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DAZN観戦 2023年J2リーグ第30節 ブラウブリッツ秋田vs東京ヴェルディ

2023-08-17 16:01:00 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(27節・山口戦、2-1)
※前回のヴェルディの記事はこちら(24節・長崎戦、1-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 松本ケンチザンガ(駒沢大)の来季加入が決定し、同時に特別指定選手となり今節から登録。

<ヴェルディスタメン>

  • 中原がJ1・セレッソからレンタルで加入し、27節(仙台戦、4-3)から登録されて毎試合スタメン出場。
  • バスケス・バイロンが(町田へ)完全移籍となり、26節(徳島戦、0-0)をもって登録抹消。
  • マリオ・エンゲルスが契約解除となり、27節をもって登録抹消。
  • 加藤弘堅が(J3・長野へ)完全移籍となり、28節(水戸戦、0-0)をもって登録抹消。
  • 杉本が(群馬へ)レンタル移籍となり(以下同文)
  • 橋本が(J3・YS横浜へ)育成型レンタル移籍となり、29節(清水戦、0-1)をもって登録抹消。
  • 阪野が(J3・今治へ)完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 谷口の故障が発表され、25節・町田戦(2-2)で発生して全治4~6週間との事。
  • 林の故障が発表され、28節に発生して全治6週間との事。
  • 来季加入が内定している食野(京都産業大)が特別指定となり、今節から登録。
  • ユース所属の山本が2種登録となり、今節から登録。
  • 山田剛がプロA契約を締結。

試合前のインタビューからも推測されるように、ヴェルディ・城福浩監督の、秋田のサッカースタイルに対する警戒心は並々ならぬものがあり。
前半戦こそ勝利した(2-1)ものの、果たして主力選手の入れ替わりを経て挑む事となった後半の同カードも、同じように勝利できるかどうかが注目されました。

ここからは勝手な予想となりますが、恐らく前年初めて秋田と戦った際の敗戦(36節、0-1)が、城福氏の脳内に強烈にインプットされていたと思われます。
フィジカルの強度を存分に生かしたスタイルに難儀しただけでなく、主力選手だった杉本の負傷退場にも見舞われ。(その際に城福氏が発した「信じられないよ!」という異議が今でも印象に残る)
そんな秋田のスタイルに屈する事無く、強靭なチームへと変貌した今季のヴェルディ。
その秋田から千田を移籍加入させたのみならず、生え抜きのメンバーにも稲見・綱島・佐川・山田剛とフィジカル面に特徴ある選手を戦力に仕立て上げ。

かくしてパワーサッカーの趣が年々強まっているJ2において、昇格争いの片翼を担う戦いを繰り広げているヴェルディ。
それでも自動昇格圏から押し出され、再びその中に入るための試金石となった感のあるこの日の秋田戦。

立ち上がりに秋田の攻撃でロングスローには持ち込ませなかったものの、前半2分で秋田の自陣からのフリーキック、GK圍のロングフィードを防ぐもコーナーキックを献上。(そこからニアにクロス→フリックを経て齋藤恵がヘディングシュートも枠外)
つまりは秋田に普段通りの戦いを許す入りとなりましたが、この日のヴェルディはロングボール攻勢への対策にウェイトが置かれ。
即ち、秋田がこぼれ球を回収したり最終ラインで攻撃を切った際に、前線がキッチリ寄せる事でロングパス自体を抑制する立ち回りを貫きます。

得意手を一つ封じられる形となった秋田。
同サイドでの細かい繋ぎからのスルーパス攻勢へと舵を切るも、その裏抜けもヴェルディの最終ラインが対応して中々繋がらず。

そんななか14分に敵陣でボール奪取という違った形での好機を迎え、ヴェルディのトランジションを受けて速攻は出来ずも、藤山の左→中央へのミドルパスを水谷がスルーし、エリア内の梶谷へと渡り。
これを反転シュートに持っていった梶谷ですが、ゴール左へと僅かに外れて先制はなりません。

秋田のストロングポイントを消す事に意識を割くヴェルディですが、反面自身からの攻撃は殆ど形にならず。
典型的なトレードオフといった内容でしたが、20分に自陣からのスローインを空中で繋ぎ、齋藤功の胸での落としを経て地上から前進。
稲見の左→右へのサイドチェンジが決まったのち、宮原の手前からのクロスを加藤蓮が大外から合わせにいく(クリアされて撃てず)という具合に、ワイドをくまなく使った攻撃を見せたもののそれだけといった第1クォーターに。

24分に挟まれた飲水タイム。
ヴェルディは27分に最初に好機を掴み、空中戦を経て中原がドリブルからグラウンダーでのクロスに持ち込むもやはりシュートには繋がらず。
これ以降打ち止めとなり、再び受けに回る事に。

相変わらず秋田対策が光るものの、34分に諸岡のパスカットを受け、彼のドリブルを後ろから反則で止める形となった森田が警告を受け。
やはりショートカウンターに持ち込まれる事がこの日一番の脅威といった感じで、秋田はこれで得たFK(右サイドかなり手前)から、キッカー水谷ファーにクロス→河野折り返しという定番の形で好機。
こぼれ球を才藤が拾ってシュートに持ち込みます。(ブロックに当たり枠外)
38分は自陣からのスローインを、GKへと戻したうえで圍がロングフィードを送った事で敵陣奥でのスローイン(=ロングスロー)に持ち込むなど、ヴェルディの対策にも慣れを示し始め。

良い守備が続いているうちに、良い攻撃を見せたいヴェルディ。
次第に秋田のプレッシングも、2トップがアンカー側で構えるスタイルへと移行するとボール保持も上がり。
40分に奈良輪の対角線へのロングパスからの攻撃、セカンドボールを確保して細かく繋ぎ、奥を窺う姿勢から宮原が戻りながらのキープでプレスを誘った末にスルーパス。
走り込んだ染野が最奥からグラウンダーでクロスを送ると、ニアに走り込んだ加藤蓮が合わせましたがGK圍が眼前でセーブと、際どく防がれます。

これがこの日のヴェルディの初シュートで、かなりゴールに近付いたものの依然として攻撃機会は秋田が圧倒する流れ。
しかしその秋田も長所を発揮する機会は少なく、ヴェルディのプレッシングに対して後方でパスワークでいなすという、これが本当に秋田なのかと疑うようなシーンも作ります。(あくまでロングパスを送る隙を作る意味合いでしょうが)

結局スコアレスで前半が終了。
お互い攻撃で本来の持ち味を出す事が少ない、我慢比べという内容だったでしょうか。

後半の入り、秋田は自陣からのスローインを受けた畑がそのまま右サイドをドリブル、一気に奥へと切り込んでCKへと持ち込み。
ヴェルディの対策の外からの攻撃パターンで、何とか均衡を崩さんという立ち回り。

一方のヴェルディは相変わらずで、後半4分に左サイド深めで染野がボール奪取した事でCKを得たように、チャンスが来れば……という戦い。
それでも8分にGKマテウスからのビルドアップで、戻しを経てマテウスのフィードで秋田のプレッシングを脱出。
ここからヴェルディらしいポゼッション……では無く、齋藤功の対角線のロングパスに走り込んだ奈良輪、そのままダイレクトで左ポケットへ送り。
受けた加藤蓮のクロスを染野が合わせヘディングシュート(枠外)と、主体的な崩しの中でも速攻気味の攻めで好機を作ります。

しかし9分、秋田にロングボール攻勢に持ち込まれると、平の対応ミスも絡み齋藤恵に裏に抜け出されかかり。
何とかクリアするもセカンドボールを繋がれ、千田が高田に対する反則で止めてしまう始末。(しかも警告)
これで得た右サイドからのFK、それと同時に齋藤恵→丹羽へ交代と、早くも動きを見せた秋田。
キッカー水谷ファーにクロス→才藤ヘディングシュート(枠外)と、しっかりフィニッシュに繋げ。

とうとう守備陣にミスが生まれたヴェルディ、以降も空中戦を制される事で秋田に攻撃を許すシーンが目立ち始め。
17分には千田と梶谷のボール争いの中、顔にチャージを受けた千田が蹲り。
これに対し尚も梶谷が抗戦姿勢を見せた事でヴェルディサイドのヒートアップを呼ぶなど、試合の流れ以外での醜悪なシーンも生まれてしまい。

そんな不穏な空気が覆う相手の隙を突きたい秋田、ベンチは19分に3枚替えを敢行します。(水谷・畑・梶谷→三上・中村・青木)
青木・中村というターゲットマンが出来た事と、ヴェルディサイドの守備強度が落ちて来た事でロングボール攻勢も巧くいくようになり。
21分には左サイドで阿部ミドルパス→青木フリックという流れから組み立て、ワイドから前進する丹羽がそのままシュートを狙ったものの枠を捉えられず。

退潮気配が漂うヴェルディですが、24分に挟まれた飲水タイムの明け方に最初のカードを切り。
加藤蓮・中原→山田剛・綱島へと交代し、齋藤功が右ウイングへ回ります。

27分に右スローイン→綱島フリックでアタッキングサードに持ち込むヴェルディ。
綱島のクロスをキャッチしたGK圍から、素早いスローでカウンターに持ち込む秋田、高田が右サイドをドリブルで駆け上がり。
そして追い越してパスを貰う中村からダイレクトでクロス、中央でバウンドするもその奥で三上が跳び込みましたがクリアされ撃てず。

慌ただしい双方の攻撃シーンが生まれた事で、試合も乱戦模様に。
29分にヴェルディのパスミスをカットして攻め上がる秋田、青木の右サイドでのスルーパスに中村が走り込み、山田剛に蓋をされるものの反則気味に入れ替わって確保に成功。
そしてカットインの姿勢から入れられたクロスに、三上が跳び込みましたがこれも僅かに合わずとモノに出来ません。
一方のヴェルディは、アンカーに入ると思われた綱島が前線に飛び出す事で、そのフィジカルの強さで秋田ディフェンスを苦しめ。
31分には左サイドで受けた綱島がそのまま前進からカットイン、左ポケット奥を突いてGKの眼前からシュートするも、阿部のブロックに防がれます。

その後秋田がGK圍フィード→フリックという流れを何度も通すなど、ヴェルディの対策も既に意味をなさなくなり。
それでも38分に再度ベンチが動き、奈良輪・齊藤功→山越・北島へと2枚替え。(宮原が左サイドバックへ・山田剛が右WGへシフト)
交代の後出しにより、強度で相手を上回れたでしょうか。
更に44分に佐川を投入(染野と交代)と、フィジカル旺盛な選手を入れる事でそれを加速させ。

45分に中盤で奪い合いとなるも、左へこぼれたボールを北島がスライディングで繋ぎ(高田がチャージされるも反則無し)、受けた佐川が中央へ向かってドリブルで持ち運び。
そしてエリア内へラストパスを送りましたが山田剛には合わずと、投入された選手が良く期待に応えて好機を作るヴェルディ。
ここに来て守勢に回る秋田、最後の交代は高田→加賀と守備的なものを強いられます。

そして突入したアディショナルタイム、ゴールキックからのロングフィードを佐川がフリックと、秋田のような攻め手を見せるヴェルディ。
ヘッドで収めた山田剛がそのままエリア内を突き、GKと一対一でシュートを放ちますがGK圍がこれをビッグセーブ。
最終盤で得た決定機も決まらずと、意気消沈しがちな流れのなか尚も押し込むヴェルディ。
左スローインを最奥で受けた山田剛、そのキープを防ぎにいくも加賀が倒してしまい反則。
これでほぼCKに近い左からのFKと、以前の岡山戦を彷彿とさせる最終盤のセットプレー。
そしてキッカー北島のクロスが入ると、中央で合わせにいった平を越え、その奥で佐川がヘディングシュート。
前に出たGK圍に当たりながらもゴールに吸い込まれる、まさに執念と呼ぶに相応しい絵図での先制点をもぎ取ります。

しかし残り少ない時間で諦めない秋田。
ヴェルディの左コーナーでの時間稼ぎを切り(その際ゴールキックの判定への異議で北島に警告)、ロングボールから最後の攻撃へ。
こぼれ球を拾ってラフにロビング、の繰り返しでゴールに迫らんとしますが、右サイド奥で青木→中村へのパスが繋がらずに万事休す。

そしてすぐさま試合終了の笛が鳴り、0-1のスコア通りに紙一重となった試合はヴェルディが制しました。
内容も前述の通り、秋田の戦いを研究、かつ自身も取り入れるという具合にその入れ込み度合が半端無く。
一方それだけJ2で3年目となった秋田の存在感の増大が窺えますが、同時に他クラブがそれをインスパイアする事となると、どうしても秋田自身はハイブリットさに欠けてしまうといった所でしょうか。

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