ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 レノファ山口FCvsモンテディオ山形

2020-12-24 18:42:27 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の山口の記事はこちら(38節・甲府戦)
※前回の山形の記事はこちら(36節・金沢戦)

既に霜田正浩監督の退任が決定している山口。
テールエンドをひた走っているチーム状況ですが、39節(北九州戦)・41節(新潟戦)と勝利した事で、21位の愛媛と勝ち点1差という状況に。
勝利して抜き去り、何とか最後に一矢報いたいという最終戦となりました。

JFAの役員として、日本代表の監督招集でも重要な役割を果たしてきた霜田氏。
監督というポジションに一定の理解がある人物故、JFAを離れた後は何処かのクラブの監督に就く事は必然だったかもしれません。
初年度となった2018年は一桁順位を達成(8位)と結果を出しましたが、如何せん主力選手が次々と移籍してしまうクラブの土台故、継続させる事が出来ず。
「若手を育てて売る」というクラブの方針はハッキリしているものの、特別指定・2種登録の選手をレギュラーに組み込まざるを得なくなった今季、やりすぎという感があり。
過密日程という要素も加わり、想像を絶する厳しいシーズンとなってしまった事でしょう。

この日も特別指定である梅木が1トップを務めるというスタメン。
高井がトップ下を務める4-2-3-1のフォーメーションで、有終の美を飾らんとした山口。
立ち上がりは何度か好機を作るもフィニッシュには持ち込めずにいると、主導権は山形へと完全に傾きます。

最終ラインでのビルドアップから、早いパスによる鋭いサイド攻撃を繰り出すというのが今季の山形のイメージ。
しかしこの日は中央での攻撃も繰り出し、山口ディフェンスを翻弄していきます。
前半7分、左サイドで野田のパスを受けた中村駿、中央へと向かうドリブルを見せたのちにスルーパス。
ヴィニシウス・アラウージョに渡りシュートするも、オフサイドに。
13分には左サイドで小野田のパスカットから、南がエリア内へとロングパスを送った所に前川が走り込み。
するとGK林が飛び出して両者交錯、倒れた前川ですが笛は吹かれず。
完全にPKかと思われましたが、命拾いした山口。

ここから山口が押し返し、セットプレーに繋げる事で攻勢に。
18分にはコーナーキックから、キッカー池上のクロスに梅木が合わせヘディングシュート。(枠外)
それでもシュートはこの場面ぐらいとなり、共に良い時間帯が生まれるも得点の無いまま飲水タイムへ。(24分)

再開後は次第にチーム力の差が現れる格好となったか、山形が押し気味に。
28分、右サイド奥でのスローインからボールを繋ぎ、ペナルティアークからで前川がシュートするもGK林がセーブ。
尚も中村駿が詰めにいきましたが、GK林が距離を詰めてブロックし何とか防ぎます。

その後も主導権を握り、何度もシュートシーンを作っていく山形。
山口と異なり、戦術の落とし込みに成功し完成に近づきつつあるチームという感じであり、来季への期待感を持たせる試合を演じます。

石丸清隆監督の下、尻上がりなシーズンを送った今季の山形。
従来のシステムとの葛藤に苦しんだ前半戦を経て、折り返した後は16勝のうち11勝を挙げる好成績で上位に喰い込みを見せました。
「これが最初から出来ていれば……」と思ったりもしますが、長いシーズンに試行錯誤は付き物でもあり。
イレギュラーなシーズンで過密日程の中、むしろ良くここまで新システムを落とし込んだといえるでしょう。
道中に山岸の福岡移籍という要素も襲いましたが、逆に山岸の抜けた事で活性化が齎された側面もあり。
万能型な1トップ・ヴィニシウスを中心に、流動的な攻撃を展開するに至らせました。

果たしてこの流れを来季に持ち越せるか。
来季もプレーオフは行われず、昇格枠は2のままで決定するという厳しい戦いが待ち受けていますが、それに喰い込む事は出来るか。
気が早くもありますが、オフでの上積みが待ち遠しくなってきました。

かくして山形ペースで試合が進みましたが、アディショナルタイムの最後に山口も、CKから楠本の強烈なヘディングシュートが生まれ(枠外)て前半終了。

両サイドとも交代は無く後半を迎え、立ち上がりは一進一退。
前半は後手に回った山口も、後半は最終ラインからのビルドアップを下地とした攻撃を見せます。
後半7分、右サイドで攻め込んだのち最終ラインまで戻され、高・ヘナンのドイスボランチを経て左サイドへとチェンジ。
そして田中パウロ淳一からスルーパスが供給されると、安在が走り込みますが山形・渡辺に倒されて受けられず、反則も無く。

以降一旦は山形ペースになるも、15分頃から再び山口が主体的に攻撃。
主に左サイドで、安在・パウロを仕掛けさせつつ人数を掛けて攻め込むも、フィニッシュにまで持ち込めず。
形は作りますが得点の芽は生まれない展開に、ベンチも交代の準備に入ります。

しかしその矢先である21分の山形の攻撃でした。
右サイド手前から渡邊のクロスが上がるも、ファーサイドで受けた加藤は一旦戻し、ボランチ(中村駿と南)を経由して再び右サイドへ送られると山田拓巳から再度クロス。
今度は低いボールがニアサイドへ入り、ヴィニシウスが合わせてシュート。
綺麗に突き刺さり、クオリティの高さ溢れるゴールとなりました。

その直後に2枚替えという形となった山口(パウロ・池上→小松・清永)、悔やまれる失点となりました。
両サイドハーフを代えると共に、高井が上がり目となって4-4-2の形へとシフト。

飲水タイムが挟まれた(25分)のち、ようやく山口は反撃体制に。
28分、高縦パス→高井受けて左サイドへ→安在クロスという流れから、ファーサイドで清永が合わせシュートするも枠を捉えられず。
既に契約満了が発表されていた清永、これを決めていれば感動の送別ゴールとなっていただけに、再び悔やまれる場面となった山口サイド。

山形の攻撃は止まず、31分にはスローインの流れから、山田拓が右奥からカットインののちグラウンダーでクロス。
これを中央で前川が合わせましたが、こちらも枠を捉えられず。
おまけにこのプレーで山田拓が足を攣らせてしまう事態ともなってしまいました。
(33分に山田拓・ヴィニシウス→三鬼・大槻へと交代)

攻め合いの様相となる中、山口は35分に梅木→河野へと交代。
山形は40分に再び2枚替え、前川・加藤→小松・中村充孝へと交代。(南がボランチ→トップ下へシフト)
双方交代策を交えた結果、終盤は再び山形有利の運びとなりました。

シーズンも終盤、山形のボランチ事情は厳しくなり、この日のように南をボランチに起用して凌ぐといった事も数多。
変えの利かない中村駿も離脱期間を作ってしまうという具合に、コンディションによる押し引きの判断の難しさが一層際立っている今シーズン。
攻撃的な南の後方で、バランスを取るような役割を演じていたこの日の中村駿。

果たして交代策を経て、前目になった南効果かそれとも単に運動量が補填されたのかは不明ですが、攻撃権を支配していく山形。
44分にCKを得ると、キッカー三鬼のニアサイドへのクロスを小松がスルー、中央で野田がトラップしたこぼれ球を大槻がシュート。
追加点を奪い、試合を決定付ける事に成功しました。

2点差でATへと突入し、反撃したい山口を尻目に、最後の選手交代(小野田→末吉)も使いつつ逃げ切りを目指す山形。
最後の山口の攻撃、菊地の右へのロングパスから、受けた川井からクロスが上がるもGK藤嶋が抑えてフィニッシュまで行けず。
その後試合終了の時を迎え、0-2で山形の勝利という結果に。
山口の最下位脱出はならずシーズンを終える事となりました。

シーズンを終え、来季の新監督には渡邉晋氏を迎える事となった山口。
仙台で試行錯誤を重ねつつ、J1残留を果たしてきた戦術家タイプの監督ですが、果たして仙台以上にヘビーなクラブで手腕は発揮できるのか。まあ現在仙台もとてもヘビーな状況となっているのですが
来季における注目の要素が増えましたが、現実的には残留争いとなるであろう戦いを乗り切る事は出来るでしょうか。

コメント
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