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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 V・ファーレン長崎vsツエーゲン金沢

2020-12-30 17:05:58 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(40節・ヴェルディ戦)
※前回の金沢の記事はこちら(39節・福岡戦)

最後まで徳島・福岡に喰らい付かんとした3位の長崎。
しかし前節(甲府戦)でついに力尽き、1-1の引き分けに終わり昇格の望みは絶たれてしまいました。

それに合わせるかのように、手倉森誠監督の退任発表が。
昇格を託されたものの、果たせなかった者の典型的な末路となってしまいましたが、次の働き場は内定しつつあるようで何よりです。
この日は主力のカイオ・セザールと、昇格への切り札として途中入団したエジガル・ジュニオがベンチ外。
引退表明をしている徳永がベンチ外だった代わりに、彼ら2人の不在が逆に最終節という雰囲気を醸し出していました。
そうした「昇格を狙った選手編成」的に、果たしてオフを通してどれだけの選手が流出してしまうのか、まだ早いですが気になる所ではあります。

試合が始まり、いつものように2センターバックと、降りて来る秋野の3枚の最終ラインでビルドアップを行う長崎。
その間隙を突くように前半3分、金沢・島津が高い位置でのパスカットから、エリア手前右からミドルシュートを放ち先制攻撃。(GK徳重キャッチ)

ボールを握って攻める長崎と、早い攻めを行いたい金沢という図式。
しかし最近の金沢は、最終ラインではきちんとしたビルドアップの形を採る事が多くあり。
2CBとドイスボランチのボックス型を基本に、藤村・大橋のボランチ2人の距離感を非常に大事にしての組み立てを行っている印象です。
この日も藤村と大橋は、大きく距離を開けてパスコースを作ったり、サイドに開いてスルーパスを送る体勢を作ったりと微調整を繰り返し。
それでもサイド攻撃中心で、もう少し展開力があれば……という内容。

そんな訳で、何処と無くポゼッションのし合いにも見えた前半戦。
そうなると、クオリティに一日の長がある長崎が押し気味となります。
10分の決定機は、敵陣左サイドでルアンが拾ってから、米田→富樫と繋いで富樫がエリア内左からシュート(GK白井足でセーブ)とショートカウンター気味。
しかし12分は長いパス回しを経て、右サイドで名倉が富樫とのワンツーでエリア内へ進入して時間を作り、毎熊がクロス。
ブロックされるもエリア内で名倉が拾い、ルアンのポストプレイから磯村がシュートしますがゴール上へ外れてしまいます。

攻撃機会はほぼ互角ながら、長崎がフィニッシュに結び付けるシーンが目立ち、飲水タイムを挟んでも(23分)それは変わらず。
サイドアタックを中心とする金沢ですが、この日はホドルフォ・島津の両サイドハーフがあまり目立たず。
そのため山根のスピードを活かしての攻撃も交え、30分には大橋の裏へのロングパスを受けた山根、エリア内右へ進入して細かいフェイントからマイナスのクロスを入れるもGK徳重が足でブロック。

一方の長崎は相変わらず好機を量産。
36分には左サイドで氣田・米田が組み立てたのち、氣田のサイドチェンジを受けた毎熊がシュート気味にクロスを入れるもGK白井がセーブ。
その直後にもこぼれ球を敵陣で秋野が拾ったのち、氣田がミドルシュートを放つもGK白井がこれもセーブ、ルアンに詰められますが白井が撃たれる前に抑えます。

そして39分、毎熊の縦パスを富樫が受けるもこぼされ、ルアンが拾いドリブル。
そのままエリア内右へと進入しシュートを放ち、今度はGK白井も防げずにゴール。
シュート数の多さを結果に結び付けた長崎。

尚も43分に敵陣で磯村のカットから攻撃を展開、ルアン→毎熊エリア内右へスルーパス→富樫と渡り、富樫のマイナスのクロスをGK白井がセーブ。
こぼれ球をルアンが拾いシュートしますが、またもGK白井がセーブして防ぎます。
長崎の好機の多さに白井が大忙しという前半。
金沢はアディショナルタイムに、ようやくホドルフォがシュート(ブロック)する場面を作りましたが、手数で後れを取るという印象は拭えずに前半を終えます。

先日に柳下正明監督の続投が決定し、とうとう5年目を迎える来季。
これまで最長でも新潟時代の3年半という監督業の柳下氏、金沢というクラブとの相性が元来ピッタリだったのか、はたまた心境の変化があったのか。

今までの柳下氏の経歴は、好成績でもあっさりとそのクラブから離れる事が多かった。
磐田で監督業をスタートさせたのが2003年ですが、フロントとの方針の食い違いもあり自発的に一年で退任。
翌年から当時J2の底辺にあった札幌で3年間腕を奮いましたが、昇格には一歩及ばずに退任。
以降(2度目の磐田~新潟)も大体3年というのを一区切りにする監督業でした。

今季は主力選手が大幅に移籍してしまい、前年から順位を落とす(現状17位)成績を強いられたシーズンとなりました。
それでも翌年に挑む事を決意した柳下氏、既に監督業もベテランの域であり、金沢に骨をうずめるという選択をしても不思議ではありません。
果たして今季起用した若手・新人選手を一人前にし、チームを成熟させるという戦いはなるでしょうか。

後半が始まり、その前に長崎は2枚替えを敢行。(米田・角田→加藤大・庄司、磯村が左サイドバックへシフト)
長崎のポゼッションでの入りから、前半と変わらぬ試合の流れへ。
後半7分の金沢はここでも山根を活かし、島津のスルーパスを受け、エリア内右へと進入しクロス気味のシュートを放った山根。
しかしゴール左へと外れてモノに出来ず。
直後に金沢ベンチが動き、島津→大石へと交代。(8分)
すると以降、右サイドで大石を活かす攻撃を展開する金沢。
スルーパスに大石が走り込み、グラウンダーでクロスを入れるというパターンを見せていきます。

12分過ぎから再び長崎のペースになるも、シュートは放てず。
17分の金沢、クリアボールを拾った山根が中央をドリブルし、エリア手前からシュート。(ブロック→エリア内で加藤陸次樹が拾うもオフサイド)
山根・大石と2つの橋頭堡が出来上がったような金沢の攻撃。
20分には大橋の裏へのロングパスを、大石が右サイドで受けてクロス。
クリアされてコーナーキックとなり、その2本目でした。
キッカー藤村のクロスはクリアされるも、ホドルフォがヘッドでエリア内へ送ると、相手のクリアミスもあり大石が浮き球に足で合わせシュート。
ボールはゴールに吸い込まれるも、一旦はオフサイドの判定に。
しかし長崎・庄司が残っていたとして、金沢サイドの抗議を受けた審判団、協議の結果判定取り下げでゴールが認められ。
後半の攻撃を活性化させた大石、自ら得点を挙げる活躍で同点となりました。

これで一気にムードも上がり、攻め上がる金沢。
この日これまで脇役に徹していた感のあった加藤陸(開いてボールを受ける事が多かった)もここから躍動し、23分には藤村縦パス→山根ポストプレイを経てボールを受けた加藤陸、シュートを放つも枠を捉えられず。
飲水タイム後の26分、高安のスルーパスに走り込んだ大石のマイナスのクロスから、ヒールで合わせた加藤陸。
これがブロックされ、こぼれ球を再度シュートしますがこれもブロックに阻まれます。
29分には廣井のボール奪取から、縦パスを受けた山根がエリア内に進入してシュートしますが、これもゴール右に外れて勝ち越しならず。

一方押され気味となった長崎、既に富樫と交代で出場していた玉田(15分)を中心に反撃体制へ。
33分には右サイドでパスを繋ぎ攻撃を展開する長崎、ルアンの中央へのパスを秋野が2タッチでポストプレイ、受けた玉田がペナルティアークからシュート。
当たっているGK白井を抜くも、左ゴールポストを直撃してしまいモノに出来ず。

何度も攻撃権が切り替わるオープンな展開で終盤を迎え、ベンチも動きを見せていきます。
34分の金沢、ホドルフォ→本塚へと交代。
39分には長崎、名倉→大竹へと交代。
40分には金沢が2枚替え、加藤陸・山根→杉浦恭平・杉浦力斗へ交代。
43分には長崎、ルアン→新里へと交代。(新里はこれが今季初出場)

37節・徳島戦以来の「杉浦2トップ」となった金沢。
41分にはその2人が左サイドで攻撃に加わり、杉浦恭のクロスがブロックされ、こぼれ球を本塚がポストプレイののち藤村が走り込んでシュート。(枠外)
しかし加藤陸・山根が退いたためか、次第に勢いも萎み気味に。

そして長崎の攻撃となり、迎えた45分。
左サイドから磯村がドリブルからグラウンダーでクロス、玉田が合わせにいくもディフェンスに遭い、エリア内左にこぼれ球が転がり。
これを拾いにいった磯村、金沢・高安が伸ばした足に引っ掛かって倒れると、審判の反則・PKを告げる笛が鳴り響きます。
土壇場でPKという好機を得た長崎、キッカーは磯村が務めます。
プレッシャーもひとしおの場面でしたが、臆する事無くゴール右上へと蹴り込んだ磯村、GK白井の伸ばす手も届かずゴール。
劇的な勝ち越しに、ピッチサイドの手倉森監督も笑顔を見せます。

時間も既にATで反撃に出たい金沢、CKから杉浦力のヘディングシュートが生まれるも枠を捉えられず。
そして最後の攻撃は長崎が得ると、左サイド奥で新里が拾い、秋野がグラウンダーでクロス。
ニアサイドで玉田が合わせにいき、触れたかかどうか微妙となったもののそのままゴール左へとボールは吸い込まれてゴール。
ダメ押し点が生まれると共に、試合終了を告げるホイッスルが。
秋野の得点かと思われましたが記録上は玉田の得点となり、最後の最後で秋野の今季初ゴールは幻となる、面白いシーンで幕を閉じました。

意地を見せた長崎ですが、来季はどんなチームになるのかは全く判らず。
初のJ1を経験したのが2年前と記憶は未だ新しいですが、このままJ2定着コースとなるのは何としても避けたい所でしょう。

コメント
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