ち上がり。
後半5分、小西が岸本とのパス交換ののちエリア内左へとロングパス、これを収めた西谷がシュートするも枠を捉えられず。
以降も好機を作りますが、フィニッシュはこのシーンぐらい。

10分過ぎから福岡のターンへと移り、13分には左サイドで浮き球から巧く組み立て、山岸が中央へとパス。
そして走り込んだ重廣がミドルシュートを放ちますが、GK上福元のセーブに阻まれます。
直後に福岡は2枚替え、石津・福満→増山・木戸へと交代。
サイドハーフを一気に代えた辺り、得点を重ねるべく前半頭からハイプレスを敢行し続けたという事が伺えます。
一方徳島も、14分に鈴木徳真→渡井へと交代。

16分にまたも福岡が決定機、右サイドでサロモンソンのパスカットから、重廣がエリア内へパスを出し遠野が混戦の中シュート。
ブロックされこぼれたボールを重廣がシュート、GK上福元を弾いたボールはゴールバーに当たって跳ね返り。
またも追加点を奪えずと、良い攻撃を見せるもののゴールに結び付かない福岡。
逆転優勝の芽は生まれないまま、時間は刻々と進んでいきます。

その後は決定機逸の反動か、ペースダウンした感の福岡。
飲水タイム(23分)前後は、お互い反則によるフリーキックの好機を得るも、頻繁に試合が止まった事でペースダウンに拍車を掛ける結果となりました。
そんな閉塞感を打破しようと、徳島は途中出場の渡井がドリブルで仕掛けるシーンを頻発させますが、福岡の堅守は中々崩せません。
(29分に垣田・浜下→河田・清武に交代)

スコアが動かないまま30分を過ぎると、福岡は選手交代。(32分)
GKを代えるという手法を取り、山ノ井はここでお役御免となります。(杉山が出場)
普段は行われない、アクシデント以外でのGKの交代に、情緒的な雰囲気が一層強まった感があり。
以降その隙を突かんとする徳島のペースとなり、33分には清武の右からのクロスを河田がバイシクルシュート(枠外)、34分には河田のスルーパスから清武がループ気味にシュート(枠外)と攻め立てます。

しかし既に逆転の望みは限りなく薄くなり、優勝が決まる寸前な以上、内容はもはや無関係なものとなっていたかもしれません。
尚も福岡ベンチは、39分に山岸・遠野→城後・鈴木惇へと交代。
福岡のキング・城後と、福岡でのラストゲームに挑む鈴木惇の存在で、情緒感はほぼ全方位で頂点に達した事でしょう。

ここからは鈴木惇(いつものボランチでは無く、左SHに入る)が最後の雄姿を見せる展開に。
40分に左サイドからの輪湖のクロスにヘディングシュートを放った(枠外)のち、43分はエリアからすぐ手前で城後のポストプレイを受けた木戸が、徳島・ジエゴに倒されて反則。(ジエゴに警告)
絶好の位置で直接FKを得ると、キッカーの位置に居る鈴木惇に対し、前がキャプテンマークを譲るという一幕が。
感動もののシーンの中放たれた鈴木惇のシュートでしたが、壁を直撃してモノに出来ず。

ATに突入すると、今度は徳島が面白いシーンを作ります。
コーナーキックを得て最後の攻勢、という所でGK上福元も前線に加わります。
この試合上では納得できる動きでも、奇しくも「点を獲らなくても良い側が何が何でも得点を取る」姿勢を見せる事となりますが、さらに可笑しかったのは2本目のCK。
クリアされた後も上福元は下がらずに、後方で徳島選手がパスを回す中チャンスを伺うという姿勢を取っていました。
失点しても痛手で無い場面なので、流石は2年前に決勝点に繋がるヘディングを放った男、攻めっ気が出っぱなしなようで面白かったです。

結局1-0のまま試合終了。
福岡が勝利となり勝ち点で徳島に並んだものの、得失点差12の差で徳島の1位が確定。
J2優勝のシャーレを掲げたのは徳島という結果になりました。

早期に優勝チームが決まったJ1・J3とは違い、最も時間を要したリーグとなりましたが、長く苦しい戦いも終焉。
J1昇格という最高の結果に収束出来たこの試合の両クラブ、来季は一層厳しい戦いが待っていると思われますが、オフの間に鋭気を養い挑んでもらいたいものです。徳島の方はまだ天皇杯がありますが

コメント
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