ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J2リーグ第11節 藤枝MYFCvsベガルタ仙台

2023-04-25 16:00:38 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(7節・町田戦、0-1)
※前回の仙台の記事はこちら(7節・長崎戦、0-1)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • GK岡西の故障が発表され、4/6に診断した結果全治4週間との事。
  • 来季加入が内定した前田が特別指定選手に。

<仙台スタメン>

  • yahooスポーツナビによると、前節とはセンターバック2人が左右逆。
  • 小出が累積警告により出場停止。
  • 7節で負傷交代した郷家は、その後も影響無く出場を重ねている。
  • 同じく7節で負傷交代した遠藤の詳細が発表され、全治4週間との事。

連勝で白星の方を先行させた藤枝。
力の差を見せ付けられた町田戦以降は、大量得点を果たすポリシー通りのサッカーで結果も残しており。

何といっても注目選手は、目下得点ランキングトップの渡邉(8得点)であり、彼が得点した試合は全勝とチームの成績にも直結。
逆に言えば得点出来ない日は……という状況(1分4敗)ですが、J2初年度でまだ10試合経過の段階なので、今後これは表裏一体となる事でしょう。
つまり相手に「彼(渡邉)を封じても、その他の選手に得点を許して敗戦」という爆弾を抱えさせている風でもあり。
周囲のメンバーも横山・久保・榎本と攻撃力満載な人材が控えている訳で、「超攻撃エンターテイメントサッカー」の下地は顕在。

そんな魅力に溢れ、ただしJ2初年度であるが故に、「負けられない、しかし厳しい戦いとなる」という要素も突き付けられる対戦相手。
この日のそれは仙台となりました。
遠藤の故障もあり、前回観た時からかなりメンバーを弄ってきたという印象。
中島がFWに入っている事もあり、2トップというよりは彼をセカンドトップとした4-4-1-1の布陣を想像しましたが、その辺はあくまで流動的にこなし。

前半2分、右サイドからの菅田の縦パスをその中島がポストプレイで繋いだのち中央から前進。
鎌田がドリブル突破から果敢にミドルシュートを放っていき、左ゴールポストを直撃といきなりゴールを脅かす入りを見せます。
この中島の流動性を軸としてゲームを支配したい仙台ですが、流動性という要素では藤枝のお手の物であり。
3分にクロスの跳ね返りを繋がんとした渡邉が鎌田に反則を受け、エリアからすぐ手前で直接フリーキックを得た藤枝。
ほぼ中央という位置から、キッカー横山が放った直接シュートは壁を掠めてゴール上へ外れと、こちらも惜しいフィニッシュ。

その後は藤枝の独壇場、というような展開に。
GKを利用したビルドアップでキープ力を高めつつ、ボランチの位置に降りる横山を利用して他選手を押し上げるやり口が主流。
その横山自身もドリブル突破を図る意欲は旺盛と、何処からでも推進が出来る攻撃で仙台サイドを押し込んでいきます。

仙台はボールを持った際も藤枝のプレッシングを受け、攻守両面で押し込まれる展開。
13分にはバックパスを受けようとしたGK林がプレッシングを受けた事で、何処にも蹴り出せずゴールラインを割るのを許してしまい藤枝のコーナーキックに。
その右CKから、キッカー久保のクロスを川島が胸で落としたボールを奪った仙台。
しかしカウンターに持ち込まんとした所を(榎本が)奪い返す藤枝、素早いパス回しを経て久保が右ポケットを突いてシュート。(ブロック)
状況が状況故にカウンターに頼らざるを得ないですが、それによりトランジションの連続という絵図になってしまえば目も当てられない、という仙台。

それでも18分に藤枝をアクシデントが襲い、岩渕が足を痛めてしまい続行不可能となり。
担架で運ばれた末に、早くも平尾との交代を余儀なくされました。

これで勢いを失ったか、パスのズレが目立つようになった藤枝。
24分に仙台はそのパスミスを菅田がダイレクトで縦パスを送り、そのまま素早く前進させましたが、山田の中山へのスルーパスは惜しくもオフサイド。

藤枝の守備時は、3-4-2-1の基本とするべき5-4-1・5-2-3というよりは、ボールサイドのウイングバックが前目に位置するためそれに当て嵌まらず。
そして左右のセンターバックが、サイドバックのようにWBが前に出た穴を埋めるという具合に、ほぼ4バックのような印象を残します。
いかにも前への意識が強い藤枝らしい守備で、弱点もあるようなやり口ですが、この日の仙台はその積極性を受けてビルドアップは中々苦戦気味。

主体的な攻撃では明らかに分があった前半の藤枝、その流れのうちに先制点を取りたい展開に。
それでも35分、榎本が左サイドからドリブルで切り裂き、左ポケット奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで渡邉がフリックで奥へ託すも、久保は合わせきれずゴール上へと外れ。
決定機を作っても、決められなければその分プレッシャーに晒される事となり。
懸念を振り払うべく奮闘するのが渡邉で、フィニッシャー・ポストワークのみならずドリブルで運ぶシーンもこの日は目立ちます。
36分に下がってのボールキープから中央をドリブルで進む渡邉、エリア手前で内田に倒されるも、倒れながら尚もボールを繋ぎ。(シュートまではいけず)

次第に仙台も好機を生み出せる流れとなる終盤戦。
44分に菅田のミドルパスを受けた郷家が右サイドをドリブル、そのままクロスを入れるとニアサイドで山田が跳び込んでヘディングシュート。(枠外)
まさに「押し気味ながらも得点出来ずにいる懸念」がチラつく状況でしたが、その直後の45分でした。
GK北村が最終ライン裏へロングフィードを送ると、走り込む平尾の前でクリアされるも、その際に後ろに下がってヘッドしたキムテヒョンが前に出たGK林と被ってしまう事態に。
跳ね返りを渡邉が判断良くダイレクトシュートに持ち込み、これがゴールネットを揺らします。
仙台サイドのミスながらも、それをキッチリ突いたのはやはりポイントゲッターたるこの男、というような渡邉のゴール。

そのまま突入したアディショナルタイム、仙台はFKを得ての放り込みから藤枝ゴール前で攻めを展開するも、結局はラフな蹴り合いに終始。
1-0のまま前半を終える事となりました。

共に交代無く迎えた後半戦。
巻き返したい仙台サイドもハーフタイムでは動かず、まずは戦局を観る事を優先します。

スコアを動かした勢いを持って攻め上がる藤枝。
敵陣でパスワークを展開し、ディフェンスで途切れたのちもすかさずゲーゲンプレスで脱出させず連続攻撃に持ち込み。
「見」に回った仙台はそれを切る余裕は無く。

そして後半4分、右サイドでの作りから、水野の対角線の縦パスを受けた榎本が左ポケットへ切り込んでシュート。
これをGK林がセーブと、何とか防いだ仙台でしたが、フィニッシュを放った事で試合絵図が動き始めたでしょうか。
直後にカウンターに持ち込む事に成功する仙台、左サイドで山田寛がドリブルで切り込み、そのまま左ポケットを突いてシュート。
GK北村がセーブするも、跳ね返りが郷家の前へ転がり、後は詰めるだけという状況に。
たまらず戻ってきた榎本がクリアして凌ぎましたが、これにより郷家のチャージを受けてバランスを崩した榎本、そのままゴールポストに激突してしまう顔面蒼白もののシーンが。(郷家が反則・警告)

何とか2分近く掛けて起き上がる榎本、プレーを続行するものの、これによりチーム全体勢いが削がれたかのようにその後失速する藤枝。
再びパスミスが目立ち好機を生み出せず、という流れに突入します。
それを突きたい仙台、9分にはその藤枝のパスミスを繋いで前進していき、左ポケットで氣田が持つ絶好機。
しかしカットインから放たれたシュートは川島のブロックに阻まれます。

HTで交代を見送った分、何処で勝負手を打つのか図り易かったと思われる仙台・伊藤彰監督。
藤枝の退潮が明らかとなったタイミングで、一気に3枚替えを敢行します。(15分)
山田寛・中島・氣田に代え、中山・相良・加藤を投入。
中山の1トップとする事で明確にトップ下を置いた4-2-3-1の布陣へとシフトし、2列目は右から加藤・郷家・相良。
そして最終ラインからのビルドアップで攻撃を組み立てるという具合に、自身のターンに持ち込む仙台。

迎えた18分、キムテヒョンの左サイドへの展開から、パスワークで選手を密集させた末に相良がドリブルで抜け出し。
集中から展開、といった攻撃を経て入れられたクロスから、ニアサイドで中山が合わせたシュートがGK北村のニアサイドを抜いてゴールイン。
流れと采配を融合させた、同点ゴールが生まれました。

尚も20分、郷家のドリブルで敵陣に運ぶなど流れに乗って攻めを展開する仙台。
その攻撃による右スローインから、同サイドに人数を掛けて繋ぎ、加藤が横山のディフェンスで倒れながらもボールキープ。
そして受け渡されたエヴェルトンがエリア内へスルーパスを送ると、際どい繋ぎとなったのがかえって幸いしたか、反応が遅れた藤枝ディフェンスの裏を取った郷家がシュート。
ループシュートでGK北村を抜いた結果、逆転ゴールとなります。
こうして僅か3分でリードを得た仙台。

一方急転直下となり、余裕も無くなる藤枝。
22分には連続失点による動揺からかGK北村がフィードをミス、短くなった所を中山がカット。
そして拾った郷家がミドルシュート(GK北村キャッチ)と、今度は藤枝が目も当てられない、という危惧に晒されるかのような展開に。
何とかそれを振り払い、24分に榎本のスルーパスを受けた渡邉が左ポケットを急襲。
そしてその勢いのままシュートしますが、カーブが掛かった結果ゴール右へと外れ。
運気もこの日は先制点で無くなったか、既に渡邉に頼れない状況となります。

ゴールに向かう勢いを取り戻したい藤枝、28分に小笠原・水野→久富・矢村へと2枚替え。
これで横山がボランチに……というお決まりの流れと思われましたが、以降横山は殆ど上がりっぱなしで攻めに加わり続け。
逆に平尾が試合から消えるかのように目立たなくなったため、平尾をボランチとしたのかもしれません。

横山を推進させて打開を図る藤枝。
32分、中央で縦パスを受けた渡邉が鎌田に潰されて奪われるも、すかさず川島が奪回して攻撃継続。
そして横山が左奥を突いてマイナスのクロスを入れ、最後は久保がニアサイドで合わせたもののシュートは枠を捉えられず。
冒頭で述べたような、渡邉を繋ぎ役としつつ、他の選手で決めなければならないという流れが出来始めたでしょうか。
それに伴うようにフォーメーションも、渡邉がシャドーの位置を取り始め、矢村の1トップといった状態に。
37分に平尾をインアウトさせ(といっても62分出場ですが)アンデルソンを投入と、采配面も思い切った決断を敢行します。

一方リードする仙台は、33分に郷家→蜂須賀へと交代。
これでWBを置いた(右=蜂須賀・左=内田)3-4-2-1へシフトと、終盤を迎えた際には5バックシステムで守り切るという体勢に。
さらに40分に鎌田→松下と、守備的な選手の投入で逃げ切りを図ります。

しかし直後の41分。
ロングパスの跳ね返りを仙台がパスミスし、すかさず拾った渡邉がドリブルで持ち上がったのち右へと展開。
受けた久保が右ポケットを突くと、放たれたシュートが豪快に左サイドネットに突き刺さり。
この日の渡邉の変節が見事に報われた格好となり、同点に追い付いた藤枝。

喜びも束の間、仙台は直後のキックオフからの攻撃で、右サイドからの加藤のクロスに持ち込み。
これをファーサイドでフリーで相良が収める絶好機となるも、シュートは久保が何とかブロックで防ぎます。

冷や汗もののシーンとなり、締め直す藤枝。
44分にミドルパスを中央へと託す久保、それを受けた榎本がワントラップで左ポケットを突き。
そして奥からクロスが上がると、ファーサイドで横山のダイビングヘッドが炸裂しますが、GK林がファインセーブで防ぎ。
攻めも攻めたり守りも守ったり、というシーンを経てATへ突入します。

最終盤で既に各個の推進力に頼り辛い事もあり、右サイドでは久富が高い位置を取る藤枝。
攻撃もパワープレイめいたものへと移っていきますが、最後はそれが決定打となります。
鈴木の対角線のロングパスを久富がエリア内へ落とすと、収めてシュートに持ち込んだのは矢村。
右寄りの角度の少ない位置からのシュートでしたが、見事にゴールマウスを捉えてネットに突き刺さり。
土壇場での勝ち越しゴールに、ゴール裏サポーターの前で歓喜の輪を作ります。

一方逃げ切れずとなった仙台、最後の意地とばかりに残り時間で攻め上がり。
菅田を上げてのパワープレイによる攻撃から、右サイドから蜂須賀のクロスが上がると、ファーサイドで相良が収め。
先程と酷似した決定機が出来上がりますが、相良のシュートはゴール左へ外れて惜しくも同点ならず。
藤枝にとってはまさに肝を冷やすといった場面でしたが、その直後に試合終了の笛が鳴り、無事に勝利に辿り着きました。

勝敗(6勝1分4敗)もさる事ながら、これで得点数はリーグトップの21。(11試合)
勝利した試合は全て複数得点と、そのスタイルの有言実行ぶりを示しているのが気持ちいい藤枝のサッカー。
この無垢ともいえる状態は何時まで継続できるのか、興味が尽きない前半戦となりそうです。


Jリーグランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする